FOMC0.25%利下げ・QT終了でBTCは11万ドル前後──パウエルややタカ派、Solana現物ETF好発進・Visaがステーブル連携拡充、米中首脳会談は韓国で協議へ【10月30日】

FOMCの0.25%利下げとQT終了を背景に、ビットコイン・ソラナ・USDステーブルコインを擬人化。SOLはETF旗を掲げ、カード決済ネットワークと米中握手のモチーフでステーブル決済と首脳会談を示す。下部にDaily_crypto_newsの文字。 デイリークリプトニュース
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  1. 本日のポイント
    1. 今日のハイライト
    2. 今週の主なイベント
    3. 数値スナップショット(日本時間 10/30 9:41)
  2. 市場概況:BTCは11万ドル前後、株は強含み・為替はドル高で推移
    1. 暗号資産の全体感(サイズ・出来高・主要銘柄)
    2. 米株・ボラティリティ(リスク選好の手がかり)
    3. 為替の動き(円建て評価への影響)
    4. コモディティの方向感(金・原油)
    5. イベントとセンチメント(FOMC・首脳会談)
    6. 用語解説
  3. FOMC:0.25%利下げとQT終了表明、パウエル発言はタカ派寄りでBTCはイベント後に軟化
    1. 決定のポイント(政策金利とバランスシート)
    2. パウエル発言のトーン(12月利下げは「既定路線ではない」)
    3. 直後の市場反応(ドル・金利・ビットコイン)
    4. 価格の押し下げ要因(期待の反動とフローの影響)
    5. 目先の注目点(追加緩和観測と地合い)
    6. 用語解説
  4. Solana現物ETFの滑り出し:Bitwiseは初日.5M純流入、グレースケールはステーキング機能で追随
    1. 初日の資金動向(Solanaに資金が集中)
    2. グレースケールの差別化(ステーキング報酬の再分配)
    3. 明暗分かれの背景(「ETFの質」と「ネットワーク効果」)
    4. 足元の注目点(需給と価格連動のズレ)
    5. 用語解説
  5. ステーブルコイン決済の前進:Visa「stablecoinの中のStablecoin」評価、Western Union/MAも攻勢
    1. 評価の要点(「ネットワークに価値が集まる」仮説)
    2. Visa:提携網と発行支援の拡充
    3. Western Union:2026年にSolanaでUSDPT
    4. Mastercard:Zero Hash買収交渉報道
    5. 示唆:発行体の差より「接続性」と「清算力」
    6. 用語解説
  6. RWAトークン化:Securitize×BNYのAAA-CLOファンド、0Mアンカー計画で“金利資産のオンチェーン化”が加速
    1. ポイントの整理
    2. ファンドの中身と仕組み
    3. 運用体制とガバナンス
    4. なぜ今“オンチェーン化”か
    5. 期待される効果と残る課題
    6. 市場へのインプリケーション
    7. 用語解説
  7. インフラ&テック:ETH「Fusaka」最終テスト、Telegramの分散型AI「Cocoon」、量子計算の進展
    1. Ethereum「Fusaka」:最終リハーサルを完了
    2. Telegram「Cocoon」:プライバシー志向の分散型AI
    3. 量子計算の進展:議論は再燃、ただし性急な懸念は不要
    4. 用語解説
  8. 個別トークン・プロトコル:LINK/ADA/BONKの短期テクニカル、ZECの再評価、Pendle周辺の資金流入
    1. Chainlink(LINK):ラインの攻防が続く
    2. Cardano(ADA):
    3. BONK:
    4. Zcash(ZEC):「希少性×プライバシー」で再評価の流れ
    5. DeFiの資金フロー:Morphoに大型プレデポジット、Pendle連鎖で「利回り回り」を可視化
    6. 用語解説
  9. 取引所・ウォレット・規制の動き:データ透明性と欧州ロビー活動
    1. Binance Web3 Wallet × Bubblemaps:トークン分布の「見える化」
    2. EUでロビー活動が増勢:MiCA完全施行で「制度化」が加速
    3. 用語解説
  10. 近々の注目イベントとリスク:ECB、ユーロ圏GDP、米PCEに加え、米中首脳会談のヘッドライン
    1. 金利と物価:ECBと米PCEの「インパクト窓」
    2. 成長指標:ユーロ圏GDPと米ISMの「景気温度感」
    3. 資金フロー:ETFと先物の「事後の揺り戻し」
    4. 地政学:米中首脳会談の「文言とトーン」
    5. 用語解説
  11. 要点の整理
    1. マクロの評価:緩和と牽制の綱引き
    2. 資金の行き先:SOL現物ETFと決済インフラに集中
    3. テックとRWA:実需とスケーリングが並走
    4. 直近のドライバー:指標と首脳会談ヘッドライン

