- リスク資産は様子見継続:BTCは11万ドル前後、為替はドル高・円安が進行
- ETH:現物ETFの週次▲7.88億ドル流出と、需給・収益指標のねじれ
- 取引所:Binanceが9/9に手数料優遇を全面改定(BNB保有割引を終了)
- RWA:トークン化資産は約3,000億ドルに接近、フィデリティがETH上で新商品
- ビットコイン:0k超を122日維持、企業トレジャリーは累計100万BTC超へ
- チェーン動向:Solanaの強気データと、直近30日のエコシステム比較
- 規制・ガバナンス:SEC内部の記録管理問題と、BTCの検閲耐性を巡る議論
- 地域フローとイベント:韓国の出来高偏在と、今週の暗号・経済イベント
- 日本の政局・為替・株式:首相辞任表明が円安・株高観測と政策不透明感を同時に誘発
- 今後の注目:ECB・米CPI・FOMC・日銀に加え、取引所方針変更の影響を点検
- 本日の要点
リスク資産は様子見継続:BTCは11万ドル前後、為替はドル高・円安が進行
暗号資産の足もと
暗号資産の時価総額は3.83兆ドルです。BTCドミナンスは57.9%です。日本時間9月8日(月)10:05時点で、ビットコインは110,858.9ドル(24時間で+0.28%)です。イーサリアムは4,295.39ドル(+0.02%)です。24時間の出来高は827億ドルで、過度なリスクオンの動きは見られません。
株式との時間差に注意
米国株は米国時間9月5日(金)の取引を小反落で終えました。ダウは-0.48%、S&P500は-0.32%、ナスダックは-0.03%です。VIXは15.18でした。日本時間の週明けである本朝は、東京市場が主体です。米国市場は今夜(日本時間)に再開するため、価格評価の基準時刻にずれが生じます。
為替と日本の材料
為替はドル高・円安が進みました。ドル/円は148.33付近です。日本時間9月8日08:50に公表された4~6月期の実質GDP改定値は、前期比+0.5%、年率+2.2%でした。9月7日の首相辞任表明を受け、国内の政策期待と金融政策の不透明感が同居しています。これらは株式と為替のボラティリティ要因になります。
本日の見どころ
- 価格面:BTCは11万ドル前後で小動き。出来高は落ち着いた水準。
- クロスアセット:米株の最新データは米国時間9月5日終値。東京は本朝堅調でスタート。
- 為替:ドル/円は148円台。円安進行で暗号資産のドル建て評価と円建て評価に差が出やすい局面。
- イベント:今週はECB理事会と米CPIが控え、全体はイベント待ちの地合い。
以上の背景から、本日は「東京主導の価格形成」と「今夜以降の米イベント待ち」が併存します。暗号資産は個別材料に反応しやすく、為替の変動が円建て評価の体感値を動かす点にも留意が必要です。
ETH:現物ETFの週次▲7.88億ドル流出と、需給・収益指標のねじれ
ETFフロー:週次で過去最悪級の流出
米国のETH現物ETFは、週次で約7.877億ドルの流出となりました。9月5日(金)は単日で4.467億ドルの流出です。主力ではETHAやETHEなどで流出が目立ち、9月入り後は流入超の営業日がありません。資金面の逆風が、投資マインドをやや冷やしています。
需給のねじれ:取引所残高は減少傾向
一方で、取引所のETH残高は減少傾向です。売りに出やすい在庫が減るため、短期の下押し圧力は和らぎやすい状況です。ETFの資金流出と、現物の供給縮小が同時に進む「ねじれ」が観測されています。
ネットワーク収益:手数料低下で8月は▲44%
8月のネットワーク収益(バーンを通じたETH保有者帰属分)は、前月比約44%減でした。Dencun後の手数料低下が背景です。取引負担は軽くなりましたが、収益面では逆風です。なお、8月24日にはETHが過去最高値を付けており、価格の強さと収益の鈍化が同居しています。
テクニカルの目安:支持と変動要因
- 支持水準:4,150ドルと4,070ドルが重要な目安です。
- 下振れシナリオ:割り込む場合は、3,900ドル方向の調整リスクがあります。
- 変動要因:ETFフロー、取引所残高、手数料・収益の動きが短期の方向性を左右します。
以上のとおり、資金フローは弱含みです。ただし、供給面は引き締まり、価格は高値圏を保っています。複数の指標が異なるシグナルを示しており、短期は材料次第の値動きになりやすい局面です。
取引所:Binanceが9/9に手数料優遇を全面改定(BNB保有割引を終了)
改定の要点(9月9日適用)
Binanceは9月9日(火)から、BNB保有量に基づく手数料割引を廃止します。対象はスポットと先物です。これまでBNBを500枚以上保有する利用者に適用されていたスポット40%・先物20%の割引は終了します。
