- BTCは10.8万ドルで小反落後に横ばい、ドミナンス57%台
- ETH現物ETF:週次+10.8億ドルも、日次では▲1.65億ドルに反転
- XRP現物ETF観測:先物上場要件の充足と申請集中で思惑強まる
- 日本の動向:ゆうちょ銀行のDCJPY構想と円建てステーブル、日銀利上げ観測
- 企業・機関のBTC需要:マイニング供給の約4倍吸収で「供給逼迫」観測
- ビットコインの手数料低迷:ネットワーク安全性とBTCfiの役割
- ソラナ:TVLが史上最高更新、エコシステム拡大が継続
- XRPエコシステム:RLUSDの決済デモと取引所準備金の変化
- インフラ・技術アップデート:HyperEVM/Wormhole連携とConfluxハードフォーク
- 今後の展望とリスク:米雇用・物価と中銀スタンスが短期ドライバー
- フローのねじれと政策ヘッドラインが生む選別相場
BTCは10.8万ドルで小反落後に横ばい、ドミナンス57%台
BTCは10.8万ドルで持ち合い、24時間は-1.48%
ビットコインは8月31日に前日比-0.54%で小反落でした。9月1日は寄り付きベースで+0.02%と横ばいです。直近24時間ベース(板情報)は-1.48%と弱含みです。暗号資産全体の時価総額は3.78兆ドル、BTCドミナンスは57.2%、ETHは14.2%です。
主要銘柄の現在値と出来高
- BTC:$107,768.3(24時間 -1.48%/日次 8/31 -0.54%、9/1 +0.02%)
- ETH:$4,365.65(24時間 -2.15%)
- XRP:$2.7435(24時間 -3.50%)
- 市場出来高(24H):$109.16B
方向感は乏しく、上値は重い状態です。一方で、ETFフローや個別材料が銘柄間の差を広げています。
米株は前営業日安・VIX上昇(8/29・現地)
米株は8月29日に下落しました。S&P500は-0.64%、ナスダックは-1.15%です。VIXは+6.44%でした。本稿執筆時点(9月1日 9:52、JST)は米市場の休場時間帯で、参照値は前営業日の終値です。日本市場は通常取引中ですが、海外手掛かりは限定的です。
円安の147円台、ドル高が相場の重石
為替はUSD/JPYが147円台で推移し、円安が続いています。EUR/USDは1.169台です。ドル高はドル建て資産の評価面で重石となり、暗号資産の上値を抑えやすい状況です。
本日の着眼点:ETFフローと規制ヘッドライン
マクロはややリスク回避寄りです。米株安とVIX上昇、円安・ドル高が重なっています。指数は持ち合いながらも、ETF関連の資金動向や制度面のニュースが相場の物色を左右しています。以下のセクションで、ETH現物ETFの資金フロー、XRP現物ETF観測、円建てデジタル通貨の動きを整理します。
ETH現物ETF:週次+10.8億ドルも、日次では▲1.65億ドルに反転
資金フローの内訳:週次は堅調、29日は流出に転じる
米国のETH現物ETFは、直近の週次で+10.8億ドルの資金流入でした。一方で、8月29日(金)は▲1.65億ドルの一日流出となり、連続流入の流れがいったん途切れました。週単位では需要が強い一方、月末タイミングでの利確やリバランスが日次の変調として表れています。
- Grayscale Ethereum Mini Trust:▲$61.3M
- Fidelity Ethereum Fund(FETH):▲$51.02M
- Grayscale ETHE:▲$28.64M
- Bitwise ETH ETF(ETHW):▲$23.68M
価格との連動:日足は押し目、週足は調整基調
29日の流出日はETHに売りが先行しました。ETFフローと価格は短期で相関が強まりやすく、日次のマイナスは価格の重さとして反映されやすい局面です。他方、週次では資金が純増しており、中期の配分需要は維持されています。結果として、短期は押し目が発生しやすく、週足は調整レンジを意識した推移となっています。
需給の下支え:企業保有とステーキング、規制面の追い風