本日のポイント

一言要約:FOMCは25bp利下げ+QT終了で緩和的ですが、12月は白紙の牽制でドル高・金利持ち直し。暗号資産はイベント後の反動で小幅反落。資金はSOL現物ETFステーブル決済網に選別流入。直近はECB・米PCE米中首脳会談のヘッドラインが方向性を左右します。

今日のハイライト

  • マクロ:FOMCが25bp利下げ、12/1でQT終了。パウエル発言はややタカ派でドル・金利が反発。
  • 市場反応:BTCは一時$109k台へ押し、イベント通過の期待剥落とデリバティブ要因で値幅拡大。
  • 資金フロー:BitwiseのSOL現物ETF$69.5M純流入。Grayscaleはステーキング報酬再配分で差別化。HBAR/LTCは初日流入ゼロ。
  • 決済インフラ:Visaが「stablecoin of stablecoins」評価。Western Union2026年にSolanaでUSDPT計画。MastercardZero Hash買収交渉報道。
  • RWA:Securitize×BNYAAA級CLOのオンチェーン・ファンド。Grove$100Mアンカー投資を計画。
  • テック:Ethereum「Fusaka」がHoodiで最終テスト完了。PeerDASでL2手数料・検証負荷の低減に期待。
  • 地政学:10/31–11/1韓国で米中首脳会談予定。通商トーン次第でドル・リスク資産の相関が変化しうる。

今週の主なイベント

  • ECB理事会・会見:ユーロ金利とドル指数を通じてBTC/ETHに波及。
  • ユーロ圏7–9月期GDP:サプライズの有無がユーロ反応とリスク選好を左右。
  • 米9月PCE/コアPCE・米ISM:FOMC直後で感度高。上振れでドル高・金利上昇、下振れで逆。
  • 米中首脳会談:関税・輸出規制・サプライチェーンの文言に注意。

数値スナップショット(日本時間 10/30 9:41)

  • 暗号資産合計: 時価総額 $3.81兆/24H出来高 $171.38B/BTCドミナンス 59.2%
  • BTC: $110,437(24H -1.80%) ETH: $3,908(-1.62%)
  • 米株: ナスダック +0.55% VIX: 16.92(+3.05%)
  • 為替: USD/JPY 152.65(ドル高基調)
  • コモディティ: 金先物 $3,961.92(-0.97%)/WTI $60.37(-0.18%)

詳細は以下の各セクションへ。

市場概況:BTCは11万ドル前後、株は強含み・為替はドル高で推移

暗号資産の全体感(サイズ・出来高・主要銘柄)

10月30日9時41分時点の暗号資産市場は小幅反落です。時価総額は3.81兆ドル、24時間出来高は1,713.8億ドルでした。ビットコイン(BTC)は110,437ドル(24H -1.80%)、イーサリアム(ETH)は3,908ドル(-1.62%)です。BTCドミナンスは59.2%でした。

米株・ボラティリティ(リスク選好の手がかり)

米株は堅調です。ナスダックは+0.55%でした。一方で、先行き不安の尺度であるVIXは16.92(+3.05%)です。株高とボラティリティ上昇が同時に見られ、イベント通過後の値動きには警戒感が残ります。

為替の動き(円建て評価への影響)

為替はドル高基調です。ドル円は152.65で推移しました。ドル高は、円建て評価での損益とドル建て価格の差を広げる要因になります。円ベースの評価益や損失のずれに注意が必要です。

コモディティの方向感(金・原油)

コモディティはまちまちです。金先物は3,961.92(-0.97%)、WTI原油先物は60.37(-0.18%)でした。金の調整と原油の横ばいは、インフレ観測や景気感応度の変化を映します。これらは暗号資産への資金配分にも間接的に影響します。

イベントとセンチメント(FOMC・首脳会談)

FOMCは0.25%利下げ量的引き締め(QT)終了を決定しました。金利観測の再調整が続いています。さらに、米中首脳会談が10月31日〜11月1日に韓国で協議予定と報じられており、ヘッドライン次第で短期センチメントが変化する可能性があります。

