ビットコイン10.9万ドル攻防、PCE2.7%&月末OP満期$180億で様子見──バンガードの暗号資産ETFアクセス検討・SWIFTがLineaで実証・Krakenが$5億調達【9月27日】

ビットコインが「OPTIONS EXPIRY 18B」の時計に乗り、ETHがトレジャリー箱を運ぶなど、PCE2.7%・ETFアクセス・SWIFT×Linea・Kraken資金調達・ステーブル成長を風刺した横長アイキャッチ デイリークリプトニュース
BTC$109k攻防・PCE2.7%一致・月末OP満期$180億。バンガードのETFアクセス、SWIFT×Linea実証、Kraken5億調達、Citiのステーブル上方修正——資金はどこへ向かう?詳細は記事で。
記事内にプロモーションが含まれています。
  1. 市場はイベント通過待ち、BTCは10.9万ドル前後でこう着
    1. 本日のポイント
    2. 主要価格(日本時間 9/27 9:01 時点)
    3. 株式・VIX(NY時間 9/26 引け値)
    4. 為替・コモディティ(NY市場の最終更新値)
    5. イベントの位置づけ
    6. 用語解説
  2. PCE2.7%と月末0億OP満期が交錯、清算後の“次の一手”に視線
    1. 本日の要点
    2. オプション需給の見取り図
    3. 板と清算の手がかり
    4. 10月物の構造:5k〜5kコール優位
    5. 用語解説
  3. バンガードが暗号資産ETFアクセス提供を検討か(SEC新基準の流れを受け)
    1. ポイント整理
    2. 背景:SEC新基準と分配経路の広がり
    3. グレースケールの所見と市場文脈
    4. 投資家にとっての論点
    5. 用語解説
  4. SWIFTがLineaでオンチェーン実証、ステーブル構想も視野
    1. 何を目指すか(結論先行)
    2. なぜLineaか(プライバシーと順守)
    3. 想定インパクト(競争軸と利点)
    4. 現時点の不確実性(報道段階)
    5. 用語解説
  5. Krakenが億調達、0億バリュエーション——IPO観測が再燃
    1. 資金調達の位置づけ
    2. 事業規模とバリュエーション
    3. 上場環境:同業の動きと追い風
    4. 見通しと留意点
    5. 用語解説
  6. ステーブルコイン:Citiが2030年兆を上方修正、Tether大型資金調達観測
    1. Citiの新予測:ベース.9兆/強気兆
    2. Tetherの大型ラウンド観測:最大0億、企業価値,000億
    3. なぜ今注目か:政策・金利・規模の三点
    4. 不確実性とリスク
    5. 用語解説
  7. ETH:取引所残高が複数年ぶり低水準、トレジャリー保有は急拡大
    1. 取引所残高の低下:流通在庫は縮小傾向
    2. 公開企業のETHトレジャリー:保有は構造的に増加
    3. 需給と相対パフォーマンス:Q3の地合いと一致
    4. 確認しておきたい論点
    5. 用語解説
  8. ソラナ:JitoがBAMをメインネット展開、ブロック構築のオープン化へ
    1. 目的と仕組み:ブロック構築を「市場化」する
    2. 設計上の特徴:アプリ優先・プライバシー・収益配分
    3. 波及効果:検証クライアント競争と新規インフラの台頭
    4. 留意点:運用ルールと相互運用性
    5. 用語解説
  9. 人民元の国際化:デジタル人民元の新拠点と越境レポでRMB流動性を強化
    1. デジタル人民元の新拠点:上海で越境ユースケースを前進
    2. 越境ボンド・レポ:CNH市場の資金繰りを安定化
    3. 暗号資産との接点:ステーブルとトークナイズに波及
    4. 用語解説
  10. 主要機関投資家の動き:ブラックロックのIBIT組み入れ増加
    1. 増加の内訳と背景
    2. 市場への示唆
    3. リスクと留意点
    4. 用語解説
  11. 今後のスケジュールとリスク:満期通過後のフロー/来週の指標ラッシュ
    1. 短期フローの焦点
    2. 来週の主要イベント(日本時間)
    3. 市場リスクと留意点
    4. 用語解説
  12. 結論・要点整理:イベント“集中”の中で、資金経路の拡大が同時進行
    1. 本日の要点(簡潔版)
    2. 明日以降の注目点