改定後は、紹介(リファラル)と取引実績に基づく優遇体系へ移行します。具体的には、招待した人数、被紹介者の取引量、アカウントごとの取引パフォーマンスなどの指標で割引水準が決まります。
制度変更の背景と見通し
今回の改定は、アクティビティ連動型の手数料設計を強める動きです。固定的な保有量ではなく、実際の取引やコミュニティ拡大への貢献を評価軸とします。これにより、手数料メリットの配分が再設計され、ユーザー間のインセンティブが再調整されます。
市場への影響ポイント(用語補足有り)
- 板の厚み(注文量):大口の割引条件が変わるため、短期的に指値の出し方が変化する可能性があります。
- 出来高シェア:先物・スポットともに、割引の恩恵を受ける層が変わることで、取引量の分布に影響が出る余地があります。
- リファラル偏重の副作用:紹介報酬を目的とした取引が増えると、出来高の質(継続性や板への定着)に差が出る可能性があります。
- BNBの利用動機:「手数料割引のための保有」という動機は弱まります。一方で、他機能(決済・ステーキング等)の需要がどの程度補完するかが焦点です。
用語補足:「リファラル」は紹介プログラムを指します。「取引実績」は、一定期間の取引量やアクティビティを意味します。
ユーザーが把握しておきたい点
- 割引判定の評価期間や閾値が重要です。自分のアカウントがどの区分に該当するかで、実効手数料が変わります。
- 先物・スポットの手数料テーブルが同時に見直されるため、取引戦略のコスト構造が変化します。
- 取引所間での手数料競争が再燃する局面では、流動性(約定のしやすさ)とコストの両面を確認する必要があります。
RWA:トークン化資産は約3,000億ドルに接近、フィデリティがETH上で新商品
市場規模と主役
トークン化資産(RWA)の規模は約3,000億ドルに接近しています。主な牽引役は米ドル連動のステーブルコインです。発行と流通の基盤は、イーサリアムとトロンが中心となっています。24時間決済と即時清算の需要が、利用拡大を支えています。
ステーブル以外の領域も拡大しています。オンチェーンの国債やマネー・マーケット・ファンド(MMF)、金や原油のトークンも増えています。資本市場の一部機能が、ブロックチェーンへ移行する流れが続いています。
フィデリティの新商品「FDIT」
フィデリティはイーサリアム上で、国債系MMFのトークン化株式クラス「FDIT」を展開しています。公的資料では2025年3月に計画が示されました。オンチェーンの残高データでは、9月7日(UTC)時点で発行残高が2億ドル超と確認されています。
FDITはERC-20規格で発行され、所有権の記録と移転をオンチェーンで管理します。P2Pでの譲渡や、ステーブルコインによる即時償還の選択肢も備えます。基礎資産は短期米国債に連動するトークン化商品「OUSG」が中心です。機関投資家向けの設計が前提です。
インフラと規制対話の進展
RWA拡大は、伝統金融と暗号資産の接続を強めています。24時間の送金、持分の分割、監査可能な台帳が、運用と流通コストの低下に寄与します。一方で、KYCや譲渡制限などの統治設計が不可欠です。規制当局との対話が、証券規則とスマートコントラクトの整合を進めています。
結果として、インフラと流動性の両面で相乗効果が生まれています。資金の受け皿となるプロトコルと、実需を持つ資産クラスの双方が広がっています。大手運用会社の参入は、この動きを押し広げる要因です。
投資家が押さえる論点(用語補足)
- RWA:不動産や国債など、現実の資産をトークンとして表現したもの。
- トークン化:権利や持分をデジタル化し、移転や清算を自動化する仕組み。
- MMF:短期国債などで運用する投資信託。価格変動を抑えた設計。
- ERC-20:イーサリアムの標準トークン規格。互換性が高く、流通が容易。
- 留意点:適格投資家限定のケースが多いほか、償還条件や転売制限の確認が必須です。
ビットコイン:0k超を122日維持、企業トレジャリーは累計100万BTC超へ
0k維持の連続日数と意義
9月7日時点の分析で、ビットコインは$100,000超を122日連続で維持と指摘されています。6月23日に$103,182付近で始まった高値圏のレンジは、8月23日の過去高値$123,000を含みます。長期の高値維持は、現物需要と供給の均衡が続く状況を示します。ETF経由の資金と長期保有の増加が、下値の支えになっています。
企業トレジャリーの積み上がり
