- 市場はBTC12.3万ドル台、時価総額4.20兆ドル 米株は小動き・円安が進行
- ETF申請ラッシュ拡大(続報):REX/Ospreyなどで30本超、商品多様化が進展
- Morgan Stanleyが暗号配分のガイドライン(最大4%)を提示
- SWIFTが共有台帳プラットフォーム構築へ(続報):ステーブル/トークン化決済の接続層に
- Solana大型アップグレード「Alpenglow」(続報):最終性短縮や投票のオフチェーン化
- マクロ要因:政府閉鎖下のFOMCと「ドル安/リスク資産同時高」のねじれ
- ステーブルコイン動向(続報):時価総額3,000億ドル台へ、USDT/USDC/USDeが牽引
- データと規制:Aster出来高の掲載停止、SEC保管巡り委員分裂、FTXがフィッシング警戒
- 地域・資金フロー:韓国で出来高急増、L2回帰観測、ETH大口のCEX移動
- 供給イベントと基盤技術:10月の大型アンロック、FilecoinがFIP-0106へ刷新
- オプション市場の着眼点:6k/5k/0kゾーンが次の攻防帯に
- 今後の注目イベント:中銀文書と米CPI、国内は日銀関連日程に留意
- まとめ:本日の核は「ETF申請の裾野拡大」と「既存金融の接続前進」
市場はBTC12.3万ドル台、時価総額4.20兆ドル 米株は小動き・円安が進行
暗号資産の時価総額は4.20兆ドルです。24時間出来高は1,745億ドルです。ビットコインは$123,323.3(24H +0.95%)、イーサリアムは$4,494.77(+0.54%)で高値圏を維持しています。ドミナンスはBTC 58.3%、ETH 13%です。
暗号資産のスナップショット
- 総時価総額:4.20兆ドル
- 24時間出来高:1,745億ドル
- BTC:$123,323.3(24H +0.95%)
- ETH:$4,494.77(24H +0.54%)
- ドミナンス:BTC 58.3%/ETH 13%
主要通貨は上昇と横ばいが混在しています。直近の高値圏でのもみ合いが続いています。
米株・ボラティリティ(NY時間ベース)
- S&P 500:6,715.79(+0.01%)
- ナスダック総合:22,780.51(-0.28%)
- VIX:16.65
いずれもニューヨーク時間10月3日の終値です。日本時間の更新とは基準が異なります。
日本株(日本時間ベース)
- Nikkei 225:47,727.50(+4.28%)
日本株は大幅高です。先日も取り上げた「高市トレード」に関する観測と、円安進行が並走しています。もっとも、個別の値動きの要因は複合的であり、短期の因果は断定できません。
為替(日本時間での観測)
- USD/JPY:149.73付近(ドル高・円安)
ドル高基調が続いています。円は149円台で推移し、日本株の強さと同時に観測されています。
コモディティ(日本時間での観測)
- 金先物(12月):$3,926.27
- 現物金(XAU/USD):$3,900.92
- WTI原油(11月):$61.79
- ブレント原油(12月):$65.46
金は4,000ドル手前で推移しています。原油は小幅高です。
時間帯の注意点
本稿は日本時間2025年10月6日(月)10:07時点の整理です。米株の数値はNY時間の終値、日本株は日本時間の取引に基づきます。休場や時差により、同一時点の比較ができない場合があります。参照時は時間軸の違いに注意してください。
用語解説
- ドミナンス:時価総額全体に占める個別通貨の割合。
- VIX:S&P500の予想変動率。市場心理の目安。
- XAU/USD:金の店頭現物価格を米ドルで表示した指標。
- 出来高(24H):直近24時間の約定金額の合計。
- 高市トレード:積極財政と金融引き締め慎重の観測を織り込む、円安・株高の取引仮説。
- NY時間/日本時間:市場ごとの更新時刻が異なるため比較時に要注意。
ETF申請ラッシュ拡大(続報):REX/Ospreyなどで30本超、商品多様化が進展
