ビットコインETF最大IBITがインカインド化、Solana現物ETFに“近く承認”観測──SWIFT×Chainlink連携でオンチェーン資金フロー実装が前進【10月1日】

ビットコインとソラナの擬人化キャラクターが「承認タイミング」と「シャットダウン」の綱引きをし、左にIBITの“IN-KIND”倉庫、右にSWIFT×Chainlinkの資金フロー管が描かれた横長のアイキャッチ画像 デイリークリプトニュース
IBITの“in-kind”解禁、SOL現物ETFのS-1進捗と政府機関停止リスク、SWIFT×Chainlinkのオンチェーン資金フロー――きょうの核心を一枚で表現。続きと数値の詳細は記事で。
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  1. 市場概況:暗号資産3.87兆ドル、BTCは11.4万ドル・ETHは4,132ドル
    1. きょうのクイックサマリー
    2. 株・為替・コモディティの足元
    3. BTC・ETHの値動き
    4. きょうの相場テーマ
    5. 用語解説
  2. IBITの“インカインド”解禁:APの現物搬入が可能に、スプレッド・裁定・税務面の改善余地
    1. ポイントの整理
    2. 何が変わるのか(オペレーション)
    3. 市場インパクト(スプレッドと追随性)
    4. 税務・会計の観点
    5. 投資家サイドから見える変化
    6. 留意点(適用範囲と進行速度)
    7. 用語解説
  3. Solana現物ETFは「近く承認」観測、ただし政府機関停止なら手続き遅延も
    1. 観測の根拠と足元の手続き
    2. シャットダウン時の影響
    3. 市場の見方と短期の着眼点
    4. 用語解説
  4. SWIFT×Chainlinkでファンド取引をオンチェーン連携:ISO20022でサブスク・償還を駆動
    1. 統合のポイント
    2. 運用面の変化
    3. 市場インパクトと留意点
    4. 用語解説
  5. 規制と制度:SECが州信託でのカストディを事実上容認、株式トークン化の検討も前進
    1. 州信託カストディの要点
    2. 株式トークン化の検討
    3. 市場への影響と留意点
    4. 用語解説
  6. ステーブルコイン前線:Stripeの発行基盤、独取引所×Circleの連携、EU当局の警戒で温度差
    1. Stripeの発行基盤「Open Issuance」
    2. ドイツ取引所×Circle:EURC/USDCの市場接続
    3. EUリスク会議体の警戒と温度差
    4. 用語解説
  7. エコシステム動向:Sui×LayerZeroで越境資産拡充、The SandboxはZK StackでL2“SANDChain”
    1. Sui×LayerZero:OFT標準で「資産の行き来」を簡素化
    2. The Sandbox:ZK StackでL2「SANDChain」を構築
    3. 共通点と相違:越境流動性とクリエイター経済の「土台づくり」
    4. 用語解説
  8. フローと需給:ETH ETFに.47億流入、CoinbaseのBTC担保ローンは累計億超、DOGEはマイニング拡張
    1. ETH現物ETFに7Mの資金流入
    2. CoinbaseのBTC担保ローン、累計起源額が10億ドル超
    3. DogeHashが資金調達で採掘設備を拡張
    4. 需給の見取り図:買い需要の可視化と売り圧の変動要因
    5. 用語解説
  9. 法執行・コンプライアンス:英で約6.9Bドル詐欺の主犯が有罪、トルコはMASAKの凍結権限拡大を検討
    1. 英国:61,000BTC押収事案で主犯が有罪
    2. トルコ:MASAKの凍結権限拡大案と市場への影響
    3. 用語解説
  10. 近々の注目:米ADP・ISM→10/3雇用統計、政府機関停止の長期化、SOL ETFのS-1進捗
    1. 米ADP・ISMと10/3雇用統計:金利・ドルを通じた波及
    2. 政府機関停止が長引く場合:統計と審査の遅延リスク
    3. SOL現物ETF:S-1有効化と停止期間の二重の時間軸
    4. 用語解説
  11. まとめ:制度レールの整備が進む一方、承認タイミングは政策日程の影響を強く受ける
    1. 本日の要点
    2. 今後の視点
    3. 免責事項

