はじめに|動かない価格、動く構造
2025年4月18日の仮想通貨市場は、一見すると静かな一日となりました。ビットコイン(BTC)は前日比わずか+0.03%の上昇にとどまり、終値は84,966ドル。前後の値動きも非常に狭く、目立った急騰や暴落は見られませんでした。
しかし、その裏側では市場構造に影響を与えるようなニュースがいくつも登場しています。
- トランプ前大統領によるFRB議長への圧力強化
- RippleによるHidden Roadの買収進展
- Solana関連のETF上場や技術連携の加速
- Web3とAIの融合が進むインフラ開発
- キルギスやアルゼンチンなど、新興国の国家戦略的なデジタル通貨政策
こうした動きは、価格に即反映されるものではありませんが、中長期的に市場環境を大きく変える可能性があります。
本記事では、2025年4月17日18時以降に世界の主要仮想通貨ニュースサイトで公開された注目記事をカテゴリごとに網羅的にピックアップしています。ひとつひとつを詳細に解説するのではなく、それぞれの要点と情報源を明確にし、読み手が関心のある話題を素早く把握できるように構成しています。
主なニュース
トランプ氏、FRB議長パウエル氏への圧力強化
2025年4月17日、ドナルド・トランプ前米大統領がFRB(連邦準備制度理事会)のジェローム・パウエル議長に対し、利下げ判断の遅れを批判し、「解任すべき」との意向を明言しました。これにより、FRBの独立性や今後の政策見通しに対する不確実性が高まり、ビットコインや金といったリスク資産に波及しています。
報道によれば、この発言は2025年の大統領選に向けた政治的アピールの一環とされつつも、金融政策への圧力として市場関係者の注目を集めています。また、FRBの立場としては「議長の解任は正当な理由なしには不可能」との主張を崩しておらず、政府・中央銀行の間で緊張が高まっている状況です。
この話題は4月17日夜以降、複数の大手仮想通貨系メディアで大きく報じられており、市場の構造的な不安材料として今後も注視されるテーマとなっています。
- Trump blasts ‘too late’ Powell for not cutting interest rates(Cointelegraph)
- Trump’s Bold Moves Could Propel Cryptocurrency Prices(CoinTurk)
- Trump’s Stance on Powell Sends Bitcoin Prices Soaring(CoinTurk)
- ‘パウエルの解任は待ちきれない’: トランプ、FRB議長への圧力を強める(Bitcoin.com 日本語)
- Trump’s Bold Moves: The Tension with Powell and Economic Strategy(CoinTurk)
RippleによるHidden Road買収とライセンス取得が話題に
Ripple社が買収を進める機関向けトレーディングプラットフォーム「Hidden Road」が、米国証券業界の自主規制団体FINRAからブローカーディーラーライセンスを取得したことが報じられました(4月17日報道)。これにより、米国市場における機関投資家サービスの合法的展開が可能となり、XRPを含むRippleの法人向けビジネスがさらに強化される見通しです。
Hidden Roadは、先進的な取引インフラを提供する企業で、Rippleがその買収を進めていること自体も注目を集めていました。今回のライセンス取得は機関取引インフラの信頼性強化とグローバルな事業基盤拡大の両面で重要な一歩とされています。
この話題は、複数のニュースサイトで「今後のXRPユースケース拡大」「機関投資家向け暗号資産市場整備」の文脈で広く取り上げられました。
- Hidden Road, Set to Be Acquired by Ripple, Wins U.S. Broker-Dealer License(CoinDesk)
- Ripple acquisition Hidden Road secures FINRA registration(Cointelegraph)
- Ripple-owned Hidden Road secures as broker-dealer license to expand institutional reach(CryptoSlate)
- Hidden Road Expands Services After Ripple Labs Acquisition(CoinTurk)