先日も取り上げたレバレッジ系ETFの動きですが、暗号資産関連の新規申請が1日で30本超に拡大しました。米証券取引委員会(SEC)に対し、REX SharesとOsprey Fundsが計21本を提出し、DefianceやLeverage Sharesの申請も続きました。承認の是非や時期は示されていませんが、パイプラインの厚みは投資家のアクセス手段がさらに広がる局面であることを示します。
動きの概要
- 暗号資産・関連株を対象にしたETFの新規申請が短期間に集中。
- 単一資産型、ステーキング連動型、ロング・インバースのレバレッジ商品など構成は多様。
- 発行体の裾野が広がり、商品設計の競争が進展。
申請の内訳と狙い
REX SharesとOsprey Fundsの申請は、個別アルトコインやステーキング要素を取り込んだ設計が中心です。DefianceやLeverage Sharesは、日次で倍率を目標とするロング/インバース型の提案を拡充しました。これにより、市場は短期トレード向けの選択肢を増やしつつ、原資産や連動手法の違いを通じて多様なリスクプロファイルに対応する構図です。
投資家アクセスの広がりと課題
- アクセス面:証券口座経由でのエクスポージャー取得が容易に。保管や税務の取り回しが明確になりやすい。
- 市場機能:商品層の拡大は売買高の底上げや価格発見の効率化に寄与しうる。
- 課題:レバレッジETFは日次リセットが前提。ボラティリティが高い局面では複利の影響で指数と乖離が生じやすい。
- 制度面:SEC審査の進度は不確実。政府機関の稼働状況や開示要件の精査が影響しうる。
リスクと留意点
- 短期性:倍率連動は短期運用を想定。長期保有では期待値と異なる結果になる可能性。
- 流動性:原資産や先物・スワップのヘッジコストが基準価額のブレに影響。
- 開示:目論見書における指数算出、費用構造、カバー先の透明性が重要。
用語解説
- SEC:米証券取引委員会。ETFの上場審査や開示を監督する規制当局。
- REX Shares/Osprey Funds:米系のETF発行体・運用会社。テーマ型や暗号資産関連の商品で申請を拡大。
- Defiance/Leverage Shares:高ボラ資産のレバレッジ型やインバース型で知られる発行体。
- レバレッジETF:対象指数の日次リターンに倍率で連動する設計。毎日リセットする。
- インバース:対象と逆方向の値動きに連動する設計。
- 乖離(デケイ):上下動の繰り返しで複利効果が働き、指数とパフォーマンスがズレる現象。
Morgan Stanleyが暗号配分のガイドライン(最大4%)を提示
米大手金融のMorgan Stanley(モルガン・スタンレー)は、暗号資産の配分ガイドラインを示しました。対象はマルチアセットのモデルポートフォリオです。結論は「控えめな配分」です。高リスクの成長型で最大4%、バランス型で最大2%、資産保全・インカム重視は0%としました。
ポイントと背景
- 暗号資産は上振れ余地と下振れリスクを併せ持つと整理。
- 「ビットコインはデジタルゴールドに類似」と評価。
- ボラティリティは低下傾向だが、ストレス期の相関上昇に注意を明記。
- 配分は定期的なリバランスを前提とする設計。
配分の内訳(モデル例)
- Opportunistic Growth(高リスク成長型):暗号最大4%。短期の変動にも耐える前提。
- Balanced Growth(バランス型):暗号最大2%。株式・債券と併存させる想定。
- Wealth Preservation/Income(保全・インカム):暗号0%。元本安定と配当重視を優先。
想定するリスクと留意点
- 相関の変化:市場が荒れる局面では株式などと動きが近づきやすい。
- 下値波乱:短期の値幅が大きく、想定外の損失に繋がる可能性。
- 商品選択:現物ETFや上場商品を含む選択肢が拡大。費用と流動性を確認。
- メンテナンス:リバランスを怠ると目標配分からの乖離が拡大。
位置づけと示唆
同社は暗号資産を「補完的な衛星資産」として扱います。中核は従来資産に置き、暗号はリスク許容度に応じて薄く積む考え方です。ETFの普及や保管の整備でアクセスが平易になった点も背景です。一方で、政策・規制や市場流動性の影響は残ります。ガイドラインは、制度化の進展を踏まえつつも、過度な比率を避ける姿勢を明確にしています。
