ビットコインが史上最高値を更新、暗号資産市場は全面強含み
7月10日の暗号資産市場では、ビットコイン(BTC)が一時112,000ドル台を突破しました。
これは2021年につけた過去最高値を明確に更新する動きで、価格は前日比でおよそ+3.4%の上昇となりました。
長らく続いたレンジ相場を脱し、上昇トレンドへの転換が意識されています。
ETHはETF関連資金流入で2,700ドル台に回復
イーサリアム(ETH)も強含みで推移し、2,700ドル台に回復しました(前日比+3.2%)。
米国におけるETH現物ETFの上場準備が進んでいるとの観測が、市場心理を押し上げています。
SharpLinkやBTCSによるETH買い増しも引き続き支援材料となっています。
SOLやMAGACOINも堅調、アルト市場に資金波及
ビットコインとイーサリアムの上昇を受けて、アルトコイン市場にも資金が流入しています。
Solana(SOL)は分散型インフラ領域での実装事例が引き続き評価されており、買いが継続。
MAGACOINもSNSを中心に話題となり、出来高が急増しています。
米国株はやや軟調、ただしVIXは低水準を維持
一方、米国の株式市場は小幅反落となりました。
S&P500は前日比で–0.2%となり、主要銘柄には利益確定の動きが見られました。
ただし、VIX指数(恐怖指数)は16.82と引き続き低水準にとどまっており、市場のリスク警戒感は限定的です。
FOMC議事要旨が金利据え置きを裏付け、リスク資産に資金流入
7月9日深夜に公表されたFOMC議事要旨では、インフレ鈍化と経済の安定成長が確認されました。
この内容を受け、年内の利上げ再開観測は大きく後退しています。
結果として、ビットコインを含むリスク資産全般への資金流入が再加速する動きにつながりました。
暗号資産市場は、マクロ環境の安定と制度的資金の流入という二重の支援を受けたかたちです。
ETF関連資金流入と好需給が主導──主要銘柄に連鎖上昇
ビットコイン(BTC):ETF純流入とロング建玉が主導
ビットコインは112,000ドルを突破し、史上最高値を更新しました。
背景には、米国でのビットコインETFへの純流入が再加速していることがあります。
直近24時間では大口ロングが積み増され、CME先物市場では建玉の拡大が顕著です。
価格は前日までの堅調な推移(107,000〜111,000ドル)を上抜け、テクニカル的なブレイクアウトを果たしました。
この動きにより、市場全体にトレンド転換の期待が広がっています。
イーサリアム(ETH):ETF進展と機関買いが支援材料
イーサリアムは2,700ドル台を回復し、前日比+3.2%の上昇となりました。
米国での現物ETFの上場準備進展に加え、SharpLinkやBTCSによる買い増しが引き続き報告されています。
取引高も増加傾向にあり、機関投資家による蓄積が需給構造の支えとなっています。
ETHもBTCに連動して上昇しつつ、独自材料による上昇圧力を持ち合わせた格好です。
ソラナ(SOL):DePIN活用の具体化とETF観測で再評価
Solanaは、前日から注目されていた分散型インフラ(DePIN)領域での取り組みが、引き続き投資家の関心を集めています。
特に、Volkswagenとの協業事例が実需拡大の象徴とみなされ、改めて評価が進んでいます。
また、X(旧Twitter)などではSolanaが現物ETFの対象として将来的に浮上する可能性に関する議論も活発化しており、買い需要の下支えとなっています。
これらの要因が重なり、SOLは対ドルで上昇基調を維持しています。
MAGACOIN:ミーム熱と政治的テーマ性で短期注目
MAGA(Make America Great Again)を冠するミーム型暗号資産MAGACOINは、X(旧Twitter)などSNS上での話題性が継続しています。
とくに、2028年の米大統領選を見据えたキャンペーン活動の早期化や、イーロン・マスク氏による関連投稿が短期的な価格材料となっています。
こうした政治文脈を背景に、出来高も増加傾向にあり、一部では投機対象としての熱量が再燃しています。
GMX:Arbitrum系DEXでハッキング発生
分散型取引所(DEX)のGMXでは、数百万ドル規模の資金流出が確認されました。
これはArbitrumネットワーク上でのスマートコントラクト脆弱性を突いたもので、匿名化プロトコルへの資金移動も報告されています。
被害を受けた資産の補填や再発防止に向けた開発チームの対応が急がれており、SNSやフォーラムでは警戒の声が広がっています。
この件により、DeFi(分散型金融)への信頼性が改めて問われています。
オンチェーンデータと市場センチメントが示す「機関買い」傾向
ビットコイン:CME市場でのロング増加と機関投資家の蓄積
ビットコイン(BTC)に対しては、CMEやBitfinexなど主要先物市場でロングポジションの建玉が増加しています。 とくに、CMEの建玉データでは、上位トレーダー層のロング維持が顕著であり、 ポジションの回転ではなく「蓄積」フェーズに入っている可能性が指摘されています。