9月1日から6日の週に、新規や増額で合計約9,800BTCの取得が公表されました。推計では、企業のビットコイン保有は累計で100万BTCを超えたとされます。マラソン・デジタルは1,838BTC、メタプラネットは1,009BTCを追加しました。複数の企業が小刻みに買い増す動きも観測され、保有者の裾野が広がっています。
売りは効きやすく、買いは効きにくい理由
2025年にかけての累計買いは約830億ドル規模とされますが、価格の押し上げは緩やかでした。一方で、20億ドル規模の一括売りは短時間で価格を押し下げやすい構造です。理由は執行速度の差です。分散したアルゴ買いは板に溶け、即時のインパクトを抑えます。まとまった売りは薄い板を一気に崩し、スリッページを拡大させます。週末や時間外の流動性低下も、下押しを増幅します。
用語補足
- 企業トレジャリー:企業が余資で保有する資産。現金や国債に加え、ビットコインを組み入れる例が増えています。
- アルゴ執行:大量発注を小口に分割し、時間分散で市場影響を抑える手法です。
- 連続維持日数:特定価格を下回らず推移した日数。需給の強さを測る目安になります。
チェーン動向:Solanaの強気データと、直近30日のエコシステム比較
Solanaの8月実績:高頻度処理と収益の拡大
Solanaの共同創業者は、8月に29億件の取引を処理したと示しました。高い処理能力が、日常の送金やゲーム内決済などの回転を支えています。公式発信では、8月のアプリ収益が1億4,800万ドル、前年同月比で+92%とされました。アクティブウォレットは8,300万で、前年から倍増と説明されています。新規トークンは84万3,000以上で、そのうち357トークンが時価総額100万ドル超の規模に達したとされます。
8月7日〜9月7日の横断比較:活動量と収益のずれ
直近30日のデータ比較では、チェーンごとに強みが分かれました。Solanaは規模を維持しつつも、一部の活動指標で減速が見られます。他方、Tronはユーザーの粘着性と収益力で存在感を保っています。主要チェーンのハイライトは次のとおりです。
- Solana:アクティブウォレット7,550万(前月比-23%)。期間中の取引は20億件超。記事上の比較では増減率-116%とされています。
- Tron:アクティブアドレス1,520万(+11%)。手数料収益5,450万ドル(-9.3%)。
- Ethereum:アクティブアドレス900万(+3.5%)。手数料収益4,400万ドル(-8.7%)。
- Bitcoin:アクティブアドレス1,060万(-4.6%)。手数料収益1,360万ドル(-17%)。
- レイヤー2:Baseは取引2億6,600万件(+25%)。Arbitrumは2億7,100万件(+19%)で、手数料160万ドル(+43%)。
- その他:BNB Chainの手数料1,130万ドル、Baseは590万ドル。Avalancheはユーザー-51%、一方で取引+135%、手数料約+18%。
読み解きのポイント:手数料・UX・アプリ多様性の最適化
上記の数字は、「どの用途を、どのコストで、どの体験で動かすか」という最適化が進む段階を示します。Solanaは高速決済やマイクロトランザクションに適し、活動量を押し上げています。Tronは送金系やステーブルコイン利用が収益に直結しています。レイヤー2は、ガス代と決済最終性のバランスで成長しています。各チェーンは、手数料水準、開発者ツール、アプリの厚みで棲み分けが進んでいます。
用語補足
- アクティブアドレス/ウォレット:一定期間に取引したユニークなアドレス数です。
- 手数料収益:ネットワークが取引から得た合計手数料です。利用の多さやガス代の水準を反映します。
- レイヤー2(L2):メインチェーンの上で動く拡張技術です。処理を分散し、手数料と混雑を抑えます。
規制・ガバナンス:SEC内部の記録管理問題と、BTCの検閲耐性を巡る議論
SEC監察官報告:記録管理の不備と是正計画
SEC監察官室は2025年9月4日に報告書を公表しました。前委員長の政府用端末で、テキストが回復不能になったと指摘しました。消失期間は2022年10月18日から2023年9月6日です。原因は同期失敗、非アクティブ端末の自動消去、工場出荷時リセットの重なりです。
監察官は「回避可能なエラー」と結論づけました。約1,500件のメッセージは部分復元され、その約38%が「業務関連」でした。SECは是正に同意しました。原則として機関のテキスト送受信を無効化し、高官向けの暫定バックアップを導入します。国立公文書館への通知は2025年6月に実施済みです。5件の勧告は11月までの完了を目標としています。