市場概況:暗号資産3.87兆ドル、BTCは11.4万ドル・ETHは4,132ドル

本日の暗号資産市場は小動きです。ETF制度の進展観測と、米政府機関の一部停止リスクを同時に織り込みました。全体のムードは落ち着いていますが、見出し次第で振れやすい地合いです。

きょうのクイックサマリー

時価総額:3.87兆ドル(24時間出来高 1,797億ドル)
BTC:$114,042(24h -0.43%)/ドミナンス 58.1%
ETH:$4,132(24h -1.75%)/ドミナンス 12.9%

株・為替・コモディティの足元

米株:ダウ +0.18%、ナスダック +0.30%(ともに小幅高)
VIX:16.28(過度な警戒は見られず)
為替:ドル円は148円台で推移
金先物:$3,891台で底堅い

BTC・ETHの値動き

BTCは11.4万ドル台を維持しました。方向感は限定的です。ETHは$4,100台で推移し、相対的に弱含みです。出来高は大きくは増えていません。主導はBTCが継続しています。

きょうの相場テーマ

SECのETF関連の制度整備に対する期待が支えです。一方で、米政府機関の一部停止が現実化すると、審査や統計の遅延が懸念されます。市場は「前向きな制度観測」「手続き停滞リスク」を同時に消化する局面です。

用語解説

  • 時価総額:暗号資産全体の評価額の合計。
  • 出来高:一定期間に成立した取引金額の総計。
  • ドミナンス:市場全体に占める個別銘柄の比率。
  • VIX:米株の予想変動率を示す指標。高いほど不安定。
  • 金先物:将来の金価格で売買する先物。安全資産として買われやすい。

IBITの“インカインド”解禁:APの現物搬入が可能に、スプレッド・裁定・税務面の改善余地

先日も取り上げたETF制度の簡素化ムードが続く中、最大手のビットコイン現物ETF「IBIT」に動きがありました。作成・償還で現物受け渡し(インカインド)が認められ、認可参加者(AP)が保有ビットコインで応答できる体制になりました。現金決済を介さないため、裁定や在庫管理の効率改善が意識されています。

ポイントの整理

今回の変更点は次の通りです。運用の裏側での摩擦を下げ、価格の追随性を高める狙いがあります。

  • APが現金ではなく現物BTCで作成・償還できる。
  • 現金レッグの為替・送金・約定コストが軽減される。
  • 裁定が滑らかになり、ETFのスプレッド縮小が期待される。
  • 現金償還に伴う売却課税の発生回避に道が開ける可能性。

何が変わるのか(オペレーション)

従来は現金作成が中心でした。APはドルを拠出し、カストディ側が現物BTCを調達しました。新体制では、APが自社在庫のBTCをそのまま拠出できます。償還時はETF持分を返す代わりに、現物BTCの受け取りが可能になります。対象APにはJane Street、Virtu Americas、JP Morgan Securities、Marexが名指しされています。

市場インパクト(スプレッドと追随性)

現金レッグがなくなると、約定・送金・為替の積み上げコストが薄まります。APは在庫を機動的に振り向けられます。その結果、ビッド・アスクの狭まりと、ETF価格の基準価額(NAV)への追随改善が期待されます。裁定の往復時間が縮むことで、乖離の持続も抑制されやすくなります。

税務・会計の観点

キャッシュ償還では、裏側での現物売却が課税イベントになる場合があります。インカインドは、資産の現物移転で完結します。一般に税務上の中立性が高まりやすいと指摘されています。ただし、実際の取り扱いは国・主体ごとに異なります。個別の税務判断は制度と開示に依存します。

投資家サイドから見える変化

ティッカーや売買フローは変わりません。気配値のタイト化や出来高の厚みが改善すれば、投資家の体験は間接的に向上します。運用面の摩擦低下は、トラッキング誤差の縮小にもつながる可能性があります。IBITの資金流入優位が続くとの見方もありますが、同様の解禁が他社に広がるまでは差が残る可能性があります。

留意点(適用範囲と進行速度)

