ビットコインは調整観測も機関資金流入が下支え──DOGE ETF申請と日本円ステーブル承認が注目【8月18日】

ビットコイン、ドージコインETF、JPYCを擬人化したイラスト。市場調整と資金流入、日本円建てステーブルコイン承認を象徴的に描写。 デイリークリプトニュース
ビットコインの調整観測に加え、機関資金流入やDOGE ETF申請、JPYC承認の最新動向を総覧。続きは記事でご確認ください。
記事内にプロモーションが含まれています。

ビットコインは11.7万ドル台で調整観測、ETF資金流入が下支え

8月18日午前10時(日本時間)時点で、ビットコイン(BTC)は117,303.6ドルで取引されています。ここ数日は117,000ドル台での推移が続いており、安定感を取り戻しつつあります。

先週の値動き

8月14日にビットコインは124,436ドルの過去最高値をつけた直後、117,000ドル台まで急落しました。1日で4%を超える下げ幅となり、市場に強い警戒感を与えました。その後は下げ止まり、8月15日から17日にかけては117,000ドル台前半で推移しています。ETFを通じた資金流入が下支え要因となり、大幅な崩れには至っていません。

イーサリアム(ETH)は4,468.02ドルで推移しています。高値圏を維持しており、主要アルトコインの一部でも上昇が見られています。ただし、資金は分散するよりも、流動性の高いビットコインやイーサリアムに集中する傾向が強まっています。

BTCドミナンスの低下

ビットコインの市場シェアを示すドミナンスは60%を割り込みました。これは、一部資金がアルトコインに流れていることを意味します。ETFを背景にした安定した買いがBTCを支えつつ、投資家のリスク選好がアルト市場にも波及している状況です。

株式市場の動き

米国株式市場(8月15日・金曜日)は、主要指数がまちまちの動きとなりました。ダウ平均は34.86ドル高(+0.08%)と小幅に上昇しましたが、S&P500は▲0.29%、ナスダックは▲0.40%と下落しました。VIX指数は15.09と小幅上昇しており、投資家心理の不安定さが示されました。

欧州市場やアジア市場も総じて小幅な動きにとどまり、世界的にリスク回避姿勢は強まっていないと見られます。ただし、為替市場ではドル高傾向が続き、円はドルに対して弱含みで推移しました。この円安基調は、ドル建てで取引される仮想通貨市場に間接的な影響を与えています。

週明けの焦点

仮想通貨市場は、米国の金融政策とドルの強含みをにらみながら推移しています。一方で、ETF関連の資金流入が下値を支えており、マクロ要因と制度的資金フローの両面が今週の相場を左右する見通しです。

DOGEにETF申請の動き、ミーム資産の制度化に注目

8月15日、米国証券取引所NYSEアーカ(NYSE Arca)は、グレースケール(Grayscale)が運営する「Grayscale Dogecoin Trust」の上場を目指し、米証券取引委員会(SEC)に19b-4申請書を提出しました。承認されれば、同信託は現物価格に連動するETFに転換され、「Grayscale Dogecoin Trust ETF」としてティッカーシンボル「GDOG」で取引が開始される予定です。

ドージコイン(DOGE)は、これまで投機的なミームコインとして認識されてきました。しかしETF化が実現すれば、制度的な投資商品としての位置づけが強まり、資産クラスとしての評価が一段高まる可能性があります。

申請書によれば、同信託の資産保管はコインベースカストディ(Coinbase Custody)が担います。グレースケールは今年1月31日にDOGEの投資信託を提供開始しており、今回の動きはサービス開始から約半年後の展開です。

ETF化に向けた審査手続きでは、通常S-1申請が先に行われ、その後に19b-4申請が提出されます。しかし今回のケースは逆の順序を取っており、SECの判断プロセスに関心が集まっています。

日本円建てステーブルコインが承認、金融機関参入が加速へ

8月17日、日本経済新聞が「金融庁が国内初の円建てステーブルコインを承認へ」と報じました。JPYC社の岡部代表は同日、報道内容が事実であると取材に対して認めています。月内にも同社が資金移動業として登録され、秋にも「JPYC」の発行が始まる見込みです。

承認に向けた手続きと今後の予定

今回の動きは、2023年6月施行の改正資金決済法に基づくものです。ステーブルコインは「電子決済手段」と位置づけられ、発行主体は所定のライセンスの下で取り扱います。JPYC社は金融庁サイトに登録が掲載され次第、正式リリースと記者会見を行う予定です。想定されるライセンスは、1件あたりの送金上限が100万円の「第二種資金移動業」とみられます。

