はじめに
2025年4月4日、ビットコイン（BTC）は83,000ドル前後で推移しています。一見すると安定しているように見えるこの水準ですが、チャート上では「デスクロス（短期移動平均線が長期線を下回る現象）」が発生し、市場全体に慎重なムードが広がっています。
背景には、4月3日に米国から発表された新たな関税政策の影響が色濃く残っており、世界経済への懸念が再燃しています。この動きに呼応するかのように、一部の投資家はMAGACOINFINANCEのようなミーム系通貨にリスクヘッジとして資金を移す動きも見られました。
一方で、Ethereum（ETH）のPectraアップグレードが5月7日に正式決定されたことが報じられるなど、開発面での前向きなニュースも続いています。
本記事では、こうした世界的な動向を網羅し、
- 規制と政策による市場への影響
- 各銘柄の最新トピック
- 業界全体の注目ニュース
を中心に、主要ニュースサイトから抽出した信頼性の高い情報をもとに紹介していきます。
主なニュース
SECとBlackRock、ETF制度の「現物償還方式」移行で協議加速
2025年4月3日、米証券取引委員会（SEC）がBlackRock、Crypto Councilらと仮想通貨ETFに関する協議を行い、「現物償還方式（in-kind redemption）」への制度移行を本格的に検討していることが明らかになりました。
現物償還方式では、ETF解約時に投資家へ現金ではなく暗号資産そのもので返還されるため、以下のような影響が期待されます：
- 透明性の向上：ETFが保有する現物と価格の連動性が高まる
- 市場流動性の改善：現物の流通を促進し、取引量の増加が見込まれる
- 制度整備の進展：SECの柔軟な姿勢により、今後の他ETFにも影響する可能性
この動きは、3月末以降に続くETF関連報道の最新展開であり、機関投資家を中心に注目が集まっています。
出典：
SECとブラックロック、ビットコイン・イーサリアムETFの現物償還方式移行を協議（CoinPost）
SEC holds meetings with BlackRock, Crypto Council to discuss crypto ETF rules（CryptoSlate）
BlackRock and SEC explore next phase of crypto ETFs in closed-door task force meeting（CryptoBriefing）
SEC acknowledges Fidelity’s Solana ETF filing as SOL sinks 12% on Trump tariff shock（CryptoBriefing）
SEC Acknowledges Fidelity’s $15 Trillion AUM Spot Solana ETF Filing（The Defiant）
MAGACOINFINANCEに資金集中、ミームバブル再燃の兆し
MAGACOINFINANCE（マガコインファイナンス）が、2025年4月3日以降、ミームコイン市場で最も注目されるプロジェクトの一つとなっています。複数のメディアで、大口購入や高リターンの可能性が取り上げられ、FOMO（取り残されることへの恐怖）を背景に急激な資金流入が発生しています。
主な報道ポイント：
- わずか$800の投資が$75万に化けたという事例が話題に
- BTC・XRP保有者の参入拡大が観測され、ミーム銘柄への流れが継続
- 将来的な「1万倍トークン候補」として言及するアナリストも登場
特にSolanaやXRPの動向と連動して語られることが多く、MAGACOINが一時的な投機対象を超え、資産分散の候補として意識され始めている可能性もあります。
出典：
MAGACOINFINANCE Grabs Attention Early—$800 Buys Spark FOMO Among BTC and SOL Fans（Bitcoinist）
Experts Predict MAGACOINFINANCE May Outrun BTC, XRP, and Solana This Year（Bitcoinsistemi）
XRP and Bitcoin Bulls See MAGACOINFINANCE as a Major Profit Play（Bitcoinsistemi）
Can MAGACOINFINANCE Pull Off a Solana-Like 45,000% Breakout This Cycle?（Bitcoinsistemi）
A $1,200 Entry Could Be Life-Changing—MAGACOINFINANCE Shows Massive Promise（Bitcoinsistemi）
Bitcoin and XRP Holders Brace for MAGACOINFINANCE’s Potential 60,000% Surge（Bitcoinsistemi）
One Lucky Bet on MAGACOINFINANCE Turns Heads After $777 Grows to $750K（Bitcoinsistemi）
トランプ氏の新関税発表が市場を直撃、TRUMPトークン急落
2025年4月3日、ドナルド・トランプ前大統領が再度発表した大規模な関税強化政策が、金融市場に混乱をもたらしています。仮想通貨市場でも影響は大きく、特にトランプ氏をテーマにしたミームコイン「TRUMP」が最大16%の急落を記録しました。
今回の関税再発動は以下のような市場反応を引き起こしています：
- 株式市場との相関性が高いBTC・ETHの売り圧力上昇