暗号業界からは透明性への懸念が出ています。民間金融機関は「オフチャネル」問題で高額の罰金を科されました。規制当局にも記録保存の一貫性を求める声が強まっています。情報公開法の応答や、係争での証拠開示への影響も論点です。
ビットコインの検閲耐性:公開書簡とノード選好の変化
2025年9月8日に、Leonidas(The Ordinal Show司会)がBitcoin Coreの開発者コミュニティに宛てた公開書簡を発表しました。書簡は、JPEGやメムコインなどの取引でも手数料を支払う限りベース層で受け入れるべきだと主張し、取引の選別は検閲の前例となると警鐘を鳴らしています。
ノード実装を巡る選好にも動きがあります。Bitcoin Knotsの到達可能ノードは、2024年初の69から2025年9月に4,200超へ増加と報じられました。シェアは18%超です。Core v30に向けたポリシー議論が背景にあります。多くのマイニングプールは、手数料を伴うコンセンサス有効な取引を受け入れる姿勢を示しています。
読み解きのポイント:中立性とガバナンスの交差点
SECの記録管理問題は、規制当局の説明責任を映します。ビットコインの検閲論争は、プロトコルの技術的中立性を問います。いずれもガバナンスの設計が市場の信頼を左右します。ルールは実務の現場で運用されます。保存、検証、合意の手順が整うほど、制度とオープンネットワークの接点は滑らかになります。
用語補足
- 検閲耐性:正当な手数料が支払われた取引を、恣意的に拒否しない性質です。
- ノード実装:ビットコイン規格を実行するソフト群です。CoreやKnotsなどがあります。
- コンセンサス有効:プロトコルの合意ルールに適合し、ブロックに含められる取引です。
- 情報公開法(FOIA):米政府の文書を請求できる制度です。記録保存と密接です。
地域フローとイベント:韓国の出来高偏在と、今週の暗号・経済イベント
韓国市場:特定銘柄に出来高が集中
韓国の主要取引所では、特定アルトへの資金集中が続いています。直近24時間は、WLFIやREDの出来高が大きく伸びました。地域ごとの関心が、銘柄ごとの値動きに差を生みやすい地合いです。
- WLFI:約3.51億ドル
- XRP:約2.83億ドル
- RED:約1.98億ドル
- USDT:約1.57億ドル、ETH:約1.48億ドル
- WLD:約7,880万ドル、BTC:約7,700万ドル
- DOGE:約7,600万ドル、SOL:約7,150万ドル、ENA:約7,180万ドル
- PYTH:約3,290万ドル、NMR:約5,040万ドル
出来高の偏在は、KRW(韓国ウォン)建て板の厚みに影響します。結果として、グローバル相場と短期のミニ乖離が生じる場面もあります。材料の出方に応じた、地域主導の価格形成が続いています。
今週の主要イベント一覧(日本時間/JST)
以下はすべて日本時間(UTC+9)で表記しています。日付のみの項目は終日または発表時刻未定です。
- 9月8日(月):Solana Mobile「Seeker Season」開始/OKXがWBTC・JSTなどをスポット上場廃止/BitwiseがBTC・ETH ETFの現物買い戻し申請を審議/Ethereum「Fusaka」メインネットのバグバウンティ開始
- 9月9日(火):Robinhood Summit 開催/Solana関連のSTKEがNasdaq取引適格に/BinanceがBNB保有ベースの手数料優遇を終了(制度を全面改定)
- 9月10日(水):Lineaがトークン予定/BinanceがCeloネットワークのアップグレードに対応/米国 生産者物価指数(PPI)21:30
- 9月11日(木):BithumbがALEXの引出し支援を終了/欧州中央銀行(ECB)政策金利21:15・ECB記者会見21:45/米国 消費者物価指数(CPI)21:30・新規失業保険申請件数21:30
イベントは時刻表効果を生みます。先に材料が出る市場が、短時間の値動きを主導する傾向です。各テーマの日付と順序を把握することで、ニュース消化の速度差を読み取りやすくなります。
日本の政局・為替・株式:首相辞任表明が円安・株高観測と政策不透明感を同時に誘発
為替:辞任表明直後に円売りが優勢
9月8日朝、石破首相の辞任表明が伝わり、為替市場は円安で反応しました。ドル円は148円台に乗せ、対主要通貨で円が下落しました。ポンド円は200円台前半まで上昇し、2024年7月以来の高値を更新しました。背景には、減税などの経済対策期待と、それに伴う財政悪化懸念があります。また、日銀の利上げ時期が読みにくくなったとの見方も、金利差を意識した円売りにつながりました。
株式:対策期待は支え、ただし金融政策の先行きは重し