設計とユースケース

JPYCは1JPYC=1円の設計です。裏付け資産として預金や日本国債を保有し、価値の安定を図ります。想定ユースケースは、国際送金、法人決済、DeFi(分散型金融)です。同社は今後3年間で発行残高1兆円を目標としています。

市場環境と位置づけ

世界のステーブルコイン市場は、USDTとUSDCが中心です。国内では3月、SBIVCトレードがUSDCの取り扱いを開始しました。円建てステーブルコインが実装されれば、為替リスクを抑えたデジタル決済の選択肢が広がり、国内外の事業者にとって利便性が高まります。

金融面での含意

米国では主要発行体が米国債を大量保有し、マネーマーケットの一角を担っています。岡部代表は、JPYCが普及すれば日本国債の新たな安定需要が生まれる可能性に言及しています。発行が進んでいない国では国債金利の上昇リスクもあるとし、各国が市場育成を急ぐ背景には政策的な思惑もあると指摘しています。

オンチェーンデータが示す「慎重な楽観」──MVRV・NUPL分析

オンチェーン指標やデリバティブ市場のデータからは、市場の過熱感と安定要素が交錯する「慎重な楽観」局面が示されています。以下では、主要な指標の意味を解説しつつ、直近データを踏まえた分析を整理します。

短期保有者SOPR(STH SOPR)

SOPR(Spent Output Profit Ratio)は、売却時の利益率を示す指標です。1を上回れば投資家が利益で売却していることを意味し、1を下回れば損失売却が優勢です。短期保有者に限定したSTH SOPRは、短期的な投資行動の強弱を測る上で重要です。

直近のSTH SOPRは 1.006 とわずかに1を上回っています。短期投資家はほぼ損益分岐点に位置しており、利益確定とホールドの間でバランスを取る動きが確認されます。極端な売り圧力は見られず、市場の安定に寄与しています。

MVRV Zスコア

MVRV(Market Value to Realized Value)は、時価総額と実現時価総額の比率で、市場が過熱しているかを測る尺度です。Zスコアを用いることで、過去の価格推移と比較した割高・割安感を把握できます。

直近のMVRV Zスコアは 2.57 で、前日比では -1.20% 低下しています。バブル期に見られる極端な数値(7〜10台)には達していませんが、投資家の含み益が拡大していることを示し、利益確定圧力の増大余地を含んでいます。

短期保有者のRealized Price

Realized Priceは、保有者が取得した平均コストを示す価格水準です。短期保有者(STH)のRealized Priceは市場の支持線として機能することが多く、現行価格との乖離が投資家心理を測る材料になります。

直近のSTH Realized Priceは 108,549ドル です。現行の市場価格がこれを上回って推移しているため、短期投資家の多くが含み益を抱えており、下落圧力が軽減される構図になっています。

NUPL(未実現損益率)

NUPL(Net Unrealized Profit/Loss)は、全体の投資家が抱える未実現損益の割合を示します。0に近いと中立、プラスに傾くほど含み益が拡大している状況です。心理的には、プラスが拡大すると楽観、過剰になると強欲と解釈されます。

直近のNUPLは 55.4% で「楽観領域」に位置しています。ただし過去の強欲局面(70%以上)には至っておらず、ETF経由の機関資金流入が投資家心理の安定要因となっています。

ロング・ショート比率と建玉状況

デリバティブ市場のロング・ショート比率は、投資家のポジションバランスを把握する上で重要です。直近4時間のロング取引量は 25.15%増の33.2億ドル、ショート取引量も 24.40%増の35.7億ドルと、ともに拡大しています。

Binanceでは口座ベースのロング/ショート比が 1.34、トップトレーダーのポジション比率は 2.04 とロング優勢です。Bitfinexのマージン市場ではロング残高が 47.76K BTC、ショート残高が 136.74 BTCと、現物に対するロング需要が際立っています。

一方で、OKXではトップトレーダーの口座比率が 0.82 とショート優位を示しており、取引所間で投資家心理に温度差が存在します。この構図は、機関・個人投資家の戦略差や取引環境の違いを反映しています。

以上の指標を総合すると、市場は強気の傾向を維持しつつも、過去のバブル局面に比べれば慎重な姿勢が残されていることが確認されます。

今後の展望とリスク

8月20日には米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨が公表される予定です。市場参加者は、利下げのタイミングやインフレ評価に関する手掛かりを注視しており、仮想通貨市場にも短期的な影響を与える可能性があります。