Solanaの上昇とカナダETF、Coinbase連携で関心高まる
Solana(SOL)に関するポジティブなニュースが複数同時に発表され、価格にも反映されました。2025年4月17日、カナダでSolana現物ETFが初めて正式に承認・上場。同日、CoinbaseはSolanaウォレットの機能拡張とブロック処理速度の5倍向上を発表しています。
これらの動きにより、Solanaは同日の取引で4.5%の上昇を記録し、年初来高値を更新しました。機関投資家にとってETFによるエクスポージャー取得が可能になったこと、ユーザーにとっても取引環境が向上したことから、テクノロジーと金融商品の両面から再評価が進んでいると見られます。
この話題も多くのメディアで取り上げられ、Solanaのポジションが「Ethereumに次ぐ存在」として再び脚光を浴びる形となっています。
- Solana Surges 4.5% as Canada Launches First Spot ETFs(CoinDesk)
- Coinbase Adds Solana Wallets, Upgrades Infrastructure(The Defiant)
- Has the Bull Started in Solana (SOL)? Hit April High(Bitcoinistemi)
- Solana’s Recent Surge Signals Growing Confidence in the Market(CoinTurk)
- Solana Hits Highest Price This Month Amid Coinbase Upgrades, Canadian ETF Launches(Decrypt)
ビットコイン及び主要なアルトコインのニュース
4月17日のビットコイン市場動向
2025年4月17日のビットコイン(BTC)は、以下のように安定した推移を見せました。
- 始値:84,032.2ドル
- 高値:85,467.3ドル
- 安値:83,786.2ドル
- 終値:84,940.0ドル
- ドミナンス:63%(Investing.comより)
価格帯の変動幅は比較的狭く、市場は前日のトランプ氏によるFRBパウエル議長への批判の影響を織り込む形で推移しました。明確な方向性が出ない中でも、投資家の間では市場の底堅さと政策動向への警戒感が交錯しています。
報道では、「85,000ドル付近での停滞は、政策リスクを意識しつつも楽観的な見方が維持されている兆候」とされています。
- Bitcoin in Standstill at $85K as Trump Increases Pressure on Fed’s Powell(CoinDesk)
- Bitcoin Price Flat Amid Signs ‘Volatility May Be Cooling Off’: Analysts(Decrypt)
- Bitcoin Reclaims $84,000 as Fed Chair Speech Sets Tone(BlockchainReporter)
- Bitcoin Accumulation Trend Score Hits 2025 High: What It Means(Bitcoinist)
XRP、ETF期待も高まる中で価格圧力も継続
XRP(リップル)は、ETF(上場投資信託)の承認に対する市場の期待が根強い一方で、オプション市場では下落方向への備えも増加していることが明らかになりました。
CoinDeskによると、価格上昇の可能性を意識しながらも、トレーダーたちはショートポジションの保険を取る動きを強めており、強気・弱気の思惑が交錯する状況が続いています。
また、米証券取引委員会(SEC)との係争中であるETF関連の動向も、今後の材料として市場に大きな影響を及ぼす可能性があります。
- XRP Downside Fears Persist Despite ETF Optimism, Options Data Show(CoinDesk)
- Expectations Rise as XRP Aims for Spot ETF Approval(CoinTurk)
- As Everyone Awaits XRP ETF Approval, Latest Data Is Alarming!(Bitcoinistemi)
- XRP: Why it’s outperforming altcoins — and what comes next(Cointelegraph)
イーサリアム、取引手数料低下が価格反騰の兆しか?