市場はイベント通過待ち、BTCは10.9万ドル前後でこう着

相場は「イベント通過待ち」で小動きです。9月27日9:01(日本時間)の暗号資産時価総額は3.72兆ドル、24時間出来高は2,319億ドルでした。ビットコイン(BTC)は109,619ドル(+0.12%)、イーサリアム(ETH)は4,027ドル(+2.43%)です。ドミナンスはBTC58.3%、ETH12.6%となりました。

米株は週末のため休場です。以下の株価は9月26日(ニューヨーク時間)引け値です。VIXは15.29へ低下しました。物価では、米8月PCE総合が前年比2.7%コアPCEが前月比0.2%で市場予想に一致しました。先日も取り上げた物価指標の一致を受け、月末のBTCオプション満期(約180億ドル)と重なり、方向感は出にくい状況です。

本日のポイント

  • 暗号資産の時価総額は3.72兆ドル、出来高は2,319億ドル
  • BTCは109,619ドル、ETHは4,027ドル。BTCドミナンスは58.3%
  • PCE総合2.7%コア前月比0.2%で一致。金利観測は大きく変わらず。
  • 月末のBTCオプション満期(約180億ドル)が近く、短期はこう着しやすい。

主要価格(日本時間 9/27 9:01 時点)

  • Bitcoin(BTC):109,619ドル(+0.12%)
  • Ethereum(ETH):4,027ドル(+2.43%)
  • 時価総額:3.72兆ドル/24H出来高:2,319億ドル
  • ドミナンス:BTC58.3%/ETH12.6%

株式・VIX(NY時間 9/26 引け値)

  • ダウ平均:+0.65%(46,247.29)
  • S&P500:+0.59%(6,643.70)
  • ナスダック:+0.44%(22,484.07)
  • VIX:15.29(前日比-8.66%

為替・コモディティ(NY市場の最終更新値)

  • USD/JPY:149.50/EUR/USD:1.1699
  • 金先物(12月限):3,809.00ドル
  • WTI原油(11月限):65.72ドル

イベントの位置づけ

  • PCEは総合2.7%、コア前月比0.2%で予想一致。金利の手掛かりは限定的。
  • 月末のBTCオプション満期(約180億ドル)が接近。ヘッジや手仕舞いで板が薄くなりやすい。
  • そのため、週末は値動きが出にくい一方、イベント通過後のフローに注目が集まる。

用語解説

  • ドミナンス:主要銘柄が市場全体に占める比率。
  • PCEデフレーター:米個人消費の物価指標。FRBが重視。
  • コアPCE:食品・エネルギーを除いた基調インフレ。
  • VIX:米株の予想変動率指数。数値が高いほど不安定。
  • 月末オプション満期:毎月末の権利消滅日。需給が動きやすい。

PCE2.7%と月末0億OP満期が交錯、清算後の“次の一手”に視線

先日も取り上げたPCEと月末オプション満期の組み合わせは、本日も相場の重しです。PCEは予想どおり2.7%でした。ビットコイン(BTC)は$109kのサポートを試す展開が続いています。

本日の要点

  • PCEは2.7%で一致。金利観測の変化は限定的。
  • BTCは$109k攻防。板は$108.2k周辺に買いが厚い。
  • 月末オプションの名目残高は$180億規模。
  • 大口満期はボラティリティを直前に抑制しがち。
  • 方向感は24〜72時間後に出やすいとの指摘がある。

オプション需給の見取り図

大型満期に向け、ポジション手仕舞いとヘッジが進みます。直前は新規の攻め手が弱まり、値幅が狭くなる傾向があります。そのため、清算が一巡した満期通過後に、再構築されるポジションが価格を動かしやすくなります。

