- 市場は小動き、BTCは11.56万ドル・リスク資産は底堅さ継続
- マルチ資産ETF『GDLC』がNYSE Arcaで取引開始
- ビットコイン難易度が過去最高を再更新、選別進む採掘
- ETHデリバティブはコール優位、4,000ドル台に厚い“床”
- マクロ流動性の見方割れる──TGA目標と利下げ開始後の資金循環
- DeFi TVLはサイクル高水準へ、LSTは資金出入りが交錯
- ステーブル規制の両にらみ──米GENIUS法のANPRと伊中銀の警鐘(続報)
- インフラと清算の進展──BitGoがNYSE上場申請、FTXは第3弾.6B配当
- 今後1週間の注目:米住宅・GDP・PCE、SNB、ETH週次OP満期
- まとめ:狭いレンジの中で「器」は拡大、方向感はイベント待ち
市場は小動き、BTCは11.56万ドル・リスク資産は底堅さ継続
今日の主要ポイント
- 時価総額:4.03兆ドル/24H出来高:1,190億ドル
- BTC:$115,610(-0.11%)/ETH:$4,477(+0.02%)
- BTCドミナンス:57.2%
- 米株:ダウ+0.37%、S&P500+0.49%、ナスダック+0.72%
- VIX:15.45(低位安定)
- 為替:ドル円147.95付近、ユーロドル1.174台
- 商品:金先物$3,705.8は堅調、WTI原油$62.68は続落
暗号資産の足元
暗号資産全体は小幅な値動きです。市場規模は4.03兆ドルです。24時間出来高は1,190億ドルです。提出データは日本時間9月21日9時29分時点です。
ビットコインは$115,610です。前日比は-0.11%です。イーサリアムは$4,477です。前日比は+0.02%です。ビットコインの存在感を示すドミナンスは57.2%です。
値幅は限定的です。強い材料は見当たりません。一方で、リスク資産への資金姿勢が相場を支えています。
伝統市場の動き(前営業日・NY時間)
米株は前営業日(ニューヨーク時間9月19日)の終値です。ダウは+0.37%です。S&P500は+0.49%です。ナスダックは+0.72%です。VIXは15.45で低位です。
本稿の執筆時点は日本時間9月21日(日)午前です。海外株式は週末で休場です。直近の株価は参考値として扱います。
為替とコモディティ
為替はドル円が147.95付近です。ユーロドルは1.174台です。いずれも提出データの前営業日ベースです。
商品は金が堅調です。金先物は$3,705.8です。原油は軟調です。WTIは$62.68です。インフレ関連の手がかりは限られ、価格は材料待ちです。
全体感
暗号資産は狭いレンジでの推移です。米株の底堅さが心理を下支えしています。明確な方向づけは、週明けの経済指標や政策イベント待ちです。
用語解説
- 時価総額:市場全体の推定価値。価格×発行数の合計。
- 24H出来高:直近24時間で売買された金額の合計。
- BTCドミナンス:暗号資産全体に占めるビットコインの比率。
- VIX:米株の予想変動率を示す指標。低いほど平常時に近い。
- 先物価格:将来の受け渡しを前提とした取引価格。金や原油で参照される。
マルチ資産ETF『GDLC』がNYSE Arcaで取引開始
本件は先日に触れた内容の続報です。Grayscaleのマルチ資産ETF「GDLC」がNYSE Arcaで取引を開始しました。構成はビットコイン、イーサリアム、XRP、ソラナ、カルダノの主要5銘柄です。単一のティッカーで分散エクスポージャーを取得できます。米規制市場を経由したアクセス手段が、もう一段拡充した形です。
GDLCの位置づけと仕組み
GDLCは「バスケット型」の上場商品です。複数の暗号資産をまとめて保有します。連動対象はCoinDesk 5 Indexです。四半期ごとにリバランスが行われます。投資家は株式と同様に立会時間内で売買できます。開示や保管の枠組みは既存ETFの枠内で運用されます。
SECの上場基準と新顔ETFの動き
米SECは9月18日に「汎用」上場基準を承認しました。商品系トラストの上場プロセスが明確化しています。条件を満たす暗号資産関連商品の増加が見込まれます。一方で、Tidalは「AltAlt Season」を掲げるレバレッジ型ETFを申請しました。初期の対象はXRPとソラナです。レバレッジ型は価格変動が大きく、目論見書でもリスク説明が強調されています。商品多様化と規制の線引きが同時に進行しています。
