ビットコイン11.8万ドル、米政府シャットダウンでSECのETF審査一時停止──SOL/ETHの上場時期に影・Ethereum『Fusaka』前進【10月2日】

上向き矢印「Uptober」に乗る擬人化コイン(BTC・ETH・SOL)。左に「SEC Review Paused」の建物、右に「Fusaka Tests 10/14・10/28」のカレンダー、背景にIDバッジとRWAの象徴アイコン。 デイリークリプトニュース
ビットコイン・イーサリアム・ソラナが「Uptober」の矢印を駆け上がる一方、SECの審査停止とFusakaテスト日程が相場の行方を左右。RWAやオンチェーンIDの進展もチェック。続きは記事で詳しく解説します。
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  1. 市場はリスク選好に傾斜、BTCは11.8万ドル・時価総額は4兆ドル目前
    1. きょうの主要ポイント
    2. 全体像:結論から
    3. 価格の動き:BTC・ETH
    4. 伝統資産の手掛かり
    5. 材料整理:なぜ上がったか
    6. きょうの見方(まとめ)
    7. 用語解説
  2. 米政府シャットダウンでSECの新商品審査が一時停止、SOL/ETHのETF時期に影
    1. ポイントの整理
    2. 停止で何が止まるか
    3. 時期への影響:SOL/ETHのスケジュール
    4. 設計面:ステーキングETFの論点
    5. 再開後の見通し
    6. 用語解説
  3. Ethereum『Fusaka』はHoleskyで初戦クリア、10/14・28のテスト後に本番日程確定へ
    1. テスト進捗と今後のスケジュール
    2. PeerDASとBPO:コスト削減と容量拡張
    3. 残る論点:ロールアップ料金の設計
    4. 開発・運用面の着眼点
    5. 用語解説
  4. フローと季節性:Uptober期待、ADP弱含みとETF需給が短期の追い風に
    1. 10月の季節性と9月の着地
    2. マクロ環境:ADPと政府統計の遅延懸念
    3. ポジションとETFフローの影響
    4. 短期の焦点:フローの持続性
    5. 用語解説
  5. RWA・ステーブル&アイデンティティ:Solana/ Suiに資金レール、KYC準拠の拡張が進む
    1. Solana:USYCが展開、担保利用と即時償還に対応
    2. Sui:USDiとsuiUSDeでネイティブ流動性を拡張
    3. アイデンティティ:Chainlink×GLEIFで機関向けIDをプロトコル実装
    4. Canton Network:取引規模が加速、実運用で件数を積み上げ
    5. 全体像:KYC準拠レール+ID+許可型の三位一体
    6. 用語解説
  6. プラットフォーム動向:Bullishが米現物開始、Polymarketは米再開へ/Coinbaseは担保ローン拡大
    1. Bullish:NYDFS認可で米20州に現物提供を開始
    2. Polymarket:DCM保有子会社で自社認証、米ユーザー向けに再開準備
    3. Coinbase:BTC担保ローンが起源B超、最大Mまで拡大へ
    4. 全体像:規制準拠の“表口”が拡大、要件実装が競争軸に
    5. 用語解説
  7. 法執行・コンプライアンス:英の6.1万BTC押収は民事回収へ、SBI Crypto流出疑惑とDPRK関連リスク
    1. 英国:6.1万BTC押収の行方は民事回収手続きへ
    2. 評価時点の争点:国家と被害者の利害が対立
    3. 日本:SBI Crypto関連から約2,100万ドル流出の疑い
    4. 国際的な警戒:DPRKのIT労働者と資金洗浄の手口
    5. 実務への含意:監視・開示・着金管理の三位一体が基準
    6. 用語解説
  8. 周辺テーマ:米税務の暫定指針、マイナー/プライバシー銘柄の動き
    1. 米税務:未実現益のCAMT除外で企業リスクが後退
    2. 株式市場:ビットコインマイナーの時価総額が過去最高圏
    3. アルト動向:Zcashが3年ぶり高値、プライバシー需要を背景に上昇
    4. 整理:制度・株式・銘柄テーマが並走し、資金の受け皿が多様化
    5. 用語解説
  9. これからの注目点とリスク
    1. SECの業務再開とETFの上場時期
    2. 10月3日の米指標で金利・ドルの方向を再確認
    3. Ethereum『Fusaka』のテスト進捗と年内本番の可否
    4. セキュリティとコンプライアンスの不確実性
    5. 用語解説
  10. 要点整理
    1. 用語解説

