- 市場概況:BTCは0,222で小反落、時価総額.81兆/米雇用弱くリスク選好はまちまち
- ETH現物ETF:5日連続で総額2M流出、BTC ETFは対照的に資金流入
- マクロ:FOMC利下げ観測が強まるも、BTCは2K下で重い展開
- ビットコイン基礎指標:マイニング難易度が過去最高、ハッシュは高水準で推移
- グローバル採用:インドが総合首位、米国はETF効果で2位に上昇
- RWAトレンド:民間クレジットのトークン化が約B規模、利回りは一桁台へ
- 規制・市場アクセス:FBOT枠組みでは海外取引所の米回帰は進まず
- L2・エアドロップ:Lineaが9/10にTGE、ETHをガスに採用し買戻し・バーン導入
- アルト市場の地合い:BTCドミナンス鈍化と個別材料の併存
- セキュリティ:8月のWeb3フィッシング損失は.17M、署名手口の巧妙化
- 今後数日の注目材料:米CPIとECB、Linea TGE、国内GDP改定
- 結論・要点整理:本日の焦点は「ETH ETF流出×利下げ観測」の交差点
市場概況:BTCは0,222で小反落、時価総額.81兆/米雇用弱くリスク選好はまちまち
暗号資産は小反落です。ビットコイン(BTC)は$110,222.9で-0.50%でした。イーサリアム(ETH)は$4,272.53で-1.16%でした。市場全体の時価総額は$3.81兆です。提出データは日本時間2025年9月7日9時33分基準です。本日は日曜日のため、株式市場は休場です。株式と為替は前営業日(米国は9月5日・NY時間)の数値を参照します。
暗号資産の主要指標(日本時間 9/7 9:33 時点)
- 時価総額:$3.81兆
- 24時間出来高:$137.46B
- BTC:$110,222.9(24h -0.50%、7日 +1.28%)/ドミナンス 57.9%
- ETH:$4,272.53(24h -1.16%)/ドミナンス 13.6%
- 主要アルト:XRP $2.8127(-0.09%)/BNB $860.80(+1.02%)/SOL $200.564(-1.63%)/DOGE $0.215839(-1.03%)/ADA $0.8191(-1.83%)
ビットコインの直近レンジ(終値と日中高値)
終値ベースのレンジは、8月27日〜9月6日で$108,226.8〜$112,568.9です。最大の終値は8月28日の$112,568.9です。
日中の高値は9月5日の$113,315.6です。
9月7日はまだ確定していません。現時点の参考値は始値$110,194.4です(日本時間基準)。
株式市場(休場のため前営業日の終値を参照)
現在は日本時間9月7日(日)です。米欧市場は休場です。以下は9月5日(NY時間)の終値です。
- ダウ平均:-0.48%/S&P500:-0.32%/ナスダック:-0.03%
- VIX(恐怖指数):15.18
- 日経平均(9/5 終値):+1.03%/上海総合:+1.24%/ハンセン:+1.43%
為替(9/5・NY時間の配信値を参照)
- EUR/USD:1.1718(+0.59%)
- USD/JPY:147.39(-0.73%)
- USD/CHF:0.7975(-0.93%)
為替はドル安基調でした。週末は流動性が低下しやすいため、急な変動に注意が必要です。
マクロの背景(雇用の弱さとイベント接近)
米8月の非農業部門雇用者数は+2.2万人でした。市場予想の+7.5万人を下回りました。失業率は4.3%、平均時給は前月比+0.3%でした。この結果を受け、9月17日のFOMCでは利下げ観測が強まりました。一方で、BTCは$112,000を回復できていません。今週は9月11日の米CPIとECB理事会が次の手掛かりです。9月8日には日本の4–6月期GDP改定値が予定されています。
ETH現物ETF:5日連続で総額2M流出、BTC ETFは対照的に資金流入
資金フローの推移:ETHは流出、BTCは流入