用語解説
- Morgan Stanley:米大手の金融サービス会社。投資銀行・運用・証券を手がける。
- GIC(Global Investment Committee):資産配分の基本方針を示す社内委員会。
- デジタルゴールド:希少性を持つ価値保存手段としてのビットコインの比喩。
- 相関上昇:市場ストレス時に資産間の値動きが似通う現象。
- リバランス:目標配分に戻すための定期的な売買調整。
- 衛星資産:ポートフォリオの中核(コア)に対する補完的な少額投資枠。
SWIFTが共有台帳プラットフォーム構築へ(続報):ステーブル/トークン化決済の接続層に
SWIFTがオンチェーン決済の中核に踏み込みます。複数チェーンを横断する共有台帳の構築計画です。対象はステーブルコインとトークン化資産です。狙いは導入障壁と統合コストの低減です。報道では30超の金融機関が関与とされます。役割はメッセージ層→価値移転へ拡張します。
計画の概要
- マルチチェーン接続:異なるチェーン間の移転を一つのレイヤーで橋渡し。
- 共通仕様:銀行は標準化された接続口で参加可能。
- 指図と清算の統合:オンチェーン指図と決済を同一基盤で処理。
- 既存網との連携:従来のSWIFT網と併用できる設計。
銀行側のメリット
- 統合コスト抑制:重複開発を削減し、保守を簡素化。
- 導入容易性:単一接続で複数チェーンへアクセス。
- 運用負荷の低減:監査とモニタリングを共通ルールで実施。
- 流動性最適化:決済レイヤーで資金を効率配分。
標準化の期待と中立性の懸念
広域接続を持つSWIFTは標準化を進めやすい立場です。一方で市場分断の余地は残ります。各国規制やCBDCの仕様が一致しないためです。過去の制裁執行への関与から中立性への懸念もあります。結果として、民間ステーブルとCBDC、地域解決策が併存する可能性があります。
これまでの経緯と位置づけ
SWIFTは2017年以降、DLTの実証を継続しました。証券トークン化や相互運用の試験も実施しています。今回の共有台帳はその延長線上にあります。銀行をブロックチェーン経済へつなぐスイッチング層となります。既存インフラの代替ではなく移行の足場です。
市場への影響
- 企業利用の促進:決済レイヤーの整備で安定通貨の実務利用が進展。
- トークン化拡大:清算・保管の手当てが整い、発行が加速。
- 標準の形成:参加行の増加で手続きと接続の標準化が進む。
- 規制整合の時間軸:圏域ごとの差異が残り、短期の全面統合は想定しにくい。
用語解説
- SWIFT:国際送金のメッセージ標準を提供する協同組織。
- 共有台帳(DLT):複数主体でデータを同期・検証する仕組み。
- ステーブルコイン:法定通貨などに連動する暗号資産。
- トークン化資産:証券や債権などをデジタル化した資産。
- スイッチング層:異なるネットワーク間を橋渡しする接続レイヤー。
- CBDC:中央銀行が発行するデジタル通貨。
Solana大型アップグレード「Alpenglow」(続報):最終性短縮や投票のオフチェーン化
Solanaは次期アップグレード「Alpenglow」で合意処理を刷新します。外部リポートでは、最終性の大幅短縮、投票のオフチェーン化、通信最適化、ブロック容量の拡張を柱に掲げます。さらに、独立実装のFiredancer導入に向けた下地づくりも進みます。狙いは手数料と運用負荷の抑制と、混雑時の安定性の向上です。
アップグレードの要点
- 最終性の短縮:現行の約12秒から、目安で約150ミリ秒への短縮を目指します。確定待ち時間を圧縮します。
- 投票のオフチェーン化:バリデータの投票はオフチェーンで集約し、後から単一の証跡を記録します。帯域と手数料の負担を軽減します。
- Validator Admission Ticket:多数の投票トランザクションをやめ、1サイクル1回の提出に統一します。運用コストを簡素化します。
- 通信の最適化:ノード間のゴシップを削減し、同期待ちや再送を抑えます。混雑時の揺らぎを小さくします。
