ビットコイン11.2万ドル台、先物OI“リセット”で方向感探る──CFTCがステーブル担保のトークナイズ推進・SEC「イノベーション例外」年内示唆・RLUSD×BUIDLの24/7交換・Morgan StanleyがE*Tradeで暗号資産取引へ【9月24日】

暗号資産の擬人化コインがシーソーで$110k–$120kのレンジを行き来し、CFTC・SEC、RLUSD×BUIDL/VBILLの24/7交換、ETradeの暗号資産取引、USDe拡大、AVAX上昇、XRPL連携を象徴的に描いたアイキャッチ画像です。 デイリークリプトニュース
デリバティブOI“リセット”×政策進展──CFTCの担保拡張とSECのイノベーション例外、RLUSD×RWAの24/7交換、E*Trade参入で資金の導線が強化。BTCは11万〜12万ドルの攻防へ。全体像と根拠は記事でご確認ください。
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  1. 市場概況:暗号資産は横ばい、株はまちまち・VIX続伸
    1. きょうのサマリー
    2. 暗号資産の足元
    3. ビットコインの日足レンジ
    4. 株式・為替・商品
    5. 用語解説
  2. デリバティブOI“リセット”と0k–0kのレンジ攻防
    1. 先物の建玉縮小で過熱感を整理
    2. 0k–0kの分岐と、2kの支持
    3. オンチェーンは利確増、サイクル後半のサイン
    4. チェックポイントの整理
    5. 用語解説
  3. CFTC:ステーブルを「トークナイズド担保」へ組み込み検討
    1. 前回の整理とのつながり
    2. 今回の新しいポイント
    3. 制度設計の焦点
    4. 市場インフラへの影響
    5. スケジュールと次の確認点
    6. 用語解説
  4. SEC:年内に「イノベーション例外」示唆、Project Cryptoを加速
    1. 背景と位置づけ
    2. ポイント
    3. 想定される検討論点
    4. 市場への波及
    5. スケジュールと留意点
    6. 用語解説
  5. RLUSD×BUIDL/VBILL:24/7交換の実装とXRPL連携観測
    1. 背景と位置づけ
    2. 実装の中身(24時間365日の交換フロー)
    3. XRPL連携の観測(セキュリタイズの統合計画)
    4. 市場への影響(流動性の常時化と運用面の利点)
    5. 発行体・関係者のコメント要旨
    6. 用語解説
  6. Morgan Stanley:E*TradeでBTC・ETH・SOL取引へ、Zerohashと接続
    1. Zerohashの資金調達と役割
    2. 市場への含意
    3. 用語解説
  7. ステーブル勢力図:Tetherの大型増資報道とUSDeの急拡大
    1. Tetherの増資報道の要点
    2. USDeの急拡大と分配チャネル
    3. 市場への含意
    4. 用語解説
  8. イーサリアム周辺:通信層の高速化とL2「Base」への評価
    1. ネットワーク伝搬の高速化:「mumP2P」
    2. L2「Base」への評価とセキュリティ論点
    3. 利用者体験への波及:手数料と最終性の改善
    4. 用語解説
  9. 採用・政策の広がり:各国の保有・決済と官民の新プログラム
    1. 各国の採用拡大:戦略的準備と公的マイニング
    2. カザフスタン:テンゲ連動ステーブル「KZTE」をパイロット
    3. YC×Base×Coinbase Ventures:「Fintech 3.0」構想
    4. 全体像:公的シグナルと民間実装の相乗
    5. 用語解説
  10. AVAXの逆行高とFTX回収信託の提訴
    1. AVAXは逆行高、資金調達計画と指標改善が下支え
    2. FTX回収信託、Genesis Digital Assetsを提訴
    3. 用語解説
  11. 今後の注目:米PCE・新築住宅販売、欧州HICP、日銀短観
    1. 主要マクロ日程(日本時間)
    2. 想定インパクトと暗号資産への波及
    3. 用語解説
  12. 結論・要点整理