インカインドは指定APに限定されます。すべての参加者が即時に利用できるわけではありません。運用報告書や目論見書の更新内容も重要です。制度変更の実装速度や、監督当局の運用方針で進捗は変わります。短期的には、見出しに対するフローの偏りが発生しやすい点にも注意が必要です。

用語解説

  • IBIT:BlackRockのビットコイン現物ETF。米市場で最大規模の一角。
  • 認可参加者(AP):ETFの作成・償還を担う証券会社等の指定参加者。
  • インカインド作成・償還:現金ではなく、現物資産で受け渡しする方式。
  • スプレッド:買い気配と売り気配の価格差。狭いほど取引コストが低い。
  • NAV(基準価額):ETFが保有する資産価値を反映した理論価格。
  • トラッキング誤差:ETF価格と参照資産の乖離。小さいほど追随性が高い。

Solana現物ETFは「近く承認」観測、ただし政府機関停止なら手続き遅延も

先日も取り上げたSECの汎用上場基準の導入と、19b-4撤回要請の流れが続いています。この延長線上で、Solana(SOL)の現物ETFは「早ければ来週」という承認観測が広がりました。一方で、米連邦政府の一部停止(シャットダウン)が発生すると、審査や上場の実務は止まり得ます。市場は承認時期シャットダウン期間を同時に監視しています。

観測の根拠と足元の手続き

汎用上場基準により、取引所の個別ルール変更申請(19b-4)の負担が軽くなりました。申請側は、有価証券届出書(S-1)の有効化に注力できます。発行体の応答が進み、承認が「来週以降でも不思議ではない」という見方が出ています。複数の発行体が内部準備を進めていることも、時期観測を後押ししています。

  • 汎用上場基準で承認プロセスの経路が単純化。
  • S-1のやり取りが主要なボトルネックに集約。
  • 複数の発行体で最終準備が並行進行。

シャットダウン時の影響

政府機関が停止すると、SECの多くの業務は縮小運転になります。担当部門のレビューや新規承認は原則停止の扱いです。これにより、S-1の有効化、上場通知、関連する解釈対応が遅延し得ます。停止期間が長いほど、スケジュールの再設定幅も大きくなります。

  • S-1の有効化や上場承認は停止対象になりやすい。
  • 照会対応や解釈レターも遅延しやすい。
  • 再開後は案件が集中し、処理が段階的になる可能性。

市場の見方と短期の着眼点

市場は「承認は時間の問題」とする一方、日付の確度には幅を持たせています。観測報道でフローが先行する局面もあります。短期は、見出しと実務の進捗のズレに注意が必要です。ビットコインや主要アルトの地合いは、承認ヘッドラインとシャットダウンの綱引きで揺れやすい状態です。

  • 観測ヘッドラインでSOL周辺のフローが変動。
  • シャットダウン長期化なら全体のリスク選好が低下。
  • 再開後はETF関連の審査・上場が再加速しやすい。

用語解説

  • 汎用上場基準:一定条件を満たすデジタル資産ETPの上場手続きを標準化するSECの枠組み。
  • 19b-4:取引所が上場規則を変更する際の届出様式。個別審査の根拠となる。
  • S-1:有価証券届出書。商品設計やリスク開示をSECが審査する。
  • 政府機関の一部停止(シャットダウン):予算未成立で行政機関の業務が停止・縮小する事態。
  • 上場承認:取引所での売買開始を可能にする最終的な許可や通知。

SWIFT×Chainlinkでファンド取引をオンチェーン連携:ISO20022でサブスク・償還を駆動

先日言及したSWIFT(国際銀行間通信協会)の分散台帳取り組みについてです。SWIFTとChainlink(ブロックチェーン向けオラクル)が連携を拡大しました。Chainlinkの実行層「CRE」がSWIFTメッセージと結合します。これにより、既存のメッセージ網からオンチェーン取引を起動できます。

統合のポイント

試験はUBSアセット・マネジメントが参加したパイロットで検証されました。設計はISO20022の標準メッセージを利用します。ファンドのサブスクリプション(購入)や償還をオンチェーンで駆動します。

従来は受託者、トランスファー・エージェント、管理会社などが段階処理しました。新設計は手続きの重複を減らし、整合性確認を自動化します。事務コストと照合作業の低減が見込まれます。