- ブロック容量の拡張:年内目途で約25%の増枠を計画します。詰まりを緩和します。
スケーラビリティと多様性
- Firedancer(Jump Crypto):Solanaの第二のクライアントとして稼働を目指します。実装の多様性で可用性を高めます。
- SIMD-0370:固定的なブロックサイズ上限を外し、ハードの進歩に合わせて自動拡張できる設計を提案します。
- Pトークン:従来のSPLより計算負荷を約95%削減するとされます。単純送金の効率化で総スループットを底上げします。
回復力と運用負荷の低減
- 配信レイヤーの見直し:新たなブロードキャスト層(例:Rotor)で重複パケットを抑え、全体伝播を短縮します。
- 署名のローカル集約:複数のトランザクション署名を一括化し、検証コストを削減します。
- フォールトトレランス:一部のバリデータが離脱しても継続稼働しやすい設計を強化します。
- 小規模運営のしやすさ:投票手数料の定額化と運用簡素化で、参入障壁を下げます。
用語解説
- 最終性(Finality):取引が巻き戻らない状態になるまでの時間。
- オフチェーン投票:チェーン外で投票を集約し、証跡のみを記録する方式。
- Firedancer:Jump Cryptoが開発中の独立クライアント。実装の多様化で障害耐性を高める。
- SIMD-0370:Solanaの改良提案。ブロックサイズの固定上限撤廃を目指す。
- Pトークン:トークン移転の計算負荷を軽くする新フォーマット。
- ゴシップ:ノード間での状態共有メッセージの拡散方式。
- バリデータ:取引検証とブロック生成を担う検証者ノード。
マクロ要因:政府閉鎖下のFOMCと「ドル安/リスク資産同時高」のねじれ
米政府の一部閉鎖が続く中、10月28〜29日のFOMCは不確実性が増しています。市場では25bp利下げ観測が優勢です。ですが、雇用統計などの公的データが遅延し、FRBは判断材料が限られます。データ不足は利下げの見送りや慎重なガイダンスといったサプライズに結びつく可能性があります。
データ欠落が政策判断に与える影響
閉鎖によりBLSの雇用統計などが未公表です。FRBは労働と物価の最新動向を十分に把握しにくい局面です。こうした状況では、委員会は先行き不透明を強調しやすくなります。利下げ幅を維持しつつ、次回以降はデータ次第とする可能性が指摘されています。
「ドル安」と「金・株・BTC同時高」が並走
ビットコインは一時$125,506まで上昇しました。現在も$123,323.3で高値圏です。金現物は$3,900台、金先物は$3,926近辺で推移しています。米株もS&P500 6,715.79(+0.01%)と高値圏です。為替ではUSD/JPY 149.73とドル高・円安です。こうした安全資産とリスク資産の同時高は異例で、「新しい金融政策レジーム」を示唆する分析もあります。
想定シナリオと市場の焦点
基本シナリオは25bp利下げです。閉鎖が解除され、遅延データが会合前に公表されれば、判断材料が増えます。一方で、データが不足したままなら、FRBは慎重姿勢をより強める可能性があります。結果として、利下げは維持しても追加緩和に慎重と受け止められるリスクがあります。市場は政策文言と記者会見のトーンに注目しています。
用語解説
- FOMC:米連邦公開市場委員会。政策金利などを決定する会合。
- 政府閉鎖:予算未成立で一部政府機関が停止する状態。
- 25bp:0.25%の利下げ幅を指す市場慣用表現(bp=ベーシスポイント)。
- ガイダンス:中央銀行が示す先行きの方針や見通し。
- 最終性:取引が確定し、事実上取り消せない状態。
ステーブルコイン動向(続報):時価総額3,000億ドル台へ、USDT/USDC/USDeが牽引
ステーブルコイン市場規模は$3020億超です。直近1週間で約$61.5億増となりました。けん引役はUSDT(Tether社)で、シェアは58%強です。USDC(Circle社)も増勢です。USDe(Ethena系の合成ドル)など新勢力も拡大しています。ボラティリティが低下しても、送金と決済の需要が基盤を支えています。