市場はリスク選好に傾斜、BTCは11.8万ドル・時価総額は4兆ドル目前

きょうの主要ポイント

  • 暗号資産時価総額:$3.99T
  • ビットコイン(BTC):$118,714.4(24H +3.92%)
  • イーサリアム(ETH):$4,344.48(24H +4.79%)
  • ドミナンス:BTC 58.1%/ETH 13.0%
  • 米株:S&P500 +0.34%/ナスダック +0.42%/VIX 16.29
  • 為替:ドル円 147.30 近辺
  • コモディティ:金先物 $3,883.50/WTI原油 $61.97

全体像:結論から

市場はリスク選好に傾いています。BTCとETHが上昇し、時価総額は4兆ドル目前です。

背景には、雇用指標の弱さと政府機関シャットダウン懸念があります。これらがドル安観測と金利低下観測につながりました。

価格の動き:BTC・ETH

BTCは$118,714.4です。24時間で+3.92%となりました。主要水準を上抜けて、需給は改善方向です。

ETHは$4,344.48+4.79%です。相対的に強く、時価総額の押し上げに寄与しました。

伝統資産の手掛かり

米株は小幅高です。S&P500は+0.34%、ナスダックは+0.42%でした。VIXは16.29で落ち着いた水準です。

ドル円は147.30近辺で推移しました。金先物は$3,883.50、WTIは$61.97です。金利低下観測がリスク資産を下支えしています。

材料整理:なぜ上がったか

9月のADP雇用統計は▲3.2万人でした。民間雇用の減少は、金融引き締めの一服を意識させます。

同時に、米政府機関の一部停止が懸念されています。統計の遅延や審査の停滞が想定され、政策日程は不透明です。

この二つが重なり、ドル安と金利低下への思惑が広がりました。結果として、暗号資産への資金流入が入りやすい地合いになりました。

きょうの見方(まとめ)

  • 暗号資産は「ドル安・低金利観測」でリスクオンに傾斜。
  • 株式の小幅高と低ボラ(VIX 16台)がセンチメントを補強。
  • 政策日程は不透明で、ヘッドライン次第で振れやすい局面。

用語解説

  • ドミナンス:市場全体に占める特定銘柄の時価総額の割合。
  • VIX:米株の予想変動率指数。数値が高いほど不安定。
  • ADP雇用統計:民間部門の雇用増減を示す民間指標。
  • 政府機関の一部停止:予算未成立で連邦機関の非必須業務が止まる状態。
  • 時価総額:暗号資産全体の評価額の合計。

米政府シャットダウンでSECの新商品審査が一時停止、SOL/ETHのETF時期に影

ポイントの整理

先日も取り上げたETF手続き簡素化の流れに続き、米政府の一部停止が発生しました。米証券取引委員会(SEC)は運用計画に沿い、新商品の審査と有効化を停止します。結果として、現物型ETFの上場には遅れが生じます。10月判断が見込まれたSolana(SOL)やEthereum(ETH)も、再開後の順番待ちが前提となります。

停止で何が止まるか

  • 新しい金融商品の審査・承認を行わない。
  • 登録届出書(S-1など)の「有効化の前倒し(アクセラレーション)」を行わない。
  • 緊急でない登録業者支援を提供しない。

このため、発行体が準備を進めていても、上場開始にはSEC職員の手続きが不可欠です。停止中は処理が進みません。

時期への影響:SOL/ETHのスケジュール

汎用上場基準の採用で、19b-4の個別審査は原則不要になりました。残る主なボトルネックはS-1の有効化です。現在はこれが止まっています。10月上旬の承認観測があったSOLや、ステーキング機能を含むETHの案件も、審査再開後の「順番と段取り」が焦点に変わりました。政策方針の逆行ではなく、カレンダーの再調整が主題です。

