- ビットコインは10.9万ドルで小幅高、ドミナンス57%台に維持(市場概況)
- ETF動向:ETHに資金回帰、SOL現物ETFはS-1一斉改訂
- RWA進展:深セン市福田投控がETH上で公募債、トークナイズド金も最高規模
- 規制・政策:日本の金商法一本化検討、EUはトークン化株式の誤認リスクを指摘、米議会は市場構造法案に焦点
- ネットワーク・技術:BTCハッシュレートが過去最高、BRC2.0でEVM統合、ETHはHolesky終幕へ
- 取引所・運用・実需:OKXが6銘柄上場廃止、豪SMSFでの暗号資産運用、UAE不動産がBTC等決済に対応
- 企業動向:メタプラネットが保有2万BTC到達、公開企業の保有拡大も進行
- セキュリティ:Discordの「Try my game」詐欺が再燃、コミュニティ信頼の悪用に注意
- 今後の展望とリスク:イベント集中の1週間、ETF判断期・RWA拡大・ネットワーク移行の三層で注視
- 結論・要点整理:資金フローはETH優位へ、RWAと実需採用の広がりがテーマ化
ビットコインは10.9万ドルで小幅高、ドミナンス57%台に維持(市場概況)
9月2日10:08(東京)時点の暗号資産市場は、方向感に乏しい展開でした。総時価総額は3.77兆ドル。24時間出来高は1,450.6億ドルです。ビットコインは小幅高、イーサリアムは軟調で、銘柄間の強弱が分かれています。
主要価格と24時間変動
- BTC:109,206.4ドル(+0.94%)
- ETH:4,301.95ドル(-2.66%)
- XRP:2.7569ドル(-0.32%)
- BNB:846.80ドル(-1.79%)
- SOL:197.499ドル(-1.80%)
- DOGE:0.210191ドル(-1.24%)
- USDT/USDC:1.0007ドル/1.0000ドル
市場シェア(ドミナンス)と資金の向き
ビットコインのドミナンスは57.3%、イーサリアムは14.1%です。市場全体の時価総額に占める比率から、直近の資金配分はビットコイン優位の状態が続いています。
株式・為替の外部環境
株式はアジアでまちまちです。
- KOSPI:3,164.62(+0.69%)
- Nifty 50:24,625.05(+0.81%)
- IDX総合:7,736.07(-1.21%)
為替はドル高がやや優勢です。
- USD/INR:88.062(+0.10%)
- USD/SEK:9.3912(+0.16%)
- USD/MXN:18.6490(+0.11%)
これらの外部環境は、暗号資産の短期フローに影響を与えやすい状況です。
今週のイベント(足元の関心)
- 9月2日:ユーロ圏HICP速報、ブラジル4–6月期GDP、米8月ISM製造業
- 9月4日:米ADP雇用
- 9月5日:米8月雇用統計、カナダ雇用
- 来週:米CPI、ECB理事会
これらの結果は金利見通しの再評価につながります。そのため、現物ETFへの資金フローと価格の方向性に波及する可能性があります。
ETF動向:ETHに資金回帰、SOL現物ETFはS-1一斉改訂
資金フローの概況(8月と前週)
8月は暗号資産投資商品の資金流入が回復しました。月間では合計でプラスに転じ、年初来の累計も増加しています。とくにイーサリアム連動商品への資金が優勢でした。8月のETH関連は約39.5億ドルの純流入でした。一方、同期間のビットコイン関連は約3.01億ドルの純流出でした。前週(8月最終週)は全体で約24.8億ドルの純流入です。地域別では米国が大半を占めました。PCE公表後は金利観測の揺れもあり、運用資産残高は一時的に目減りしています。
BTC現物ETF:流出局面からの持ち直し
前週はビットコイン現物ETFに+3,018 BTCの純流入が入りました。直前までの流出基調から切り返した形です。価格は約10.8万ドル圏で推移する中での資金回帰で、需給の下支え要因になりました。ただし、流入は連続性が重要です。週次の反転が定着するかは、マクロ指標と金利見通しに左右されます。
Solana現物ETF:主要運用会社がS-1を同時改訂
ソラナの現物ETFをめぐり、主要な発行体がS-1を同時期に改訂しました。S-1(Form S-1)は米証券取引委員会(SEC)に提出する有価証券の登録届出書です。新規上場や公募の際に、商品構造、手数料、保管体制、リスクなどを開示します。審査ではSECからコメントが入り、発行体はそれに応じて改訂版を提出します。