市場規模と銘柄別の動き
- 総時価総額:約$3020億(前週比+約$61.5億)
- USDT:シェア58%超、新規発行でシェア拡大
- USDC:時価総額の増加が継続
- USDe:流通拡大で存在感が上昇
資金流入は分散的です。最大銘柄の増発がセクター全体の厚みを作っています。ミドル規模の銘柄も裾野を広げています。
ネットワーク別の収益構造と手数料
収益(ネットワークの手数料収入)は、市況と設計の違いを反映します。9月は主要チェーンの収益が月次で約16%減でした。価格変動の縮小で、優先処理のニーズが後退したためです。
- Tron:安価な送金とUSDT流通の多さが収益の柱です。ガス料金の引き下げも影響しました。
- Ethereum:手数料は落ち着き、収益は前月比で縮小しました。
決済で重要なのは手数料水準、最終性の速さ、停止耐性です。これらの要素が、どのチェーンに送金が集まるかを左右します。結果として、収益構造の差となって表れます。
需給の支えと留意点
相場の変動が落ち着く局面でも、国境をまたぐ送金や取引所間の資金移動が基礎需要になります。セクター全体の時価総額は上向きです。一方で、各銘柄の裏付け資産や開示、発行と償還の運用は引き続き確認が必要です。チェーン停止や混雑への耐性も、決済インフラとしての信頼に直結します。
用語解説
- ステーブルコイン:法定通貨に連動する暗号資産。送金や決済に用いる。
- 最終性:取引が確定して取り消せない状態に達する速さ。
- 停止耐性:ネットワーク障害時でも決済を継続できる強さ。
- USDT/USDC:Tether社/Circle社が発行する米ドル連動型トークン。
- USDe:Ethena系の合成ドル型トークン。設計が従来型と異なる。
- 収益(ネットワーク):ブロックチェーンの手数料収入の総称。
データと規制:Aster出来高の掲載停止、SEC保管巡り委員分裂、FTXがフィッシング警戒
DeFiLlama、Asterの出来高データを一時除外
DeFiLlamaは、DEXのAsterに関するパーペチュアル出来高の掲載を停止します。理由は、出来高がBinanceの先物出来高とほぼ同一の動きを示したためです。Aster側は注文者や約定者などの低レベルデータを開示していません。検証可能な情報が得られるまで、掲載を見送る方針です。
- 指摘点:出来高の相関が極端に高い。
- 課題:低レベルデータの不提供でウォッシュトレードの検証が困難。
- 影響:DEXのデータ整合性と信頼性が改めて焦点化。
SECの暗号カストディを巡り、委員見解が分裂
米SECの投資管理部門がノーアクション・レターを出し、登録投資アドバイザーや規制ファンドが州認可トラスト会社で暗号資産を保管するケースを整理しました。ヘスター・ピアース委員は実務的な明確化として評価。一方でキャロライン・クレンショー委員は投資家保護の弱体化を懸念しました。今回の位置づけはスタッフガイダンスであり、正式な規則改正ではありません。
- 柔軟性:実務に沿った保管先の選択肢を確認。
- 懸念:監督水準のばらつきと保護機能の穴。
- 論点:アクセス拡大と投資家保護のバランス。
FTX、債権者配当の進捗下でフィッシングを警告
破綻処理中のFTXは、$16億規模の配当プロセスの進行に合わせてフィッシング詐欺への警戒を告知しました。詐欺メールはKrollやFTX Recovery Trustを装い、偽の配当ポータルやクレームサイトへ誘導します。公式アカウントは「ウォレット接続の要求は行わない」と明確に述べています。
- 状況:配当対象は複数区分にまたがる。
- 手口:正規に似せたURLや文面で誘導。
- 焦点:案内元の真正性と情報の取扱い。
横断的な論点:信頼の基盤は「検証可能性」と「保護設計」
Asterの件はオンチェーンデータの検証可能性を問います。SECの議論は保管インフラの監督設計を映します。FTXの警告は配当プロセスの透明性と利用者保護の重要性を示します。市場拡大の前提は、データ品質、保管規律、利用者保護の三点がそろうことです。
用語解説
- パーペチュアル(無期限先物):満期がない先物。資金調達率で価格調整。