設計面:ステーキングETFの論点

Bitwiseの見解では、SOLはアンステーキング期間が短く、償還対応で有利になり得ます。ETHはエントリー/エグジットのキューが長くなる局面があります。発行体は流動性確保のため、与信枠やリキッドステーキングの活用で設計を補完できます。ただし、いずれもコストや枠の制約があります。停止が長期化すれば、これらの設計比較より前に、上場全体が後ずれします。

再開後の見通し

  • 優先順位:審査案件はバックログ処理になります。順次の有効化が基本です。
  • 政策の流れ:汎用上場基準は維持されます。再開後は承認までの摩擦は低い見込みです。
  • 短期リスク:見出しと実務のタイムラグで、価格が振れやすい局面が続きます。

用語解説

  • SEC(米証券取引委員会):証券市場と投資家保護を担う規制当局。
  • S-1:有価証券の登録届出書。上場や販売に必要な詳細開示を含む。
  • 19b-4:取引所が上場規則を変更する際の届出様式。
  • 汎用上場基準:暗号資産ETPの標準化された上場枠組み。個別トークンごとの審査を簡素化。
  • ステーキングETF:保有資産をステークし、報酬を得る設計を含むETF。
  • アンステーキング期間:ステーク解除から資産引き出しまでの待機期間。

Ethereum『Fusaka』はHoleskyで初戦クリア、10/14・28のテスト後に本番日程確定へ

テスト進捗と今後のスケジュール

先日触れた『Fusaka』(12月初旬目標)の続報です。Holeskyでの初回テストが完了しました。次は10月14日10月28日に追加テストを実施します。両テストが問題なく終われば、開発者はメインネット適用日を正式にロックします。早ければ12月初旬の本番実装という前提は維持されていますが、最終判断は10月の結果に依存します。

PeerDASとBPO:コスト削減と容量拡張

Fusakaはデータの検証負荷を下げるPeerDASを導入します。バリデータはデータの一部だけを検査できるため、処理コストが下がります。これはレイヤー2(L2)の手数料圧縮にもつながります。

あわせて、Fusaka後に小規模フォークBPO(Blob Parameter Only)を段階実施します。ブロブ容量は6/9 → 10/15 → 14/21と引き上げる計画です。容量を安全に拡大し、L2のデータ掲載コストの低下を狙います。

残る論点:ロールアップ料金の設計

一方で、主要ロールアップの料金設計には再点検が必要です。計算、データ、証明のコストを一式にまとめる方式では、小口取引で過大・過小な課金が起きやすくなります。返金方式やバッチ処理の運用次第で、混雑時の歪みやスパム誘発も課題になります。容量拡大だけでは、期待どおりの手数料低下に直結しない場合があります。実コストに沿った多次元料金への移行が併走課題として残ります。

開発・運用面の着眼点

メインネット日程は、10月のテスト結果とクライアント実装の安定度で確定します。L2側は、PeerDAS対応とBPO後の手数料波及を検証する必要があります。ユーザー体験の改善は、容量拡大と料金設計の両輪がそろって初めて持続します。短期の焦点は、テストの安定性、クライアント更新の配布速度、主要L2の対応計画です。

用語解説

  • Holesky:イーサリアムの大型テストネット。検証用の環境。
  • Fusaka:次期ハードフォーク名称。L2とバリデータのコスト削減が狙い。
  • PeerDAS:データ可用性を部分検証で確認し、検証負荷を下げる仕組み。
  • ブロブ(Blob):L2のデータを安価に載せる領域。手数料低減に寄与。
  • BPO:ブロブ関連パラメータだけを段階的に引き上げる小規模フォーク。
  • ロールアップ:多くの取引をまとめてL1に投稿する拡張技術。
  • 多次元料金:計算・データ・証明の各コストを個別に課金する設計。
  • バリデータ:取引やブロックの検証を行う参加者。

