Rippleの銀行進出とビットコインETF新提案──SECの姿勢変化、Celsius訴訟やステーブル改革も交錯【7月3日】

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Rippleの銀行提携やビットコインETF新提案など、仮想通貨市場の転機を象徴──SECの対応変化や訴訟の行方も含め、全体像は記事で。
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ビットコインは小幅反発、ETF新提案と米株堅調が支えに

2025年7月3日時点、ビットコイン(BTC)は108,995ドルイーサリアム(ETH)は2,573.81ドルで推移しています。前日比では、BTCが+0.03%、ETHが+0.07%の小幅上昇となりました。

仮想通貨市場全体の時価総額は約3.31兆ドルで、前日と比較して大きな変動は見られません。ビットコイン・ドミナンスは約64%で推移し、主要銘柄の存在感が引き続き際立っています。

株式市場との連動と投資家心理

S&P500は6,224.13で終値を付け、史上最高値圏を維持しました。NYダウも高値圏で横ばいとなっており、米株市場全体に堅調さが続いています。

一方、VIX指数(恐怖指数)は16.41と、前日比でやや低下。これにより、市場全体のリスク許容度が回復傾向にあると読み取れます。

ETF期待と主要経済指標の発表待ち

米SECがビットコインETFの審査基準を共通化する方向性を示唆したことにより、投資家の間では承認への期待感が再燃しています。

ただし、7月4日の米国独立記念日前後には、雇用統計やISM非製造業指数などの重要経済指標が控えていることから、マーケット全体には慎重姿勢も見られます。

総じて本日時点の市場は、ETF期待によるポジティブ要素と、マクロ経済指標への警戒感が同時に存在する「選別相場」の様相を呈しています。

規制と訴訟の文脈整理──Ripple、Celsius、SECの対応比較

Celsiusに対するSECの再告発

2025年7月2日、米証券取引委員会(SEC)はCelsius Networkに対する新たな訴状を提出しました。焦点は、同社の「Earn」プログラムと独自トークン「CEL」の証券性に関する判断にあります。

訴状では、これらが未登録証券に該当するとされ、あわせてプラットフォーム運営における顧客資産の不適切な運用、ならびに重要情報の開示不足が問題視されています。2023年後半に一度和解に至った経緯があるなかでの再告発となり、市場関係者に波紋を広げています。

Rippleに対する姿勢の変化とXRPのユーティリティ拡張

一方で、SECとRipple社との関係には変化が見られます。昨年末の部分的な和解以降、SECはXRPの販売形態に対する認識を修正しており、証券に該当しないとされる範囲が明確化されています。

これを受けて、Rippleは7月3日に米国内の地方銀行と提携し、XRP Ledger(XRPL)を活用した小口融資の実証プロジェクトを発表しました。これは、DeFi(分散型金融)領域におけるユースケース拡張を意味し、XRPが国際送金以外の用途で再評価される材料となっています。

SECの対応スタンスに見られる変化

このように、Celsiusへの再告発とRippleに対する規制緩和的な姿勢は、SECが暗号資産業界に対して一律的ではなく、リスク評価や運営体制に基づいた選別的対応へとシフトしている兆候といえます。

今後は、プロジェクトの信頼性や技術成熟度、開示の透明性といった要素が、規制判断においてより重要性を増していく可能性があります。

GrayscaleとETH市場整備──資金流入先としての選別と注目

ETHのネットワーク整備とインフラ戦略

7月2日、Ethereum関連の中核開発組織による発表で、新たな分散型ステーキング支援団体の設立が明らかになりました。名称は「Magic Foundation」とされ、Ethereum財団とは別組織として、セキュリティ強化・開発者支援・運営ガバナンスの健全化を進める役割を担います。

この動きは、ETHエコシステムの持続可能性と自律性を確保するうえでの重要な分岐点と位置づけられます。技術基盤の強化が長期的な投資判断の材料となることから、機関投資家を中心にETHへの関心が再び高まりつつあります。

Grayscaleポートフォリオの再構成とマルチ資産戦略

Grayscaleは7月1日、運用する複数の信託型ファンドのリバランスを公表しました。具体的には、AVAX(アバランチ)、ZIL(ジリカ)、MKR(メイカー)などの構成比を引き上げ、相対的に取引高の低い銘柄を除外する方針が明示されています。