今回の改訂はCanary、Franklin、VanEck、Grayscale、21Shares、Fidelity、Bitwiseが対象です。複数社が同日程で修正したことは、横断的な指摘への一斉対応を示します。10月の審査期日が近づく中、手続きが次段階へ進んだサインと位置づけられます。
投資家への示唆(短期とイベントドリブン)
- 短期は「ETH優位のフロー」と「BTCの持ち直し」の綱引きです。
- ソラナETFの手続き前進は、ナラティブの焦点を分散させます。
- 週次フローはマクロ指標に反応しやすく、変化も速い点に留意が必要です。
- 10月の審査節目までは、ヘッドラインで上下に振れやすい地合いです。
RWA進展:深セン市福田投控がETH上で公募債、トークナイズド金も最高規模
中国・公募型RWA債の初事例(イーサリアム)
深セン市の国有企業、福田投資控股が8月29日にイーサリアム上で公募のデジタル債を発行しました。発行総額は5億人民元、期間は2年、表面利率は2.62%です。国際格付けはフィッチ「A-」でした。トークンは「FTID TOKEN 001」として設計され、オンチェーンで管理されます。
従来の私募から公募へ(市場アクセスの拡大)
本件は香港を中心に進んできた私募型のトークナイズド債から、公募・上場スキームへ進んだ点が特徴です。トークン化証券でありながら、伝統市場の取引インフラに接続しました。これにより、投資家層の拡大と二次流通の可視化が進みます。発行プラットフォームは香港拠点のNVTが提供しました。
資本市場の実装面(体制とガバナンス)
主幹事は広発証券で、複数の投資銀行が共同で関与しました。上場手続きとディスクロージャーを前提にした枠組みです。中国本土は暗号資産取引を制限していますが、実物裏付けの金融商品に対するブロックチェーン活用は進んでいます。今回はその運用ルールを満たす形での実装です。
トークナイズド金の市場規模が過去最高
金現物裏付けトークンの時価総額は25.7億ドルに拡大しました。XAUTは8月に4.37億ドル相当を新規発行し、供給が増加しました。PAXGも6月以降で1.415億ドルの純流入です。金価格が4月高値に接近する局面で、安全資産需要がオンチェーン商品にも波及しています。
機関投資家の関心軸としてのRWA
公募型RWAと金連動トークンの拡大は、オンチェーンでの実物連動資産の確立を示します。ETFフローと並ぶ受け皿として、規制適合と保管体制を備えた商品が増えています。短期的には取引流動性と価格乖離の管理が課題です。中期的には、ディーラー機能と開示の標準化が市場厚みを左右します。
規制・政策:日本の金商法一本化検討、EUはトークン化株式の誤認リスクを指摘、米議会は市場構造法案に焦点
日本:暗号資産を金商法で一元化する議論
金融庁は暗号資産の主たる適用法令を金融商品取引法へ一元化する案を検討しています。狙いは二重規制の解消とルールの明確化です。資金決済法の枠組みは、必要最小限に整理される見通しです。
- 9月2日に金融審議会のワーキング・グループが開催。
- 移行後も決済利用を制限しない方針を資料で明記。
- 2026年通常国会での改正案提出を目標。
- 日本ブロックチェーン協会は一元化に賛成を表明。
業界側は副次効果にも言及しています。分離課税への移行や国内ETFの解禁に道を開く可能性です。個人向けレバレッジ規制の緩和提案も併記されています。
EU:トークン化株式の投資家保護を再確認
ESMAのナターシャ・カゼナブ氏はトークン化株式の誤認リスクを指摘しました。多くのトークンは議決権や配当を付与しません。投資家が「株式そのもの」と混同する恐れがあります。
- 発行体はSPV経由が多く、価格連動のみの設計が中心。
- 小口化や24時間取引の利便性はあるが、権利は限定。
- 世界取引所連盟も監督強化を要請。
- 現状は小規模かつ流動性が薄い案件が多数。
当局は革新を否定していません。ですが、表示方法と権利の明確化を求めています。投資家保護が優先軸という整理です。
米国:休会明けの優先課題は市場構造法案
米上下院は休会明けの審議を再開します。優先課題はデジタル資産の市場構造法案です。下院は7月にCLARITY法案を可決し、上院審議へ移送済みです。
- 上院銀行委員会は9月の委員会可決を目指す見通し。
- 10月に上院農業委員会での審議が想定。
- CFTC委員長人事やCBDC関連条項も並行議題。
- 年内の大統領署名を見込む声もあるが、時期は不確実。
法案は規制の所管分担や商品・証券の区分に影響します。取引所、カストディ、開示の要件設計にも波及します。