フローと季節性:Uptober期待、ADP弱含みとETF需給が短期の追い風に

10月の季節性と9月の着地

ビットコインは9月を+5.16%で終えました。統計上、10月は上昇しやすい月です。平均は+14.4%、中央値は+10.8%です。過去13回の10月で10回が陽線でした。上昇は月後半にまとまりやすい傾向も指摘されています。

マクロ環境:ADPと政府統計の遅延懸念

民間雇用のADPはマイナス3.2万人でした。政府機関の一時停止で、公式統計の公表遅延も懸念されています。これらはドル安金利低下観測につながりました。リスク資産全体の下支え要因となりました。

ポジションとETFフローの影響

価格が節目を回復するとショートカバーが発生しやすくなります。9月月末にはビットコインETFの資金流入が観測され、上昇を後押ししました。一方で、イーサリアムETFの月間フローは$3.9B → $285Mへ急減しました。銘柄間で需給が分かれる構図が続いています。

短期の焦点:フローの持続性

季節性は追い風です。ただし、上値には資金フローの持続が必要です。政府機関停止の長期化は情報不足を招きます。週内の雇用統計や景況指数の結果も、フローの方向を左右します。

用語解説

  • Uptober:10月はビットコインが上がりやすいという市場の呼称。
  • ADP:民間雇用の推計指標。米労働省統計の先行指標として注目。
  • ショートカバー:空売りの買い戻し。上昇局面で価格を押し上げる要因。
  • ETFフロー:ETFの資金流入出。需給と価格に影響。
  • 季節性:特定の月に起こりやすい価格の傾向。
  • 政府機関停止:米政府の歳出不成立で一部業務が停止する状態。

RWA・ステーブル&アイデンティティ:Solana/ Suiに資金レール、KYC準拠の拡張が進む

実物資産(RWA)とステーブルコインの基盤整備が進んでいます。SolanaとSuiで資金レールが広がり、KYCに対応した設計も拡充しています。機関投資家の参加を想定したアイデンティティ基盤や、許可型ネットワークの稼働も拡大しています。

Solana:USYCが展開、担保利用と即時償還に対応

Circle(米系ステーブル発行・インフラ企業)のトークナイズド米国債ファンドUSYCがSolanaに対応しました。USYCは短期国債ファンドをトークン化した商品です。規模は約6.35億ドルです。USDCへの即時償還に対応し、機関限定の許可制で運用されます。Solanaの低コストと高速性により、デリバティブの担保や資産運用での活用が想定されます。

Sui:USDiとsuiUSDeでネイティブ流動性を拡張

Sui Foundation(レイヤー1運営)とEthena(合成ドルプロトコル)、SUI Groupが連携しました。年内にUSDisuiUSDeを導入予定です。USDiはBlackRock(米大手資産運用会社)のトークナイズドMMFBUIDLで1:1裏付けです。suiUSDeはデリバティブを組み合わせた合成ドルです。Suiでは8月の安定通貨送金額が過去最高水準とされ、追加の流動性が期待されます。

アイデンティティ:Chainlink×GLEIFで機関向けIDをプロトコル実装

Chainlink(分散オラクル)とGLEIF(法人識別の標準機関)が連携しました。vLEIをChainlinkのCCIDACEに統合します。組織IDをウォレットやスマートコントラクトに直接埋め込む構成です。資産の来歴確認やコンプライアンス自動化を想定します。鍵紛失時の回復手順にも応用可能です。RWAや許可制ステーブルの受け入れを後押しします。

Canton Network:取引規模が加速、実運用で件数を積み上げ

Canton Network(許可型の機関向けチェーン)の日次トランザクションが50万件超とされます。Goldman Sachs(米大手投資銀行)、HSBC(英大手銀行)、Broadridge(米金融インフラ/証券処理大手)が主導します。米系の大手取引所(Kraken、Crypto.com、Binance US、Gemini)もバリデータに参加します。トークン化レポなどの実運用が稼働し、プライバシーと相互運用に配慮した基盤が広がっています。

全体像:KYC準拠レール+ID+許可型の三位一体

SolanaとSuiは流動性の受け皿を広げます。USYCやUSDiはKYC準拠で、機関の要件に対応します。Chainlink×GLEIFはID基盤を提供します。Cantonは許可型の運用面を支えます。三つの要素が結びつき、RWAとステーブルの利用環境が段階的に整っています。