市場インパクトの整理
GDLCの上場で、ビットコインとイーサに偏らない分散が取りやすくなりました。テーマ型の新規申請も相次ぎ、アルトコインへの資金導線が増えています。短期的な焦点は売買代金と気配値の厚みです。中期的には指数リバランスが個別銘柄の相対需給に影響します。上場基準の実装フェーズ入りで、商品ラインアップと投資家層の裾野拡大が併走しています。
用語解説
- ETF:取引所に上場する投資信託。市場価格で売買できる。
- バスケット型:複数資産をまとめて保有する商品設計。
- 汎用上場基準:定められた条件を満たす商品が個別審査の簡素化で上場できる枠組み。
- レバレッジ型ETF:対象資産の値動きを複数倍に連動させる設計。価格変動リスクが大きい。
- Altシーズン/AltAltシーズン:ビットコインよりアルトが強い局面。AltAltは中小型が主役の局面。
ビットコイン難易度が過去最高を再更新、選別進む採掘
昨日に紹介した、ビットコインの採掘難易度が142.3兆に到達し、過去最高を更新した件です。。計算資源の投入が続き、ネットワークの耐性は厚みを増しています。一方で、電力コストと設備効率の差が収益に直結し、事業者の選別が進んでいます。
難易度上昇とハッシュ動向
難易度は8~9月にかけて連続で高値を更新しました。ハッシュレートも最高圏との報告です。小規模事業者は収益が圧迫されやすい局面です。大手は最新機の導入や電源契約の最適化で対応しています。
電力コストが採掘の分水嶺に
採掘は電力多消費の事業です。電気料金の条件が損益を左右します。長期の電源契約や自家発電の活用が広がっています。政府系や電力インフラ企業の参入も競争を強めています。
テキサスの需給調整と採掘の併用
米テキサスでは、電力会社が需給調整に採掘を使う例があります。需要が低い時間帯に余剰電力を消費します。需要が高い時間帯は即時に停止します。系統の安定化と収益化を両立させる試みです。
収益維持の鍵とリスク視点
難易度の上昇は採掘者の負担増につながります。収益維持の鍵はビットコイン価格と機器効率の両輪です。停止要請や規制対応のコストも無視できません。設備更新のタイミングと電源の確保が重要になります。
用語解説
- 採掘難易度:ブロック生成の難しさを示す指標。約2週間ごとに調整。
- ハッシュレート:ネットワーク全体の計算能力。高いほど安全性が高まる。
- 需給調整(カーテイルメント):需要急増時に消費を抑える運用。電力網の安定化に用いる。
- 最新機の効率:消費電力あたりの計算性能。新型ほど電力効率が高い。
- 電源契約(PPA):発電側と直接結ぶ電力購入契約。価格と供給の安定化に寄与。
ETHデリバティブはコール優位、4,000ドル台に厚い“床”
イーサリアム(ETH)の先物とオプションは、価格が小動きでも手当てが厚い構図です。先物の建玉残高(OI)は約$64.57B(1,443万ETH)と高水準です。オプションはコール比率が61.1%で、やや上方向に寄った配分です。21日午前の現物は$4,477で、デリバティブはレンジ内の値動きに備える配置が続きます。
先物とオプションのポジション概況
先物OIは9月を通じて積み上がりました。取引所別では大手が中心です。オプションはコールが優勢ですが、プットも一定の需要があります。全体としては過度な片寄りではありません。価格が落ち着く中で、ヘッジとレバレッジの両方が並行しています。
4,000ドル近辺の“フロア”意識
Deribitの9月末限では$4,000プットの建玉が厚い状態です。単一ラインで12万ETH超という報告があります。4,000ドル台に防波堤が形成されやすい配置です。プットの積み上がりは下押しに対する保険の厚さを示します。短期の下値観はこの層で確認しやすい局面です。
年末限は6,000ドルのコール関心が拡大
12月限では$6,000コールへの関心が目立ちます。$5,000や$7,000も併せて建玉が積まれています。遠い満期ほど想定レンジが広くなります。現物が膠着する中でも、年末に向けた上方向シナリオを織り込む動きが見られます。
ガンマ関連の力学と想定レンジ
現物が$4,400台で推移する間は、オプションのヘッジが値動きを吸収しやすい局面です。いわゆるガンマの影響で、価格は建玉の厚い行使価格に引き寄せられやすくなります。最大ペインは9月下旬に$4,000台中盤へ傾くとの観測です。上下どちらかに抜けた場合は、ヘッジの巻き戻しで動意が強まりやすくなります。