なお、前日報道された「Grayscaleマルチ資産ETF(Dynamic Income Fund)の承認」は、直後にSECの審査無期限延期が判明。市場では一時的な期待剥落が生じましたが、依然として複数銘柄分散型のETF構想自体は投資家の関心を集め続けています。

資金の分散とリスクヘッジの流れ

ETHやGrayscale銘柄への資金流入は、ビットコイン単独への集中から脱却する兆候とも読み取れます。米国の金利や株価との相関を背景に、中規模アルトコインやプロジェクト単位での選別投資が強まっており、機関のリスク分散戦略が色濃く反映され始めています。

この動きは、市場全体のボラティリティ抑制にも寄与しており、ETFなどの規制型投資商品の多様化と合わせて、暗号資産市場の成熟化を示唆する要素といえるでしょう。

ETF期待と米株堅調が支え──ビットコインは10.8万ドル台に回復

2025年7月3日午前9時40分時点、暗号資産市場は全体として回復基調を見せています。 注目のビットコイン(BTC)は108,860.3ドル(+3.28%)イーサリアム(ETH)は2,569.71ドル(+7.14%)と、主要2銘柄が揃って上昇しました。

市場全体の時価総額は約3.31兆ドルに達し、24時間の出来高は1019億ドル。 ドミナンスでは、BTCが64.8%、ETHが8.9%と、ともに小幅上昇しています。 この数字は、今週に入ってからの相場回復の勢いを反映しています。

米国株式市場の好調が暗号資産市場を下支え

株式市場の堅調な推移も、暗号資産にとって追い風となっています。 以下は、主要指数の動きです(7月3日時点):

  • S&P500: 6,227.42(+0.47%)
  • ナスダック総合: 20,393.13(+0.94%)
  • 日経平均: 39,774.50(+0.03%)
  • VIX指数: 16.64(-1.13%)

特にS&P500の上昇とVIXの低下は、リスク選好の地合いが継続していることを示しています。 これにより、仮想通貨市場にも資金流入が継続しています。

市場心理は「ロング」優勢──短期的には上昇バイアス

オンチェーンおよび取引所データからは、投資家心理が強気に傾いていることが読み取れます。

直近24時間でのポジション動向は以下の通りです:

  • ロングボリューム: +58.33%(約411億ドル)
  • ショートボリューム: +40.05%(約383億ドル)

取引所ごとのポジションバランスも、ロング優勢の傾向が顕著です:

  • Binance: ロング/ショート比(口座ベース)=0.44、トップトレーダーポジション比=1.33
  • OKX: トップトレーダー口座比=1.17、ポジション比=0.42
  • Bitfinex: マージンロング=45.52K BTC、ショート=335.22 BTC

このようなデータからは、短期的に「押し目買い」が継続していると見る向きが多く、ETF承認期待と合わせて市場には前向きな見通しが漂っています。

規制と訴訟の文脈整理──Ripple、Celsius、SECの対応比較

Ripple:協調型の規制アプローチに転換

前のセクションでも触れたとおり、Rippleは地方銀行と提携し、XRPを活用した金融支援モデルを展開しています。ここではこの動きを、より大きな文脈で整理します。

もともとRippleは、SECとの長期にわたる訴訟で注目されてきました。しかし現在は、規制当局との「対立」から「共存・協調」へと方向を転換しています。これは、XRPを使ったユーティリティ強化と、地域金融との接続を同時に実現する構想といえます。

結果として、RippleはDeFi的実装と伝統金融の橋渡しを図る「新しい規制対応モデル」として再評価されつつあります。

Celsius:不正摘発の象徴としての訴訟構造

一方でCelsiusは、全く異なる方向で規制と向き合っています。7月2日、米証券取引委員会(SEC)と司法省は、Celsiusの旧経営陣に対して詐欺および虚偽報告の疑いで正式提訴しました。

主な争点は、顧客資産の誤用と財務状況の虚偽表示です。CelsiusはFTXやVoyagerと並び、業界の信頼を損ねた事例として認識されており、今回の訴訟も「業界の健全化」を目的とした摘発的アプローチとして捉えられています。