用語解説

  • 時価総額:市場全体の評価額(各銘柄の価格×供給量の合計)。
  • 出来高:一定期間に成立した取引金額(または数量)の合計。
  • BTCドミナンス:暗号資産全体に占めるビットコインの時価総額の割合。
  • VIX:S&P500オプションに基づく予想ボラティリティ指数。
  • WTI原油先物:米国産原油の代表的な先物価格。景気動向に敏感。
  • ドル円(USD/JPY):米ドルに対する円の為替レート。数値上昇はドル高・円安。
  • FOMC:米連邦公開市場委員会。米国の金融政策を決める会合。
  • QT(量的引き締め):中央銀行が保有資産を縮小し、市場から資金を吸収する政策。

FOMC:0.25%利下げとQT終了表明、パウエル発言はタカ派寄りでBTCはイベント後に軟化

決定のポイント(政策金利とバランスシート)

FOMCは政策金利を3.75〜4.00%25bp引き下げました。あわせて、12月1日で量的引き締め(QT)を終了すると明示しました。利下げは市場に織り込み済みで、発表直後の新味は限定的でした。

パウエル発言のトーン(12月利下げは「既定路線ではない」)

パウエル議長(FRB)は会見で「12月の利下げは既定路線ではない」と牽制しました。ガイダンスは慎重で、過度な緩和期待にブレーキをかける内容でした。

直後の市場反応(ドル・金利・ビットコイン)

発表後はドルと長期金利が持ち直しました。リスク資産はまちまちで、ビットコイン(BTC)は一時109,000ドル台まで押す場面がありました。株式は底堅さを維持した一方、暗号資産はイベント通過後の調整が先行しました。

価格の押し下げ要因(期待の反動とフローの影響)

下落の中心は「期待先行の反動」です。事前に織り込まれた利下げで材料出尽くしとなり、ETFフローの鈍さ先物・無期限(パーペチュアル)建玉の戻りが短期の値動きを増幅しました。薄い流動性の時間帯にロスカットが連鎖し、下振れが強まりました。

目先の注目点(追加緩和観測と地合い)

市場は12月会合のスタンスと、米金利・ドル動向を引き続き重視します。ETFへの資金流入とデリバティブのポジション動向が、短期のボラティリティを左右しやすい地合いです。

用語解説

  • FOMC:米連邦公開市場委員会。米国の金融政策を決める会合。
  • FRB:米連邦準備制度理事会。FOMCを主宰する中央銀行当局。
  • 25bp(ベーシスポイント):0.25%の利下げ幅を表す単位。
  • QT(量的引き締め):中銀が保有資産を縮小し、市場から資金を吸収する政策。
  • ETFフロー:上場投資信託への資金流入・流出。需給に影響。
  • 建玉(オープン・インタレスト):先物や無期限契約の未決済枚数。過多だと値動きが荒くなりやすい。

Solana現物ETFの滑り出し:Bitwiseは初日.5M純流入、グレースケールはステーキング機能で追随

初日の資金動向(Solanaに資金が集中)

米国のSOL現物ETFに資金が入りました。Bitwiseの「BSOL」は初日に$69.5億(約6,950万ドル)の純流入でした。出来高も高水準で、年内の新規ETFとしては上位の滑り出しです。

一方で、HBARとLTCの現物ETFは初日流入がゼロでした。出来高はあっても資金が増えず、需要の差が明確でした。資金選別の傾向が強まっています。

グレースケールの差別化(ステーキング報酬の再分配)

グレースケールは、NYSE Arcaで「GSOL」を上場しました。特徴はステーキング報酬の再分配です。保有するSOLをネットワーク運用に参加させ、得た報酬の多くを投資家へ還元する設計です。

同じSOL連動でも、報酬配分や手数料、運用ルールで商品性が変わります。投資家は、価格連動に加えてリターンの源泉の違いを比べる局面になっています。

明暗分かれの背景(「ETFの質」と「ネットワーク効果」)

今回は、ETFの「質」と、原資産であるブロックチェーンの「ネットワーク効果」が、短期の資金循環を左右しました。質とは、手数料、カストディ体制、報酬分配、流動性供給などの総合力です。

ネットワーク効果とは、利用者と開発者の厚み、アプリの多さ、決済・ステーブル連携の進展です。これが将来の需要期待につながり、初日の資金配分に表れました。

足元の注目点(需給と価格連動のズレ)