投資家への示唆
- 日本は制度一元化で商品設計が平準化しやすくなります。
- EUは表示と権利の透明性を重視し、設計に制約が残ります。
- 米国は市場構造の確立で、上場と保管の実務が整理されます。
- 三市場の制度整理は資金流入の経路とコストを左右します。
ネットワーク・技術:BTCハッシュレートが過去最高、BRC2.0でEVM統合、ETHはHolesky終幕へ
ビットコイン:ハッシュレート「Z H/s」とは何か
ビットコインの計算力(ハッシュレート)が過去最高となりました。「Z H/s(ゼタハッシュ毎秒)」は、1秒に10の21乗回の計算を行う規模を指します。参加する計算資源が増えるほど、攻撃への耐性が高まりやすく、ネットワークの安全性の向上につながります。
イメージとしては、多人数で同じパズルを解く状況です。参加者が増えると試行回数が増え、全体として解き続ける力が強くなります。
難易度の仕組みと収益性
ビットコインは約2週間ごとに「難易度」を自動調整します。目標は平均10分に1ブロックを維持することです。難易度が上がると、同じ報酬を得るために必要な計算量が増えます。そのため、電力コストや設備投資の負担が重くなり、採算に影響します。
交通量に合わせて信号間隔を調整するのに近い動きです。計算力が増えると流れが速くなるため、難易度を引き上げて平均速度を保ちます。
BRC2.0:EVM統合で何ができるか
BRC20の拡張版「BRC2.0」は、イーサリアム互換の考え方(EVM)を取り入れました。これにより、条件に応じて自動処理を行う仕組みを、ビットコイン上でも表現しやすくなります。基盤のルールを変えるのではなく、インデクサなどの周辺機構を活用して機能を広げる点が特徴です。
資産の発行や移転の設計自由度は増しますが、権限設定やアップグレード手順の不備はリスクになります。段階導入とコード監査、鍵管理の徹底が前提となります。
イーサリアム:Holesky終了とテストネット再編
イーサリアムはテスト環境を再編します。HoleskyはFusaka完了後、2週間で終了予定です。長期検証やステーキング運用はHoodiへ、アプリやツールの一般的な動作確認はSepoliaへ集約されます。用途が整理されることで、開発や運用の切り替えが明確になります。
運用・開発・投資の留意点
- マイニング運用:難易度上昇時は電力コストと手数料収入の見通しを再計算する。
- BRC2.0導入:小規模で検証を始め、権限とアップグレード権限を最小化する。
- ETH開発:RPCやテストトークン入手先をHoodi/Sepolia向けに更新し、移行手順を文書化する。
- 投資判断:ネットワーク強化は中長期の安心材料になりやすいが、短期価格と必ずしも一致しない点を整理する。
取引所・運用・実需:OKXが6銘柄上場廃止、豪SMSFでの暗号資産運用、UAE不動産がBTC等決済に対応
取引所の上場管理、年金マネーの受け皿、実物資産の決済活用で動きがありました。個人ユーザーに関係するポイントと、市場への含意を簡潔に整理します。
OKX:6銘柄の上場廃止に伴うユーザー対応
OKXは9月1日に、WBTC、JST、BTT、ERN、GLMR、MOVRの上場廃止を発表しました。該当の現物ペアは9月8日17時〜19時(日本時間)に取引停止となります。入金はすでに停止済みで、出金は12月1日以降に不可となる予定です。
- 保有がある場合は、出金期限前の移動や売却を早めに検討する。
- 取引停止前は板が薄くなりやすく、価格乖離に注意が必要です。
- 他の取扱い有無は、各取引所の公式告知で確認してください。
豪州SMSF:年金分野でのアクセス拡大
9月2日までの報道で、コインベースとOKXが豪州の自主管理年金(SMSF)向けサービスを拡充しました。口座開設支援やカストディ、記帳などを一体で提供します。SMSFでは暗号資産の保有が広がり、長期資金の受け皿が整いつつあります。
- 長期保有主体の増加は、売買フローの偏りを和らげる可能性があります。
- 一方で、個人の運用選択やコストは、各プラットフォーム条件に依存します。
- 保有先は分散し、カストディの方針を事前に確認する必要があります。
UAE不動産:RAK Propertiesが暗号資産決済を導入
9月2日の報道によると、UAEのRAK Propertiesは国際不動産取引でBTC、ETH、USDTなどの受領を開始します。決済はHubpayが仲介し、受領資産はUAEディルハムに即時換金される設計です。価格変動リスクを抑えつつ、海外顧客の支払い手段を広げます。
