- 本日のポイント
- 市場全体は横ばい、BTCは11万ドル前後で推移
- 資金はソラナ現物ETFへ回流(BTC/ETHは流出傾向)
- CoinbaseがBVNK買収を検討、ステーブル戦略を加速
- 日本初の円建てステーブルJPYC、発行額が1億円を突破
- EUはESMA一元監督を協議、取引所(株式・暗号)を集中監督へ
- ビットコイン:11.1万ドル台を試すも、ETF流入の勢い不足が課題
- 規制・賭博(続報):ルーマニア当局がPolymarketを無認可賭博として遮断
- マイニング・インフラ:イランで違法採掘が95%に、電力逼迫が深刻化
- アルト・プロトコル:Zcashは匿名性強化、ハッシュレートは最高水準
- ETH関連:ETFに資金回帰の兆し、機関の大型取得観測
- エクスチェンジ倒産残渣:FTX債権者の「実質回収」は9~46%試算
- 今後1~2週間の注目:政策・指標とETFフローの持続性
- まとめ:本日の主要ポイント
本日のポイント
一言要約:価格は横ばいの一方で、資金はソラナ現物ETFへ傾斜しています。米国はステーブル決済の強化、日本は円建てステーブルの拡大、EUは監督一元化を協議中です。本日は日本の祝日で国内の現物株は休場です。
今日のハイライト
- 市場概況: 時価総額 $3.71兆、BTCドミナンス 59.3%、24H出来高 $96.61Bです。BTC $110,306.9(+0.30%)、ETH $3,888.45(+0.56%)、SOL $187.99(+1.57%)です。
- 資金フロー: SOL現物ETFは4日連続流入(累計約$199.2M)です。対照的にBTCは$191.6M流出、ETHは$98.2M流出です。
- ビットコイン: 週末に$111K台を試すも、21週EMA(約$111.2K)が上値です。実現時価総額は直近1週間で約$8B増です。
- 企業動向: Coinbaseは英BVNKの約$2B買収を検討と報じられ、ステーブル決済戦略を加速させています。
- 国内動向: 円建てステーブルJPYCの発行額が正式リリースから6日で1億円超となりました。
- 規制・制度: EUはESMAの集中監督案を協議中です。ルーマニアはPolymarket遮断を執行しました。
- インフラ・採掘: 10/20のAWS障害で集中依存のリスクが露呈しました。イランでは違法採掘95%が推計されています。
- アルト: Zcashは匿名性・鍵管理を強化し、ハッシュレートは最高水準です。ETHは現物ETFへ$114M超の流入とOTCの大口取得観測が並びます。
- 破綻処理: FTX債権者の実質回収は暗号建て換算で9~46%との試算です。
今週と来週のイベント(日本時間)
- 11/3深夜: 米ISM製造業
- 11/4: RBA政策金利
- 11/5: 米ADP雇用、米ISM非製造業
- 11/6: 英BOE政策金利・声明
- 11/7: カナダ雇用、米雇用統計
- 11/13: 米CPI(最大の山場)
数値スナップショット(日本時間 11/3 9:33)
- 暗号資産: 時価総額 $3.71兆/出来高 $96.61B/BTCドミナンス 59.3%
- 主要銘柄: BTC $110,306.9/ETH $3,888.45/SOL $187.99
- 米株(10/31 NY終値): S&P500 6,840.20、ナスダック 23,724.96、ダウ 47,562.87、VIX 17.44
- 為替: USD/JPY 154.18、EUR/USD 1.1527、GBP/USD 1.3132
- コモディティ: 金先物 $3,976.40、WTI $61.33
詳細は本文各セクションをご参照ください。
市場全体は横ばい、BTCは11万ドル前後で推移
暗号資産市場は小幅な値動きにとどまりました。日本時間2025年11月3日9時33分時点で、時価総額は3.71兆ドル、BTCドミナンスは59.3%、24時間出来高は966.1億ドルです。明確な方向性は確認できません。
主要銘柄の直近動向
直近24時間の変動は次のとおりです。
- BTC:110,306.9ドル(+0.30%)
- ETH:3,888.45ドル(+0.56%)
- SOL:187.99ドル(+1.57%)
一方で、週間ベースではBTC -3.77%、ETH -6.31%、SOL -6.50%と下押しが続いております。ETF関連の資金循環が引き続き注目材料です。
株式・VIX(時間帯の注意)
本日は日本の祝日で国内の現物株は休場です。比較には前営業日の米国終値(10月31日・NY時間)を用いております。
- S&P 500:6,840.20(+0.26%)
- ナスダック:23,724.96(+0.61%)