市場概況:暗号資産は横ばい、株はまちまち・VIX続伸

きょうのサマリー

結論:暗号資産は横ばいです。米株はまちまちで、ボラティリティ指標(VIX)は上昇しました。

  • 暗号資産時価総額:$3.90T(24H出来高 $173.13B)
  • BTC:$112,296(24H -0.11%)/ETH:$4,187(24H -0.09%)
  • ドミナンス:BTC 57.7%、ETH 13.0%
  • 米株:S&P500 -0.55%、ナスダック -0.95%、ダウ -0.19%
  • VIX:16.64(+3.35%)
  • 為替:USD/JPY 147.65(ドル高基調)
  • 商品:金先物 $3,797、WTI原油 $63.69

暗号資産の足元

9月24日9時25分(日本時間)時点で、市場全体は小動きです。時価総額は$3.90兆、24時間出来高は$1731億です。ビットコインは$112,296、イーサリアムは$4,187で、ともに前日比わずかに下落しました。ドミナンスはBTC57.7%、ETH13.0%です。短期の方向感は限定的で、様子見のムードが続いています。

ビットコインの日足レンジ

直近の値動きはレンジ内での推移が中心です。9月23日は高値 $113,279.9/安値 $111,501.9/終値 $112,002.6でした。24日分は取引継続中のため、参照できるのは始値 $112,002.9のみです。足元は$112k台での持ち合いが続いています。

株式・為替・商品

米株はまちまちです。S&P500は-0.55%、ナスダックは-0.95%、ダウは-0.19%でした。VIXは16.64へ上昇し、先行き不透明感を示しました。為替はドル高が続き、ドル/円は147.65です。コモディティでは、金先物が$3,797、WTI原油が$63.69でした。いずれも値動きは小幅にとどまっています。

用語解説

  • 時価総額:暗号資産全体の「価格×発行数」の合計。
  • 出来高:直近24時間に成立した取引金額の合計。
  • ドミナンス:市場全体に占める主要銘柄の比率。
  • VIX:米株の予想変動率指数。上昇は不安定化のサイン。
  • 持ち合い:一定の価格帯で上下に振れにくい状態。
  • 日足:1日の始値・高値・安値・終値を示す足。

デリバティブOI“リセット”と0k–0kのレンジ攻防

先物の建玉縮小で過熱感を整理

先日も取り上げた「清算後の需給帯」は続いています。ここ数日でビットコイン先物の建玉残高(OI)が約$1.25B減となりました。過度なレバレッジを解消した健全なリセットとする見方が優勢です。清算に伴う売りが一巡し、短期のポジションは軽くなっています。

0k–0kの分岐と、2kの支持

短期の焦点は$110k〜$120kのレンジです。足元は$112k近辺の支持を維持できるかが分岐点になります。週後半の米経済指標を受け、ドル金利が下がれば$120k方向への回帰が意識されます。逆にタカ派的な材料が出れば、$110kの再テストが視野に入ります。

オンチェーンは利確増、サイクル後半のサイン

オンチェーン指標では利確の増加が確認されています。過去サイクルと照合すると、サイクル後半に見られる挙動と重なります。一方で、短期保有層の拾いも観測され、長期保有層の売りを一部吸収しています。強弱が交錯するため、方向性は指標とレンジの攻防次第です。

チェックポイントの整理

  • $112k:直近の支持。ここを維持できるかが初動。
  • $110k:割れで下値の流動性を探索しやすい水準。
  • $120k:上方向の戻り目標。マクロ次第で試しやすい。
  • OIと清算:リセット後は再レバレッジの速度に注意。

用語解説

  • OI(建玉残高):未決済の先物・永久契約の枚数。
  • 清算(リクイデーション):証拠金不足で強制決済されること。
  • レンジ:価格が一定の帯の中で行き来する状態。
  • オンチェーン指標:ブロックチェーン上の取引データから算出する統計。
  • 利確:含み益のあるポジションを売って利益を確定する行為。
  • サイクル後半:強気相場の終盤に近い局面を示す概念。