運用面の変化

金融機関は既存のSWIFT網を使い、ブロックチェーンへ接続できます。新たな接続回線を個別に敷設する必要はありません。CREが各チェーンとの橋渡し役を担います。

メッセージは指図と状態管理に用いられます。実際の資金移動は、カストディや決済銀行の運用に従います。これにより、現行の統制枠組みと整合します。

市場インパクトと留意点

運用が広がれば、ファンド処理の決済までの時間が短縮します。データ粒度も上がり、監査や可視化が改善します。一方で、本格導入には標準化と相互運用の整備が必要です。

導入効果は、取引量と参加者の広がりに依存します。複数チェーン対応や権限管理の設計も課題です。パイロットの成果を量産化できるかが焦点です。

用語解説

  • SWIFT:国際送金などの標準メッセージ網を運営する協同組合。
  • Chainlink:外部データをブロックチェーンへ橋渡しする基盤を提供。
  • CRE(Chainlink Runtime Environment):オンチェーン実行を外部システムから安全に起動する層。
  • ISO20022:金融メッセージの国際標準。構造化されたデータ形式を採用。
  • サブスクリプション/償還:投資信託の購入と払い戻しの手続き。
  • 受託者(カストディアン):資産の保管と決済を担う機関。
  • トランスファー・エージェント:投資家名簿や持分の管理を行う事務受託者。
  • パイロット:本格導入前の試験運用。効果と課題を検証する段階。

規制と制度:SECが州信託でのカストディを事実上容認、株式トークン化の検討も前進

州信託カストディの要点

SEC(米証券取引委員会)の投資運用部門がノーアクション文書を公表しました。州認可トラストを「銀行」相当として扱う考えを示しました。登録投資顧問や公募ファンドのカストディ先としての適格性を明確にする狙いです。

文書は執行不提訴の方針を示すものです。正式な規則改正ではありません。ただし、実務に与える影響は大きいです。州トラストを持つ大手の関連会社が対象に入り得ます。カストディの選択肢が広がります。

一方で、委員の間には異論もあります。強い権限を伴う制度変更は、ルールメイキングで行うべきだとの見方です。今後の規則整備やパブリックコメントの行方が焦点です。

株式トークン化の検討

SECは、株式のブロックチェーン登録と取引の枠組みも検討しています。株式をトークンとして暗号資産取引所で売買する案です。承認済みのプラットフォームで流通させる構想が報じられました。

狙いは市場インフラの効率化です。決済速度、保管コスト、透明性の改善が期待されます。取引所や清算機関の関与のあり方が論点です。既存の証券規制との整合も不可欠です。

関係業界は関心を強めています。伝統市場の事業者は、実益の有無と規制整合性を注視しています。暗号資産側は、上場プロセスと投資家保護の要件を確認する段階です。

市場への影響と留意点

州信託の容認は、機関投資家の受け皿拡大につながります。保管のネットワークが広がるため、ファンドや顧問会社の選択肢が増えます。結果として、デジタル資産の取扱いが進みやすくなります。

株式トークン化は、市場接続の強化を示します。証券と暗号資産の境界に共通の基盤が生まれます。ただし、投資家保護、開示、流通規制の設計が鍵です。監督範囲と責任の明確化も求められます。

両テーマとも、実装には段階を踏む必要があります。ノーアクションは暫定的な性格です。トークン化は詳細設計とパイロットが必要です。規制・技術・市場の三位一体の進行が前提となります。

用語解説

  • SEC:米国の証券規制当局。市場監督とルール策定を担当。
  • ノーアクション:特定行為に対し、当面は執行しないとする職員見解。
  • 州認可トラスト:州法で認可された信託会社。資産の保管・管理を担う。
  • カストディ:資産の保管業務。分別管理とセキュリティが要件。
  • トークン化:資産の権利情報をブロックチェーン上のトークンで表現する手法。
  • 登録投資顧問:SECまたは州に登録した資産運用アドバイザー。
  • 承認済みプラットフォーム:所管当局の認可を受けた取引・清算基盤。