用語解説
- 建玉残高(OI):未決済の先物・オプション契約数。資金の滞留度合いを示す。
- コール/プット:上昇に備える権利がコール、下落に備える権利がプット。
- 行使価格(ストライク):オプションの権利行使価格。建玉が多い水準は価格の“磁石”になりやすい。
- ガンマ:価格変化に対するデルタの変化率。ヘッジの売買を誘発し、レンジ形成に影響する。
- 最大ペイン:満期時にオプション保有者が最も損失を被る価格帯とされる指標。
マクロ流動性の見方割れる──TGA目標と利下げ開始後の資金循環
TGAと市場流動性の解釈
米財務省の一般勘定(TGA)は$850Bの目標に接近しています。Arthur Hayes氏は「達成後は資金吸収が止まり、民間へ流れる」と述べました。一方で、BitwiseのAndré Dragosch氏は「暗号資産との相関は限定的」と反論しました。TGAの積み上げは短期の資金環境に影響します。ただし、暗号資産の価格は他の要因にも左右されます。両者の見解は、流動性の「量」と「伝達経路」をどこまで重視するかで差が出ています。
利下げ開始と期待インフロー
米連邦準備制度理事会(FRB)は9月に0.25%の利下げを実施しました。これは2025年最初の利下げです。決定直後のビットコインは一時下落し、いわゆる「材料出尽くし」の動きが出ました。先行きについては、次回会合での追加利下げ観測が優勢です。CMEのデータでは、10月に最大50bpの利下げを織り込む見方が多数です。金利低下はリスク資産の支援材料になり得ます。ただし、実際のフローはETFや現物需要の動きと合わせて判断されます。
短期の相場バランス
「TGA達成後に流動性が戻る」という期待があります。対して、「ネット流動性と暗号資産の連動は弱い」という指摘もあります。現在は両者のせめぎ合いです。上方向のバイアスは残ります。もっとも、決定打となる新規材料は限られます。結果として、レンジ内での推移が続きやすい環境です。価格形成は、金利、ETFフロー、為替などの複合要因で決まります。単一指標での判断は難しい局面です。
用語解説
- TGA(Treasury General Account):米財務省の当座口座。積み上げ時は民間資金が政府口座に滞留しやすい。
- 利下げ(bp):政策金利の引き下げ。1bpは0.01%。0.25%は25bp。
- CMEの金利織り込み:先物価格から推計した市場の政策金利見通し。
- ネット流動性:中央銀行や財務省の資金フローなどを統合した市場の資金余力の概念。
- 材料出尽くし:想定済み材料の発表後に、短期の反落や膠着が生じる現象。
DeFi TVLはサイクル高水準へ、LSTは資金出入りが交錯
TVLは0B台へ回復、ピーク圏が視野
分散型金融(DeFi)のロック資産総額(TVL)は$160B台まで回復しました。2021年11月の過去最高に接近しています。過去24時間では約1%の小幅減です。けん引役はレンディング、リキッドステーキング(LST)、リステーキングです。市場全体の流動性が戻る中で、主要プロトコルのシェア争いが再び強まっています。
レンディングとステーキングが上位を占有
レンディングは資産規模を拡大し、担保残高が高水準です。LSTではLidoが最大級の残高を維持しています。リステーキング分野ではEigenLayerが存在感を高めています。金利水準やステーキング報酬の差、手数料の低下が重なり、実需系プロダクトへの資金配分が進みました。イールド特化のプロトコルも月次で伸長しています。
ETHリキッドステーキングは流入後に小幅流出
ETHのLSTには、14週間で+690,000 ETHの流入がありました。一方で、直近27日間では-60,000 ETHの流出が確認されています。流入で厚みが増した後、利回り差やボラティリティを受けたリバランスが生じた形です。大型のLSTでは残高を維持する一方、中堅プロトコルでは増減が混在しました。資金の往来は、短期の需要と長期の運用設計の両面で継続しています。
資金移動の背景:利回り・手数料・ボラの三点
プロトコル間の資金移動は、主に三つの要素で説明できます。第一に、利回りの相対差です。報酬設計や再ステーキングの追加収益が影響します。第二に、手数料環境です。オンチェーン手数料の低下は再配置を後押しします。第三に、価格変動(ボラティリティ)です。リスク許容度に応じた一時的な解約や担保比率の調整が起こります。これらが重なる局面では、TVL全体は維持しつつ、中身が入れ替わる動きが強まります。