Grayscale ETF:SEC判断の不透明性が再び焦点に

さらに7月2日、Grayscaleが申請していたマルチ資産ETF(Dynamic Income Fund)の審査が無期限延期となりました。

これは、他のETF案件と比べてSECの対応に一貫性がないという批判を招いています。同じタイミングでFidelityなどのETFは前向きに受理された一方で、Grayscaleのみが「未定」で据え置かれたことに、市場参加者は「恣意的な判断が続いている」と警戒感を示しています。

3つの事例に共通する構造的視点

以上の3つの事例(Ripple・Celsius・Grayscale)は、米国規制の方向性が一枚岩でないことを示しています。

  • Ripple:協調型のモデル構築で規制と共存
  • Celsius:明確な法令違反としての摘発対象
  • Grayscale:判断が示されず、先送りされる曖昧ゾーン

この構図は今後、ETFやDeFi、取引所などにも波及し、各プロジェクトの戦略設計に影響を与える可能性があります。

今後の展望とリスク──イベント集中と流動性変動の警戒

米国雇用統計とFRB発言──7月4日以降に山場

今後数日間、米国を中心とした経済イベントが集中します。とりわけ7月4日の独立記念日前後の経済指標は、仮想通貨市場の方向性を左右する重要な要因となります。

7月3日時点で予定されている注目指標は以下の通りです。

  • 21:30:米・非農業部門雇用者数(予想:120K)
  • 21:30:平均時給(前月比)
  • 21:30:失業率(予想:4.3%)
  • 22:45:サービス業PMI
  • 23:00:ISM非製造業指数

これらの数値は、今後の利下げ方針やドル流動性に直結する可能性があり、結果次第ではビットコインや主要アルトコインの方向感に強い影響を与えることが想定されます。

ロング・ショート比の乖離──ポジション偏りへの警戒

オンチェーンおよびデリバティブ市場において、現在ロングポジションの偏りが見られています。Coinglassによると、24時間ロングボリュームは+58.33%($41.10B)と急増しており、Binanceではロング/ショート比が0.44(口座ベース)に低下しています。

この状態は、投資家心理が短期的な強気に傾いていることを示す一方、価格調整局面での急落リスクが高まる構造でもあります。特に、Bitfinexのマージンロングポジションが約45.5K BTCに達しており、清算(ロスカット)を引き起こす引き金になる可能性も指摘されています。

アルトコイン市場とETF審査の遅延──循環物色に注意

Grayscaleのマルチ資産ETFが7月2日に無期限延期となった影響は、現在も市場の注目を集めています。これにより、ETFに対する選別的な視線が強まりつつあります。特に、Ethereumを中心とする大型アルトコインに資金が再流入する一方で、Solana・Zilliqa・AVAXなど新興銘柄も物色対象となっています。

これにより、短期的な循環物色が強まる可能性があり、ボラティリティ上昇には注意が必要です。価格変動が激しくなれば、レバレッジ取引の過熱や過剰反応がリスク要因となり得ます。

ETF期待と規制の交錯──変化する地合いにどう備えるか

2025年7月3日の暗号資産市場は、ビットコインの価格上昇とETF関連の新提案が市場心理を支える一方、SECの訴訟対応や規制スタンスの変化が投資家の注視対象となりました。

特に、Rippleによる地方銀行との提携や、Celsiusの新たな訴訟動向は、暗号資産の実需や法的整理の進展を映す動きとして重要です。 同時に、MAGACOINやZILといった新興銘柄にも資金が向かっており、中小トークンへの分散投資やリスクテイク意欲の高まりも見て取れます。

これらの情報を踏まえると、現時点では「中立〜やや強気」なセンチメントが市場に広がっているといえます。 ただし、経済指標の発表や規制判断の行方によってはボラティリティが急拡大するリスクもあり、ポジション管理には引き続き慎重さが求められます。

本記事には、AIによるデータ収集・分析結果も一部含まれています。 情報の正確性には十分留意しておりますが、実際の相場と乖離する可能性もございます。 また、本記事は特定の投資判断を促すことを目的としたものではなく、市場理解を深めるための情報提供にとどまります。 投資判断は必ずご自身の責任にて行ってください。

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