- ウォッシュトレード:自己売買で出来高を水増しする不正行為。
- 相関:2つのデータが同方向に動く度合い。高いほど動きが似る。
- カストディ:資産の保管・管理サービス。
- 州認可トラスト会社:州法に基づき信託業務を行う機関。
- ノーアクション・レター:特定行為に対し、違反としない旨のスタッフ見解。
- フィッシング:偽装メールやサイトで情報を盗む詐欺。
- 配当(弁済配当):破綻手続で債権者に支払われる金銭。
地域・資金フロー:韓国で出来高急増、L2回帰観測、ETH大口のCEX移動
韓国市場:主要銘柄の出来高が急増
韓国の大手取引所(Upbit、Bithumb)で、BTCやXRPなどの出来高が拡大しています。直近24時間では、BTC約4.93億ドル、XRP約3.06億ドル、ETH約2.15億ドルの取引が観測されました。さらに、SOL、DOGE、USDTのほか、新興のSOMI、OPEN、CELO、XPLも上位に入りました。
- 上位10銘柄合計:概算で18億ドル超
- 背景:ビットコインの高値圏推移とアジア時間のリスク選好
- 示唆:ローカル需要の強さと新規銘柄への資金循環
L2回帰:ArbitrumとBaseに資金が戻る観測
オンチェーンのフローでは、Arbitrum(ARB)がネット流入の首位となりました。Baseも上位に並び、L2(レイヤー2)への資金回帰が示唆されています。これは、手数料の安さと処理性能が評価された形です。一方で、Hyperliquidからの資金流出は利確の動きと解釈されています。BNBへの流入は、周辺エコシステム(例:派生プロジェクト)への支えとなりました。
- 焦点:手数料、最終性、ユーザー体験の差
- 短期要因:イベント期待と回転売買
- 中期要因:アプリ需要と流動性の定着
ETHの大口移動:CEXへの送付でポジション調整か
中国系投資会社の関連とされるアドレスが、145,000 ETH(約6.54億ドル)をBinanceなどのCEXへ移動しました。取得・売却履歴から、今回のラウンドの概算利益は約3.03億ドルと推計されています。アドレスの残高は7,163 ETHまで減少しました。価格上昇局面での利確、もしくはポジション再構築の可能性があります。
- 移動規模:145,000 ETH(平均移動価格$4,489付近)
- 残高:7,163 ETH
- 示唆:短期の売り圧力と資金再配分の両面
用語解説
- L2(レイヤー2):メインのブロックチェーンを補助する拡張基盤。手数料と処理速度を最適化。
- ネットフロー:資金の流入額から流出額を差し引いた指標。
- CEX:中央集権型取引所。口座管理と板取引を提供。
- 利確:保有資産を売却して利益を確定する行為。
- 最終性:取引が巻き戻されない確定までの速さ。
供給イベントと基盤技術:10月の大型アンロック、FilecoinがFIP-0106へ刷新
10月の大型アンロック:規模とタイムライン
向こう30日で約10億3,000万ドル相当のトークンがロック解除されます。期間は10月4日〜11月4日です。自由流通量(フリーフロート)が増えるため、短期の需給に影響が出やすい局面です。
- 主な対象:Aptos、ENS、ImmutableX、Bittensor、Arbitrum、Celestia など
- 規模感:月間合計で$10億超(推計)
- 注目点:ロック解除の受益者と売却制限の有無
主なスケジュール例と市場インプリケーション
初旬から中旬にかけて、大型案件が連続します。AptosやENSなどの主要プロジェクトに加え、BittensorやArbitrumも予定されています。月後半にはTON、Avalanche、LayerZero関連の解放も見込まれます。
- 上旬:Aptos、ENS、ImmutableX、Celestia ほか
- 中旬:Bittensor、Arbitrum、Omni Network ほか
- 下旬:TON、LayerZero、Avalanche ほか
価格への影響は一様ではありません。解放先がチームや投資家の場合、売却制限や段階売りが機能することがあります。OTCでの消化が中心なら、市場の売り圧力は緩和されます。