板と清算の手がかり

現物・先物ともに$108.2k付近へ買い注文が集まっています。下値での逆張りと、清算に伴う押し目待ちが重なる形です。一方で、上方向にはショートの清算ポイントが点在します。どちらに触れても、短時間の値動きが大きくなりやすい配置です。

10月物の構造:5k〜5kコール優位

10月限では$115k〜$125kのコールに建玉が厚く、全体の建玉(OI)も高水準です。満期通過後は、このコール帯に合わせたヘッジの組み直しが焦点になります。想定される再ヘッジの向き次第で、上値・下値のどちらにも素早く振れやすい地合いです。

用語解説

  • PCE(個人消費支出デフレーター):米国の物価指標。総合2.7%は前年比の伸び率。
  • オプション満期:権利が消滅する日。前後はヘッジ解消で値動きが変わりやすい。
  • OI(建玉):未決済の契約数量。多いほど需給の偏りが価格に影響しやすい。
  • 板(オーダーブック):価格帯ごとの買い・売り注文の集まり。厚い価格帯は反発・反落の目安。
  • 清算(ロスカット):証拠金不足で自動的にポジションが決済されること。

バンガードが暗号資産ETFアクセス提供を検討か(SEC新基準の流れを受け)

バンガード(世界2位の運用会社)が、自社の証券仲介プラットフォームで暗号資産ETFへのアクセス提供検討しています。自社で新規ETFを発行しない前提で、既存ETFへの取扱い拡大を想定しています。決定時期や対象銘柄は未定です。

ポイント整理

  • 検討段階:社内協議と外部関係者との調整が進行。
  • 発行は想定せず:自社ETFは計画せず、既存ETFの「窓口拡大」が軸。
  • 規制の後押し:SECの新上場基準承認で手続きが明確化。
  • 裾野拡大:販売チャネルが広がると、投資家の選択肢資金の流入経路が拡大。

背景:SEC新基準と分配経路の広がり

米SECの包括的な上場基準承認により、暗号資産ETFの上場・追加上場のプロセスが整理されました。これにより、発行体だけでなく販売プラットフォームも判断材料を得ています。大手の流通網で取扱いが始まれば、口座連携積立枠などの利便性が高まり、家計マネーの流入経路が広がる可能性があります。

グレースケールの所見と市場文脈

グレースケールは、2025年第3四半期ビットコインの相対劣後が見られ、アルト主導の様相だったと整理しています。販売チャネルの拡張政策進展は、ビットコイン以外のセグメントにも関心を波及させやすい環境です。ただし、採用可否や配分は各社の審査に依存し、短期の価格変動と直結しない場合があります。

投資家にとっての論点

焦点は「アクセスの可否」と「範囲」です。どのETFを扱うか、手数料最低金額はどうなるか、税務/NISA枠との整合はどうかが実務ポイントです。採用が進む場合でも、流動性乖離(プレミアム/ディスカウント)カストディ体制など、商品特性の確認が必要です。

用語解説

  • バンガード:米大手運用会社。低コストのインデックス運用で知られる。
  • SEC(米証券取引委員会):米国の市場規制当局。ETFの上場審査などを担う。
  • ETF(上場投資信託):取引所で売買できる投資信託。市場価格でリアルタイム取引が可能。
  • 販売チャネル:証券会社やプラットフォームなど、投資家が商品にアクセスする経路。
  • 乖離:ETFの市場価格と基準価額の差。需給で発生する。

SWIFTがLineaでオンチェーン実証、ステーブル構想も視野

SWIFT(国際送金ネットワーク)が、ConsensysのL2「Linea」でオンチェーン化の実証を進める計画と報じられました。BNPパリバBNYメロンなど十数行が関与します。機密性に配慮した環境で検証し、将来的なステーブルコイン構想も視野に入るとされています。

何を目指すか(結論先行)

目的は国際決済のデジタル化です。既存のSWIFT電文に、オンチェーン決済トークン化資産の取り扱いを重ねる狙いがあります。報道ではプロジェクトは開発中。実装まで数か月の見込みとされています。

SWIFTは200超の国・地域約1.15万機関を接続します。スケールが大きく、実証の成果は波及しやすい構図です。

なぜLineaか(プライバシーと順守)