現物ETFは基礎資産の現物を保有します。資金流入は現物の追加取得を促し、需給に影響します。ただし、短期では価格連動のズレ(基差)が生じることがあります。

今後は、流入の継続性市場メイカーの在庫状況ステーキング報酬の扱いが、各商品の特色として意識されます。こうした要素が、出来高とスプレッドにも反映されます。

用語解説

  • Bitwise:米国の暗号資産に特化した資産運用会社。
  • Grayscale Investments:米国の大手暗号資産運用会社。複数の暗号資産連動商品を展開。
  • NYSE Arca:米国の電子取引所。ETFの上場に強み。
  • 現物ETF:対象資産を実際に保有して価格に連動させるETF。
  • ステーキング:PoS型チェーンで、保有資産を預けてネットワーク運用に参加し報酬を得る仕組み。
  • SOL:Solanaブロックチェーンのネイティブトークン。
  • HBAR:Hedera(分散型台帳ネットワーク)のネイティブトークン。
  • LTC:Litecoin(ビットコインの派生通貨)のネイティブトークン。

ステーブルコイン決済の前進:Visa「stablecoinの中のStablecoin」評価、Western Union/MAも攻勢

評価の要点(「ネットワークに価値が集まる」仮説)

大手決済の主導で、価値が「発行体」ではなく「ネットワーク」に集まる見方が強まりました。みずほ証券はVisaを「stablecoin of stablecoins」と評価しました。複数のステーブルコインを束ねる決済網が広がると、個別トークンの差は小さくなります。その結果、付加価値は決済レール側に集約しやすくなります。

Visa:提携網と発行支援の拡充

Visaはステーブル連携を広げています。提携カードは世界で拡大し、関連支出は前年同期比で複数倍に伸びました。さらに、トークン化資産プラットフォームで、銀行の自社ステーブルコインのミント・バーンを支援する構想も示されています。対応銘柄はUSDCやPYUSD、EURC、USDGなどに及び、「ネットワーク・オブ・ネットワーク」としての地位を固めつつあります。

Western Union:2026年にSolanaでUSDPT

Western Unionは2026年にドル建てステーブルコイン「USDPT」をSolanaで発行する計画です。発行は米国のカストディ銀行であるAnchorage Digitalが担います。目的は国際送金の高速化とコスト低下です。既存の現金ネットワークと連携すれば、オンチェーンとオフラインの橋渡しが進みます。

Mastercard:Zero Hash買収交渉報道

Mastercardは暗号資産の裏方機能を強化する動きです。業界報道では、Zero Hashの買収交渉(約20億ドル規模)が伝えられています。Zero Hashはブローカーやフィンテック向けの暗号決済・カストディ基盤を提供します。取得が実現すれば、オンチェーン決済の組み込みが加速します。

示唆:発行体の差より「接続性」と「清算力」

勝負の軸は、どのトークンかより「どこで決済できるか」に移っています。複数チェーン、複数通貨、複数の法規制に一枚の決済レールで対応できるほど、流動性と清算速度で優位になります。結果として、発行体の手数料や利回りより、ネットワークの接続性・合規・運用実績が選好の決め手になりやすい構図です。

用語解説

  • Visa:米国の大手カード決済ネットワーク。グローバルで加盟店網を展開。
  • Western Union:米国の大手送金事業者。現金の受取網に強み。
  • Mastercard:米国の大手カード決済ネットワーク。トークン化やID領域も強化。
  • Zero Hash:暗号資産の決済・カストディ機能をAPIで提供するインフラ企業。
  • Anchorage Digital:米国の連邦認可を受けたデジタル資産銀行。カストディなどを提供。
  • USDC/PYUSD/EURC/USDG:米ドルやユーロに連動する主要ステーブルコイン群。
  • Solana:高速処理が特長のパブリック・ブロックチェーン。
  • ミント・バーン:トークンの新規発行(ミント)と償却(バーン)のこと。

RWAトークン化:Securitize×BNYのAAA-CLOファンド、0Mアンカー計画で“金利資産のオンチェーン化”が加速

ポイントの整理

高格付けの金利資産が、いよいよ本格的にブロックチェーン上へ移ります。トークン化プラットフォームのSecuritizeは、BNYと組み、Ethereum上でAAA格付けのCLO(ローン担保証券)に連動するファンドを発表しました。Sky系の信用プロトコルGrove1億ドルのアンカー投資を計画し、実需ベースの資金流入経路が広がります。

ファンドの中身と仕組み

対象はAAA格のCLOで、利払いが期待できるクレジット資産へのエクスポージャーを提供します。基礎資産は従来の金融インフラで保管・運用され、投資家はトークンを通じて持分を保有します。オンチェーン化により、分割保有・即時決済・透明な記録が可能になります。

運用体制とガバナンス

保全と運用はBNYの関連部門が担います。Securitizeは発行・投資家管理(KYC/AML)・配当分配などのオペレーションを統合します。Groveによるアンカーはガバナンス承認を前提としており、承認後に資金コミットが実行されます。