Filecoin:FIP-0106導入でコードを簡素化
Filecoinは、ストレージ事業者を制御するコンポーネントでFIP-0106を導入しました。従来のProveReplicaUpdatesを廃止し、冗長な処理を整理します。目的は保守性の向上と攻撃面積の縮小です。
- 狙い:コードの単純化とバグリスクの低減
- 効果:オペレーション負荷の軽減と安定性の改善
- 文脈:ネットワーク拡張と将来の機能追加に備える設計
需給と技術の交差点:短期と中期の見方
大型アンロックは短期の供給増につながります。一方で、Filecoinのような基盤改善は中期の信頼性と実需を支えます。需給イベントと技術進化が同時進行するため、価格はニュースの質と量の組み合わせで反応しやすい状況です。
- 短期:解放タイミング前後の板薄や流動性に注意
- 中期:プロトコルの安定性や採用拡大が下支え
用語解説
- トークンアンロック:ベスティング終了で取引可能になる解放イベント。
- フリーフロート:市場で自由に売買できる流通量。
- OTC:相対取引。取引所板を使わずに売買する手法。
- FIP:Filecoin Improvement Proposal。機能改善の提案文書。
- Storage Provider Actor:Filecoinで事業者の動作を管理する主要コンポーネント。
- 攻撃面積:攻撃可能な箇所の総体。コード簡素化で縮小可能。
オプション市場の着眼点:6k/5k/0kゾーンが次の攻防帯に
ビットコインは高値圏で推移しています。オプションでは$135,000と$140,000のコール建玉が厚い状況です。短期のテクニカルでは$126,100が上限目安として意識されています。ヘッジの売買がボラティリティを左右する可能性があります。
建玉の集中とヘッジフロー
主要取引所では、コールの未決済建玉(OI)が$135,000と$140,000に集中しています。価格がこれらの権利行使価格に近づくと、ディーラーのデルタヘッジが増えます。上値での売りヘッジが強まると、上昇の勢いは鈍りやすくなります。
一方で、直前に建玉が偏ると「価格の引き寄せ」も起き得ます。満期前はポジション調整が活発になり、短時間の値動きが大きくなる局面も想定されます。
テクニカルの目安と短期シナリオ
テクニカルでは$126,100が短期の上限目安と見られます。この水準を明確に超えられない場合、レンジ内への押し戻しが起きやすくなります。超過した場合は、未踏領域の価格発見が進みます。
- $135,000:コール建玉が厚く、ヘッジ売りで抵抗になりやすい水準です。
- $140,000:建玉集中による「マグネット効果」が意識される一方、突破には追加の需要が必要です。
ボラティリティへの含意
$135,000近辺ではガンマが高まり、ヘッジ売買が増えると値動きが抑制されやすくなります。対して$140,000では建玉の偏りが強く、ポジション解消の連鎖でボラティリティが上振れする可能性があります。いずれもオプション満期の前後で影響は変化します。
用語解説
- コールオプション:将来、指定価格で買う権利です。
- 未決済建玉(OI):決済されていない契約の総数です。
- 権利行使価格(ストライク):権利を行使できる価格です。
- デルタヘッジ:価格変動に合わせ、現物や先物でリスクを中立化する手法です。
- ガンマ:デルタの変化率を示す指標です。ヘッジ頻度に影響します。
- 価格発見:参加者の売買で新たな適正水準を探る過程です。
今後の注目イベント:中銀文書と米CPI、国内は日銀関連日程に留意
今週(10月6日(月)〜10月12日(日))は中銀関連の公表が相次ぎます。来週(10月13日(月)〜10月19日(日))は米9月CPIが焦点です。金利観測とドルの方向性を通じ、リスク資産の資金フローに波及しやすい局面です。国内ではUSD/JPY 150円接近の中で、日銀の資料や発言への反応が注目されます。
米政府一部閉鎖の影響(スケジュール注意)
- 影響を受けやすい:米公的統計(CPIや雇用統計など)は公表延期リスクがあります。