イーサリアムの現物ETFは、直近5営業日で$952Mの資金流出でした。4営業日分だけで$787Mが流出し、金曜日は$446.71Mの流出でした。対照的に、ビットコインの現物ETFは同期間に$246.4Mの純流入でした。
8月の大幅流入からの反動とマクロ環境
8月はETH現物ETFに$3.87Bの流入がありました。9月の流出は、その反動が一因です。米8月雇用の弱さで、9月FOMCの利下げ観測が強まりました。この不透明感が、短期の資金フローを動かしています。
価格の動きと需給
ETHは過去1か月で約+16%の上昇でした。一方で直近1週間は軟調です。足元の価格は$4,300弱で推移しています。ETFのフローとマクロ要因が、価格の方向感を左右しています。
制度面の進展と短期のブレ
GENIUS法の成立で、ステーブルコインや関連取引の枠組みが整理されました。中長期では機関投資家の参入を後押しします。ただし短期では、景気減速懸念や金利見通しが優先されやすい状況です。
用語の補足
現物ETFは、実物の暗号資産を保有して価格に連動する商品です。資金フローは、ETFへの資金の出入りを示す指標で、需給と投資家心理の把握に用いられます。
マクロ:FOMC利下げ観測が強まるも、BTCは2K下で重い展開
8月雇用は下振れ、利下げ織り込みが加速
米8月の非農業部門雇用者数は+2.2万人でした。市場予想の+7.5万人を大きく下回りました。失業率は4.3%でした。弱い雇用を受け、9月17日のFOMCで0.25%(25bp)利下げを見込む声が強まりました。
- CME FedWatch:25bp利下げが89%、50bp利下げが11%。
- 予測市場(Polymarket):25bp利下げ86%、50bp11%、据え置き3%。
金利観測とBTCの反応
利下げ観測が強まる一方で、ビットコインは$112,000を回復できていません。相場は上値が重い展開です。テクニカルでは、8月末に形成したダブルトップが意識されています。ネックライン$111,982の回復に失敗し、下押しリスクが残ります。初期の下値めどは200日移動平均線付近(約$101,700)と指摘されています。
今週の材料:CPIと中銀イベント
9月11日に米CPIが公表予定です。コアCPIは前月比+0.3%、前年比3.1%との見通しです。総合CPIは前月比+0.3%、前年比2.9%が想定されています。同日にECB理事会と記者会見も控えます。これらの結果が、9月17日のFOMC判断と市場の金利観測を左右します。
用語の補足
25bp(ベーシスポイント)は0.25%ポイントを指します。予測市場は、政策や経済イベントの結果確率をマーケットで売買して集計する仕組みです。足元の織り込み度合いを把握できます。
ビットコイン基礎指標:マイニング難易度が過去最高、ハッシュは高水準で推移
難易度は過去最高、ハッシュは高水準を維持
ビットコインの採掘難易度は134.7兆に到達しました。更新日は9月5日(金)です。難易度はブロックを見つける難しさを示します。上昇はネットワーク参加者の増加と安全性の向上を意味します。
一方で、ハッシュレートは過去最高水準からやや低下しました。直近は高水準を保ちながらも、ピークからの反落が見られます。難易度は上昇基調のため、マイナーには負荷が残る構図です。
収益環境:手数料低迷でマージンが圧迫
ネットワークの強さと対照的に、マイナーの収益環境は厳しい局面です。取引手数料の低迷が続き、半減期後のブロック補助金(3.125 BTC)への依存度が高まっています。手数料収入の比率は低く、価格と難易度の上昇がコストに先行する場面もあります。
- 難易度↑:競争激化で電力・設備コストが増えやすい。
- 手数料↓:オンチェーン活動が鈍い時は収益が細る。
- 価格次第:BTC価格が下がると損益分岐点を割りやすい。
保有動向:上場企業が100万BTC超を蓄積
上場企業のビットコイン保有は100万BTC超に達しました。およそ発行上限の約5%に相当します。企業やETFの需要は中長期の売り圧力を抑える一因になります。市場の流動性と価格形成に影響を与える規模です。