- リスク回避によるUSDT・USDCへの資金移動
- TRUMPコイン、SOL、MAGACOINなどミーム系全体に下落波及
この話題は政策発表直後から世界中で速報され、24時間以内に複数の仮想通貨系メディアが取り上げました。米中貿易摩擦と仮想通貨価格の相関性が改めて浮き彫りとなっています。
出典：
Trump’s Bold Statements Impact Markets and Cryptocurrency Trends（CoinTurk）
TRUMP Memecoin Plummets as Tariffs Roil Markets（The Defiant）
Trump-Imposed Heavy Tariffs: So What Will Happen to Bitcoin and Altcoins Now?（Bitcoinsistemi）
Liberation Day’ Tariffs Tank Official Donald Trump Meme Coin 16%（Decrypt）
Tariffs Roil Markets, BTC Dominance Rises, FUSD Depegs（Decrypt）
Are Trump’s Tariffs Impacting Cryptocurrencies as Expected? Santiment Weighs In（CryptoPotato）
ビットコインおよび主要アルトコインのニュース
BTC価格と市場指標（2025年4月3日）
2025年4月3日のビットコイン（BTC）市場は、日中にやや値動きのある展開となりました：
- 始値：$82,522.6
- 高値：$83,908.9
- 安値：$81,313.8
- 終値：$83,159.4（前日比 +0.77%）
- ドミナンス：62%（Investing.comより）
価格は小幅な上昇となったものの、テクニカル面では「デスクロス」が点灯。これは、短期移動平均線が長期線を下回ることで、相場の下落トレンド入りを示唆する指標とされます。
また、米国の関税政策が重なったことで、今後の市場には慎重な見方も広がっています。
出典：
ビットコイン価格データ（Investing.com）
Bitcoin Faces Potential Downturn as Market Signals Become Apparent（CoinTurk）
Bitcoin Drops 2.1%: Death Cross Signals Bearish Trend, Could $70K Be Next?（CryptoNewsLand）
‘On-Chain Death Cross’: Bitcoin Flashing Pattern That’s Historically Preceded Bearish Trend, Warns Glassnode（DailyHodl）
Bitcoin Falls Toward $80K and Prints ‘Death Cross’ as US Stocks Mimic 2020 COVID-19 Crash（Cointelegraph）
クジラの買い増し？BTCは依然として戦略的購入対象に
市場が揺れる中、大口投資家（クジラ）による買い増しの兆候が複数のソースから報告されています。これは、現在の価格帯が「押し目」と見なされ、将来的な上昇を見越した戦略的な買いであると分析されています。
報道された動向：
- 過去8ヶ月で最大規模の累積購入が観測
- 現物市場での資金移動が活発化
- マイナーによる売却とは逆行する動きが目立つ
このような動きは、個人投資家の心理とは異なるプロの戦略を示すものであり、市場の底堅さを裏付ける材料にもなり得ます。
出典：
Whales Buy the Bitcoin Dip: First Meaningful Accumulation in 8 Months（CoinDesk）
Big Wallets Seize Opportunities in Bitcoin’s Price Dip（CoinTurk）
Bitcoin’s Price Sees Slow Rebound: Here Is The Next Strong Support Zone To Watch（Bitcoinist）
Bitcoin Coinbase Spot Price Lags Despite Large BTC Purchases – Is US Demand Weakening?（Bitcoinist）
Ethereum、Pectraアップグレードを正式発表
4月3日、Ethereumの開発チームは延期されていたPectra（ペクトラ）アップグレードの実施日を2025年5月7日に正式決定したと発表しました。
このアップグレードは、主に以下の点で注目されています：
- 手数料の効率化（特に「Blob」ガス料金）
- セキュリティ強化と開発者支援機能の追加
- ユーザー体験の改善（高速化、コスト低減）
3月までの度重なる延期を経て、ようやく実装日が確定したことで、Ethereumコミュニティでは期待と警戒が交錯しています。ETH価格は下落基調にある中での発表であり、今後の反転材料となるかが注目されます。
出典：
Ethereum overcomes setbacks, confirms Pectra upgrade for May 7（CryptoSlate）
Ethereum Pectra Upgrade Set for May 7: What to Expect（Coingape）
Ethereum Developers Lock in May 7 for Pectra Upgrade（CoinDesk）