Lineaプライバシー配慮を重視するL2です。銀行は機密データを守りつつ、オンチェーン処理を検証できます。これにより、KYC/AML(本人確認・マネロン対策)や相手先審査の要件を崩さずに、業務適合性を確認しやすくなります。

想定インパクト(競争軸と利点)

取り組みは、Ripple型のブロックチェーン決済網への競争力確保という側面もあります。伝統的な送金基盤がステーブルトークン化と結び付くと、24時間稼働流動性の接続といった利点が広がります。

一方で、運用ルール相互運用性の整備が不十分な場合、実需の拡大は限定的になり得ます。

現時点の不確実性(報道段階)

Consensysは詳細を確認・否定していません。参加行の範囲、対象資産、決済フロー、ガバナンスは未確定です。実証が技術検証に留まり、商用化へ直結しない可能性にも留意が必要です。

用語解説

  • SWIFT:国際送金の標準メッセージ網。銀行間の電文交換を担う基盤。
  • Consensys(コンセンシス):イーサリアム関連の開発企業。MetaMaskやInfuraを提供。
  • Linea:Consensysが関与するイーサリアムL2。手数料抑制と拡張性を重視。
  • BNPパリバ:フランスの大手銀行グループ。欧州最大級の金融機関。
  • BNYメロン:米大手の資産管理(カストディ)銀行。機関資産の保管・管理に特化。
  • KYC:Know Your Customer。口座開設時などの本人確認手続き。
  • AML:Anti-Money Laundering。マネーロンダリング対策や疑わしい取引の監視。
  • ステーブルコイン:法定通貨などに連動する暗号資産。価格の変動を抑える設計。
  • トークン化(トークナイズ):証券や預金などの権利をブロックチェーン上のトークンで表現すること。

Krakenが億調達、0億バリュエーション——IPO観測が再燃

Kraken(米系の大手取引所)$5億を調達し、企業価値は$150億との報道です。S-1は未提出ですが、開示強化など上場準備と合致する動きが続いています。会社側は詳細へのコメントを控えています。

資金調達の位置づけ

調達は9月上旬にクローズしたと報じられています。正式な上場申請(S-1)は未了です。一方で、財務情報の拡充などプレIPO段階で見られる施策が並びます。報道ベースであり、条件や最終額は変更の可能性があります。

事業規模とバリュエーション

Krakenは2011年創業2013年サービス開始です。直近24時間の取引高は約$19億で、世界上位15位に位置づけられます。今回の$150億評価は、取引所事業の安定性と、将来の収益多角化への期待を織り込んだ水準とみられます。

上場環境:同業の動きと追い風

暗号資産企業の資本市場回帰が続いています。Gemini今月ナスダックに上場し、$4.25億を調達、時価総額は$28億超に拡大しました。Circle$10億のIPOを完了し、初日+167%$314億規模となりました。Figureも初値堅調で、BitGoS-1を提出しています。

米国ではGENIUS法(ステーブルコイン法)の成立や、市場構造・反CBDC法案の進展が報じられ、規制の明確化が進んでいます。こうした環境は、取引所を含むクリプト企業の上場機運を支えています。

見通しと留意点

KrakenはIPOを正式表明していません。上場にはS-1提出SEC審査が必要です。市場ボラティリティや金利動向は評価額調達条件に影響します。今後は、収益源の多角化コンプライアンス体制情報開示の質が注目点です。

用語解説

  • Kraken:米拠点の大手暗号資産取引所。現物・先物などを提供。
  • IPO:新規株式公開。株式を取引所に上場して資金を調達すること。
  • S-1:米SECへの上場登録届出書。事業・財務・リスク情報を開示。
  • バリュエーション:企業価値評価。資金調達や上場時の参考指標。
  • GENIUS法:米国のステーブルコイン包括法。発行・監督の枠組みを整備。
  • CBDC:中央銀行デジタル通貨。中央銀行が発行するデジタル法定通貨。
  • ナスダック:米国の株式市場。テック・成長企業の上場が多い。