構造面では、企業や資産運用会社によるETH保有の拡大が進んでいます。6月以降、企業トレジャリーの積み増しやETF経由の取得が進み、年初来では機関投資家の純取得が供給の一部を吸収しています。ステーキング利回り(概ね年率3%前後)も長期保有インセンティブとして機能し、流通供給を圧縮しています。さらに、米国の安定通貨やカストディに関する制度整備が進むなか、決済・RWA(実世界資産)領域でのイーサリアム活用余地が広がり、基礎需要の拡大が見込まれます。
短期と中期の綱引き:確認すべき指標
当面は、(1)日次フローの符号と持続性、(2)銘柄別の資金配分の偏り、(3)現物とETFのスプレッドや基準価額乖離、(4)ETH/BTC比のトレンド、を確認する局面です。季節要因として9月は変動が大きくなりやすい一方、週次の資金流入が続けば需給は下支えが期待できます。フローが再びプラスに転じるか、複数発行体で広がりを伴うかが焦点です。
XRP現物ETF観測:先物上場要件の充足と申請集中で思惑強まる
SECの「先物6か月実績」要件とは
SECが示した暗号資産ETPの上場基準では、現物ETFの前に「先物が規制市場で6か月以上、継続的に取引されていること」が前提となります。ここでの「先物6か月実績」とは、対象資産の先物が上場し、価格を追跡できる状態が半年続くことを指します。XRPは2025年4月21日にCoinbaseデリバティブで、5月18日にCMEで先物が上場しました。秋口には6か月条件の充足が視野に入り、制度面のハードルは一段低下します。
主要運用会社の修正申請が同時進行
8月22日、Canary、CoinShares、Franklin、21Shares、WisdomTree、BitwiseがS-1を修正しました。Grayscaleは既存トラストの現物ETF転換も申請しています。申請の同時進行は、当局との対話が前に進んでいるサインと受け止められます。もっとも、承認の可否と上場後の資金定着は別次元の論点です。
- 複数社の同時修正で審査の並行処理が進展
- 転換型と新規設定型が併存し、商品設計は多様化
承認が相次ぐ可能性と選別の視点
一部アナリストは、秋以降にアルト現物ETFの承認が相次ぐ可能性を指摘します。一方で、商品数の増加は競争を強め、長期では成績不振ETFの淘汰も起こり得ます。評価軸は流動性、手数料、運用規模、販売網です。初期の資金流入だけでは持続性は判断できません。
価格レンジと出来高—3ドルの節目を再点検
XRPの短期レンジはおおむね2.7〜3.0ドルです。出来高は低下傾向で、戻りは伸びにくい状態です。3.0ドルの上抜けには、日次での出来高増加と継続的なニュースが必要です。2.76ドルを割り込む場合は、レンジ下限の試し直しが意識されます。ETF観測の強弱とフローの実勢が、目先の方向性を左右します。
日本の動向:ゆうちょ銀行のDCJPY構想と円建てステーブル、日銀利上げ観測
ゆうちょ銀行:DCJPYで決済と資産運用の導線を強化
ゆうちょ銀行は2026年度にDCJPYの導入を計画しています。預金口座と連携し、1円=1DCJPYで即時発行と払い戻しを可能にします。まずは不動産や社債のデジタル証券を対象に、ブロックチェーン上での即時決済を想定します。自治体給付のデジタル配布も視野に入れ、公共分野のDXにつなげます。高齢層中心の顧客基盤に若年層を取り込み、休眠資金の活用も狙います。
円建てステーブルの制度整備が前進
金融庁は今秋にも円建てステーブルコインの初承認に動く見通しです。事業者は資金移動業などの登録を進めています。民間の発行体は、送金や企業決済での活用を想定します。国内発行の円連動トークンが流通すると、暗号資産と法定通貨の往来は平準化します。為替リスクの管理もしやすくなります。
金利と為替:利上げ観測が円建て資産の魅力を押し上げ
市場は日銀の年内利上げを織り込みつつあります。長期金利は上昇基調で、円高方向の圧力が意識されます。円の調達コスト上昇は、円建てステーブルの保有動機を補強します。一方で、BTC/JPYには為替の逆風が生じやすくなります。ドル建て価格が横ばいでも、円高で円建ての評価は下押しされます。
資金フローへの波及:国内投資家の選択肢が拡大
円連動トークンが整備されると、国内投資家は以下の選択が取りやすくなります。
- 円建てステーブルに一時退避し、為替と価格のリスクを分離
- デジタル証券と暗号資産の間で、円建てのまま機動的に配分
- 公共給付や請求支払いをオンチェーンで処理し、資金回転を短縮