CFTC:ステーブルを「トークナイズド担保」へ組み込み検討

前回の整理とのつながり

前回は、米財務省がGENIUS法の規則策定に向けて、ANPR(事前通知)で意見募集を開始した経緯を整理しました。今回は、監督当局の一角であるCFTCが、ステーブルコインなどトークン化資産を証拠金の担保に活用する取り組みを始動しました。両者は、発行体の規律と市場インフラ設計という観点で相互に補完する関係にあります。

今回の新しいポイント

カロライン・ファム代行議長は、担保のトークン化に関するイニシアチブを公表しました。あわせて、業界からの書面意見の募集を開始しました。提出期限は10月20日までと案内されています。GENIUS法で基本枠組みが整備されたことが、CFTC側の検討を後押ししている位置づけです。

制度設計の焦点

  • 適格資産の定義:どのステーブルコインを担保として認めるかを明確化します。
  • ヘアカットと評価:割引率や評価頻度、価格乖離時の扱いを定めます。
  • 保管と最終性:カストディ要件やオンチェーン決済の確定性を担保します。
  • 運用ルール:清算機関や先物委託業者の既存規程との整合を図ります。
  • 技術リスク:スマートコントラクト変更や障害時の代替手順を整備します。

市場インフラへの影響

担保のデジタル化が進むと、ドル建て流動性のオンチェーン接続が一段と前進します。担保移転の即時性が高まり、T+0に近い担保回転が可能になります。一方で、鍵管理やコントラクトの安全性など、サイバーリスク管理の重要性が増します。実装の速度と範囲は、規制上のガードレールに左右されます。

スケジュールと次の確認点

短期的には、意見募集の結果パイロット設計の内容が焦点となります。中期的には、清算機関の規程改定や社内ルールの整備が必要になります。SEC側のルールメイキングの進展と歩調がそろう場合、採用の拡大が見込まれます。

用語解説

  • GENIUS法:米国のステーブルコイン包括法で、発行体や準備資産の枠組みを定めます。
  • ANPR:規則案の事前通知で、意見募集により論点を洗い出す手続きです。
  • トークナイズド担保:ブロックチェーン上のトークンで表現した担保資産を指します。
  • ヘアカット:担保評価時に安全のため差し引く割合です。
  • 最終性:決済が不可逆で確定した状態を指します。

SEC:年内に「イノベーション例外」示唆、Project Cryptoを加速

背景と位置づけ

米証券取引委員会(SEC)のポール・アトキンス議長は、年内に一部のデジタル資産へ「イノベーション例外」を導入する考えを示しました。対象にはICOエアドロップネットワーク報酬などが含まれる構想です。これは、規制負担を軽減しつつ投資家保護を維持することを狙うProject Cryptoの一環です。

SECは直近でETFの汎用上場基準も整備しました。市場インフラ側の整備が進むなか、ルールの明確化と商品供給の拡大を同時に進める流れが見られます。他方で、詳細要件は未公表であり、適用範囲や条件は今後の手続きで確定します。

ポイント

アトキンス議長は、年末までに制度の骨子を示す方針に言及しました。並行して、暗号資産の新たな上場基準や、既存ルールの解釈変更の検討も続けるとしています。これにより、資金調達や利用者配布の手段に限定的なセーフハーバーが設けられる可能性があります。

想定される検討論点

  • 対象と範囲:例外の対象取引と資産の線引き、適用除外の条件。
  • 開示と保護:最低限の情報開示、水準に応じた投資家保護措置。
  • 移行期間:試験導入やサンセット条項の有無と期間設定。
  • 市場インフラ:取引所・ブローカーの遵守体制と監督の整合。
  • 他制度との整合:商品・先物規制や州法、税制との調整。

市場への波及

例外措置が具体化すると、新規トークン配布や報酬設計の不確実性が低下します。これにより、商品化のパイプラインが拡大し、上場基準整備と相まって、取り扱い商品の裾野が広がる可能性があります。一方で、例外の適用には要件遵守が前提となるため、運用負荷やコンプライアンス対応は引き続き重要です。

スケジュールと留意点

年内の方針提示が示されましたが、最終決定には手続きが必要です。適用開始時期、対象、開示水準などの具体条件が確定するまで、市場の織り込みには時間差が生じます。他当局の取り組みとの歩調や、コメント結果によって設計が調整される可能性にも留意が必要です。