用語解説

  • RWA:実物資産のトークン化。国債や社債などをブロックチェーン上で扱う枠組み。
  • USYC:Circleのトークナイズド米国債マネーファンド。USDCに即時償還可。
  • BUIDL:BlackRockのトークナイズドMMF。短期証券を裏付けに安定価値を提供。
  • USDi/suiUSDe:Sui上の安定通貨。USDiはBUIDLで裏付け、suiUSDeは合成ドル。
  • vLEI:GLEIFが発行する検証可能な法人識別子。組織の身元を証明。
  • CCID/ACE:ChainlinkのID・自動コンプライアンス基盤。規制要件の実装を支援。
  • 許可制(許可リスト):事前審査済みのウォレットのみが利用できる仕組み。
  • トークン化レポ:レポ取引のトークン化。決済効率と透明性の向上を狙う。
  • KYC:利用者の本人確認。マネロン対策や規制遵守の基本要件。
  • BlackRock:米最大級の資産運用会社。機関投資家向け運用に強み。
  • Goldman Sachs:米大手投資銀行。マーケット業務と投資銀行業務で世界展開。
  • HSBC:英大手銀行グループ。欧州・アジア中心に国際金融に強い。
  • Broadridge:米金融インフラ企業。証券処理・議決権行使プラットフォーム等を提供。

プラットフォーム動向:Bullishが米現物開始、Polymarketは米再開へ/Coinbaseは担保ローン拡大

取引プラットフォームで制度面の前進が並びました。Bullishは規制認可の下で米国現物を開始しました。予測市場のPolymarketは米国内での再開準備に入りました。Coinbaseはビットコイン担保ローンの枠を拡大します。いずれも「許認可に沿った表口」を広げる動きです。一方で、各社は厳格な適格要件やリスク管理の実装が求められます。

Bullish:NYDFS認可で米20州に現物提供を開始

Bullish(機関特化の暗号資産取引所)が米国でスポット取引を開始しました。根拠はニューヨーク州金融サービス局(NYDFS)のBitLicenseと送金業ライセンスです。開始時点で対象は米20州・準州です。対象にはカリフォルニア州、ニューヨーク州、ワシントンD.C.が含まれます。

同社は板取引(中央板)と自動マーケットメイク(AMM)を併用する設計です。ボラティリティ下でも約定品質の安定を狙います。カストディはフルリザーブ方式を掲げます。国際市場では累計取引高が大きい実績があり、8月には米NYSEに上場しています。今回は米機関向けの受け皿を国内で整える形です。

Polymarket:DCM保有子会社で自社認証、米ユーザー向けに再開準備

Polymarket(暗号資産ベースの予測市場)が米国での再開準備を進めています。7月に取得した子会社QCX LLCを通じ、先物取引所の区分であるDCM(指定契約市場)ライセンスを確保しました。これにより自社認証(セルフ・サーティフィケーション)で新市場を上場できます。

提出済みの認証にはスポーツ試合結果、スプレッド、合計得点、選挙勝者などが含まれます。最短で10月2日以降に上場可能とされています。米商品先物取引委員会(CFTC)は9月初旬に関連のノーアクションで整理を進めました。4年近い停止期間を経て、規制の枠内での再開に踏み切る格好です。

Coinbase:BTC担保ローンが起源B超、最大Mまで拡大へ

Coinbase(米上場の大手取引所)はオンチェーン融資の拡大を進めます。ビットコイン担保ローンの起源額が$1Bを超えました。上限は段階的に引き上げられ、今後は$5Mまで拡大する計画です。サービスは2025年1月に開始し、DeFiプロトコルのMorphoを基盤に動作します。

仕組みは、ユーザーのBTCをcbBTCに変換し、プロトコルに供出します。USDCを借り入れる形です。最低133%の過担保が必要です。担保価値に対する借入残高が86%に達すると自動清算が作動します。金利はBase(CoinbaseのL2)上でブロックごとに調整されます。対象は米国内ですが、ニューヨーク州は除外です。