- ユーザー側は、ネットワーク手数料や為替差の生じ方を確認してください。
- 本人確認(KYC)や送金上限など、決済条件は事業者の規定に従います。
- 不動産のような高額取引で、ステーブルコイン活用が進む可能性があります。
上場廃止は個別銘柄の流動性と価格形成に影響します。年金口座の拡大は保有主体の多様化を示します。不動産決済への対応は実需の広がりを示す動きです。ユーザーはスケジュールと条件を早めに確認し、手続きに余裕を持って対応する必要があります。
企業動向:メタプラネットが保有2万BTC到達、公開企業の保有拡大も進行
企業のビットコイン保有が拡大しています。メタプラネットは追加取得で2万BTCに到達しました。公開企業の保有上位も増加傾向です。需給の引き締まりを指摘する調査も出ています。一方で、資金フローが反転した際の変動拡大には注意が要ります。
メタプラネット:2万BTCと資本政策の概要
同社は9月1日に1,009BTCを追加しています。平均取得単価は約11.07万ドルでした。累計保有は2万BTCです。臨時株主総会では大型の資金計画が承認されました。優先株の発行枠を用い、2027年までの積み増しを想定します。
- 発行上限は5億5,500万株相当(約3.8十億ドル)。
- 優先株はAとBの二種類です。Aは年5%の配当設計です。
- 優先株の残高は、BTC純資産の25%を上限とします。
四半期利益は黒字を維持しました。オプション販売による収益も計上しています。指数組み入れの拡大も報告されています。同社は210,000BTCの長期目標を掲げています。
公開企業の保有状況:上位の顔ぶれ
公開情報に基づく上位の保有は以下の通りです。比率は執筆時点の公表値に準じます。
- Strategy(旧MicroStrategy):632,457 BTC。
- Marathon Digital:50,639 BTC。
- Twenty One(上場計画中):約43,514 BTC。
- Bitcoin Standard Treasury Company:30,021 BTC。
- Bullish:24,000 BTC。
- Metaplanet:20,000 BTC。
このほか、RiotやCleanSpark、Coinbaseも保有を公表しています。公開企業の累計は供給の一部を占める規模に達しています。保有主体の増加は、市場構造に影響を与えやすくなります。
需給への示唆:買付速度と流動性の論点
調査会社の集計では、企業とファンドの買付は日量3,000BTC超の局面がありました。マイナーの新規供給は日量約450BTCです。買付が続くと、取引所の在庫は薄くなります。価格はフローの影響を受けやすくなります。
- 大口はOTCで分散約定する場合があります。短期の価格影響は抑制されます。
- ただし、在庫が薄いと逆フロー時の変動が拡大しやすいです。
- 保有の集中は、市場のボラティリティを高める要因になり得ます。
企業の積極的な取得は、中長期の需給を引き締めます。一方で、資金調達環境の変化には影響を受けます。調達コストや株価との連動もモニターが必要です。
セキュリティ:Discordの「Try my game」詐欺が再燃、コミュニティ信頼の悪用に注意
Discord上で「ゲームを試して」と誘い、外部サーバーからマルウェアを配布する手口が報告されています。攻撃者はサーバーに潜伏し、共通の知人や話題を装って接近します。被害は暗号資産ウォレットやNFTの流出に直結します。コミュニティ内の信頼や好意が狙われる点が特徴です。
手口の特徴
- 攻撃者はフレンドの知人を装い、ゲームのテストやプレイを持ちかけます。
- 配布ファイルや導線にマルウェアが仕込まれています。
- 端末が乗っ取られると、ウォレットやDiscordアカウントに不正アクセスされます。
- 会話は丁寧で自然です。短時間での決断を迫る点もあります。
想定される影響
- 秘密鍵やシードフレーズの流出につながります。
- ブラウザ拡張のウォレットから資産が送金されます。
- Discordアカウントが奪取され、さらに被害が拡大します。
予防策(ユーザーがすぐ実行できる対策)
- 見知らぬリンクや実行ファイルは開かないでください。
- 二要素認証を必ず有効化し、認証アプリを使います。
- ゲーム用と資産管理用で端末やユーザーを分けます。
- ウォレットはハードウェア型を主に使い、拡張機能は必要時のみ有効化します。