用語解説

  • イノベーション例外:特定の暗号資産取引に限り、規制の適用を一部緩和する枠組みです。
  • セーフハーバー:一定条件を満たす場合に、法的リスクを限定する保護的な規定です。
  • Project Crypto:SECが進める、暗号資産関連ルールの見直しと整備の取り組みです。
  • 汎用上場基準:取引所が定める共通基準を満たした商品を、個別審査なしで上場できる仕組みです。
  • サンセット条項:一定期間経過後に自動的に失効する期限付きの規定です。

RLUSD×BUIDL/VBILL:24/7交換の実装とXRPL連携観測

背景と位置づけ

リップルとセキュリタイズは、トークン化ファンドとステーブルコインの接続を拡張しました。対象はブラックロックのBUIDLとバンエックのVBILLです。両ファンドのトークン化株式を、リップルUSD(RLUSD)へ即時交換できる契約機能を公開しました。先日に取り上げたXRPLの機関路線と一貫する動きです。トークン化資産(RWA)とステーブルの行き来が、時間帯を問わず機能する土台が整います。

実装の中身(24時間365日の交換フロー)

今回の機能はスマートコントラクトで動作します。投資家はBUIDLやVBILLのトークン化株式を、RLUSDに交換できます。受付は24時間365日です。BUIDLの運用資産は約20億ドル規模、VBILLは約7,400万ドル規模です。いずれも1株=1ドルの純資産価値維持を目指す設計です。ステーブルコインに近い使い勝手を、RWAファンド側に持ち込みます。

XRPL連携の観測(セキュリタイズの統合計画)

セキュリタイズは、XRP Ledger(XRPL)との統合計画を示しました。実現すれば、BUIDLのようなトークン化マネーマーケットファンドを、XRPL上で扱う選択肢が広がります。リップルは、RLUSDを決済や担保ユースケースの核に据える方針です。RWAと決済の接続点が、チェーン横断で拡張する公算が高まります。

市場への影響(流動性の常時化と運用面の利点)

交換が常時化すると、RWAファンドとステーブルの間で資金を素早く移せます。価格発見と裁定の効率が上がり、スプレッド縮小が期待されます。加えて、RLUSDを受け皿にした資金待機が容易になります。清算や担保差し入れなどの運用オペレーションも簡素化します。機関投資家の実務要件に合致しやすい設計です。

  • 流動性:営業時間外でも資金移動が可能になります。
  • コスト:交換の自動化で事務負担を抑制します。
  • 接続性:XRPL統合で対応チェーンが広がる見込みです。

発行体・関係者のコメント要旨

リップルは、RLUSDが機関向けの安定性と実用性を提供すると説明しています。セキュリタイズは、流動性の自動化が一歩進むと位置づけています。DBS銀行やフランクリン・テンプルトンなどの事例も挙げられ、RLUSDを介した取引・融資の活用が進む見通しです。RLUSDは時価総額が7億ドル超に拡大しています。

用語解説

  • RLUSD:リップルが発行する米ドル連動型ステーブルコインです。
  • BUIDL:ブラックロックのトークン化マネーマーケットファンドです。
  • VBILL:バンエックのトークン化短期国債ファンドです。
  • RWA(Real World Assets):国債など実世界資産をブロックチェーン上で表現したものです。
  • セキュリタイズ:証券型トークンの発行・管理を手がけるトークン化プラットフォームです。
  • XRPL:XRP Ledger。高速決済で知られる公開型ブロックチェーンです。

Morgan Stanley:E*TradeでBTC・ETH・SOL取引へ、Zerohashと接続

米モルガン・スタンレーは、E*Tradeで暗号資産の現物取引を提供する計画です。対象はビットコイン、イーサリアム、ソラナから開始します。基盤には暗号資産インフラ企業Zerohashを採用します。開始は2026年前半の見通しと報じられています。まずは取引機能を提供し、その後にウォレット機能や銘柄拡充も検討します。