結果として、取引所内外の対JPYフローは増加し得ます。板の厚みが出れば、価格発見の質も改善します。国内の発行体と金融機関が参加すれば、流動性の定着が進みます。
企業・機関のBTC需要:マイニング供給の約4倍吸収で「供給逼迫」観測
日量フローの概算と需給のズレ
2025年の純買付は、企業と民間事業体で日量約1,755BTCです。現物ETFなどのビークルで日量約1,430BTC、各国政府で日量約39BTCです。合計は日量約3,224BTCとなります。マイニングの新規発行は日量約450BTCにとどまります。買付が供給を大幅に上回り、需給のタイト化が示唆されます。
取引所残高と流通経路の変化
取引所のBTC残高は低下傾向です。現物ETFや企業の長期保有が、売り板への供給を減らします。OTC取引の活用も、板に現れにくい吸収要因になります。結果として、板厚が薄い局面では価格弾力性が高まりやすくなります。
時間軸の違いと価格の振れ
長期では需給改善が支えになります。一方で短期価格はテクニカルやマクロに左右されます。金利観測や株価の変動で、リスク許容度が変化します。ETFの資金フローも、日次で反転が生じます。時間軸の切り分けが評価には不可欠です。
モニタリング指標の整理
- ETFの日次・週次フロー(純流入と反転の頻度)
- 主要取引所のBTC残高とオンチェーン移動
- 先物と現物のベーシス、建玉と清算動向
- 実効金利、株価指数、為替のリスク指標
これらの指標を組み合わせると、短期の価格変動と中長期の需給を分離できます。需給の逼迫仮説は中長期の前提になります。短期の変動要因は別枠で管理するのが妥当です。
ビットコインの手数料低迷:ネットワーク安全性とBTCfiの役割
手数料低迷が生む「セキュリティ予算」圧迫
2025年9月1日時点の観測では、日次手数料は2024年4月のピーク比で80%超低下しています。手数料がゼロに近いブロックも増えています。半減後のマイナー報酬は3.125 BTCです。報酬はブロック補助金と手数料で構成されます。手数料が細ると総収益が縮小します。結果として、ハッシュ維持や設備投資への圧力が強まります。長期の安全性には持続的な手数料市場が必要です。
オンチェーン需要の回復が鍵
需要が回復するとメンプールの競争が高まります。入札が活発化し、ブロックスペースの価格が上がります。半減後は手数料の比重が増します。したがって、トランザクションの質と量の底上げが重要です。単発のイベントでは効果が続きません。恒常的なユースケースの拡大が求められます。
BTCネイティブDeFi(BTCfi)の役割
BTCfiはビットコイン上の金融機能を指します。担保管理、清算、分散型取引などを含みます。これらは継続的なオンチェーン需要を生みやすい分野です。利用が広がれば手数料収入の底上げにつながります。L2やブリッジが伸びても、最終結算はL1を支えます。
運用現場で見るべき指標
短期の価格と手数料は一致しないことがあります。時間軸を分けて監視することが重要です。以下の指標が手がかりです。
- 7日平均手数料とブロック当たり手数料の推移
- 手数料比率(手数料/総マイナー収益)の持続性
- 低手数料ブロックの割合とメンプール滞留時間
- BTCfi関連トランザクションの件数と占有率
- ハッシュレートとハッシュプライスの回復度合い
手数料市場の厚みは、ネットワークの長期的な強靭性に直結します。BTCfiが実需とともに定着すれば、半減後の安全性補強に資する可能性があります。
ソラナ:TVLが史上最高更新、エコシステム拡大が継続
過去高の更新と足元の水準
Solanaのロック資産総額(TVL)は約340億ドルです。過去最高を更新しました。増加基調は夏場も継続しました。市場全体の変動はあります。資産の時価と預け入れが同時に拡大しています。
拡大を牽引する中核プロトコル
- 安定通貨の発行と決済が広がっています(USDC中心)。
- DEXアグリゲータの出来高が増えています(Jupiterなど)。
- リキッドステーキングが浸透しています(JitoやSantum)。
- 自動運用と与信管理が整備されています(Kaminoなど)。
オンチェーン活動の裾野
取引、担保、ステーキングが多様化しています。アプリ間の資金循環も太くなっています。これらが継続的な手数料需要を生みます。開発者の投入も続いています。新規機能が既存の流動性を上乗せしています。