用語解説
- TVL(Total Value Locked):プロトコルに預けられた資産の総額。
- LST(リキッドステーキング):ステーキングと同時に取引可能な代替トークンを受け取る方式。
- リステーキング:ステーク済み資産を再度担保化し、追加の報酬や機能に参加する仕組み。
- レンディング:暗号資産を担保にした貸借サービス。金利は需給で変動。
- ボラティリティ:価格の変動性。急変時は解約や担保調整が起きやすい。
ステーブル規制の両にらみ──米GENIUS法のANPRと伊中銀の警鐘(続報)
米国:ANPRで論点の洗い出しが進む
前回取り上げたように、米「GENIUS法」は、財務省がANPR(事前規則案の意見募集)を開始しました。対象は、発行体の資格、準備資産(リザーブ)の内訳、日次の開示、即時償還の基準などです。あわせて、AML/CFTの管理体制や、ウォレット事業者の役割も論点に含まれます。法制化の骨格は固まり、実務運用の設計段階に入りました。
欧州:イタリア中銀は多発行体モデルのリスクを強調
イタリア銀行は、多国籍・多発行体のステーブルコインに注意を促しました。MiCARの枠外で発行されるコインは、監督の空白が生じやすいためです。報告書は、国境をまたぐ償還の確実性、準備資産の所在、破綻時の優先弁済ルールを重視すべきとしました。欧州域内の監督と、域外発行体への対応整備を急ぐ姿勢です。
交差点:償還と監督の「整合性」が最大の争点
両地域の議論は、最終的に償還保証と監督整合性に集約されます。米国は市場アクセスの拡大を想定しつつ、発行体に厳格な開示とガバナンスを求めます。一方、欧州は越境リスクの封じ込めを優先し、発行体の監督主体と法域を明確にする方向です。制度の歩幅が異なるため、グローバル発行体は両基準を同時に満たす設計が必要になります。
実務への波及:運用・決済フローの見取り図
運用面では、リザーブの通貨構成と保管場所が焦点です。決済面では、T+0償還やオンチェーン検証の要件が注目されます。ウォレットや決済事業者はトラベルルール対応と、疑わしい取引の検知体制を強化する流れです。発行体、保管機関、決済事業者の責任分担を、国際的にそろえる作業が続きます。
用語解説
- GENIUS法:米国のステーブルコイン包括法。2025年に成立。
- ANPR:Advance Notice of Proposed Rulemaking。規則案の事前意見募集。
- AML/CFT:資金洗浄・テロ資金供与対策。顧客確認や取引監視を含む。
- MiCAR:EUの暗号資産規則。発行体とサービス提供者を包括監督。
- 即時償還(T+0):請求当日に法定通貨へ交換できる仕組み。
- リザーブ資産:ステーブルコインの裏付けとなる現金や国債など。
- トラベルルール:送金時に送受信者情報を付与する国際基準。
インフラと清算の進展──BitGoがNYSE上場申請、FTXは第3弾.6B配当
BitGo:機関カストディの「公開企業化」へ
カストディ大手BitGoが、9月19日にS-1を提出しました。ティッカーはBTGOで、上場先はNYSEです。株式は二重構造で、クラスAが1票、クラスBが15票です。上場後も創業者の議決権が優位となる設計です。
事業は保管・ウォレット・清算・プライムを束ねるモデルです。保管は100%コールドストレージで、SOC1/2監査や最大$250Mの保険を掲げます。機関投資家のETF保管やトークン化資産のニーズと整合します。上場は、暗号資産インフラのガバナンスと開示を一段引き上げます。
FTX:9/30から約.6Bの第3弾配当
前回も取り上げたように破綻処理中のFTXは、9月30日に$1.6B規模の第3弾配当を開始予定です。支払いはBitGo、Kraken、Payoneerのいずれか経由です。対象者はポータルでKYCや税務情報を完了し、受取先を選択します。選択後の変更はできません。
配分は計画のウォーターフォールに基づきます。小口・個人向けを優先した初期配当から、対象は段階的に広がっています。現金での配当は、過去のレバレッジ残滓の整理を進めます。一方で、受領資金の再投資か現金化かは、地合いと規模で分かれます。
市場インパクト:保管の高度化と「過去清算」の前進