同社はこれまでもスポット型ビットコインETFなどの取り扱いを広げてきました。E*Tradeの利用者にとって、証券口座の延長で暗号資産にアクセスできる導線が整います。既存の入出金や税務レポートの枠組みを活用できる点も、リテール投資家にとっての利便性につながります。

Zerohashの資金調達と役割

ZerohashはシリーズD-2で1億4百万ドルを調達し、評価額は10億ドルに到達しました。調達資金は製品拡張と人材強化に充てられます。同社はAPIで売買、清算、保管などの機能を提供します。E*Tradeの取引解禁により、ブローカー側の実装負荷を抑えた形で暗号資産サービスを組み込めます。

大手ブローカーのネットワークと、バックエンドの暗号資産インフラが結びつく構図です。これにより、法令順守や運用の標準化が進みやすくなります。結果として、リテール市場への提供速度が上がる可能性があります。

市場への含意

リテール証券プラットフォームでの提供は、暗号資産の分散的な取引所依存を和らげます。既存の証券口座に暗号資産が並ぶことで、資金移動や決済の摩擦が下がります。また、銘柄拡充やウォレット提供が進めば、オンチェーン機能との接続が強まります。Zerohashの拡張投資も、この流れを後押しします。

用語解説

  • 現物取引:先物ではなく、実物の暗号資産を売買する取引です。
  • Zerohash:売買、清算、保管などをAPIで提供する暗号資産インフラ企業です。
  • ウォレット機能:暗号資産の受け取り、送付、保管を行う機能です。
  • オンランプ:法定通貨から暗号資産へ資金を移す入口となる仕組みです。
  • リテール証券:個人投資家向けの証券サービス全般を指します。

ステーブル勢力図:Tetherの大型増資報道とUSDeの急拡大

ステーブルコインの資本力と配布網が拡大しています。Tetherに大型増資の報道が出ました。並行して、EthenaのUSDeは預け入れと運用残高が伸びています。規制整備の進展と金利環境が追い風です。決済、担保、利回りの需要が広がり、資金フローの重心が変化しています。

Tetherの増資報道の要点

Tetherは最大200億ドルの資金調達を検討中と報じられました。売出対象は持分の約3%です。実現すれば企業評価は約5,000億ドル規模になります。主幹事はカンター・フィッツジェラルドとされています。交渉は初期段階で、最終規模は変動する可能性があります。

Tetherは第2四半期の純利益を49億ドルと公表しました。準備資産は1,625億ドル超で、負債は1,571億ドルとされています。準備の一部として、約89億ドルのビットコインを保有します。USDTの時価総額は約1,728億ドルで、ステーブル市場の最大シェアを維持します。USDCは約740億ドルです。

USDeの急拡大と分配チャネル

EthenaのUSDeは集中取引所での残高が増加しています。Binanceでは提供開始翌日に約7.34億ドルの残高となりました。背景には「Binance Earn」で年率12%の預金プランが始まったことがあります。これにより、所持者の受け皿が拡大しました。

USDeの発行額は140億ドル超です。6月からの伸び率は約145%です。EthenaのUSDeとUSDtbを合算したTVLは160億ドルを上回ります。内訳はUSDeが約140億ドル、USDtbが約18億ドルです。USDtbの準備の9割超はBlackRockのBUIDLに連動します。

Ethenaは配布網の拡張も進めています。9月12日にAvalancheへ展開しました。5月にはTONにも対応しました。プロトコル手数料の一部をENA保有者へ回す「フィースイッチ」案の準備も伝えられています。

市場への含意

大型発行体の自己資本が厚くなると、償還や流動性供給の耐性が高まります。並行して、利回り商品とCEXの導線が強化されると、資金の受け皿が広がります。結果として、オンチェーンと伝統市場の接続点が増えます。金利水準が維持される限り、担保と決済でのステーブル需要は底堅い状態が続きます。

用語解説

  • 私募(プライベート・プレースメント):限られた投資家に持分を販売する手法です。
  • TVL:プロトコルに預けられた資産の合計額です。
  • CEX:運営主体が存在する集中型の暗号資産取引所です。
  • APR:年率換算の利回りです。複利は考慮しません。
  • RWA:国債などの実物資産をトークン化して扱う概念です。
  • USDtb:Ethenaの合成型ステーブルコインです。準備の多くがBUIDLに連動します。
  • BUIDL:ブラックロックのトークン化短期国債ファンドです。