ただし、マイナー側は手数料低迷と難易度上昇のはざまで収益が圧迫されます。大手マイニングプールへのハッシュ集中も指摘されています。ネットワークの堅牢性と収益性の綱引きが続いています。
中央集約と分散のせめぎ合い
難易度の上昇は大規模事業者に有利に働きやすい一方で、ソロマイナーの成功例も報告されています。7月3日、7月26日、8月17日にはソロ採掘でブロックを追加した事例がありました。確率は低いものの、分散性を支える現象です。
用語の補足
マイニング難易度:ブロックを見つける難しさの指標です。参加計算力が増えると上がります。
ハッシュレート:ネットワーク全体の計算力です。高いほど取引承認が安定します。
ブロック補助金:マイナーがブロック生成で得る新規発行分です。約4年に一度半減します。
取引手数料:ユーザーが支払う手数料の合計です。ネットワーク需要に連動します。
グローバル採用:インドが総合首位、米国はETF効果で2位に上昇
採用の主役はインド、米国は機関マネーで追随
ブロックチェーン分析企業のChainalysisが公表した 『Global Crypto Adoption Index 2025』(国別の暗号資産採用度ランキング)では、 インドが総合1位でした。個人と機関の双方で利用が広がっています。 米国は2位に上昇し、現物型ビットコインETFの資金流入が押し上げ要因となりました。
地域別の伸び:アジア太平洋がけん引
アジア太平洋(APAC)のオンチェーン取引額は前年同月比+69%の$2.36兆。 インド、パキスタン、ベトナムが主導しました。中南米は+63%、 サハラ以南アフリカは+52%です。金額規模では北米$2.2兆、 欧州$2.6兆が引き続き大きい状況です。
安定通貨(ステーブルコイン)の存在感
資金フローはUSDTとUSDCが中心です。 EURCやPYUSDも拡大し、6月時点でEURCは$7.5B、 PYUSDは$0.78B→$3.95Bへ増加しました。価格が法定通貨に連動するため、 送金や決済で使いやすいことが背景です。
ビットコインが入口資産として優位
2024年7月~2025年6月の法定通貨オンランプでは、 ビットコインが$4.6兆と最大でした。レイヤー1(BTC・ETHを除く)全体の 2倍以上です。米国のオンランプは$4.2兆で世界最大でした。
「草の根」と「機関」の二極が同時進行
インドは個人利用が厚く、少額決済やDeFiが広がっています。 米国はETF経由の資金が増え、機関投資家の存在感が高まっています。 両極の拡大が市場全体の底上げにつながっています。
用語の補足
現物ETF:現物の暗号資産を保有する投資信託。取引所で売買できます。
オンランプ:法定通貨を暗号資産に換える入口(取引所など)。
オンチェーン取引量:ブロックチェーン上で実際に記録された送受金の合計。
RWAトレンド:民間クレジットのトークン化が約B規模、利回りは一桁台へ
市場の規模と金利の現状
オンチェーンの私募クレジット残高は、9月6日時点で約$15.95Bです。6月中旬から増加が続いています。平均金利(APR)は10%を割り、9%台に低下しました。資金の流入が進み、案件の標準化が広がった結果です。
拡大の背景
案件は小口が減り、大型化が進んでいます。供給側は事業者の与信審査を強化しています。投資家側は分散投資と安定収益を重視しています。これらが残高の拡大と利回りの低下につながっています。
投資家が評価する利点
- 流動性:二次市場で売買でき、資金の出し入れがしやすくなります。
- 即時決済:清算が早く、資金の滞留が減ります。
- 分割所有:一つの貸付を小口に分け、少額から参加できます。
- 透明性:台帳で残高や移転を追跡できます。
- 自動化:利払いなどの事務処理をスマートコントラクトで実行できます。
普及の壁と注意点
- 規制:国・地域ごとにルールが異なり、長期の見通しが不透明です。
- カストディ:秘密鍵の管理や保全体制が求められます。
- 技術リスク:スマートコントラクトの不具合や脆弱性の可能性があります。