なぜ今“オンチェーン化”か

金利が高止まりする環境で、投資家は信用度の高い利回り資産を求めています。トークン化は、分配や償還の自動化二次流通の拡張クロスボーダーでのアクセス改善をもたらします。これにより、機関と個人の双方にとって参入ハードルが下がります。

期待される効果と残る課題

効果としては、配当や手数料の計算コスト低下決済・照合の迅速化保有状況の可視化が挙げられます。一方で、二次流動性の厚みスマートコントラクトの運用リスク各国規制との整合など、解決すべき点も残ります。これらはゲーティッド(適格)投資家枠カストディ体制で段階的に対応が進む見込みです。

市場へのインプリケーション

今回の枠組みは、短期証券や国債に続く「クレジット資産」のオンチェーン化を加速させます。安定したキャッシュフローを持つ資産の供給が増えると、DeFiやウォレットを通じた利回り商品の裾野が広がります。結果として、暗号資産市場の“価格変動頼み”からの脱却に寄与しうる構図です。

用語解説

  • Securitize:資産のトークン化と投資家管理を行う米系プラットフォーム。
  • BNY(BNY Mellon):米大手カストディ・信託銀行グループ。資産管理に強み。
  • Ethereum:スマートコントラクト機能を持つブロックチェーン。
  • CLO(Collateralized Loan Obligation):企業向け融資を裏付けとする証券。トランシェごとに信用度が異なる。
  • AAA格:格付機関が付与する最上位の信用格付け。
  • Grove(Sky Ecosystem):機関投資家向けのオンチェーン信用・運用基盤。
  • アンカー投資:大型ファンドの初期調達を支える中核コミットメント。
  • KYC/AML:本人確認(Know Your Customer)とマネロン対策(Anti-Money Laundering)。

インフラ&テック:ETH「Fusaka」最終テスト、Telegramの分散型AI「Cocoon」、量子計算の進展

インフラ面ではEthereumの次期大型アップグレード「Fusaka」が山場を迎えました。開発・検証の最終段階が進み、L2の手数料や検証負荷の低減が見込まれます。アプリ面ではTelegramの分散型AI基盤「Cocoon」が発表され、プライバシーを守るAI推論の土台づくりが始まります。研究面では量子計算の到達点が更新され、暗号資産への長期的影響が再び議論になりました。いずれも「スケール・プライバシー・セキュリティ」という基盤課題に直結します。

Ethereum「Fusaka」:最終リハーサルを完了

前日に続き「Fusaka」の進捗です。最終テストはHoodiテストネットで実施され、予定どおり本番前の総仕上げが完了しました。これでHolesky、Sepoliaに続く一連の手順を終え、メインネット移行の準備が整います。

中核はPeerDASです。バリデータ(検証者)が巨大なデータを丸ごと検証せず、分割された断片だけを確認します。これにより帯域の負担が軽くなります。結果として、L2のスループット向上と手数料の圧縮が期待されます。ロールアップの普及に追い風となり、ユーザー体験の改善につながります。

一方で、ハードフォークは規模が大きい作業です。直後はクライアントの互換やノードの更新に注意が必要です。とはいえ、テスト段階での確認が進んでいるため、移行リスクは管理された範囲にあります。

Telegram「Cocoon」:プライバシー志向の分散型AI

TelegramはTON上で分散型AI計算ネットワーク「Cocoon」を公表しました。仕組みはシンプルです。GPUを持つ参加者が計算資源を提供し、トンコインで報酬を受け取ります。利用側は、機密計算を使ってデータを守ったままAI推論を実行します。

狙いは、中央集権のクラウドに依存せず、低コストでプライバシーを保つAI基盤の構築です。Telegramのアプリ群に組み込まれる計画で、初期から一定の需要が見込めます。課題は、ノードの信頼性や価格形成です。分散型ならではの安定運用と品質保証が問われます。

量子計算の進展:議論は再燃、ただし性急な懸念は不要

研究面では、IBMが120量子ビットの大規模エンタングルメントを実証し、Googleも量子優位性の検証を更新しました。これは科学的に大きな前進です。長期的には、既存の暗号(例:ECDSA)に対する脅威が議論されます。

しかし、直ちに暗号資産が破られる段階ではありません。実用的な攻撃には、桁違いのビット数と誤り訂正が必要です。業界は耐量子署名の研究を進めています。現時点では、進捗を冷静にモニターする姿勢が適切です。