イーサリアム周辺:通信層の高速化とL2「Base」への評価

イーサリアムは基盤の通信層とL2で前進が見られます。2025年9月23日の報道では、新リレー「mumP2P」が伝搬を大幅に短縮しました。翌24日の報道では、Vitalik Buterin氏がL2「Base」を肯定的に評価しました。処理速度と安全性の両立が、手数料や最終性の体感改善につながる構図です。

ネットワーク伝搬の高速化:「mumP2P」

Validator大手のEverstakeは、新リレー「mumP2P」を検証しました。結果は従来比で5〜6倍の高速化でした。平均のブロック伝搬はおよそ150ミリ秒とされています。基盤技術はRLNC(ランダム線形ネットワーク符号化)です。重複転送を減らし、効率的にデータを届けます。

開発元のOptimumは、既存のGossipsubと外観互換を保つ設計と説明しています。検証では目立ったオーバーヘッドは見られなかったとされています。伝搬の安定化により、欠損提案や見逃しの減少が期待されます。検証はテストネットで進み、段階的に展開予定です。

開発コミュニティでは「6秒スロット」への議論があります。伝搬が速くなれば、短いスロットでも合意に必要な情報を間に合わせやすくなります。遅延の外れ値対策が進めば、プロトコル側の選択肢が広がります。

L2「Base」への評価とセキュリティ論点

Vitalik Buterin氏は、2025年9月24日の発言で「Base」を評価しました。利便性向上のための集中的要素と、イーサリアムL1の安全性を両立させる姿勢を肯定しました。L2は「イーサリアムの拡張であり、非カストディ」である点を強調しました。

一方で、中央集権的な管理権限への懸念は継続しています。Buterin氏は、L2Beatの指標が具体的な安全性を測っている点を挙げました。指標の可視化により、ユーザーが残存リスクを把握しやすくなります。Baseの預かり資産は150億ドル規模と報じられ、利用は拡大基調です。

利用者体験への波及:手数料と最終性の改善

伝搬の高速化は、取りこぼし減少や再送削減につながります。これにより、ブロック提案の安定性が高まります。L2の最適化は、少額決済の手数料と待ち時間の低下に寄与します。L1の安全性に依拠しつつ、L2のUX改善が重なる形です。

結果として、混雑時のガス急騰や確定待ちのばらつきが抑えられます。短時間での確定見込みが立ちやすくなります。オンチェーンの決済やアプリの応答性が改善します。これらは個別の改修の積み上げで実現します。

用語解説

  • リレー/伝搬:ブロックや取引をネットワークに広げる仕組みです。
  • Gossipsub:現在広く使われるP2P伝搬プロトコルです。
  • RLNC:符号化で重複を減らし、効率よくデータを配る手法です。
  • スロット:ブロック提案の時間枠です。短縮には高速伝搬が必要です。
  • L2:L1の上で処理を担う拡張ネットワークです。安価で高速です。
  • L2Beat:L2の安全性や運用状況を指標化する情報サイトです。
  • 最終性:取引が覆らない状態です。ユーザー体験の要点です。
  • 管理鍵/セキュリティカウンシル:運用権限を持つ鍵や合議体です。

採用・政策の広がり:各国の保有・決済と官民の新プログラム

国家レベルの採用と、民間の新計画が並行して進んでいます。9月22日の報告では、政府や公的機関のビットコイン活用が拡大しています。9月23日と24日の発表では、中央アジアの実証と米国の創業支援が具体化しました。公的・民間の「両輪」で、実装と資金の受け皿が広がる局面です。

各国の採用拡大:戦略的準備と公的マイニング

ビットコイン政策研究機関の整理によると、国家の関与は多様化しています。戦略的ビットコイン準備を掲げる国や、政府関与のマイニングに踏み出す国が増えています。税の受け入れや年金・ファンド経由のエクスポージャーも含まれます。報告は、採用を「ゲーム理論的な競争」と位置づけています。