- システム統合:既存の会計・決済インフラとの接続に手間がかかります。
- 既存市場との競争:伝統的な私募市場は流動性と保護が厚く、代替のハードルが残ります。
用語の補足
オンチェーンの私募クレジット残高とは、ブロックチェーン上で発行・管理される非公開の貸付について、未返済の元本を合計したものです。新規発行額の流れではなく、残っている元本という「ストック」を指します。DeFiのTVL(預入残高)とは目的と中身が異なります。
規制・市場アクセス:FBOT枠組みでは海外取引所の米回帰は進まず
FBOTの狙いと限界
FBOTは海外の先物取引所に、限定的な米国アクセスを与える枠組みです。清算や決済の体制、監督当局との協定などを前提にします。暗号資産の現物中心の取引所モデルとは整合しにくい面があります。海外暗号資産取引所の「米国回帰」を直接促す制度にはなっていません。
要求事項が高く、対象も限定的
- 本国での規制下にある取引所のみが申請できます。
- 清算・決済や監督報告など、伝統型デリバティブ市場の要件が中心です。
- 米国内の顧客対応は、登録済みのFCM(先物取次)など厳格な枠組みが必要です。
多くの海外暗号資産取引所は、前提条件を満たしにくい状況です。オンチェーン中心の運用とも要件が噛み合いません。
先行き:恒久的な「市場構造法」が鍵
業界からは、連邦レベルの市場構造法を求める声が出ています。SECとCFTCの役割分担を明確にする狙いです。ガイダンスでは環境が安定しません。恒久法があれば、事業者は長期計画を立てやすくなります。現行のFBOTは過渡的な位置づけにとどまります。
CFTC・SEC・FBOTの位置づけ
- CFTC:Commodity Futures Trading Commission(米商品先物取引委員会)です。米国のデリバティブ市場(先物・オプション・スワップ)を監督します。市場の公正性と顧客保護が任務です。
- SEC:Securities and Exchange Commission(米証券取引委員会)です。証券の発行と流通市場を監督します。株式や社債、投資信託などが対象です。
- FBOT:Foreign Board of Trade(外国取引所)制度です。CFTCの承認を得た海外取引所が、米国内の会員などへ端末接続を提供できる仕組みです。先物などの取引アクセスを想定しています。
L2・エアドロップ:Lineaが9/10にTGE、ETHをガスに採用し買戻し・バーン導入
イーサリアムのレイヤー2「Linea」が、9月10日にトークン生成イベント(TGE)を開始します。開発はConsensys系で、配布はスイスの非営利団体「Linea Association」が担います。初期配布では早期ユーザー向けに大規模なエアドロップを実施し、最終的に供給の多くをエコシステムに配分する計画です。L2間の競争が続く中、資本と利用者を呼び込む設計が特徴です。
トークン設計の要点
- ガスはETHを使用。手数料の支払いにLINEAは不要です。
- ガバナンス権なし。投票などの権限は付与されません。
- 買戻し・バーン。ネットワーク手数料の一部でLINEAを買い取り、焼却します。
- 総供給は72,009,990,000枚。発行上限を明示します。
- エコシステム配分は最終的に75%。開発者やユーザー施策に充てます。
エアドロップと請求スケジュール
- 対象規模:請求開始時に、早期ユーザー向けに90億枚超を割り当てます。
- 開始日:9月10日から請求が可能になります。
- 請求期限:90日間の請求期間があります。期限後の未請求分はエコシステム基金に回されます。
エアドロップは、過去の利用実績などに基づく無償配布です。TGEは、トークンの初回発行と流通開始の節目です。請求は各自のウォレットで行います。
なぜ注目されるか