また、清算データや建玉比率からは、機関投資家による安定的な買いが価格を下支えしている構図が見られます。 価格上昇が短期筋によるボラティリティではなく、構造的な資金流入に基づいていることを示唆しています。
イーサリアム:ステーキングと大口移動による需給改善
イーサリアム(ETH)も同様に、オンチェーンデータが需給の改善傾向を示しています。 特に、機関投資家や大口アドレスによるステーキング参加が増加しており、ロックアップ(資産の一時拘束)による流通量制限が価格の安定に寄与しています。
さらに、ウォレット間のETH大量移動が複数検出されており、 取引所への出金よりもコールドウォレットへの移送比率が高まっている点も注目されています。 これにより、市場では強気の蓄積フェーズとの見方が広がっています。
SNSと個人投資家層の反応:楽観と巻き戻しが交錯
X(旧Twitter)上では「#BTCATH(史上最高値更新)」がトレンド入りし、センチメントは全体として楽観に傾いています。 しかし、その一方で、個人投資家層では短期ショートポジションの巻き戻しが確認されており、 価格の急騰局面では局所的なボラティリティも生じています。
このような動きは、過去の相場でもみられた短期需給の不均衡に類似しており、慎重な分析が求められる局面です。 また、6月FOMCの議事要旨が示した「インフレ鈍化は見られるが利下げには慎重」とのスタンスに対し、 市場では利下げ時期を巡って意見が分かれています。
これにより、短期的な買い圧力が高まる一方で、米金融政策への不確実性が上値の重石となる可能性も意識されています。
今後の焦点はCPIと中国GDP──調整局面の可能性も視野に
暗号資産市場では、7月15日に発表予定の米国消費者物価指数(CPI)と中国の第2四半期GDP統計が、今後の相場動向を占うカギと見られています。 特に、CPIは米金融政策の方向性を左右する重要指標であり、利下げ時期の見通しに影響を与える可能性があります。
インフレ指標が市場予想を上回る結果となれば、再び利上げ圧力が強まり、 現在の上昇基調に冷や水を浴びせる展開も想定されます。 その場合、ビットコイン(BTC)やイーサリアム(ETH)には利確売りが出やすく、 ボラティリティの上昇とともに一時的な調整局面が生じるリスクが意識されています。
また、中国経済に関しては、国内消費や輸出動向の鈍化が懸念されており、 GDP成長率が市場予想を下回る場合、アジア市場全体のリスクオフ姿勢が波及する可能性もあります。 これにより、グローバルな投資家心理が冷え込み、暗号資産にも間接的な影響を与えることが考えられます。
このほか、ETH現物ETFに対する米証券取引委員会(SEC)の審査動向も依然として注視されています。 可否判断のタイミングや、SEC委員のスタンスの変化が今後の価格形成に影響を与える可能性があります。
さらに、分散型取引所GMXで発生したハッキング事件に関連して、DeFiプロジェクト全体に対するセキュリティ強化の要請が高まっています。 セキュリティ不安が拡大した場合、一部のDeFi銘柄では投資回避の動きが強まるリスクも想定されます。
上昇トレンド入りも慎重姿勢は継続──押し目形成と資金流入に注目
本日の暗号資産市場で最大の注目点は、ビットコインが112,000ドルを突破し、史上最高値を更新したことです。 この動きは、ETF資金流入と先物市場におけるロングポジションの積み上がりを背景に、市場全体に上昇トレンドの再点火を印象づけました。
ただし、短期的な価格急騰を受けて、一部では過熱感も指摘されています。 特に7月15日に控える米CPIや中国GDPといったマクロ指標発表を前に、投資家の間ではポジション調整への警戒感も根強く残っています。 これにより、現状では「全面強気」というよりも、押し目を探る冷静な姿勢が強まっている状況です。
市場の需給環境に目を向けると、機関投資家によるロング維持やETH現物ETFを巡る期待感が、引き続き価格の下支え要因となっています。 個人投資家のショートカバーも相まって、流動性の回復とともに押し目形成の余地が広がっていると見られます。
今後の焦点は、ETH現物ETFの承認可否に対する米SECの判断や、DeFiセキュリティ問題の余波、 さらにはグローバルな金融政策を巡る不透明感です。 こうした状況下では、「買い急ぎ」ではなく、需給の健全性や押し目の強さを見極めた対応が求められる局面といえるでしょう。
本記事にはAIによる収集・分析データが一部含まれます。情報の正確性には十分留意していますが、最終的な判断はご自身の責任でお願いします。
また、本記事は投資判断を促すものではなく、市場理解を目的とした情報提供にとどまります。
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