  • 戦略的準備(SBR)を提案・導入する動きが目立ちます。
  • 政府系マイニングや差押え残高の保有など、手段は多岐にわたります。
  • 規制の明確化が進むと、導入の障壁が下がる可能性があります。

カザフスタン:テンゲ連動ステーブル「KZTE」をパイロット

9月23日の報道では、カザフスタンがテンゲ連動のステーブルコインを試験導入しました。ブロックチェーンはソラナを採用し、決済の相互運用でマスターカードと連携します。規制サンドボックスの枠組みで実施されます。小売決済やカード連携を想定し、普及を見据えた設計です。

  • 為替リスクに配慮し、決済時に即時変換する仕組みをうたいます。
  • 監督当局は手数料やAML対応を含む運用面の検証を行います。

YC×Base×Coinbase Ventures:「Fintech 3.0」構想

9月24日の発表では、米YCがBaseとCoinbase Venturesと連携します。創業者にオンチェーン金融の開発を呼びかけます。重点はステーブル、多通貨化、資産のトークン化、AIエージェントの金融活用です。規制整備とインフラ進展を前提に、量産できるモデルを狙います。

  • 決済や資産運用の「チェーン前提」プロダクトを支援します。
  • 既存のL2と決済ネットワークを活用し、立ち上がりを短縮します。

全体像:公的シグナルと民間実装の相乗

国家の採用拡大は、制度面の安心感につながります。一方で、民間の創業支援と決済実証は、具体的な利用を広げます。両者がかみ合うと、流動性とユースケースが同時に前進します。結果として、保有・決済・資産化の循環が強化されます。

用語解説

  • 戦略的ビットコイン準備(SBR):国家や自治体が戦略目的で保有する枠組みです。
  • 政府系マイニング:公的主体が関与する採掘事業です。電力供給と利益配分を伴います。
  • 規制サンドボックス:限定条件下で新サービスを実証する制度です。
  • ステーブルコイン:法定通貨などに価値を連動させたトークンです。
  • トークン化(RWA):証券や国債など実物資産をブロックチェーン上で表現します。
  • インキュベータ(YC):起業の育成・資金支援を行う組織です。
  • Base(L2):イーサリアム上の拡張レイヤーです。低コストで高速処理を目指します。

AVAXの逆行高とFTX回収信託の提訴

AVAXは逆行高、資金調達計画と指標改善が下支え

アバランチ(AVAX)は9月24日時点で前日比約10%上昇しました。市場全体が軟化する中での逆行でした。背景には資金調達計画とネットワーク指標の改善があります。

財団は9月上旬に、米国拠点の車両を通じて最大10億ドル規模の調達構想を示しました。調達資金でAVAXを取得する計画が伝わっています。9月23日には一部上場企業の再編と資金調達計画が公表されました。もう一つのビークルは特別買収目的会社の活用が報じられています。買い圧力の継続期待が価格を支えました。

ネットワーク面では4月の「Octane」導入でC-Chain手数料が大きく低下しました。第2四半期の平均日次トランザクションは約140万件まで増えました。TVL(預かり資産)は4月の約10億ドルから9月時点で20億ドル超に伸びました。ステーブルコイン時価総額も拡大し、流動性の厚みが増しています。

  • 価格面:短期では33〜36ドルの抵抗が意識されます。
  • 需給面:調達計画が長期の買い需要を示唆します。
  • 指標面:手数料低下と処理件数増が利用拡大を示します。

FTX回収信託、Genesis Digital Assetsを提訴

FTX回収信託は9月22日週に、ビットコイン採掘企業Genesis Digital Assets(GDA)と共同創業者を提訴しました。請求額は約11億5千万ドルです。訴状は、旧経営陣が混合資金でGDA株式を高値で取得したと主張します。取得主体は関連会社アラメダとされています。

FTXは2022年11月に破綻しました。現在は管財チームが顧客への弁済原資を回収中です。今回の訴訟は、採掘分野への投資の資金源と評価を争点に据えます。被告側の本社機能はドバイに所在すると報じられています。刑事事件では旧CEOに禁錮25年の判決が出ています。民事の回収手続きは継続しています。