ETHをガスに採用するため、既存のイーサリアム利用者は手数料体系を変えずに移行できます。トークンはガス用途やガバナンスに依存せず、買戻し・バーンで循環供給を抑える設計です。L2各社が報酬や基金で開発者と流動性を取り合う中、Lineaは大規模なエコシステム配分で参入ハードルを下げる狙いです。供給、配布、手数料の設計を一体で示した点が評価軸になります。
用語ミニ解説
- L2(レイヤー2):イーサリアム本体の混雑を避け、処理を肩代わりする拡張レイヤーです。
- Consensys系:イーサリアム関連ソフトを開発する米企業。
- ガス:トランザクション手数料のことです。LineaではETHで支払います。
- 買戻し・バーン:市場から買い取ったトークンを焼却し、流通量を減らす仕組みです。
アルト市場の地合い:BTCドミナンス鈍化と個別材料の併存
ビットコイン(BTC)の「ドミナンス」は、暗号資産全体の時価総額に占めるBTCの割合です。9月7日9時44分(日本時間)時点の推計は57.9%でした。60%前後で伸び悩む状況が続き、短期的には低下もあり得るとの見方が出ています。ドミナンスの鈍化は、相対的にアルトコインへ目線が向きやすい局面を示します。
BTCドミナンスの現況
直近の値動きでは、BTCは11.2万ドルを明確に回復できていません。米雇用指標の弱さで利下げ観測が強まる一方、価格は重い展開です。価格が方向感を欠く中、時価総額シェアも頭打ちとなり、アルトへの資金循環が生じやすい環境になりました。
資金の循環先と個別テーマ
アルト側では、材料が並行して出ています。イーサリアム(ETH)は過去1か月で上昇した一方、直近は現物ETFからの資金流出が続きました。更に前述したように9月10日にはレイヤー2「Linea」のトークン配布が始まる予定です。ソラナ(SOL)はオンチェーン指標で重要支持線が意識されています。BNBでは大口保有アドレスの増加が報告されました。個別の材料が多く、テーマごとの選別が進んでいます。
ドミナンス鈍化期に意識したい着眼点
- フローの向き: 現物ETFの資金流入出は、短期の相対強弱に直結します。
- L2やエアドロップ: TGEや報酬配布は、期近の出来高増につながりやすいです。
- チェーン別の実需: 手数料や取引量などの基礎データが評価の軸になります。
- マクロの節目: 9月11日の米CPI、17日のFOMCが地合いを左右します。
総じて、BTCドミナンスは足元57%台で推移し、個別材料が相対的に効きやすい局面です。ただし、米インフレ指標や政策金利の判断で地合いは変わり得ます。短期の循環は続きますが、イベント通過までは振れが大きくなりやすい状況です。
セキュリティ:8月のWeb3フィッシング損失は.17M、署名手口の巧妙化
8月のWeb3フィッシング被害は総額で約12.17億円相当($12.17M)でした。影響を受けたのは約1.5万人です。狙いは小口だけではなく、高額残高のアドレスにも及びました。攻撃は署名要求の見せ方を変え、気づきにくい形で資産移転や承認変更を実行する傾向が強まりました。
手口の中核:バッチ署名と権限のすり替え
攻撃者は「バッチ署名」を悪用しました。これは1回の署名で複数処理を一括実行する仕組みです。提案仕様EIP-7702は、外部所有アカウントでも一時的に高度な承認フローを扱えます。攻撃者はこの性質を使い、見た目は無害な承認の中にトークン移転や無制限承認を紛れ込ませます。
- 見慣れたdApp風UIで署名を促す
- 一括処理の中に「approve」や「permit」を混在
- 署名後にボットで即座に残高を吸い上げる
経路の変化:コントラクトへ「直送」する誘導
従来は偽サイト→偽フロントエンドの流れが中心でした。現在はウォレットからコントラクトへ直接呼び出す誘導も増えています。UIを経由しないため異常に気づきにくく、チェーン上では正規の呼び出しに見えます。さらにソーシャルメディア広告や偽のサポート窓口を使い、正規プロジェクトと誤認させる事例も確認されています。
被害の広がりと足元の論点