全体像:規制準拠の“表口”が拡大、要件実装が競争軸に

Bullishはライセンス取得で機関向け現物の受け皿を広げました。PolymarketはDCM経由の自社認証で、イベント型市場の上場プロセスを標準化します。Coinbaseは過担保設計と自動清算でリスク管理を明確化しました。共通点はKYC/AMLや適格投資家ルールを前提にした運用です。実務の運用要件をどこまで低摩擦に実装できるかが、今後の差別化要因になります。

用語解説

  • Bullish:機関投資家向け暗号資産取引所。国際展開し、米NYSEに上場。
  • NYDFS/BitLicense:ニューヨーク州の監督当局/暗号資産事業の認可制度。
  • AMM(自動マーケットメイク):プール資産の比率で価格を算出する仕組み。
  • Polymarket:暗号資産で売買する予測市場。イベントの結果に賭ける市場を提供。
  • DCM(指定契約市場):CFTC監督下の先物取引所区分。新商品の自社認証が可能。
  • 自社認証:取引所が新契約の適合性を申告し、CFTCが異議なければ上場できる手続き。
  • Coinbase:米ナスダック上場の暗号資産取引所・カストディ企業。
  • Morpho:イーサリアム系のDeFiレンディングプロトコル。流動性と金利形成を最適化。
  • Base:Coinbaseが提供するイーサリアムL2。低コストで処理を実行。
  • cbBTC:CoinbaseのラップドBTC。オンチェーン融資の担保に用いる。
  • 過担保(133%):借入額より多い価値の担保を差し入れる設計。価格変動に備える。
  • 清算閾値(86%):借入残高が担保価値の一定比率に達すると自動的に清算される基準。
  • KYC/AML:本人確認/マネロン対策。規制準拠に必須の手続き。

法執行・コンプライアンス:英の6.1万BTC押収は民事回収へ、SBI Crypto流出疑惑とDPRK関連リスク

英国:6.1万BTC押収の行方は民事回収手続きへ

ロンドン警視庁の詐欺事件で押収された約6万1,000BTCは、有罪確定を受けて民事回収の段階に移ります。高等法院での審理は来年1月が見込まれます。被害者の補償は、どの時点の価値で算定するかが主要論点です。

法律家の見立てでは、被害者は損失発生時の法定通貨ベースでの補償にとどまる可能性があります。価格上昇分を国家が保持する構図が生まれる懸念も示されました。検察当局は比例配分(pari passu)での按分案にも言及しています。

評価時点の争点:国家と被害者の利害が対立

被害者側は、押収ビットコイン自体の所有権や、価格上昇分の帰属を主張します。一方で、当局は不正利得の剥奪を優先し、補償を法定通貨評価で固定する可能性があります。補償の算定方式は、他の暗号資産事案にも影響します。

日本:SBI Crypto関連から約2,100万ドル流出の疑い

SBI Cryptoに関連するアドレスから、暗号資産約2,100万ドル相当の不審出金が指摘されました。ビットコインやイーサリアムなど複数銘柄が含まれ、資金の一部はTornado Cash経由と報告されています。同社は現時点で公表していません。

調査者は、北朝鮮系攻撃と類似点があると示唆しました。確定情報ではありませんが、即時交換所ミキサーの利用など、既知の手口と一致する点があるためです。国内事業者のウォレット監視と開示姿勢が改めて問われます。

国際的な警戒:DPRKのIT労働者と資金洗浄の手口

分析各社は、北朝鮮のIT労働者が海外企業に偽装就労し、報酬をステーブルコインで受け取り、チェーンホッピング分散型取引所でのスワップを反復する手口を指摘しています。最終的に、代理人名義での口座へ資金を集約する流れです。

各国当局は、制裁指定やガイダンスで注意喚起を強化しています。企業側には、支払い通貨の嗜好、IPロケーションの不一致、書類改ざんなどのレッドフラッグ検知が求められます。オンチェーン監視とオフチェーン審査の併用が前提になります。