続いて、8月22日にはパウエルFRB議長の講演が予定されています。金融政策の方向性に関する新たな示唆が出れば、米ドル金利やリスク資産市場に波及するため、暗号資産市場もボラティリティ上昇に直面する可能性があります。

中期的には、米国での暗号資産ETFの審査進展や、日本・米国を中心としたステーブルコイン規制強化の動きが市場構造を変える重要な要因となります。規制環境が整備されれば機関投資家の参入が進む一方で、流通や発行体に対する制約が強まるリスクも存在します。

さらに、短期的な過熱感の高まりや主要取引所の流動性リスク、米国における追加的な規制強化の可能性も無視できません。特に出来高が集中する取引所での不測の事態は、市場全体の急激な価格調整につながるリスクを孕んでいます。

このため投資家は、FOMC議事要旨やFRB議長の発言といったマクロ経済イベントに加え、規制動向や市場インフラの健全性を常に注視する必要があります。

その他のニュース

  • マイクロストラテジーの買い増し戦略:創業者マイケル・セイラー氏は、BTC価格が下落局面に入った場合でも積極的に買い増す姿勢を表明しました。現在の保有量は約62.8万BTCに達しており、同社の強気な姿勢が改めて注目されています。
  • 機関投資家によるETF投資拡大:Brevan Howardやゴールドマン・サックス、さらにはハーバード大学基金といった大手機関がビットコインETFへの投資を拡大しています。ETF経由での資金流入が市場の下支えとなっています。
  • BTC市場支配率の低下:仮想通貨市場全体が拡大するなか、ビットコインの市場支配率は59.4%まで低下しました。資金の一部がアルトコインへとシフトしていることが背景とされています。
  • アルトシーズンと中国の金融刺激策:中国人民銀行が追加の金融刺激策を実施するとの観測が広がっており、アルトコイン市場の動向を左右する可能性があります。市場関係者は、これが次のアルトシーズンの引き金となるか注目しています。
  • XRPの過熱感:XRPホルダーの94%が含み益の状態となっており、過去のサイクルと照らすと「天井圏サイン」と見る向きも出ています。過熱感への警戒感が強まっています。
  • XRP ETF期待と資金シフト:XRP ETFへの期待が高まる一方で、大口投資家は資金をイーサリアム(ETH)やMAGACOINへ移動させています。分散投資の動きが強まっているようです。
  • BNB・LTC・MAGACOINの上昇要因:BNBは20億ドル規模の投資計画を背景に最高値を更新しました。ライトコイン(LTC)はETF期待で買いが集まり、MAGACOINは長期成長銘柄として新たに注目を浴びています。
  • CentrifugeがTVL 10億ドル突破:RWA(現実資産トークン化)分野でCentrifugeのTVLが10億ドルを超えました。BlackRockやOndoに続く規模を達成し、トークン化S&P500といった新商品の展開も進めています。

制度的受容と資金流入が市場の下支えに

本日の最大の注目点は、ビットコイン価格が調整局面にあるにもかかわらず、制度的受容と機関投資家による資金流入が市場を下支えしている点にあります。短期的には米国経済指標や世界的なマクロイベントへの警戒が継続しており、投資家は流動性や金利動向を注視する必要があります。一方で、中期的にはドージコイン(DOGE)のETF申請や日本円ステーブルコインの承認といった制度的進展が、規制整備の加速と新たな資金流入期待を生み出しています。

市場参加者にとっては、下落局面における押し目買い戦略が引き続き有効であると同時に、規制当局の動向を適切に追跡することが重要です。ETF関連銘柄や規制適合を果たすプロジェクトに対して資金が集まりやすい環境が形成されており、長期的な市場基盤の強化に寄与する可能性があります。

要点整理

  • BTC価格調整局面でも機関投資家の資金流入が市場を下支え
  • DOGE ETF申請や円建てステーブルコイン承認が制度的進展を象徴
  • 短期的にはマクロ要因への警戒、中期的には規制整備への期待が焦点
  • 実務的には押し目買い戦略と規制動向の追跡が重要な示唆

本記事にはAIによる収集・分析データが一部含まれています。情報の正確性には十分留意していますが、最終的な判断はご自身の責任でお願いいたします。また、本記事は投資判断を促すものではなく、市場理解を目的とした情報提供にとどまります。

コメント

タイトルとURLをコピーしました