ステーブルコイン前線:Stripeの発行基盤、独取引所×Circleの連携、EU当局の警戒で温度差

Stripeの発行基盤「Open Issuance」

Stripe(米決済大手)は、ステーブルコインの発行基盤を公開しました。名称は「Open Issuance」です。最小限のコードで発行と償還を実装できます。自社仕様の通貨設計も可能です。

初期の対象はCASH、USDH、mUSDです。CASHはPhantom(暗号資産ウォレット)の通貨です。USDHはHyperliquid(分散型取引所)の通貨、mUSDはMetaMask(ウォレット)の通貨です。

準備資産は国債と現金の配分に対応します。運用はBlackRockやFidelityなどが担う設計です。準備の透明性と換金性の確保を狙います。発行体は手数料や交換の最適化が可能です。

Stripeはブリッジ基盤の買収で技術を確保しました。ネットワーク間の相互運用を前提とします。決済とアプリの連携で利用場面を広げます。オンライン決済のコスト低減も視野に入ります。

ドイツ取引所×Circle:EURC/USDCの市場接続

Deutsche Börse(独取引所グループ)は、Circle(USDC発行体)と提携しました。対象はEURCとUSDCです。上場と取引、保管の導入を進めます。

上場先は3DX(360Tのデジタル市場)です。保管はClearstream(同グループの国際保管機関)が担います。Crypto Finance(スイスの暗号資産企業)がサブカストディに入ります。

欧州ではMiCARが発行体の基準を定めています。Circleは適合の姿勢を示しています。規制準拠の通貨が機関投資家に浸透しやすくなります。決済と資産運用で活用範囲が広がります。

EUリスク会議体の警戒と温度差

EUのリスク会議体は、複数地域での共同発行型に警戒を示しました。禁止を勧告する報道が出ています。法的拘束力はありません。ただし、各当局の判断に影響を与え得ます。

目的は越境通貨のシステミックリスク抑制です。清算、資金フロー、準備資産の監督が課題です。一方で、欧州市場は規制準拠の活用を進めています。推進と警戒の温度差が並行します。

結果として、二つの潮流が並びます。実装は前進します。監督は厳格化します。発行体は透明性、準備の質、相互運用を同時に満たす必要があります。市場は選別と標準化に向かいます。

用語解説

  • Stripe:米国の大手決済プラットフォーム。
  • Circle:USDCとEURCの発行体。米ボストン拠点。
  • Deutsche Börse:ドイツの取引所グループ。Clearstreamを傘下に持つ。
  • Clearstream:国際的な証券保管・決済機関。
  • 3DX/360T:Deutsche Börse系のデジタル資産市場/FXプラットフォーム。
  • MiCAR:EUの暗号資産包括規制。発行体とサービスを監督。
  • ステーブルコイン:法定通貨などに連動する暗号資産。
  • Open Issuance:Stripeのステーブルコイン発行基盤。
  • CASH/USDH/mUSD:Phantom、Hyperliquid、MetaMaskの通貨。
  • カストディ:資産の保管・管理業務。
  • 複数地域発行:EU域内外で共同発行するスキーム。

エコシステム動向:Sui×LayerZeroで越境資産拡充、The SandboxはZK StackでL2“SANDChain”

Sui×LayerZero:OFT標準で「資産の行き来」を簡素化

Sui(レイヤー1)は、LayerZero(相互運用プロトコル)と統合しました。目的は、異なるチェーン間で資産を移せるようにすることです。拡張では、OFT(Omnichain Fungible Token)標準を採用します。

OFTは、各チェーンで別々にトークンを発行しません。単一の総供給を保ちつつ、チェーン間で移動させます。そのため、断片化が起こりにくくなります。ユーザーはブリッジの複雑な操作を減らせます。

統合により、WBTCやPYUSDなどの資産の取り込みが視野に入ります。LayerZeroは多くのブロックチェーンを接続しています。Suiはその流動性と接続性を取り込む設計です。

Suiは並列実行やサブ秒最終性を特徴とします。月次の取引量やTVLに支えられ、アプリの拡張余地が広いと示されました。DeFiやコンシューマー領域での使い勝手の改善が想定されます。

