ビットコイン117K割れ後に反発──ウォール街のETF買い増しとFRB監視終了、NY取引税構想も【8月16日】

ビットコインの擬人化キャラクターが「117K反発」の矢印を駆け上がり、左ではETFカートがBTCを買い集め、右ではFRB監督のサンセットと「NY Crypto Tax?」の標識を配した風刺イラストです。 デイリークリプトニュース
ビットコイン117K反発、現物ETF買い増し、FRB監督統合とNY取引税の行方——8/16の相場材料を凝縮。重要水準と短期シナリオは詳細は記事で。
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ビットコイン反発と主要市場の動向

8月15日の米国市場において、ビットコイン(BTC)は一時116,816.8ドルまで下落した後、終値では117,356.3ドルまで回復しました。日本時間8月16日午前9時18分時点では117,391.9ドルで推移しており、24時間ベースでは0.68%の下落となっています。直近の変動は依然として高水準ですが、終値ベースでは反発の兆しが見られます。

暗号資産市場全体の時価総額は4.04兆ドル、24時間取引高は2,592.9億ドルでした。ビットコインの市場シェア(ドミナンス)は58.7%、イーサリアム(ETH)は13.9%となっています。ETHは4,443.12ドルで取引され、24時間で2.68%下落した一方、7日間では10.73%の上昇を記録しています。

米国株式市場は現地時間8月15日の取引を終え、、8月15日のS&P500が前日比0.29%安の6,449.79で終了しました。ダウ工業株30種平均は0.08%高の44,946.12、ナスダック総合指数は0.40%安の21,622.98でした。投資家心理の指標とされるVIX指数は1.75%上昇し、15.09となっています。これらの動きは、暗号資産市場にも一定の影響を与えている可能性があります。

ウォール街のETF動向と機関投資家のポジション

直近の反落局面に先立ち、米大手機関は第2四半期末にかけてビットコイン現物ETFや関連株の保有を増やしていました。四半期開示では、現物連動のETFが中期のエクスポージャー受け皿として機能し、需給の下支え要因となっていることが確認できます。

  • Wells FargoはiShares Bitcoin Trustの保有を約2,600万ドルから1億6,000万ドル超へ拡大(6月末時点)。
  • Cantor Fitzgeraldは現物ビットコインETFの保有を2億5,000万ドル超へ積み増し(6月末時点)。
  • 一部の大手機関はMSTRやCOINなど暗号資産関連株の保有も拡大し、エクスポージャーの裾野を広げています。

こうした保有の積み上がりは、押し目局面での需給を引き締めやすくします。一方で、解約フローが優勢となる局面では逆の作用が働きます。短期の方向づけはフローで変わりやすく、中期の基調は保有の推移に左右されます。直近の価格レンジでは、下値の維持と上値の明確な回復のいずれが先行するかが焦点です。

FRBによる銀行監視終了と金融政策の含意

前述のように、米連邦準備制度理事会(FRB)は2023年に導入した「新規活動監督プログラム」を終了し、暗号資産や分散型台帳(DLT)関連の銀行業務を標準の監督プロセスへ統合しました。特別な監督レターは撤回され、監督は通常のリスクベース手続きに戻ります。

何が決まったのか

対象は、暗号資産関連企業やフィンテック向けの預金・決済・貸出などの業務です。FRBは当該活動のリスクと銀行側の管理体制について理解が深まったと説明しています。監督そのものをやめるわけではなく、枠組みを特別枠から標準枠へ戻す決定です。

市場と銀行への示唆

手続きの予見可能性が高まります。銀行はAML/CFTや内部統制を前提に、暗号資産カストディや決済などのサービス検討を進めやすくなります。受け皿の拡充は流動性の質を支える可能性があり、直近の下落局面における価格の下支え要因にもなりました。

残る規制と留意点

資本・流動性規制やコンプライアンス要件は従来どおり適用されます。OCCやFDIC、州規制の方針も影響します。今後の実務ガイダンス次第で市場への波及度は変わるため、運用面のフォローが必要です。

用語の補足

  • AML/CFT:マネーロンダリング対策(Anti-Money Laundering)とテロ資金供与対策(Combating the Financing of Terrorism)です。顧客確認や取引監視などの義務を含みます。
  • OCC(通貨監督庁):米財務省の機関です。国法銀行を監督し、健全性やコンプライアンスを審査します。
  • FDIC(連邦預金保険公社):米国の預金保険機関です。銀行破綻時の預金保護や解決手続きを担います。