実務への含意:監視・開示・着金管理の三位一体が基準

今回の3件は、没収資産の帰属事業者の即応国家安全保障リスクという異なる軸で接点を持ちます。事業者は、異常送金の自動検知、ミキサー経由資金の着金制限、被害発生時の迅速開示を標準化する必要があります。規制側は、回収資産の配分と被害者保護の最適点を再設計する局面です。

用語解説

  • ロンドン警視庁(Met Police):英国の大都市警察。重大犯罪を担当。
  • 高等法院:英国の高位裁判所。民事回収などを審理。
  • 民事回収(Civil Recovery):犯罪収益を民事手続で没収・配分する枠組み。
  • 比例配分(pari passu):拠出割合に応じて公平に配分する方式。
  • SBI Crypto:SBIグループのマイニング事業。国内大手の一角。
  • Tornado Cash:取引送金経路を難読化するイーサリアム系ミキサー。
  • チェーンホッピング:資金を複数チェーンに移し出所追跡を困難化する行為。
  • 分散型取引所(DEX):仲介者を介さずに暗号資産を交換する仕組み。
  • ステーブルコイン:法定通貨に連動する暗号資産。送金や決済で利用。
  • レッドフラッグ:不正の兆候を示す警戒シグナル。

周辺テーマ:米税務の暫定指針、マイナー/プライバシー銘柄の動き

米税務:未実現益のCAMT除外で企業リスクが後退

米財務省と内国歳入庁(IRS)は9月30日、企業が保有する暗号資産の未実現益法人代替最低税(CAMT)の計算から除外できると暫定指針で明確化しました。これにより、評価益だけで税負担が生じる不確実性がひとまず和らぎます。暗号資産を多額に保有する上場企業では、期末評価が税務計画に与える影響が縮小します。最終規則の確定は今後の手続きに委ねられますが、当面の会計・税務の読みやすさは改善しました。

株式市場:ビットコインマイナーの時価総額が過去最高圏

9月は、主要な上場ビットコインマイナーの合計時価総額が初めて500億ドル超の水準に到達しました。背景には、ビットコイン価格の持ち直しに加え、各社が高性能計算(HPC)事業へリソースを拡大し、収益源を多角化している点があります。足元ではMARA、RIOT、CleanSparkなどの大手銘柄が月間で上昇しました。マイニング専業からHPCの比率を高める流れが、株式市場での評価拡大につながっています。

アルト動向:Zcashが3年ぶり高値、プライバシー需要を背景に上昇

Zcash(ZEC)は10月2日時点で前日比+60%超の上昇となり、価格は3年ぶり高値に到達しました。ビットコインは取引履歴が公開されるため、オンチェーンの追跡可能性が高い資産です。これに対し、Zcashはゼロ知識証明を用いて送金情報を秘匿できる点が注目されました。市場では「ビットコインのプライバシー保険」との見方が広がり、テーマ性のある資金流入が確認されました。

整理:制度・株式・銘柄テーマが並走し、資金の受け皿が多様化

税務面の不確実性緩和、マイナー株の時価総額拡大、プライバシー銘柄の物色という三つの流れが同時進行しています。制度は企業会計の見通しを改善し、株式は事業多角化の評価が進み、銘柄テーマではプライバシー需要が可視化しました。資金の受け皿が分散することで、市場全体の厚みが増す一方、各テーマの継続性は今後のファンダメンタルズと規制動向に左右されます。

用語解説

  • 米財務省(U.S. Treasury):米国の財政・税制を所管する省庁。
  • IRS(内国歳入庁):米国の税務執行機関。税務ガイダンスを公表。
  • CAMT(法人代替最低税):一定規模企業に対し財務諸表所得に最低税率を課す仕組み。
  • 未実現益:評価時点での含み益。売却していないため現金化されていない利益。
  • ビットコインマイナー:ビットコインの取引検証を行い報酬を得る事業者・企業。
  • HPC(高性能計算):AIやデータ解析向けの計算資源提供。マイナーが事業多角化で参入。
  • Zcash(ZEC):送金の秘匿性を高める設計を採用したプライバシー指向の暗号資産。
  • ゼロ知識証明:内容を開示せずに正当性だけを証明する暗号技術。