The Sandbox:ZK StackでL2「SANDChain」を構築

The Sandbox(イーサリアム上のゲーム系メタバース)は、新たなL2を発表しました。名称は「SANDChain」です。ZK Stack(ゼロ知識技術の開発基盤)を用いて構築します。

ネットワークの目的は、クリエイター経済の最適化です。SANDをガス兼ユーティリティに据えます。報酬やポイントの層を備え、創作活動とコミュニティ運営を支援します。

設計は三層です。SANDpointsで貢献度や忠誠度を記録します。Creator Pointsでクリエイター支援とアクセス権を付与します。Creator Tokensは各クリエイターのブランドにひもづく資産です。

アーリーアクセスの登録開始と、テストネット時期が示されました。既存のパートナー網やSANDトークンのユースケースを、L2上で横断的に活かす狙いです。決済やゲーム内経済の手数料・速度の改善が見込まれます。

共通点と相違:越境流動性とクリエイター経済の「土台づくり」

両者の共通点は、既存ユーザー基盤を持つプロジェクトが、ネットワーク側で体験を改善する点です。Suiは他チェーンの流動性を取り込みます。The Sandboxは創作活動の収益回収をL2で効率化します。

相違は、主領域です。Suiはマルチチェーンの資産移動とDeFiの強化が主眼です。The Sandboxはクリエイターの収益設計とコミュニティ運営の標準化が主眼です。いずれもオンチェーン化の加速に寄与します。

結果として、ゲームや消費系アプリのオンチェーン実装が進みます。資産移転の摩擦低減と、創作物の直接マネタイズが並行します。ユーザーは、使いやすさと選択肢の広がりを得やすくなります。

用語解説

  • Sui:新興のレイヤー1ブロックチェーン。高速処理が特徴。
  • LayerZero:複数チェーンをつなぐ相互運用(メッセージング)基盤。
  • OFT:Omnichain Fungible Token。単一供給でマルチチェーン対応する設計。
  • WBTC:ビットコインを他チェーンで表現したトークン。
  • PYUSD:PayPal系ステーブルコイン。
  • ZK Stack:ゼロ知識証明ベースでL2を構築するための技術スタック。
  • The Sandbox:イーサリアム基盤のメタバース型ゲーム。
  • SAND:The Sandboxのガス兼ユーティリティトークン。
  • クリエイター経済:個人や小規模チームが創作で収益化する市場。
  • テストネット:本番前の検証用ネットワーク。

フローと需給:ETH ETFに.47億流入、CoinbaseのBTC担保ローンは累計億超、DOGEはマイニング拡張

ETH現物ETFに7Mの資金流入

イーサリアムの現物ETFに、前日ベースで5億4,700万ドルの流入が報じられました。規模は一日として大きい水準です。機関投資家の需要が、現物市場の買い需要を下支えした形です。

ネット流入は、基準価額に連動するための現物調達を促します。結果として、短期の需給は引き締まりやすくなります。一方で、オンチェーン活動は伸び悩みも指摘されています。価格だけでなく、取引手数料やトランザクション数の回復度合いも確認が必要です。

CoinbaseのBTC担保ローン、累計起源額が10億ドル超

Coinbase(米上場の大手暗号資産取引所)は、ビットコイン担保ローンの累計起源額が10億ドルを超えたとしました。平均借入は5万4,000ドル規模です。上限は現行100万ドルから500万ドルへ引き上げ予定と伝えられました。

同商品は、BTCを売却せずに法定通貨を調達する用途に使われます。売却を避けることで、課税や市場インパクトの発生を抑えやすくなります。結果として、現物の売り圧力に直結しにくい構造です。借入はオンチェーンのレンディング基盤を介して実行されます。

DogeHashが資金調達で採掘設備を拡張

DogecoinのマイナーであるDogeHashは、2億5,000万ドルの借入を確保したと発表しました。目的は採掘機の増設と効率向上です。提供元はThumzup Mediaで、同社による買収手続き中とされています。

艦隊増強は、ネットワークのハッシュレート上昇につながる可能性があります。採掘収益が増えれば、マイナーの売却量が増える局面もあり得ます。ただし、市場価格や手数料水準など、複数要因が同時に影響します。短期の価格変動に直結するとは限りません。