Ethereum’s Pectra Upgrade Set for May Following Technical Hurdles（Decrypt）
Ethereum、2025年5月にペクトラアップグレードのメインネット開始をテスト成功後に確認（Bitcoin.com日本語版）
その他のアルトコインニュース
★Cardano、量子耐性を備えた新デジタルID「Veridian」発表
4月3日、カルダノ財団は量子コンピュータによる将来的な脅威を見据えた量子耐性を備えたオープンソースの分散型デジタルID「Veridian」を発表しました。
この新技術は、今後のWeb3インフラの信頼性確保やデジタルアイデンティティ分野への応用に向けた基盤となると期待されています。
- セキュリティ強化とプライバシー保護に注力
- 公共・金融機関との連携も視野に
出典：
カルダノ財団、Veridian発表（CoinPost）
Cardano (ADA) Announces New Initiative Amid Decline（Bitcoinsistemi）
★Hyperlane、$HYPERトークンのエアドロップ日を発表（4月20日）
インターオペラビリティ（相互運用性）プロトコルであるHyperlaneは、独自トークン「$HYPER」のエアドロップを2025年4月20日に実施すると発表しました。
- クロスチェーン通信を可能にする重要インフラとして注目
- エアドロップの対象は、初期テスターおよび一部ホルダー
出典：
Hyperlane Sets $HYPER Airdrop Date on April 20（The Defiant）
Interoperability Protocol Hyperlane Reveals Airdrop Details（CoinDesk）
Toncoin（TON）、依然として高い市場耐性
Telegram関連プロジェクトとして注目されるToncoin（TON）は、市場全体の下落トレンドにおいても高いボラティリティ耐性を示しており、多くのトレーダーから「安全資産的存在」として再評価されつつあります。
- 一時的に10%以上の急落も、翌日に価格を回復
- プロジェクトの成長期待と、Telegramエコシステムとの結びつきが支持材料
出典：
TON’s Dramatic Volatility Signals Market Uncertainty（CoinDesk）
Investors Anticipate Growth as TON Coin Shows Strong Market Resilience（CoinTurk）
XRPがサポートを維持、テクニカルでの反発に注目
複数のテクニカル分析では、XRPが2.00ドルのサポートラインを維持しており、三角保ち合いのブレイクアウトが近いと示唆されています。
上昇時には70%以上の急騰も視野に入るとの見方も出ており、トレーダーからの注目度が上昇しています。
出典：
XRP holds $2 support as chart pattern hints at 73% gain（CoinTelegraph）
XRP Tests 2.11 Support as Symmetrical Triangle Suggests Breakout Possibility（CryptoNewsLand）
XRP Falls 3.8%, but Bullish Divergence Suggests a Potential 15% Price Surge（CryptoNewsLand）
XRP価格分析: モメンタムが潜在的な逆転を示す中、価格は$2.05で維持（Bitcoin.com日本語版）
XRP Falls 3.6% but Volume Soars—Is a Bigger Move on the Horizon?（Blockchain Reporter）
BNBがトレンド回帰で過去最高値更新の兆し
BNB（Binance Coin）は、テクニカル分析上でのトレンド回帰が確認されており、長期的な視点で過去最高値（ATH）の更新が視野に入る展開と報じられています。
- テクニカルインジケーターが買いシグナルを示唆
- Binanceエコシステムの拡大とユーティリティ強化が後押し材料
出典：
BNB Price Can Reclaim ATH If This Trend Plays Out（Coingape）
Wall Street Giant Managing $116 Billion to Launch New Funds on Network of These Four Altcoins（Bitcoinsistemi）
その他のニュース
FBI、800万ドル相当の仮想通貨を詐欺被害者に返還
FBI（米連邦捜査局）は、仮想通貨を使った金融詐欺で失われた資産のうち、約800万ドル相当を被害者に返還したと報じられました。この措置は、Heartland Tri-State Bankの破綻と関連しており、関係者の資産回収努力が実を結んだ形です。
- 対象資産にはBTCやETHが含まれる
- 銀行詐欺の主犯はすでに起訴済み
出典：
FBI Recovers Millions in Cryptocurrency for Victims of Bank Fraud（CoinTurk）
FBI Recovers $8,000,000+ of Investor Funds Stolen by CEO of Collapsed Heartland Tri-State Bank（DailyHodl）
SEC新委員長候補Paul Atkins氏が上院委員会を通過