NY州で浮上する暗号資産取引税構想

ニューヨーク州では暗号資産の取引に課税する新たな案が検討段階にあります。案は取引ごとに一定の税率を課す設計を想定しており、成立すれば取引所の運営や利用者の行動に影響が及ぶ可能性があります。現時点では法案化前で、内容や適用範囲は調整途上です。

想定される影響

  • 取引所ではコスト構造と手数料設計の見直しが必要になる可能性があります。
  • 短期売買の回転が鈍り、流動性が低下するリスクがあります。
  • 課税の適用範囲によっては、ユーザーの取引拠点や利用サービスの選好が変化し得ます。

主な論点

  • 課税対象の定義(スポット、デリバティブ、ステーブルコインなど)の明確化が必要です。
  • 課税単位と算定方法、二重課税回避の設計が重要です。
  • DeFiやNFTの取り扱い、居住地・拠点の帰属判断など、執行面の整理が求められます。

現在の状況と見通し

州議会では関係者の意見聴取が進み、業界団体や企業のロビー活動が活発化しています。最終的な制度設計は、委員会審査や公聴会の結果を経て固まります。制度の確定時期は未定であり、市場への影響度は設計次第で変動します。他の政策動向(機関投資家の資金フローや監督体制の変更)と合わせて、継続的なフォローが必要です。

オンチェーンデータ分析と市場心理

直近の下落は日中で反発に転じました。オンチェーンとポジションの指標は、過度な投げ売りが広がっていないことを示しています。以下では、提出データの数値に基づき、各指標の意味を簡潔に補足します。

短期保有者SOPR(STH SOPR=売却価格÷取得価格)

STH SOPRは1.02です。1超は「短期保有者に利益確定売りがやや優勢」を示します。ただし1からの乖離は小さく、損切り連鎖の局面ではありません。

MVRV-Zスコア(時価総額と実現時価総額の乖離を標準化)

MVRV-Zは2.69、24時間で-0.98%です。割高感は限定的で、過熱圏手前の中立寄り水準です。上下いずれにも値幅余地が残ります。

STH Realized Price(短期保有者の平均取得単価)

STH Realized Priceは$108,007.94です。現行価格はこの水準を上回っており、短期の下値目安として意識されやすい水準を維持しています。

NUPL(未実現損益=含み益と含み損の偏り)

NUPLは55.15%です。市場は楽観寄りに位置します。含み益参加者が多い一方、高値追いには慎重さも残ります。

ポジション動向(ロング/ショート比=口座数・建玉の偏り)

  • 24時間ロング出来高:$39.05B(-46.84%)、ショート出来高:$39.66B(-49.54%)。双方向で出来高が縮小し、ややショート側が上回っています。
  • Binance BTC/USDT(口座ベース):1.39(+4.26%)でロング優勢を維持。トップトレーダー(口座)は1.50(-7.41%)、同(建玉)は2.17(-2.30%)で、いずれもロング優勢ながら傾きは弱まりました。
  • OKX BTC/USDT(口座ベース):1.39(+9.45%)でロング側へ傾斜。トップトレーダー(口座)は0.72(-3.45%)、同(建玉)は0.66(-44.25%)ショート優勢に振れています。
  • Bitfinex マージン:ロング47.78K BTC、ショート139 BTC。同所ではロング優位が続きます。

総合評価

指標を総合すると、短期の利益確定は出ていますが、過熱や投げ売りの兆候は限定的です。STH Realized Price($108,007.94)の上方維持が続く限り、今回の下落は一時的な調整にとどまる可能性が高いです。トップトレーダーのポジション傾向は取引所間で分かれるため、フローの強弱を継続確認する必要があります。

その他の注目ニュース

BullishがNYSEに上場、公開価格は37ドル

暗号資産取引所Bullishはニューヨーク証券取引所に上場しました。公開価格は1株あたり37ドルでした。発行株数は3,000万株で、初値時点の時価総額は約54億ドルとなりました。事前の想定レンジを引き上げての価格決定で、需要の強さがうかがえます。提出資料には、初期投資家として大手運用会社の関連会社名が記載されています。