需給の見取り図:買い需要の可視化と売り圧の変動要因

ETH現物ETFの大口流入は、買い需要を可視化します。CoinbaseのBTC担保ローンは、保有資産を売らずに資金を得る選択肢を広げます。これらは、現物の売却圧力を緩和しやすい材料です。

一方で、DOGEの採掘拡張は、新規供給の売却ペースに影響する可能性があります。マイニング収益や電力コストが、実際の売却行動を左右します。市場では、資金フローとマイナー動向の双方を点検する必要があります。

用語解説

  • 現物ETF:対象資産を実際に保有して連動を目指すETF。
  • ネット流入:ETFへの資金流入から流出を差し引いた額。
  • 担保ローン:資産を担保に現金を借りる金融取引。
  • オンチェーンレンディング:ブロックチェーン上で実行される貸借取引。
  • マイニングリグ:暗号資産の採掘に用いる専用機器。
  • ハッシュレート:ネットワークの計算能力の総量。

法執行・コンプライアンス:英で約6.9Bドル詐欺の主犯が有罪、トルコはMASAKの凍結権限拡大を検討

先日報じたように、英国では、2014年から2017年にかけての大規模詐欺事件で主犯が有罪となりました。押収量は61,000BTCで、現在価値で約69億ドル規模です。今回の続報は、暗号資産の押収と追跡が実務として機能している点を示します。一方、トルコでは金融情報機関MASAKの権限拡大法案が報じられました。銀行口座や暗号資産ウォレットの凍結を迅速化する内容で、中央集権型プラットフォームのコンプライアンス負担増が懸念されます。

英国:61,000BTC押収事案で主犯が有罪

被告は2014年から2017年にかけて投資詐欺を主導しました。被害者は12万8,000人規模とされています。英国当局は2018年から2021年にかけて資産を追跡し、61,000BTCを押収しました。被告は裁判所で有罪を認め、量刑は後日に決定されます。

本件は、押収・没収の枠組みが暗号資産にも適用できることを示します。オンチェーン分析と不動産などオフチェーン資産の照合が要でした。国際連携の下で、資金洗浄の試みも把握されました。

  • 詐欺の時期:2014年~2017年
  • 押収期間:2018年~2021年
  • 押収量:61,000BTC
  • 現在の手続:有罪認定、量刑は後日

トルコ:MASAKの凍結権限拡大案と市場への影響

報道によると、トルコ政府はMASAKに口座やウォレットの凍結権限を広げる法案を検討しています。対象は銀行、決済事業者、暗号資産交換業者です。疑わしい取引に対し、口座停止や取引上限設定、アドレスのブラックリスト登録を可能にする構想です。モバイルバンキングの停止措置も想定されます。

この動きは、不正送金や無許可ギャンブル資金の遮断を狙います。もっとも、交換業者の監視コストは上がる可能性があります。ルールが明確なら機関投資家の受容は進みます。逆に運用が不透明だと、利用者が分散型取引に流れる懸念もあります。

  • 主な措置案:凍結、上限設定、モバイル停止、アドレスのリスト化
  • 想定影響:事業者のコンプライアンス強化、ユーザー行動の二極化

用語解説

  • MASAK:トルコの金融情報機関。マネロン対策や資金追跡を担当。
  • ウォレット凍結:特定の暗号資産アドレスの送受信を事実上停止させる措置。
  • ブラックリスト(アドレス):違法疑惑のあるアドレス一覧。事業者は取引を遮断する。
  • オンチェーン分析:ブロックチェーン上の取引履歴を解析し資金の流れを特定する手法。
  • VASP:暗号資産サービス提供者。交換業者やカストディなどを含む。

近々の注目:米ADP・ISM→10/3雇用統計、政府機関停止の長期化、SOL ETFのS-1進捗

足元の相場は、米国の景気指標と規制当局の稼働状況に左右されやすい局面です。今夜のADP雇用レポートとISM景況指数、10月3日の雇用統計が金利とドルに影響します。その変化は株式を経由し、暗号資産のリスク選好にも波及します。加えて、政府機関停止が長引くと経済統計の公表やSECの審査が遅れる恐れがあります。SOL現物ETFの上場時期も、S-1の有効化ペースと停止期間の長さが鍵になります。