大型アドレスを狙う事例が増え、個別の被害額が拡大しました。EVM互換チェーンやレイヤー2でも同様の手口が見られます。承認(スパender許可)管理の重要性が高まる一方、署名の可読性や警告表示など、ウォレット側のUX改善が議論の焦点になっています。攻撃は自動化が進み、標的選定から資産移転までが短時間で完了する傾向です。
8月の統計は、署名内容の理解が不十分なまま承認するリスクを示しました。手口は継続的に変化しており、今後も署名周りの仕様やUIの設計が被害規模を左右するとみられます。
今後数日の注目材料:米CPIとECB、Linea TGE、国内GDP改定
主要イベントが連続します。金利観測と暗号資産の資金フローが交錯します。短期の値動きはヘッドラインに左右されやすい局面です。以下は日本時間基準の日程です。
9月11日:米CPI(消費者物価指数)
インフレの強弱はFOMCの判断に直結します。総合とコアの月次変化率に注目が集まります。想定外の上振れは利下げ幅縮小の思惑を呼びます。下振れは利下げ継続観測を強めます。結果はビットコインやETFのフローに波及しやすいです。
- 総合CPI:ガソリンと住居が鍵
- コアCPI:サービス価格の粘着度を確認
9月11日:ECB理事会(記者会見を含む)
欧州の政策金利と声明のトーンが焦点です。成長減速とインフレの両にらみが続きます。緩和方向ならユーロ安・ドル高が進む可能性があります。暗号資産はドル金利や為替の変動でリスク選好が揺れやすいです。
9月10日:LineaのTGE(トークン生成・配布開始)
前述のように、イーサリアムのレイヤー2であるLineaがトークン配布を開始します。ガス手数料はETHで支払います。LINEAトークンは買戻し・バーンの仕組みを採用します。短期的にはエアドロップに伴うオンチェーン活動の増加が見込まれます。関連銘柄やブリッジ資金移動が活発化する可能性があります。
9月8日:日本の4–6月期GDP改定値
需要項目の改定と物価動向が注目点です。結果は日本株と為替に影響します。為替変動は円建てで暗号資産を把握する投資家の評価額にも影響します。海外市場が休場・薄商いの時間帯は値動きがぶれやすいです。
9月17日:FOMCに向けた地合い
先物市場は25ベーシスポイントの利下げを有力視しています。米CPIとECB後のポジション調整が想定されます。金利観測の揺れはボラティリティの上昇要因です。ETFの資金フロー、ドル金利、為替の同時変動に注意が必要です。
短期の留意点
- インフレ指標のサプライズは価格に即時反映されやすい
- 会見の文言や質疑は二次的なボラティリティを生みやすい
- エアドロップやTGEはチェーン跨ぎの資金移動を増やす
- 為替の変動は円建て評価額に直接影響する
結論・要点整理:本日の焦点は「ETH ETF流出×利下げ観測」の交差点
最大の論点は二つの流れの同時進行です。ETH現物ETFの5日連続流出と、FOMC利下げ観測の強まりです。資金の引き揚げと金利低下期待が交差し、市場は方向感を欠きました。BTCは11.2万ドルの上値が重く、短期は指標やヘッドライン次第の展開です。
- ETH現物ETFは直近5営業日で計9.52億ドルの流出。
- BTCのマイニング難易度は過去最高。ネットワークの堅牢性は維持。
- 一方で手数料は低迷気味で、マイナー収益には逆風が残る。
- Lineaは9月10日にTGEを開始。ガスはETH、買戻し・バーンを採用。
- 短期イベントが集中。国内GDP改定、米CPI、ECBが連続する。
当面はマクロとフローが価格を左右します。ETFの資金動向、米金利の織り込み、為替の振れに注意が要ります。ネットワーク基礎指標は強い一方で、需給とニュースの影響が勝りやすい局面です。L2の資本呼び込みは個別材料として機能しやすい状況です。
本記事にはAIによる収集・分析データが一部含まれます。情報の正確性には十分留意していますが、最終的な判断はご自身の責任でお願いします。
また、本記事は投資判断を促すものではなく、市場理解を目的とした情報提供にとどまります。
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