- 署名内容を必ず確認します。ブラインド署名(内容未確認の承認)は避けます。
- DiscordのDMはフレンドのみ許可にし、サーバーからのDMを制限します。
- 大切な資産はコールド保管に移し、日常用は少額に限定します。
被害が疑われる場合の初動
- 機内モードにしてネット接続を遮断します。
- まだ無事な端末で資産を新しいウォレットへ速やかに退避します。
- Discordとメールのパスワードを変更し、二要素認証を再設定します。
- ブラウザ拡張の権限と、過去の承認(approval)を見直し、不要な承認は取り消します。
- 所属サーバーに管理者経由で注意喚起を依頼します。
本件はソーシャルエンジニアリングの代表例です。コードの脆弱性ではなく、人の信頼が狙われます。見知らぬ依頼は一度断り、別経路で本人確認を行ってください。迷った場合は「何もしない」選択が最も安全です。
今後の展望とリスク:イベント集中の1週間、ETF判断期・RWA拡大・ネットワーク移行の三層で注視
今週のマクロイベントと金利観測
今週は米国の景況感と雇用が焦点です。9月2日にISM製造業、9月4日にADP雇用、9月5日に米雇用統計が並びます。数値次第で利下げ観測が揺れ、ドルや金利が変動します。暗号資産のフローとボラティリティにも波及します。来週は9月11日の米CPIとECB理事会が控えます。物価と政策の組み合わせが、リスク資産の選好を左右します。
ETF審査の進捗とフローの行方
ソラナ現物ETFは主要な発行体がS-1を同時期に改訂しました。S-1は米SECへの新規有価証券登録書です。事業概要やリスクを示し、審査の前提資料になります。10月に複数の判断期が到来します。進捗が示されれば、関連資産への資金配分が変化しやすくなります。XRP現物ETFの申請動向も並行して注視されます。
ネットワーク移行と開発環境の安定性
イーサリアムはHoleskyの役割を終え、HoodiやSepoliaに機能を集約します。検証ノードやテスト資産の扱いが整理されます。移行途上は検証環境の再構築が必要です。インフラ事業者やステーキング事業者の対応速度が、アプリの開発・保守に影響します。Fusakaまでの過程と移行完了時期を確認する必要があります。
RWA拡大の波及経路
深センの国有企業が、イーサリアム上で公開上場のRWAデジタル債を発行しました。2年物・利率2.62%で、伝統市場と接続した公募です。公募型の成功は、他地域の案件形成を促します。トークナイズド金などの現物裏付けトークンも残高を伸ばしています。利回りと担保資産の透明性が、機関の導入を後押しします。
主なリスクとチェックリスト
- 経済指標のサプライズで金利とドルが急変し、暗号資産のフローが反転する。
- ETF審査の遅延や追加要請で、関連銘柄の思惑が後退する。
- テストネット移行に伴う不具合で、アプリやステーキング運用に遅延が生じる。
- 取引所の上場管理強化やペア削減で、特定銘柄の流動性が低下する。
- Discord経由のマルウェア配布など詐欺事案で、投資家心理が悪化する。
結論・要点整理:資金フローはETH優位へ、RWAと実需採用の広がりがテーマ化
本日の最大ポイントは、ETH優位の資金循環です。SOL現物ETFの審査が前進し、思惑が広がりました。RWAの公募債と実需決済が拡大し、資金の受け皿が多様化しています。ネットワーク面ではBTCハッシュレート更新とETHの検証環境集約が進み、基盤整備の動きが続きます。
短期はイベント通過待ちのレンジが想定されます。ポジションはイベント前のリスク調整とETFフローに連動しやすい局面です。中期はRWA・実需・企業保有増が需給を支えやすい構図です。個別銘柄では、上場管理強化やセキュリティ事案が流動性と心理に影響します。
明日以降のチェックポイント
- ETF関連の開示と当局の要請事項の有無。
- 米経済指標のヘッドラインと金利・ドルの反応。
- RWAの新規公募案件や実需決済の導入状況。
- 主要ネットワークのメンテナンス計画と移行進捗。
- 取引所の上場管理方針と流動性の変化。
本記事にはAIによる収集・分析データが一部含まれます。情報の正確性には十分留意していますが、最終的な判断はご自身の責任でお願いします。
また、本記事は投資判断を促すものではなく、市場理解を目的とした情報提供にとどまります。
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