- 原則通常運営:FRBイベント(FOMC議事要旨など)は実施されます。FRBは独立採算です。
- 無関係:RBNZやECB、カナダ統計は米政府閉鎖の対象外です。
- その他:SEC・CFTCは縮小運営となる場合があり、審査や開示に遅延が出る可能性があります。
市場(株・為替・コモディティ・暗号資産)は平常どおりです。公表直前のアナウンスで日程を再確認してください。
今週の海外イベント(日本時間)
- 10月9日(木):FOMC議事要旨(米国・前回会合分の記録)
- 10月9日(木):RBNZ政策金利(ニュージーランド中銀の金利判断)
- 10月10日(金):ECB議事要旨(ユーロ圏の政策議論の要約)
- 10月10日(金):カナダ雇用統計(労働市場の強弱を確認)
上記は日本時間基準の想定日です。為替や先物は事前観測に反応しやすい点に留意してください。
来週の米CPIと波及経路
米9月CPI:10月15日(水)(米東部時間8:30/日本時間21:30想定)。ヘッドラインとコアCPIの差が注目点です。予想下振れは利下げペース観測を強め、ドル安とリスク資産高に結びつきやすい一方、上振れはドル高・金利上昇観測を通じて株式や暗号資産の上値を抑える可能性があります。
米政府一部閉鎖が継続する場合は、公表延期の可能性があります。直前のスケジュール更新を確認してください。
国内の注目日程と為替(日本時間)
- 10月上旬:日銀支店長会議(地域経済の点検)
- 10月上旬:日銀総裁講演(物価・賃金・金融政策の評価)
- 為替当局のスタンス:USD/JPY 150円接近局面での発言や対応に留意
日本の公表は日本時間で行われます。為替は24時間取引のため、海外イベントと重なる時間帯は値動きが速くなることがあります。
用語解説
- RBNZ:ニュージーランド準備銀行。政策金利を決定します。
- FOMC議事要旨:米連邦公開市場委員会の議論記録です。
- ECB議事要旨:欧州中央銀行の政策議論の要約です。
- 米CPI:米消費者物価指数。インフレ動向の代表指標です。
- コアCPI:食品・エネルギーを除くCPIです。
- 日銀支店長会議:各地域の経済報告を集約する会議です。
- 為替当局のスタンス:介入や会見など、為替政策上の姿勢を指します。
まとめ:本日の核は「ETF申請の裾野拡大」と「既存金融の接続前進」
本日の要点は制度資金の受け皿拡張と既存金融との接続強化です。ETF申請ラッシュとMorgan Stanleyの配分ガイドで、参入経路が広がりました。SWIFTの共有台帳構想は、銀行決済とオンチェーンを結ぶ基盤整備を前に進めます。
- ETF申請の裾野拡大:レバレッジ系も含め申請本数が増加。商品多様化で投資家の選択肢が拡張。
- 配分ガイドの明確化:Morgan Stanleyはマルチアセットで最大4%の上限を提示。機関の判断軸が可視化。
- 既存金融の接続:SWIFTが共有台帳を計画。ステーブルやトークン化資産の相互運用を想定。
- 基盤技術の前進:Solana「Alpenglow」で最終性の短縮や通信効率化を推進。高負荷時の安定性を強化。
- 短期の価格要因:FOMC/ECB文書、RBNZ、カナダ雇用、来週の米CPIがヘッドラインリスクに。
- オプション節目:BTCは$126k/$135k/$140k帯で攻防。ヘッジフローがボラを左右。
- 為替と日本:USD/JPY 150円接近。日銀関連日程や当局発言への市場感応度が高い局面。
明日以降の注目ポイント
- スケジュール不確実性:米政府一部閉鎖が続く場合、米公的統計は延期リスク。
- 資金フローの行き先:L2回帰やステーブル拡大が継続するかを確認。
- データ品質と保護:Aster出来高掲載停止、SEC保管論争、FTXの詐欺警戒に留意。
免責事項:本記事にはAIによる収集・分析データが一部含まれます。情報の正確性には十分留意していますが、最終的な判断はご自身の責任でお願いします。
投資勧誘ではありません:本記事は投資判断を促すものではなく、市場理解を目的とした情報提供にとどまります。
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