ステーブルコイン:Citiが2030年兆を上方修正、Tether大型資金調達観測

Citi(米銀大手)は、ステーブルコインの2030年時価総額見通しをベース$1.9兆強気$4兆へ上方修正しました。あわせて、Tether(USDT発行体)持分3%の売却最大$200億の資金調達を模索し、企業価値$5,000億の観測が出ています。政策整備と市場拡大を背景に、金利収益偏重からの事業多角化が焦点になっています。

Citiの新予測:ベース.9兆/強気兆

Citiは、直近半年の伸長を受けて予測を引き上げました。ベースケース$1.9兆強気$4兆です。根拠として、米国のステーブルコイン包括法(GENIUS法)の成立と、発行・流通の拡大を挙げています。報告では、ステーブルが銀行を置き換えるのではなく、既存金融の再設計を後押しすると整理されています。

決済面の規模も指摘されました。年間のステーブル決済総額が$18兆超に達し、一部の既存決済網を上回るとの分析が紹介されています。政策の明確化と企業採用の増加が、今後の市場厚みにつながる見立てです。

Tetherの大型ラウンド観測:最大0億、企業価値,000億

報道によると、SoftBankARK Investが出資を検討しています。想定は持分3%の売却で、最大$200億の資金調達です。成立すれば、企業価値$5,000億の評価につながる可能性があります。Tetherは協議の存在を示しつつ、個別の名称や規模は非開示としています。

収益ドライバーの変化も背景にあります。Tetherは短期米国債(Tビル)の利息を主な収益源としてきましたが、利回りはピークから低下しています。TetherはQ2/2025の純利益$49億を公表する一方、コモディティエネルギーメディアなどへの事業多角化を示唆しています。BTC準備の拡大も続いており、収益構造の転換が注目点です。

なぜ今注目か:政策・金利・規模の三点

  • 政策:米国でGENIUS法が成立し、発行・監督の枠組みが明確化。
  • 金利:Tビル利回りの低下で、利息収入依存の見直しが課題に。
  • 規模:$18兆超の決済規模が示す通り、実需とネットワーク効果が強化。

この三点がそろうことで、資本調達→プロダクト拡張→利用拡大の循環が生まれやすくなります。Citiの上方修正と、Tetherの大型調達観測は、その流れを裏づける材料です。

不確実性とリスク

  • ディール確度:資金調達は交渉段階で、条件確定前です。
  • 規制差:各国で監督当局の方針が異なり、準拠要件は流動的です。
  • 集中管理リスク:凍結機能発行体の裁量に対する懸念は継続。
  • 金利サイクル:利下げ局面では、運用利回りの低下が収益を圧迫。

用語解説

  • ステーブルコイン:法定通貨に連動する暗号資産。価格変動を抑える設計。
  • USDT:Tetherが発行する米ドル連動型ステーブル。最大規模の一つ。
  • 時価総額:発行残高×価格の合計。市場規模の目安。
  • バリュエーション:企業価値の評価額。資金調達や上場時の基準。
  • 持分売却(エクイティ):発行体の株式を投資家に売る資金調達。
  • GENIUS法:米国のステーブル包括法。発行・準備・監督を定める。
  • Tビル:米国短期国債。安全性が高く、利息収入源として利用される。
  • 決済総額:一定期間に処理された決済の合計金額。
  • 多角化:収益源を分散し、金利依存リスクを下げる経営手法。

ETH:取引所残高が複数年ぶり低水準、トレジャリー保有は急拡大

ETHの取引所残高は、価格調整下でも2016年以来の低水準へ減少しています。一方で、公開企業のETHトレジャリーは拡大し、保有規模は四半期で大きく伸びました。流通在庫の引き上げと企業の継続的な積み増しが重なり、需給のタイト化が進んでいます。第3四半期は、BTC劣後・アルト相対強という地合いとも整合しました。

取引所残高の低下:流通在庫は縮小傾向

取引所残高約1,480万ETHまで低下したとの指摘があります。7月以降の流出超過が続き、残高は20%超減少とされます。投資家の長期保有自己管理への移行で、売りに出やすい在庫が細っています。短期の価格調整に対しても、流通在庫は増えにくい状況です。