用語解説

  • TVL(預かり資産):プロトコルにロックされた資産総額です。流動性の厚みを示します。
  • ETP/ETF:取引所で売買できる組成商品です。暗号資産への間接投資手段です。
  • トレジャリービークル:特定資産を取得・保有するための資金調達枠組みです。
  • Octane(オクタン):アバランチの手数料最適化を含むネットワークアップグレードです。
  • C-Chain:アバランチのスマートコントラクト実行用チェーンです。
  • SPAC:上場済みの買収目的会社です。合併で事業会社を上場させます。

今後の注目:米PCE・新築住宅販売、欧州HICP、日銀短観

主要マクロ日程(日本時間)

  • 9月25日(木):米国・新築住宅販売(8月)
  • 9月25日(木):スイス中銀(SNB)金融政策関連発表
  • 9月26日(金):米国・PCEデフレーター/個人所得・個人消費(8月)
  • 9月25日(木):米国・GDP確報(2025年4–6月期)
  • 9月30日(火):ユーロ圏・HICP速報(9月)
  • 10月1日(水):日銀・短観(2025年7–9月期)

想定インパクトと暗号資産への波及

今週の米PCEは、インフレと金利の方向性を測る最重要指標です。結果が予想を下回れば、金利低下観測が強まり、リスク資産に追い風になりやすいです。逆に強い結果は、ドル高・金利高止まり観測を通じてリスク回避に振れやすいです。

米新築住宅販売とGDP確報は、需要の強さと景気モメンタムを補完します。ユーロ圏HICP速報は欧州インフレの減速度合いを示し、グローバル金利観に影響します。日銀短観は設備投資や雇用の見通しを通じて、円相場とリスク選好に波及します。

暗号資産ではビットコインの11万ドル台の支持と、12万ドル方向の上値試しが引き続き焦点です。結果次第でレンジ上抜け・下抜けの材料になりやすいです。規制面では、CFTCのトークナイズド担保検討やSECの「イノベーション例外」議論が続きます。商品設計や上場基準の明確化が進むと、資金の受け皿拡大につながります。

用語解説

  • PCEデフレーター:米国の個人消費に基づく物価指標です。FRBが重視します。
  • 新築住宅販売:米国の新築一戸建て販売件数です。金利に敏感です。
  • GDP確報:四半期実質GDPの最終推計です。景気の強さを確認します。
  • SNB:スイス国立銀行です。政策判断が欧州金利観に影響します。
  • HICP:ユーロ圏の統一消費者物価指数です。ECBの判断材料です。
  • 日銀短観:日本銀行の企業景況感調査です。景気の先行指標として用いられます。
  • レンジ相場:一定の価格帯で上下する状態です。方向感が出にくい局面です。

結論・要点整理

本日の焦点は「デリバティブOIのリセット」と「政策見通し」の重なりです。先物の建玉減少は過度なレバレッジを整理し、価格帯の再評価を促しています。並行して、CFTCの担保拡張検討やSECのイノベーション例外構想が進めば、商品設計と上場基準の明確化が進展します。

実装面では、RLUSDとBUIDL/VBILLの24時間交換が始まり、資金の乗り換えが平滑になりました。さらに、Morgan StanleyのE*Trade参入計画とインフラ事業者の資金調達により、リテール証券とオンチェーンの接続が強化されつつあります。

短期では、ビットコインは$110,000〜$120,000のレンジで方向感を探る局面です。週後半の米PCEなど主要指標が、リスク選好と資金フローの配分を左右しやすい状況です。

  • 需給:先物OI縮小でレバレッジ過多が後退。
  • 規制:CFTCとSECの動向が新商品の受け皿を拡張。
  • 実装:RLUSD×RWAの常時交換と大手証券の導線整備が進展。
  • 価格:$110k台の支持と$120k方向の上値試しが当面の焦点。

本記事にはAIによる収集・分析データが一部含まれます。情報の正確性には十分留意していますが、最終的な判断はご自身の責任でお願いします。

また、本記事は投資判断を促すものではなく、市場理解を目的とした情報提供にとどまります。

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