米ADP・ISMと10/3雇用統計:金利・ドルを通じた波及

短期の焦点は指標の強弱です。強い結果ならインフレ警戒が高まり、米金利が上昇しやすくなります。ドル高が進むと、リスク資産は上値が重くなりやすいです。弱い結果なら金利低下が意識され、株式の反発とともに暗号資産の資金フローが改善しやすくなります。

  • 上振れシナリオ:金利上昇・ドル高 → リスク資産は重くなりやすい
  • 下振れシナリオ:金利低下・ドル安 → リスク選好が戻りやすい
  • 雇用統計は市場の最終判断材料になりやすい

政府機関停止が長引く場合:統計と審査の遅延リスク

政府機関停止が長期化すると、非必須業務が停止します。雇用関連や物価関連の統計が遅れる恐れがあります。投資家は判断材料を欠き、ボラティリティが高まりやすくなります。SEC(米証券取引委員会)の審査体制も縮小し、上場申請や届出書の処理が滞る可能性があります。

  • 統計の遅延:金利見通しの不確実性が増す
  • SEC業務の停滞:ETFや新商品の審査・承認に遅れ
  • 市場影響:指標欠落でポジション調整が進みやすい

SOL現物ETF:S-1有効化と停止期間の二重の時間軸

SOL現物ETFは「承認時期」が注目されます。取引所規則の側面(19b-4)で前進が見られても、実際の上場にはS-1登録届出書の有効化が必要です。SECスタッフのレビューが続く間は、上場開始はできません。政府機関停止が長引けば、S-1の処理にも遅延が発生し、上場時期が後ずれする可能性があります。

  • 前提条件:19b-4の認可+S-1の有効化
  • 鍵となる要因:SECレビュー体制と停止期間の長さ
  • 市場の視点:承認の「可否」だけでなく「時期」が価格形成に影響

用語解説

  • ADP雇用レポート:民間部門の雇用増減を速報する民間統計。
  • ISM景況指数:製造業・非製造業の景気感を測る購買担当者指数。
  • 雇用統計(NFP):米労働省が公表。非農業部門の雇用者数などを示す。
  • 政府機関停止:予算未成立で連邦機関の非必須業務が停止する状態。
  • SEC:米証券取引委員会。証券市場と投資家保護を監督。
  • 19b-4:取引所が上場規則を変更する際の承認申請様式。
  • S-1:新規に有価証券を公募・上場する際の登録届出書。
  • 有効化(Effectiveness):SECが届出書の内容審査を完了し、効力が発生すること。

まとめ:制度レールの整備が進む一方、承認タイミングは政策日程の影響を強く受ける

本日の焦点はIBITのインカインド解禁SWIFT×Chainlinkの実装進展SOL現物ETFの承認時期です。いずれも市場インフラの前進を示します。流動性、スプレッド、バックオフィス連携の面で改善余地があります。一方で、米政府機関停止やEUの規制議論が不確実性を残します。制度の追い風と政策カレンダーの綱引きが、短期のセンチメントを左右します。

本日の要点

  • IBITのインカインド化が、裁定の効率化とスプレッド圧縮を後押しする可能性。
  • SWIFT×ChainlinkはISO20022連携でサブスク・償還のオンチェーン実行を具体化。
  • SOL現物ETFは19b-4の進展に加え、S-1有効化の時期が上場開始の鍵。
  • 政策・マクロ要因(政府機関停止、欧州の規制議論、米主要指標)が時期と地合いを左右。

今後の視点

  • 承認の「可否」よりも「時期」に注目。手続きの停滞は価格形成に影響しやすい。
  • インフラの前進は中期の採用に寄与。ただし短期は統計と金利に敏感。
  • 地域差(米国の前進とEUの慎重姿勢)が資金の流れを分ける可能性。

免責事項

  • 本記事にはAIによる収集・分析データが一部含まれます。情報の正確性には十分留意していますが、最終的な判断はご自身の責任でお願いします。
  • また、本記事は投資判断を促すものではなく、市場理解を目的とした情報提供にとどまります。

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