公開企業のETHトレジャリー:保有は構造的に増加

上場企業のETH保有は、520万ETH超に達したとの集計が示されています。これは供給の約4%強に相当します。個別では、BitMineSharpLinkCoinbaseなどが保有を拡大しました。企業の資産配分が広がることで、恒常的な需要が生まれやすくなります。

需給と相対パフォーマンス:Q3の地合いと一致

第3四半期は、BTCの相対劣後が指摘されました。スマートコントラクト関連は、制度面の追い風もあり堅調でした。取引所からの流出企業の積み増しが重なると、ETHの流通供給は引き締まりやすくなります。これが、アルト相対強の背景の一部となりました。

確認しておきたい論点

  • 短期と中期のずれ:短期の価格は変動します。中期では在庫縮小が効きやすくなります。
  • 買い手の質:企業トレジャリーは回転が遅く、需給に与える影響が持続的です。
  • 相場の連関:BTCの動きや金利動向は、ETHにも波及します。

用語解説

  • 取引所残高:暗号資産取引所が保有する顧客向け在庫。売買に回りやすい供給を示す。
  • トレジャリー:企業がバランスシートで保有する資産。売買頻度は一般に低い。
  • 流通在庫:市場で直ちに売買に回る可能性が高い残高。
  • 相対強弱:ある資産が別の資産と比べて騰落率で優位かどうかを示す概念。
  • スマートコントラクト:自動実行される契約機能。ETHはその代表的な基盤です。

ソラナ:JitoがBAMをメインネット展開、ブロック構築のオープン化へ

Jito(ソラナ向けのMEV・検証基盤を提供)が、オープンソースのBlock Assembly Marketplace(BAM)をメインネットで稼働させました。ブロック構築の役割を開放し、アプリ主導の注文整列プライバシー配慮を組み込む設計です。収益はJito DAOへの配分が拡充され、エコシステム全体でのインセンティブ整合が進みます。

目的と仕組み:ブロック構築を「市場化」する

BAMの狙いは、取引の集約・並べ替え・ブロック化のプロセスを透明で競争的にすることです。これまで単一の経路に偏りがちだったブロック組み立てを、複数の構築者が入札提案で争う形にします。これにより、手数料の最適化公平な約定を両立しやすくなります。

設計上の特徴:アプリ優先・プライバシー・収益配分

  • アプリ主導の注文整列:DEXやNFT市場などのアプリ側の意図を反映し、意図に沿った並べ替えを可能にします。
  • プライバシー配慮:未約定の注文内容が過度に漏れない工夫を取り入れ、先回り取引の抑制を図ります。
  • DAOへの還元:ブロック構築から得られる収益の一部がJito DAOに分配され、参加者全体の利害をそろえます。

波及効果:検証クライアント競争と新規インフラの台頭

BAMの導入で、検証クライアントブロック構築者の競争は強まります。新しいインフラ事業者が参入しやすくなり、障害時の耐性性能向上にもつながります。結果として、手数料の健全化約定の一貫性が期待できます。

留意点:運用ルールと相互運用性

効果を最大化するには、共通ルール相互運用性の整備が必要です。アプリごとの優先順位の設計や、観測可能性(何が起きたかを後から確認できること)の確保も重要です。過度な集中先回り取引を防ぐため、継続的な監視と調整が求められます。

用語解説

  • Jito:ソラナ向けのMEV関連ツールや検証(バリデータ)基盤を提供するプロジェクト。
  • Block Assembly Marketplace(BAM):複数の構築者がブロック提案を競争する市場型の仕組み。
  • MEV(Maximal Extractable Value):取引の並べ替えなどで得られる付加収益。
  • Jito DAO:Jitoのガバナンスと資金配分を担う分散型自律組織。
  • 検証クライアント:ネットワークの合意・検証処理を行うソフトウェア。