Panteraが「デジタル資産トレジャリー」企業に3億ドル超を投資

Pantera Capitalは、保有資産から利回りを生みつつトークン保有量の増加を狙う「デジタル資産トレジャリー(DAT)」戦略をとる企業群に、累計で3億ドル超を投じています。担当者コメントとして、スポット保有のみよりも1株当たりの基礎資産価値を伸ばせる点を狙うと説明されています。

BitMineがイーサリアム購入のために245億ドルの資金調達を計画

マイニング関連のBitMineは、イーサリアムの大口取得を目的に、最大245億ドルの資金調達を目指す計画を示しました。規模感の大きさから、市場の流動性や需給への影響が注目点となります。

今後の見通しと注目イベント

足元のビットコイン(BTC)は、8月15日の日中安値116,816.8ドルから終値117,356.3ドルへ戻しました。需給はETFフローの影響を受けやすく、オンチェーン(MVRV-Z 2.69、NUPL 55.15%、STH SOPR 1.02、STH Realized Price $108,007.94)は過熱・投げ売りの兆候を示していません。以下、当面のイベントと相場への接続点を整理します(時刻は日本時間)。

直近の結果(JST)

  • 8/15(金)日本・4–6月期実質GDP(速報):前期比0.3%(前回0.0%〈改定0.1%〉、予想0.1%)、年率換算1.0%(前回-0.2%〈改定0.6%〉、予想0.4%)。国内景気は予想上振れで、円金利やドル円の変動を通じた暗号資産のリスク許容度に波及しやすい結果です。
  • 8/15(金)米・7月小売売上高:総合0.5%(前回0.6%〈改定0.9%〉、予想0.5%)、除自動車0.3%(前回0.5%〈改定0.8%〉、予想0.3%)。予想一致で、金利先行きのサプライズは限定的でした。

今後の主な予定(JST)

  • 8/16(土)~8/19(火):掲載指標なし(流動性低下に伴う値動き拡大リスクに留意)。
  • 8/20(水)11:00 RBNZ政策金利:予想3.25%(現行3.00%)。オセアニア発の金利観はドル指数・リスク資産の地合いに間接影響。
  • 8/20(水)18:00 ユーロ圏HICP(改定値):総合2.0%、コア2.3%(いずれも予想)。インフレ観測の変化は欧州金利とドルの方向感を通じて波及。
  • 8/20(水)27:00 FOMC議事要旨:利下げパスやバランスシートの文言に注目。ドル金利とETFフローの噛み合いを確認。
  • 8/22(金)08:30 日本CPI:総合3.3%、コア(除生鮮)3.3%、コアコア(除生鮮・エネルギー)3.4%(予想)。国内金利・為替を通じたリスク選好に影響。
  • 8/22(金)15:00 ドイツGDP(改定):前期比-0.1%、前年比0.4%(予想)。欧州景気認識の再評価に連動。
  • 8/22(金)23:00 パウエル議長発言:金融環境の先行き示唆が最重要。金利・ドル・ETFフローへの一次波及を想定。

価格レンジと注目水準

  • サポート:116,816.8ドル(8/15安値)。割れは115,000ドル台の試しに発展しやすい局面です。
  • レジスタンス:119,231.9~120,000ドル(8/15高値~心理的節目)。上抜けで123,651.8ドル(8/13高値)を意識。
  • 中核の下値目安:$108,007.94(STH Realized Price=短期保有者の平均取得単価)。上方維持がトレンド維持の鍵です。

結論・要点の整理

一言要約:価格は117k近辺で持ち直し、オンチェーンは過熱も投げ売りも示さず、方向づけはETFフロー×金利イベント次第です。

  • 見るべき水準:116,816.8(維持)/119,231.9~120,000(突破)/108,007.94(中核サポート)。
  • イベント軸:8/20 RBNZ、同日HICP改定・FOMC議事要旨、8/22 日本CPI・独GDP・パウエル発言。時間はJST基準で事前準備。
  • 運用の留意:ETFフローが買い越しなら上振れ余地、解約増なら下押し。週末~週前半は指標空白による流動性低下リスクに注意。

免責事項:本記事にはAIによる収集・分析データが一部含まれます。情報の正確性には十分留意していますが、最終的な判断はご自身の責任でお願いします。また、本記事は投資判断を促すものではなく、市場理解を目的とした情報提供にとどまります。

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