これからの注目点とリスク

SECの業務再開とETFの上場時期

政府機関の停止が続くあいだ、SEC(米証券取引委員会)は新商品の審査を基本停止しています。現物型ETFのS-1(有価証券届出書)の有効化も止まっています。再開日は政治決着で決まります。再開後は案件が順番待ちになります。SolanaEthereumのETF判断は、カレンダーの再調整が必要です。上場時期は、SECの業務復帰ペースが最重要の変数です。

10月3日の米指標で金利・ドルの方向を再確認

米雇用統計(NFP)ISM非製造業景況指数が同日に公表されます。雇用とサービスの強弱は、金利見通しを左右します。弱い結果は利下げ観測を強め、金利低下とドル安を誘発しやすいです。暗号資産には追い風になりやすい一方、強い結果は逆風となり得ます。短期の値動きは、これら指標への反応で振れやすい局面です。

Ethereum『Fusaka』のテスト進捗と年内本番の可否

前述のように、FusakaはHoleskyでの初回テストを完了しました。次は10月14日10月28日にテストネットを実施します。重大な不具合がなければ、本番のメインネット日程をロックします。年内適用が視野に入ります。狙いは、データ処理の効率化手数料の低下です。ただし、ロールアップの料金設計は引き続きの課題です。経済設計の調整が並行して求められます。

セキュリティとコンプライアンスの不確実性

これも前述のようにハッキングや資金洗浄の報道は断続的に続いています。事業者の監視体制内部統制が焦点です。事件報道は、短期のボラティリティを高めやすい性質があります。取引所の新規事業が許認可の要件を満たすかも注目点です。規制当局の対応いかんで、市場心理が変わる可能性があります。

用語解説

  • SEC:米国の証券市場を監督する規制当局。
  • S-1:証券の新規上場時に提出する有価証券届出書。
  • NFP:非農業部門の雇用者数。米雇用の代表指標。
  • ISM非製造業:サービス業の景況感を示す総合指数。
  • メインネット:実際の価値移転が行われる本番のブロックチェーン。
  • テストネット:本番前に動作検証を行う試験用ネットワーク。
  • ロールアップ:取引をまとめてL1に投稿し、手数料を抑える拡張手法。
  • ボラティリティ:価格変動の大きさ。短期ではイベントに反応しやすい。

要点整理

結論:本日は「審査の停止(時間)」と「技術の前進(Fusaka)」が並行しました。ETFは政策日程に左右されます。一方で、RWAやオンチェーンID、基盤インフラ、予測市場や機関向け取引は着実に拡大しています。受け皿の多様化が進み、資金の行き先は広がっています。

短期の物差し:以下の三点が10月相場の持続力を測る指標です。

  • 10月3日の米雇用統計(NFP)と関連指標で、金利・ドルの方向を再確認。
  • 10月14日・28日のFusakaテストで、年内本番の可否を判断。
  • 政府再開後のSEC審査の復帰ペースS-1処理の順序で、ETFの上場時期を見通し。

市場の含意:ETFの時程は遅れやすい環境です。しかし、RWAの受け皿やID基盤、取引所・予測市場の制度化が前進しています。資金フローは価格だけでなく、どの器に入るかも重要になります。

用語解説

  • Fusaka:Ethereumの次期ハードフォーク。手数料圧縮と処理能力の改善を狙う計画。
  • テストネット:本番適用前に動作を検証する試験用ネットワーク。
  • ETF:上場投資信託。暗号資産の現物や先物に連動する商品もある。
  • S-1:米国で新規上場時に提出する有価証券届出書。
  • RWA(実世界資産):国債や社債などをトークン化してチェーン上で扱う仕組み。
  • オンチェーンID:ブロックチェーン上で身元を検証する仕組み。機関のKYCに活用。
  • NFP:非農業部門雇用者数。米雇用の代表指標。

  • 本記事にはAIによる収集・分析データが一部含まれます。情報の正確性には十分留意していますが、最終的な判断はご自身の責任でお願いします。
  • また、本記事は投資判断を促すものではなく、市場理解を目的とした情報提供にとどまります。

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