人民元の国際化:デジタル人民元の新拠点と越境レポでRMB流動性を強化

中国人民銀行(PBOC)上海にデジタル人民元(e-CNY)の運用拠点を設置しました。狙いは越境決済とブロックチェーン活用の推進です。併せて、香港金融管理局(HKMA)と本土当局が越境ボンド・レポを開始しました。これにより、オフショアRMBの流動性が補強されます。RMB建て資産の利便性向上は、ステーブルコイントークン化の潮流とも結びつきます。

デジタル人民元の新拠点:上海で越境ユースケースを前進

報道によれば、拠点は貿易取引インボイス決済などの実装を後押しします。ブロックチェーン型の記録・検証を使い、取引の改ざん耐性を高めます。越境の実証を広げ、事業者の接続運用ルールを整えます。これにより、決済所要時間の短縮やコスト低減が見込まれます。

越境ボンド・レポ:CNH市場の資金繰りを安定化

越境ボンド・レポは、保有する人民元建て債券を担保に資金を調達する仕組みです。香港と本土の枠組みを接続し、オフショアRMB(CNH)の不足時に資金供給をしやすくします。結果として、スプレッドの縮小や清算の安定が期待されます。市場参加者の在庫回転も滑らかになります。

暗号資産との接点:ステーブルとトークナイズに波及

RMBの流動性基盤が強化されると、RMB連動ステーブルの実需が生まれやすくなります。貿易金融請求書割引オンチェーン化も加速します。債券や預金のトークン化が進めば、24時間稼働即時決済の利点を取り込みやすくなります。規制整備相互運用性の確保が鍵となります。

用語解説

  • 中国人民銀行(PBOC):中国の中央銀行。決済と通貨政策を所管。
  • デジタル人民元(e-CNY):PBOCが発行する中央銀行デジタル通貨
  • 香港金融管理局(HKMA):香港の通貨当局。銀行規制と決済制度を所管。
  • オフショアRMB(CNH):中国本土外で流通する人民元。香港が中心。
  • レポ取引:債券を担保に短期資金をやり取りする手法。
  • 越境ボンド・レポ:香港と本土をまたぐレポ枠組み。RMB資金を供給。
  • ステーブルコイン:法定通貨に価値連動する暗号資産。
  • トークン化:債券や預金などの権利をブロックチェーン上で表現。

主要機関投資家の動き:ブラックロックのIBIT組み入れ増加

ブラックロック(世界最大級の資産運用会社)グローバル・アロケーション・ファンドが、第2四半期にIBIT(BTC現物ETF)の保有を38%増やしました。組み入れ比率は0.4%に上昇しました。社内で示してきた1〜2%の配分目安へ、段階的に近づく形です。

増加の内訳と背景

同ファンドは株式と債券を組み合わせるミックス型です。流動性と管理の容易さを理由に、ETF経由でビットコインへアクセスします。自己保管の負担監査対応を避けやすい点も、ETF選好の材料です。

今回の増加は、ETFチャネルの定着を示します。価格の短期変動より、配分ルールに基づくリバランスが重視された公算です。結果として、継続的な需要が生まれやすくなります。

市場への示唆

伝統ファンド側の小口配分でも、裾野が広がればフローは積み上がります。0.5〜1.0%への引き上げが進むと、ETFの受益権需要はさらに増えます。新規投資家は、まずETFでエクスポージャーを得る傾向があります。

一方で、配分は段階的に行われます。四半期ごとの見直しに合わせ、時間分散されるのが一般的です。大口の一括取引に比べ、市場インパクトは抑えられます。

リスクと留意点

組み入れ比率はまだ小さい水準です。運用ガイドラインの変更や、規制環境の変化で配分は見直され得ます。基準価額と現物価格の差(プレミアム/ディスカウント)にも注意が要ります。

また、市場の流動性基礎資産のボラティリティは、ETFの取引コストに影響します。リバランス時期の集中は、短期的な価格変動を拡大させることがあります。

用語解説

  • IBIT:iShares Bitcoin Trust。ブラックロックのビットコイン現物ETF
  • グローバル・アロケーション・ファンド:株式と債券を配分するバランス型ファンド
  • 現物ETF:対象資産を実物で保有する上場投資信託。
  • 組み入れ比率:ファンド資産に占める特定資産の割合
  • リバランス:配分比率を目標値に戻すための売買。