イーサリアム(ETH)では、ガス代(取引手数料)の低下が続いています。これはネットワークの負荷軽減と同時に、ユーザー利用の活性化を後押しする要因と捉えられています。
CoinTurkは、「取引コストの低下は、DeFiやNFTなどEthereum上のアプリケーション活用を再び加速させ、価格にポジティブなインパクトを与える可能性がある」と報じています。
また、CoinDeskもネットワークの健全性を評価する動きを紹介しており、中期的な成長期待が再び高まりつつあると指摘されています。
- Ethereum’s Low Transaction Fees Signal a Potential Price Surge(CoinTurk)
- Galaxy Digital Deposits $79.37M in ETH to Exchanges(The Defiant)
- Ethereum Investors Suffer More Losses Than Bitcoin Amid Ongoing Market Turmoil(Bitcoinist)
- 4 reasons why Bitcoin price could rally to $90K in April(Cointelegraph ※ETHにも言及)

その他のアルトコインニュース
ここでは、ビットコインや主要アルトコイン以外で注目されたプロジェクトやトークンに関する最新情報を紹介します。新興銘柄やエアドロップ、投資家注目の動きなども含めてまとめています。
★LayerZero、Andreessen Horowitzから5500万ドル調達
クロスチェーンプロトコル「LayerZero」のガバナンストークンZROが、著名ベンチャーキャピタルAndreessen Horowitz(a16z)から5500万ドルの出資を受けたことが報じられました。これにより、ZROは10%近くの価格上昇を記録し、今後のエコシステム拡大に期待が集まっています。
a16zはこれまでも数多くのWeb3関連プロジェクトに投資しており、今回の動きはLayerZeroが業界の中核インフラになり得るとの評価と捉えられています。
TON、Solana、Ethereum、Web3 AI比較特集
どのプロジェクトが将来的に最も有望なのか──「TON(Toncoin)」「Solana」「Ethereum」そして「Web3 AI」系プロジェクトの比較記事が掲載され、各プロジェクトの長所・課題が紹介されました。
記事では、以下のような視点で評価が行われています。
- Ethereum:最も成熟したエコシステムとDeFi基盤
- Solana:高性能な取引処理能力と急速な採用拡大
- TON:Telegramとの統合によるUXの革新性
- Web3 AI:AIとの統合で未来技術をリードする可能性
こうした比較は、将来的な投資・利用検討の指針として参考になります。
MAGACOIN Presaleが好調、資金6百万ドル突破
プレセール中のミーム系トークン「MAGACOIN FINANCE」が、累計調達額600万ドルを突破しました。保守系のイメージと結び付けたマーケティング戦略が一定の支持を得ており、XRPやBTC、SOLの支持層の一部を巻き込む形で拡散しています。
一部では100倍のリターンが期待されているとの声もある一方、過度な期待によるリスクにも注意が必要です。
SHIB、価格回復の兆し
Shiba Inu(SHIB)は、ここ数日の値動きにおいて回復の兆しを見せています。市場全体のセンチメント改善を背景に、SHIBも小幅ながら上昇傾向に転じており、一時的な底打ち感が広がっています。
ミームコインながら根強い支持を持つSHIBは、コミュニティドリブンのプロジェクトとして依然注目度が高い状況です。
CardanoとDogecoinも市場注目銘柄に浮上
アルト市場全体の回復とともに、Cardano(ADA)とDogecoin(DOGE)も再び注目を集めています。どちらも堅実な価格推移を見せており、中長期投資の対象としての関心が高まりつつあるようです。
特に、ADAはスマートコントラクト機能の安定運用が評価され、DOGEはTesla関連の言及を背景に再度話題化しています。
その他のニュース
ここでは、仮想通貨やブロックチェーンに直接関わる銘柄以外の注目トピックを紹介します。国家政策やAI連携、日本発の動きなど、より広範な視点から暗号資産業界の構造変化を読み解きます。
キルギス、国家デジタル通貨に本格着手
中央アジアのキルギス政府が、国家デジタル通貨(CBDC)の導入に向けた大きな一歩を踏み出しました。正式な発行スケジュールこそ未定ですが、開発体制の確立や規制整備が本格化しつつあります。
報道によれば、国家独自の決済システムを築くことを目的とし、金融包摂とクロスボーダー決済の効率化を視野に入れているとのことです。小規模国家ながらも先進国に先駆けてCBDC実装を進めている点が注目されます。
AI × Web3連携進む:Eliza Labs新プラットフォーム登場
AIとブロックチェーン技術の融合に注目が集まる中、Eliza LabsはノーコードでAIエージェントを開発できるプラットフォーム「Auto.fun」を発表しました。