価格との関係と確認すべき指標
価格は地合いの影響を受けます。マクロとETFフローで上下します。一方で、基盤需要は積み上がっています。長期のファンダメンタルズを下支えします。以下の指標で持続性を確認できます。
- 純TVLの推移と資産価格要因の切り分け
- ステーブルコイン純流入と時価総額
- DEX出来高とスリッページの低下度合い
- リキッドステーキングのシェアと利回り
- チェーン手数料収入と検証者報酬の安定性
TVLは相場の影響を受けやすい指標です。計測方法や資産価格で振れます。とはいえ、複数分野での実需が厚みを増しています。これが次の開発投資と利用拡大を後押しします。
XRPエコシステム:RLUSDの決済デモと取引所準備金の変化
企業決済デモの要点(RLUSDの役割)
Rippleは企業向けの新しい決済プラットフォームをデモ公開しました。ドル連動型のRLUSDを中核に据え、送金と為替の一体処理を示しています。画面上では、RLUSDへのコンバート機能と、複数国・複数通貨を跨ぐ送金フローが確認できました。企業はウォレット内で資金をRLUSDに切り替え、相手先に即時支払いする設計です。中継資産はケースごとに最適化されます。為替手数料と着金時間の短縮が主な訴求点です。
Coinbase準備金の減少と流動性の読み解き
オンチェーン観測では、CoinbaseのXRP準備金が30日で大きく減少したと報告されています。取引所の保有残が減ると、板の厚みは薄くなりやすいです。結果として、大口成行の価格インパクトが拡大する可能性があります。一方で、準備金の減少は自己保管への移転、OTC約定、内部ウォレット再編でも発生します。したがって、単一取引所の残高だけでは需給の断定はできません。複数市場の板厚、スプレッド、実際の約定量を併せて検証する必要があります。
市場構造を点検するチェックリスト
- 取引所間のXRPネットフロー(流入・流出のバランス)
- 1%・2%深度のオーダーブックと実効スプレッド
- 出来高と約定の偏り(テイカー比率、時間帯別)
- 先物の建玉と資金調達率(現物との乖離圧力)
- 大口アドレスの移転タグとOTC推定フロー
- RLUSDの時価総額推移と発行・償還の回転率
- 送金回廊ごとの着金時間と為替コストの実測値
プロダクト導入が価格形成に及ぼす経路
RLUSDが企業決済で広がると、XRPの役割は二方向に分かれます。ブリッジ資産としてXRPを経由する経路では、板需要が増え得ます。RLUSDと法定通貨の直結が増える経路では、XRPの関与は相対的に薄まります。どちらが優位かは、回廊別のレートと手数料設計で決まります。よって、価格ドライバーの把握には、RLUSDの利用比率、XRP経由の実取引量、そして主要取引所の流動性指標を組み合わせて追うことが重要です。
インフラ・技術アップデート:HyperEVM/Wormhole連携とConfluxハードフォーク
HyperEVMの接続強化が開くユースケース
8月31日、HyperliquidのEVM環境「HyperEVM」が相互運用基盤Wormholeと接続しました。これにより他チェーン資産の移転が容易になります。HyperEVMは同チェーンの注文板と直接つながる設計です。スマートコントラクトから板価格にアクセスし、ネイティブに発注を送れます。価格取得、清算、担保移管の自動化が想定されます。
原生オーダーブック連携の実務的な利点
- 板価格をコントラクト内で直接参照し、滑りの管理を簡素化。
- 清算やリバランスをオンチェーンで自動執行し、運用コストを低減。
- ブリッジ資産を経由せず、同一最終性で取引と決済を完結。
Wormhole接続で広がる資産移転の導線
Wormholeは40超のネットワークをつなぐ相互運用レイヤーです。HyperEVMはこの経路を通じ、資産の入出庫とアプリ連携を拡大します。開発者はPortalやConnectを用いて移転機能を組み込めます。これにより、既存チェーンの流動性をHyperEVM上のプロダクトへ誘導しやすくなります。
Conflux v3.0.1ハードフォークの要点