用語解説

  • Fusaka:Ethereumの次期大型アップグレード。スケーラビリティとコスト低減を狙う。
  • PeerDAS:データ可用性の検証を分割して行う仕組み。バリデータの帯域負荷を軽くする。
  • Hoodiテストネット:Ethereumの検証用ネットワーク。本番前の動作確認に用いる。
  • ロールアップ/L2:メインチェーン外で処理し、結果だけを記録する拡張技術。手数料と混雑を抑える。
  • Telegram:メッセージアプリ運営企業。ブロックチェーン関連機能も展開。
  • TON:The Open Network。Telegramに関連するレイヤー1ブロックチェーン。
  • Cocoon:TON上の分散型AI計算ネットワーク。機密計算でデータを保護する。
  • 機密計算:暗号化されたまま計算を行い、入力データを守る技術。
  • IBM/Google:米大手テック企業。量子計算の研究・実装をリード。
  • 量子優位性:古典計算機より速く特定課題を解く能力を示す概念。
  • GHZ状態:多数の量子ビットが同時に絡み合う基準的な量子状態。
  • 耐量子署名:量子計算でも破られにくいとされる署名方式の総称。

個別トークン・プロトコル:LINK/ADA/BONKの短期テクニカル、ZECの再評価、Pendle周辺の資金流入

Chainlink(LINK):ラインの攻防が続く

短期の主役は$18の支持・抵抗です。イベント後の変動で一時的に割り込みましたが、終盤は買い戻しが入りました。出来高は平常より増え、短時間の値動きが大きくなっています。直近は$18.50〜$18.80が上値の壁、下値は$17.60が目安です。水準を回復して維持できるかが、次の一歩を決めます。

  • レジスタンス:$18.50〜$18.80
  • サポート:$18.00/$17.60
  • 注目点:出来高増のなかでの「保ち合い」継続

Cardano(ADA):

Cardano(ADA):$0.64割れで調整基調に

.64割れで調整基調に

ADAは$0.64を明確に割り込み、出来高を伴う下押しとなりました。直近は$0.64〜$0.655でのもみ合い入りです。上値を取り返せない場合は、安値更新リスクが残ります。短期は出来高の推移と、前日高値への戻りの強さを確認する局面です。

  • レジスタンス:$0.655
  • サポート:$0.64
  • 注目点:割れ後の戻りが鈍いと下押し継続の可能性

BONK:

BONK:$0.0000143近辺での下値固めを試す

.0000143近辺での下値固めを試す

BONKは$0.0000146を割れてから売りが加速しましたが、$0.0000143付近で買いが入りました。出来高が大きく増え、短期のポジション調整が進んでいます。まずは$0.0000143〜$0.0000144のゾーンでの滞留を確認し、上抜けの可否が次の焦点です。

  • レジスタンス:$0.0000146
  • サポート:$0.0000143
  • 注目点:出来高の収れんと値幅の縮小が「底固め」の合図

Zcash(ZEC):「希少性×プライバシー」で再評価の流れ

ZECは月次で+380%と大幅高です。供給上限と半減サイクルという希少性、ゼロ知識証明によるプライバシーが再評価されています。直近では開発の前進や話題化も追い風です。なお、前回の半減は2024年11月で、次回は2028年ごろの見通しです。短期の値動きは荒く、流動性や上場制約には注意が必要です。

DeFiの資金フロー:Morphoに大型プレデポジット、Pendle連鎖で「利回り回り」を可視化

レンディングのMorphoには、Bitfinex支援のStable(ステーブルチェーン)経由で$775百万のプレデポジットが入りました。複数のボルトに配分され、リスク管理はGauntletが担います。これは「運用先を選ぶ資金」の増加を示します。

同時に、利回り取引のPendleはStable連動プールを拡張しました。利回りを固定化できる設計が、金利上昇局面で関心を集めています。さらに、スイスの21SharesPENDLE ETPをSIXに上場し、伝統市場からのアクセスも広がりました。管理手数料は年2.50%です。

  • Morpho:プレデポジットにより貸出原資が厚くなる
  • Pendle:固定・変動の切り分けでニーズを取り込む
  • 21Shares PENDLE ETP:伝統市場からの導線を追加