仮想通貨業界が注目するPaul Atkins氏のSEC（米証券取引委員会）委員長指名が上院銀行委員会で承認されました。今後本会議での採決を控えていますが、同氏は仮想通貨に対して比較的柔軟な姿勢を示していることで知られています。
- 投資家保護と技術革新の両立を目指すと公約
- 業界団体や企業からは歓迎の声が多数
出典：
Trump’s SEC Chair Nominee Paul Atkins Advances with 13–11 Vote（The Defiant）
Trump Nominee Paul Atkins Clears Senate Panel（DailyHodl）
Just In: US Senate Banking Committee Approves Paul Atkins Nomination（Coingape）
SEC Chair Pick Paul Atkins Advances（Decrypt）
BlackRock、トークン化国債市場でシェア拡大
資産運用最大手のBlackRockは、自社運用のBUIDLファンドを通じてトークン化国債市場の34%を占有していることが明らかになりました。同ファンドは機関投資家からの支持を集め、3月には417万ドルの配当も実施。
- トークン化された米国債の代表的な投資先に
- TradFi（伝統的金融）とDeFiの橋渡し的存在として注目
出典：
BlackRock’s BUIDL Fund Holds 34% of Tokenized Treasury Market（The Defiant）
BlackRock’s BUIDL Fund Pays $4.17M in Dividends in March（CryptoSlate）
Jack Dorsey氏、400万店舗でのビットコイン決済展開を発表
Block（旧Square）のCEOでありTwitter創業者でもあるJack Dorsey氏は、全米約400万店舗でのビットコイン決済導入計画を明かしました。この構想はSquareの決済基盤と統合され、Bitkeyウォレットとの連携も視野に入れた展開が予定されています。
- 年間2,000億ドル規模の取引が対象に
- Lightning Network活用による即時決済も検討
出典：
Jack Dorsey Confirms Bitcoin Payments for 4 Million Merchants（The Defiant）
Jack Dorsey Says Bitcoin Payments for Square and Bitkey Are in Progress（CryptoBriefing）
Justin Sun、FDUSDの運用不正を告発
Tron創設者のJustin Sun氏は、ステーブルコインFDUSDの準備資産が不正に運用されていた可能性があるとSNS上で告発しました。運用元であるFirst Digital Trustを名指しし、透明性の欠如を問題視。FDUSDは一時的な価格乖離を記録しています。
- FDT側は否定する声明を発表
- 香港金融当局も信託ルール見直しを検討中
出典：
Justin Sun Accuses First Digital Trust of $500M Misappropriation（The Defiant）
Hong Kong Reevaluates Crypto Trust Rules Amid Justin Sun Allegations（CryptoSlate）
気になるニュース
ここまでのセクションでは取り上げることはできなかったものの、知っておきたいニュースをまとめました。記事タイトルは日本語に意訳しています。
- ビットコイン、83,300ドルを下回る──市場のボラティリティ強まる（BlockchainReporter）
- ドージコイン、2ドルへの強気ブレイクアウト示唆か──週足チャート分析（Bitcoinist）
- SEC、Fidelityの15兆ドル規模Solana現物ETF申請を正式受理（The Defiant）
- イーサリアムクジラが13万ETHを買い集め──価格下落局面での動きに注目（CryptoBriefing）
- TRUMPミームコイン、関税リスク増大を受けて10％急落（CryptoSlate）
- FTX破綻処理チーム、KYC未対応の債権者請求を却下（CryptoSlate）
- USDC、グローバル市場のストレス環境下でも安定性を維持（CoinDesk）
- S&P500にデスクロス接近──仮想通貨価格予測にも影響か（Coingape）
- Justin Sun、FDUSDをめぐる不正資金流用を告発──TUSDへの影響も（The Defiant）
- Gemini、SECとの9億ドル訴訟の和解協議を開始（DailyHodl）
- US下院、ステーブルコイン規制法「STABLE法案」を可決（CryptoPotato）
- リップル、ステーブルコイン「RLUSD」を決済ソリューションに統合（Bitcoinist）
- トランプ関税の影響でソラナ価格12％急落──SOL ETFにも余波（CryptoBriefing）
終わりに
本日は、デスクロスの兆候や関税政策による市場の不安定さを背景に、仮想通貨市場に「静かな変調」が現れつつある様子をご紹介しました。また、ETF制度改革の進展やMAGACOINFINANCEをはじめとする新興アルトコインの動向も、市場の注目ポイントとなっています。
当ブログでは、CoinTelegraph、CoinPost、CoinDesk、Decrypt などの主要な仮想通貨ニュースサイトに掲載されたトップニュースをもとに、最新の市場トレンドをわかりやすくまとめています。
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