BitGoの上場申請は、規制市場での資本調達と情報開示をもたらします。これはETFやトークン化の保管体制を後押しします。FTXの配当は、信用収縮の尾を短くします。過去案件の清算が進むほど、売り圧や不確実性は和らぎます。
ただし、短期のフローは読みにくい状況です。受領資金の一部は再投資に回る可能性があります。逆に、税務や債務返済で現金化が優先される局面も想定されます。ネットの需給は、市場心理とマクロ要因で左右されます。
用語解説
- S-1:米SECへの新規株式公開の有価証券届出書。
- 二重株式構造:議決権の異なる株式を併存させる設計。
- SOC1/2:サービス組織の内部統制監査報告。
- トークン化:証券や不動産などをブロックチェーン上でデジタル化。
- ウォーターフォール:破綻処理での優先順位に基づく配当方式。
- KYC:本人確認手続き。送金や配当に必須。
今後1週間の注目:米住宅・GDP・PCE、SNB、ETH週次OP満期
米主要指標と中銀イベント
米国では24日に新築住宅販売が公表されます。住宅は金利感応度が高い分野です。結果次第で長期金利が動きやすい局面です。25日には第2四半期のGDP確定値が出ます。成長の強弱は、利下げペースの見方を左右します。26日にはPCEとコアPCEが発表です。インフレ指標は金融政策の手掛かりになります。金利の再評価が進むと、ETFフローや暗号資産の需給に波及します。
欧州・日本・カナダの材料
25日にスイス国立銀行(SNB)が政策金利を発表します。スイスフランや欧州金利が動く可能性があります。為替の変動はドル建て資産の評価にも影響します。国内では25日に日銀の議事要旨が公表です。賃金やインフレ評価の記述が注目点です。26日にはカナダのGDPが出ます。資源価格や北米マクロの連動を確認できます。
デリバティブと需給の焦点
26日は暗号資産の週次オプション満期です。ETHは4,000ドル近辺の建玉が厚い状況です。価格は建玉の集中域に引き寄せられやすいです。いわゆる「磁石効果」が意識されます。ガンマの影響で、狭いレンジの往来が続く可能性があります。イベント結果でボラティリティが上がると、ヘッジ需要が強まる展開も想定されます。
シナリオと着眼点
インフレが落ち着き、成長が堅調なら「適温」認識が広がります。米金利は低下方向に振れやすくなります。ETFへの資金流入やアルト選好に追い風です。一方で、指標が強すぎる場合は金利が反発します。為替はドル高に傾きやすくなります。暗号資産のリスク許容が鈍る可能性があります。週内はイベントの前後でフローが変わりやすいです。短期の値動きと期日要因の重なりに注意が必要です。
用語解説
- PCE/コアPCE:米個人消費支出物価指数。コアは食品とエネルギーを除く指標です。
- SNB:スイス国立銀行。スイスの中央銀行です。
- 週次オプション満期:毎週の期日到来。建玉清算が現物や先物のフローに影響します。
- 建玉集中:特定の行使価格にポジションが偏る状態です。
- ガンマ:オプションのデルタ感応度。価格変動時のヘッジ需要を左右します。
まとめ:狭いレンジの中で「器」は拡大、方向感はイベント待ち
本日の総括は次の三点です。市場は狭いレンジにとどまりますが、受け皿の拡大やネットワーク面の進展は続いています。短期の方向感は、今週の指標と中銀イベントの結果待ちです。
- ビットコインは11.56万ドルで膠着。 一方で、規制市場の受け皿は拡大しました。マルチ資産ETF「GDLC」の取引開始で、株式市場経由のアクセスが広がりました。
- ネットワーク面では難易度が過去最高を更新。 セキュリティは強化されました。電力コストや設備効率を背景に、マイナーの選別が進む構図です。
- イーサリアムのデリバティブはコール優位。 4,000ドル台に厚い建玉があり、価格の“床”として意識されています。現物が小動きでも、期日要因で値動きが出やすい地合いです。
今週は米住宅指標、GDP確定値、PCE、SNB政策金利などが控えます。金利と為替の再評価が起きれば、ETFフローやアルト選好に波及しやすくなります。これらのイベントがレンジ離れの契機となるかが焦点です。
免責事項:本記事にはAIによる収集・分析データが一部含まれます。情報の正確性には十分留意していますが、最終的な判断はご自身の責任でお願いします。
投資に関する注意:本記事は投資判断を促すものではなく、市場理解を目的とした情報提供にとどまります。
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