今後のスケジュールとリスク:満期通過後のフロー/来週の指標ラッシュ

短期の焦点は、月末オプション満期通過後の再ポジション構築ETFフローです。今月の満期規模は約180億ドルです。清算後は24〜72時間で方向感が出やすいとの見方があります。10月限の建玉(OI)は厚く、11.5万〜12.5万ドルコールに偏りが指摘されています。

短期フローの焦点

満期で一部のヘッジが外れ、先物・現物・ETFの再ヘッジが入りやすい局面です。板では10万8,200ドル周辺に買いが厚いとの観測があります。一方で、10月物はコール優位で上方向のガンマが効きやすい配置です。そのため、満期通過後はボラティリティの再拡大に注意が必要です。

来週の主要イベント(日本時間)

来週は重要指標が連続します。時差の影響に留意し、発表時刻の確認をおすすめします。

  • 9月30日(火)RBA政策金利(豪準備銀行)
  • 10月1日(水)日銀短観ユーロ圏HICP速報米ADP雇用報告ISM製造業指数
  • 10月3日(金)米雇用統計(非農業部門)

インフレと雇用の結果は、米金利観測を通じてリスク資産に波及します。とくにHICPと雇用統計は、短期のドル指数と市場の流動性に影響しやすい材料です。

市場リスクと留意点

規制ヘッドライン上場・資金調達ニュースで地合いが変わる可能性があります。満期通過後のガンマ位置の移動にも注意が必要です。また、ETFフローは週明けの価格形成に影響します。流動性の薄い時間帯は、板の偏りによるスリッページが拡大しやすくなります。

用語解説

  • オプション満期:オプション契約の期限日。清算でヘッジや建玉が整理される。
  • OI(建玉):未決済の契約総数。厚い価格帯は価格に影響しやすい。
  • コール:将来の買う権利。コール集中は上方向のヘッジ需要に影響。
  • ガンマ:デルタの変化幅。大きいと小さな値動きでもヘッジ量が増減する。
  • ボラティリティ:価格変動の大きさ。ヘッジ需要で上下に振れやすい。
  • ETFフロー:ETFへの資金流入・流出。現物需給を通じて価格に反映。
  • RBA:豪州の中央銀行(豪準備銀行)。政策金利を決定。
  • 日銀短観:企業の景況感調査。設備投資や需要の先行指標。
  • HICP:ユーロ圏の消費者物価指数。ECBの物価判断に直結。
  • ADP雇用報告:米民間雇用の速報。米雇用統計の先行指標として注目。
  • ISM製造業指数:米製造業の景況感。50が拡大・縮小の境目。
  • 米雇用統計:非農業部門の雇用と失業率。米金融政策の重要材料。

結論・要点整理:イベント“集中”の中で、資金経路の拡大が同時進行

本日の最大ポイント:PCEは予想一致、かつ月末のオプション満期は約180億ドルです。短期は値動きが出にくい地合いです。一方で、バンガードのETFアクセス検討SWIFTのLinea実証Krakenの5億ドル調達が進みました。これらは資金が入りうる経路の拡大を示します。

本日の要点(簡潔版)

  • 需給:満期通過後の24〜72時間は方向が出やすい局面です。
  • フロー:現物ETFの設定・解約が週明けの価格形成に影響します。
  • チャネル:仲介・送金・取引所の三つ巴で資金導線が広がっています。
  • 構図:マクロは様子見、ミクロは受け皿拡大という二面展開です。

明日以降の注目点

  • 満期後の再ポジションETFフローの方向性。
  • 来週の指標群(短観、HICP、ADP、ISM、米雇用統計)が示す金利観測の変化。
  • 上場・規制・資金調達に関する新規ヘッドライン。

重要なご案内:本記事にはAIによる収集・分析データが一部含まれます。情報の正確性には十分留意していますが、最終的な判断はご自身の責任でお願いします。

免責事項:本記事は投資判断を促すものではなく、市場理解を目的とした情報提供にとどまります。

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