用語解説

  • サポート/レジスタンス:相場の下値・上値の目安となる価格帯。
  • 出来高:一定期間の取引数量。増加は関心の高まりやトレンドの強さを示す。
  • 保ち合い(レンジ):価格が一定の幅で往来する状態。上抜け・下抜けで方向性が出やすい。
  • ゼロ知識証明:内容を明かさず「正しさ」だけを証明する暗号技術。
  • 半減(Halving):新規発行量を定期的に半分にする仕組み。供給ペースを抑える。
  • プレデポジット:運用開始前に資金を先行で預け入れること。配分や稼働を待つ資金の可視化。
  • ETP:取引所で売買できる上場型金融商品。現物や指数などに連動する。
  • 利回りトークン化:元本と利回りを分離し、利回りを売買・固定化できるようにする設計。
  • Morpho:分散型の貸借(レンディング)プロトコル。
  • Pendle:利回りの分離・取引を可能にするDeFiプロトコル。
  • 21Shares:スイス拠点の暗号資産ETP発行体。欧州で複数の上場商品を提供。
  • Bitfinex:グローバル展開の暗号資産取引所。Stableは同社支援のチェーン。

取引所・ウォレット・規制の動き:データ透明性と欧州ロビー活動

Binance Web3 Wallet × Bubblemaps:トークン分布の「見える化」

Binance Web3 WalletはBubblemapsを統合しました。ユーザーはトークンの分布や主要ウォレットの関係を視覚的に確認できます。高い集中や連動があれば、インサイダー取引の兆候を早期に把握できます。

この機能は非カストディ型ウォレットの強みを補強します。保有資産を自分で管理しつつ、透明性データで銘柄の健全性を素早くチェックできます。結果として、情報の非対称が縮み、個人投資家でもリスクの目利きがしやすくなります。

  • 何が分かるか:トークンの集中度、チームや投資家のクラスタ、資金移動のつながり。
  • 注目点:分布の偏りが強い新規トークンは、価格変動が荒くなりやすい。

EUでロビー活動が増勢:MiCA完全施行で「制度化」が加速

EUでは2024年12月にMiCAが全面施行となりました。これに合わせ、取引所のロビー支出が増えています。公開データでは、2024年にKrakenの関連会社が約30万〜40万ユーロを計上しました。Coinbaseも約20万〜30万ユーロの範囲で続きました。

使途はEU機関への政策提言が中心です。各社はライセンス運用やステーブルコイン規制、マーケットアビューズ対策の設計で発言力を高めています。これは、暗号資産市場の制度化が実際に進んでいることを示します。

  • 背景:MiCAの適用開始で「欧州ルール」が実務段階に移行。
  • 狙い:技術仕様や監督方法の細部で、事業に有利な標準を確保する。
  • 留意点:支出はEU機関向けであり、各国規制当局への支出とは区別される。

総じて、データ透明性の強化規則に基づく制度化が同時に進んでいます。可視化ツールは銘柄選別の精度を上げ、ロビー活動はルール形成を押し進めます。両輪がそろうことで、市場構造は一段と成熟します。

用語解説

  • Binance:グローバル展開の大手暗号資産取引所。
  • Binance Web3 Wallet:同社の非カストディ型ウォレット。鍵を自分で管理する。
  • Bubblemaps:ブロックチェーン上の保有分布やクラスタ関係を可視化する分析ツール。
  • クラスタ解析:複数ウォレットの資金のつながりを推定し、同一主体の可能性を探る手法。
  • インサイダー取引:重要な未公開情報を使った不公正な売買行為。
  • MiCA:EUの暗号資産包括規制。発行体、サービス提供者、ステーブルコインなどを横断的に規律。
  • ロビー活動:政策や規制の形成に影響を与えるための継続的な対話・提言活動。
  • 非カストディ:資産の秘密鍵を自分で保持し、第三者に預けない形態。

近々の注目イベントとリスク:ECB、ユーロ圏GDP、米PCEに加え、米中首脳会談のヘッドライン

今後2〜3営業日は、金利・物価・景気・地政学の4軸が同時進行します。具体的には、欧州中央銀行(ECB)の政策発表と記者会見、ユーロ圏7–9月期GDP速報、米9月PCE・コアPCE、米ISM景況指数が並びます。さらに、10月30日から韓国で予定される米中首脳会談のヘッドラインが、市場のリスクセンチメントを変動させる可能性があります。これらのイベントは、ドル・長期金利・株式の方向性を通じて、暗号資産のボラティリティへ波及しやすい点に注意が必要です。

金利と物価:ECBと米PCEの「インパクト窓」

まず、ECBの政策金利発表と記者会見が最初の焦点です。発表内容とラガルド総裁のトーンが、ユーロと欧州金利を動かし、相対的なドル強弱に波及します。ドル指数の振れは、短期のBTC/ETHの方向性に連動しやすく、発表直後の値動きが荒くなる傾向があります。