東京株式市場は、政権交代局面での追加対策期待が先行し、内需株中心に買いが入りやすい地合いです。一方で、金融政策の不透明感が強まり、メガバンクを含む銀行株は軟調です。米長期金利の低下も銀行株の重しとなりました。9月配当取りの動きに加え、週末のメジャーSQを控え、先物・オプションの需給も指数の変動要因になります。強弱材料が交錯し、上値の重さと下値の固さが同居しています。
国内指標:GDP改定と経常収支を消化
9月8日8時50分、4–6月期のGDP改定値が公表されました。速報から大きな変更はなく、発表直後は円買いが入ったものの、動きは一時的でした。続いて公表・確認された国際収支の見込みも含め、主なポイントは以下のとおりです。
- 実質GDP(前期比):+0.3%、年率:+1.0%
- 名目GDP:+1.3%
- GDPデフレーター:+3.0%
- 経常収支(予想):+3兆3660億円の黒字
- 貿易収支(予想):+580億円の黒字
指標公表で一時的に円買いが優勢となりましたが、石破首相の辞任表明を受けた経済対策期待や、日銀の利上げ時期への不透明感が意識され、円売りに転じました。結果として、為替は円安方向、株式は対策期待を支えに底堅い展開となりました。
今後の注目:ECB・米CPI・FOMC・日銀に加え、取引所方針変更の影響を点検
この先はマクロと個別イベントが重なります。物価統計と中銀会合が為替と金利を動かしやすい局面です。取引所の手数料制度変更も約定コストを変え、板の厚みに影響します。時間帯ごとの材料とフローのずれに注意が必要です。
主要日程(日本時間)
- 9月9日(火):Binanceが手数料優遇を全面改定(BNB保有割引を終了)
- 9月10日(水)21:30:米PPI
- 9月11日(木)21:15:ECB政策金利、21:45:記者会見
- 9月11日(木)21:30:米CPIと新規失業保険申請件数
- 翌週:米小売売上高、FOMC、9月19日(木):日銀金融政策決定会合
物価・金利が示すシナリオ
米CPIとPPIが予想を上回る場合、米長期金利とドル高が進みやすいです。暗号資産には上値の重さが出やすくなります。逆にインフレ鈍化なら、金利低下とドル安が意識されます。リスク資産の買い戻しが入りやすい地合いになります。ECBは据え置きでも、会見の先行きガイダンスがユーロと金利に影響します。
取引所方針変更の波及
Binanceの手数料改定で、BNB保有に基づく割引はなくなります。今後は紹介と取引実績による優遇が中心です。大口の約定コストが再計算され、板提供のインセンティブが変わります。結果として、アジア時間の出来高配分やスプレッドに変化が出る可能性があります。他取引所へのフロー移動も点検が必要です。
短期のチェックポイント
- 統計発表の21:30にボラティリティが集中しやすいこと
- 手数料改定後のスプレッドと約定速度の変化
- イベント重複日の為替と暗号資産の同時反応
- 来週の中銀イベント前後でのETFフローと建玉変化
本日の要点
本日の三本柱は「ETH現物ETFの大幅流出」「Binanceの料金体系改定」「RWAトークン化の進展」です。あわせて、日本の政局要因が円相場と銀行株に波及しました。イベント密集を控え、リスク選好は強弱が混在しています。BTCは$100k超の維持実績が意識され、当面はニュース主導の値動きになりやすい局面です。
- BTC:$100k超を連続122日維持との指摘。企業トレジャリーは累計100万BTC超とされ、需給の底堅さが意識されます。
- ETH:米現物ETFは週次で約7.88億ドルの資金流出。取引所残高の減少やネットワーク収益の低下など、需給・収益指標はねじれています。
- 取引所:Binanceは9月9日に手数料優遇を全面改定。BNB保有割引を終了し、紹介と取引実績に基づく体系へ移行します。
- RWA:トークン化資産は約3,000億ドルに接近。フィデリティはEthereum上で国債系MMFのトークン化クラスを開始しました。
- 日本:首相辞任表明で円安・株高観測と政策不透明感が同時発生。ドル円は148円台、銀行株は軟調に推移しました。
- イベント:9月11日にECBと米CPI、翌週に米小売売上高とFOMC、9月19日に日銀会合が続きます。個別プロジェクトの予定も重なります。
本記事にはAIによる収集・分析データが一部含まれます。情報の正確性には十分留意していますが、最終的な判断はご自身の責任でお願いします。
また、本記事は投資判断を促すものではなく、市場理解を目的とした情報提供にとどまります。
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