同じく8月31日、Confluxはv3.0.1ハードフォークを完了しました。狙いは安定性と性能の底上げです。アップグレード後はネットワーク稼働が安定していると報告されています。処理効率の改善は、手数料や確定時間の平準化に寄与します。アプリ層の体験改善に直結する更新です。
投資家にとっての含意:次サイクルの下地づくり
相互運用性と処理性能は、アプリの規模化に不可欠です。HyperEVMの板連携は、デリバティブや自動運用の実装を後押しします。Wormhole接続は他チェーンの流動性取り込みを促します。Confluxの安定性向上は、日常的なユーザー体験の底上げにつながります。これらの基盤整備は、次サイクルでのユーザー獲得や手数料回復の前提条件になります。
今後の展望とリスク:米雇用・物価と中銀スタンスが短期ドライバー
9/1〜9/14の主要イベント(日付・時刻は日本時間)
米国は9/1(月)がレーバーデーで主要市場は休場です。以下は公表予定と市場予想です。
- 9/2(火)18:00 ユーロ圏 HICP速報(前年比)予想2.0%/コア2.2%
- 9/2(火)23:00 米 ISM製造業 予想49.0
- 9/3(水)10:30 豪 2Q GDP 前期比0.5%・前年比1.6%(いずれも予想)
- 9/4(木)21:15 米 ADP雇用 +6.5万人(予想)
- 9/4(木)23:00 米 ISM非製造業 予想51.0
- 9/5(金)18:00 ユーロ圏 2Q GDP確定 前期比0.1%・前年比1.4%(予想)
- 9/5(金)21:30 カナダ 雇用者数 -4.08万人・失業率6.9%(予想)
- 9/5(金)21:30 米 雇用統計 非農業+7.0万人・失業率4.3%・平均時給前月比0.3%/前年比3.7%(予想)
- 9/8(月)08:50 日本 2Q GDP改定 前期比0.3%・年率1.0%(予想)
- 9/11(木)21:15 ECB政策金利 2.15%(現行水準)
- 9/11(木)21:30 米 CPI 前月比0.2%・前年比2.7%・コア前月比0.3%/前年比3.1%(予想)
- 9/11(木)21:45 ラガルド欧州中央銀行(ECB)総裁 会見
金利・為替が暗号資産に波及する経路
インフレと雇用が予想を下回れば、米金利低下観測が強まりやすいです。ドル安と株高は暗号資産のリスク選好を支えます。逆に、強い指標はドル高・金利上昇を通じて資金を守りへ誘導します。
ビットコインの分岐水準と運用上の留意点
ビットコインは10万ドルの維持が分岐点です。下抜けなら調整拡大が意識されます。指標発表前後は板が薄くなりがちです。スプレッド拡大と約定遅延を想定し、損切り・利確水準を事前に固定します。
運用面の実務的な留意点
- 週後半のイベントへ向けたポジション調整を検討します。
- 手仕舞いと再エントリーの水準を事前に決めます。
- 指標時のスプレッド拡大と約定遅延を想定します。
フローのねじれと政策ヘッドラインが生む選別相場
本日の最大ポイントは、フローのねじれと政策・規制の見出しが同時に進んでいることです。米ETH現物ETFは週次で資金流入が続く一方、直近日次では流出に転じました。これに、XRP現物ETF観測や円建てステーブルの承認見通し、日銀の利上げ観測が重なり、銘柄ごとの選別が強まりやすい地合いです。
短期はイベント前のレンジ維持を基本線とし、出来高の薄さとボラティリティの上振れに備える必要があります。中期では、ETHとSOLの構造的需要、XRPの制度面アップサイドが下支えとなる構図です。
実務上の示唆(運用とリスク管理)
- ポジション規模を抑え、発表カレンダーに合わせて段階的にエクスポージャーを調整します。
- 指標前後のスプレッド拡大と約定遅延を想定し、損切り・利確の水準を事前に固定します。
- 着目ポイント:ETHのETFフローの継続性、SOLのTVL推移、XRPの申請進捗と出来高、対JPYフローの変化です。
- 価格の分岐水準は市場のセンチメントを左右します。割り込みや上抜けの際は想定シナリオを即時更新します。
本記事にはAIによる収集・分析データが一部含まれます。情報の正確性には十分留意していますが、最終的な判断はご自身の責任でお願いします。
また、本記事は投資判断を促すものではなく、市場理解を目的とした情報提供にとどまります。
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