このプラットフォームでは、開発者でなくとも簡単にAIツールを作成・公開・マネタイズできるとされ、Web3の「ユーザー参加型AI経済圏」の形成に貢献する革新的な試みとされています。
今後はNFTやDAOなどとの統合も想定されており、クリエイターエコノミーの新たな形を示す可能性も見込まれています。
日本企業ANAP、約2億円分のBTC購入
4月17日、東証スタンダード上場のファッションブランド「ANAP」が、ビットコインを約2億円相当購入したことを発表しました。国内上場企業によるBTC購入は極めて珍しく、中長期的な資産戦略の一環としての意図が見て取れます。
同社はグローバル経済の構造転換を見据えた対応であるとコメントしており、国内企業の仮想通貨への実需的関心の高まりを示す象徴的な出来事となっています。
HTX、Fireblocksと連携しオフ取引機能強化
大手暗号資産取引所HTX(旧Huobi)が、Fireblocksと提携し「オフ・エクスチェンジ」ソリューションの提供を開始しました。この取り組みにより、機関投資家が取引所外でも安全に資産管理・取引を行える仕組みが構築され、リスク軽減と透明性の両立が可能になります。
こうした機能は、FTX破綻後に高まった「カストディ強化」ニーズへの具体的な対応策としても注目されています。
BabylonとSuiが連携、ビットコインセキュリティをDeFiに導入
Sui NetworkがBabylon Labsと提携し、同ネットワークにビットコインのセキュリティモデルを統合する新構想が発表されました。これにより、ビットコインの資産保護力をDeFi(分散型金融)領域に応用するという次世代のインフラ連携が進行中です。
合意形成やブリッジ技術に依存せず、より直接的な信頼モデルを提供する「セキュアなクロスチェーン設計」として期待が高まっています。
気になるニュース
ここまでのセクションでは取り上げることはできなかったものの、知っておきたいニュースをまとめました。記事タイトルは日本語に意訳しています。気になるトピックがあれば、ぜひリンク先から詳細をご確認ください。
- バイナンス創業者CZ「中国のマネー供給がBTC買いに拍車」と発言(The Defiant)
- ステーブルコイン取引高がVisaを上回る規模に(The Defiant)
- AIボイス詐欺懸念再燃:CZの偽音声が拡散(CryptoSlate)
- Kraken、BNB取引ペアを新規追加へ(The Defiant)
- 中央アフリカ共和国でSolanaミームコインが急騰(Decrypt)
- 米連邦判事、SECへの18州による訴訟に一時停止命令(Decrypt)
- Coinbase、4銘柄の先物上場を発表(Bitcoinistemi)
- 中国、押収された仮想通貨資産の処分に苦慮(ICOBench 日本語)
- Galaxy Ventures Fund、目標超の資金調達を達成(Bitcoin.com 日本語)
- TRUMPトークン、土曜日からインサイダー報酬の支払い開始(CryptoSlate)
- オクラホマ州、ビットコイン備蓄計画を撤回(Bitcoinist)
- ステーブルコイン規制:ワイオミング州でSECの権限を巡る議論(Cointelegraph)
特集記事紹介
話題のタイムリー性に拘らず、各サイトで特集されていた記事(インタビュー記事や考察記事、検証記事など)を紹介します。日々のニュースの背景にある構造や長期的視点を理解する一助となる内容が多く含まれています。記事タイトルは日本語に意訳しています。
- ビットコインと株式市場の相関関係は今どう変わっているか(CoinTurk)
- “AI×DeFi”は次のメガトレンドになるか?Gliderが400万ドル調達(Bitcoinist)
- リチャード・キム氏、Crypto Casino創設後に資金を賭博に使用し逮捕(CoinDesk)
- ビットコインのMACDクロスが示唆する次のラリー開始点(Bitcoinist)
- 米経済の“ミンスキー・モーメント”とBTCの立ち位置(CoinDesk)
終わりに
本日は、価格こそ大きく動かなかったものの、水面下で進行する政策転換やWeb3インフラの進展、新たな資本流入など、仮想通貨業界の構造に関わる重要なニュースが相次いだ一日でした。特にSolanaのインフラ拡充や、Ripple関連の動きは中長期的な視点で注目される内容です。
このブログでは、世界の主要な仮想通貨系ニュースメディアのトップページに掲載された注目記事を横断的にチェックし、その日の「見逃せないポイント」を網羅的に整理することを目的としています。限られた時間で仮想通貨市場の全体像を把握したい方に向けて、日々の情報収集の効率化を支援する構成となっています。
なお、記事内で紹介したデータや事例の一部には、AIによる自動収集・分析結果が含まれています。可能な限り信頼性の高い情報源を基に構成していますが、実際の状況と完全に一致しない場合があります。AIはあくまで補助的な役割であり、主な情報は信頼できるメディアに基づいています。
また、本記事は投資助言を目的としたものではなく、公開情報の要約と整理を目的とした情報提供記事です。特定銘柄の評価や推奨を意図するものではありません。
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