次に、米9月PCEデフレーターとコアPCEが、米国のインフレモメンタムを測る指標として注目されます。市場予想比で強ければ再びドル高・金利上昇に傾きやすく、弱ければその逆となります。FOMC直後で感度が高まる局面のため、数値の「上振れ・下振れ」が短期フローを増幅させる点がポイントです。

成長指標:ユーロ圏GDPと米ISMの「景気温度感」

ユーロ圏7–9月期GDP速報は、域内の底割れ懸念の払拭度合いを測る材料です。サプライズの有無がユーロ買い戻しやドル買い継続を左右し、暗号資産への間接的な資金循環に影響します。

同じく、米ISM製造業景況指数は景気の先行度合いを示すため、50を境にした強弱感が注視されます。仕入れ価格(インフレ先行)や新規受注(需要)などサブ指数の内訳にも注目が集まります。

資金フロー:ETFと先物の「事後の揺り戻し」

イベント通過後は、現物ETFの資金フローが再加速するかが焦点です。日次でのネット流入が回復すれば、短期の買い需給が改善します。一方、先物の建玉(オープン・インタレスト)の偏りが大きい場合、指標発表の瞬間にロスカットやヘッジ調整が重なり、想定以上の値幅が出やすくなります。特にレバレッジが積み上がっている銘柄は、下振れ時の清算連鎖に注意が必要です。

地政学:米中首脳会談の「文言とトーン」

韓国(釜山/慶州)で予定される米中首脳会談の合意文言は、通商・関税・輸出管理・サプライチェーンに関するトーンが焦点です。関税の強化や輸出規制の拡大が示唆されると、ドル高・株安方向の反応を誘発しやすく、暗号資産の短期リスク志向にも影響します。逆に、対話継続や在韓半導体供給網に関する建設的な文言が出れば、リスク選好の戻りにつながる可能性があります。

用語解説

  • ECB(欧州中央銀行):ユーロ圏の金融政策を担う中銀。
  • PCEデフレーター/コアPCE:米個人消費の物価指数。コアは食品・エネルギー除く。
  • ISM製造業景況指数:米製造業の景況感。50が拡大・縮小の分岐。
  • オープン・インタレスト(建玉):未決済の先物・オプション契約数。
  • 現物ETF:原資産そのものを保有する上場投資信託。フローが需給に影響。

要点の整理

本日の核は「緩和の組み合わせ」と「タカ派寄りガイダンス」の同居です。FOMCは25bp利下げと量的引き締め(QT)終了を示しつつ、12月は白紙と明言しました。このため、ドルと長期金利が持ち直し、暗号資産は直近の上げ分を吐き出す形で調整しました。

マクロの評価:緩和と牽制の綱引き

  • 利下げ+QT終了=緩和的だが、「12月は既定路線でない」発言がタカ派要素となりました。
  • イベント通過で期待先行の反動が出て、BTCなどは軟化しました。
  • 現物ETFのフロー鈍化や先物建玉の積み上がりが、短期の値幅を拡大させました。

資金の行き先:SOL現物ETFと決済インフラに集中

  • SOL現物ETF:Bitwiseは初日に$69.5Mの純流入。Grayscaleはステーキング報酬再配分の設計で差別化。
  • 決済インフラ:Visa(米決済大手)は「stablecoin of stablecoins」との評価。Western Union(米送金大手)はSolanaでUSDPTを計画。Mastercard(米決済大手)はZero Hash買収交渉報道。
  • 示唆:価値は発行体よりネットワークに集約、という見方が強まっています。

テックとRWA:実需とスケーリングが並走

  • Ethereum「Fusaka」:Hoodiテストネットで最終リハを完了。PeerDASなどでL2と検証負荷の軽減が期待されます。
  • RWAトークン化:Securitize(トークン化基盤)とBNY(米大手銀行)がAAA級CLOのオンチェーン・ファンドを発表。Groveは1億ドル($100 million)のアンカー投資を計画。

直近のドライバー:指標と首脳会談ヘッドライン

  • 来週にかけての米PCE/ISM、ECB、ユーロ圏GDPが価格感応度を高めます。
  • 韓国での米中首脳会談は、合意文言や通商トーン次第で、ドルとリスク資産の相関を揺らす可能性があります。

免責事項:本記事にはAIによる収集・分析データが一部含まれます。情報の正確性には十分留意していますが、最終的な判断はご自身の責任でお願いします。

注記:本記事は投資判断を促すものではなく、市場理解を目的とした情報提供にとどまります。

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