- ダウ平均:47,562.87(+0.09%)
- VIX:17.44(中立圏)
リスク資産全体のムードは、前週から大きくは変化しておりません。
為替の状況
主要通貨はレンジ内での推移が続いております。日本の祝日要因により、株式・為替間の裁定的なフローは限定的です。
- USD/JPY:154.18
- EUR/USD:1.1527
- GBP/USD:1.3132
コモディティ
- 金先物:3,976.40(やや軟化)
- WTI原油:61.33(小幅高)
金利や地政学に関する新規材料は限定的で、方向感は定まりにくい状況です。
ビットコインの直近データ
終値ベースの推移は次のとおりです。
- 10/31:109,602.8(+1.18%)
- 11/02:110,586.6(+0.44%)
- 11/03:110,566.9(当日は取引が未確定のため始値を参照)
10月後半は11万ドル台の往来が続きました。週初は方向感に欠ける展開です。
用語解説
- 時価総額:すべての銘柄の価格と供給量を掛け合わせた合計額を指します。
- ドミナンス:暗号資産全体の時価総額に占めるビットコインの比率を示します。
- 出来高:一定期間に取引された数量・金額で、流動性の目安となります。
- 現物ETF:実物の暗号資産を裏付けとするETFで、資金の流入出が価格に影響しやすい仕組みです。
- VIX:S&P500の予想変動率を示す指数で、投資家の不安度合いの参考になります。
- 取引未確定(参照値):当日分は市場クローズまで確定しないため、暫定的に始値を記録する場合があります。
- JST/NY時間:日本標準時とニューヨーク時間の別で、指標・終値の基準時刻が異なります。
資金はソラナ現物ETFへ回流(BTC/ETHは流出傾向)
資金はソラナ(SOL)現物ETFに向かっております。直近4日連続で資金が流入し、累計は約1.992億ドルとなりました。対照的に、同期間のビットコイン(BTC)現物ETFは1.916億ドルの流出、イーサリアム(ETH)現物ETFも9,820万ドルの流出が観測され、資金の回転(ローテーション)が明確になっております。
流入・流出の概況
- SOL現物ETF:4日連続で純流入、累計約1.992億ドル
- 日次(10月31日):SOL現物ETFに4,448万ドルの純流入
- BTC現物ETF:同日に1.916億ドルの純流出
- ETH現物ETF:同日に9,820万ドルの純流出
これらの動きは、直近の市場で相対的にSOLへの需要が強いことを示しております。
背景と要因
BSOL(ビットワイズ・ソラナETF)の寄与が大きい点が特徴です。BSOLはステーキング収益を組み込む設計で、保有に伴うリターンが見込める点が関心を集めております(想定年率は公表値に基づく推定)。この仕組みが、価格上昇局面だけでなく横ばい局面でも資金が滞留しやすい要因とみられます。
価格動向との接続
期間中、ソラナ(SOL)は185ドル超で推移しました。価格の底堅さとETFへの資金流入が並行し、需給面の支えとなっております。一方で、BTCとETHはETFの資金流出が続いたため、相対的な資金配分はSOL優位の構図となりました。
前日からの継続性
本件は前日の資金ローテーションの流れを引き継ぐ続報にあたります。特に、SOL現物ETFへの連続流入と、BTC・ETH現物ETFからの資金流出という構図は継続しており、ETF経由の需給が短期の価格形成に影響している状況です。
用語解説
- 現物ETF:実物の暗号資産を裏付けとする上場投資信託です。資金流入出が現物需給に波及します。
- 純流入・純流出:当日の資金の受け入れから解約を差し引いた正味の金額を指します。
- BSOL:Bitwise(米資産運用会社)のソラナ現物ETFで、ステーキング収益を組み込む設計です。
- GSOL:Grayscale(米デジタル資産運用会社)のソラナ現物ETFです。
- 資金ローテーション:投資資金が特定の資産から別の資産へ移動する現象です。
CoinbaseがBVNK買収を検討、ステーブル戦略を加速
Coinbaseが英国のBVNK買収を最終局面で検討しています。規模は約20億ドルと報じられており、実現すればステーブルコイン関連の収益源を強化する狙いが明確になります。第3四半期(2025年)には、同社の収益の約20%をステーブル領域が占めました。制度整備の進展も追い風です。
取引のポイント
- 買収規模:約20億ドル。
- 進捗:最終局面にあり、年内から2026年初めの完了が想定されています(報道ベース)。
- 狙い:ステーブル決済インフラの獲得と、法人向け決済の拡大。
背景:制度整備と収益構造
7月に米国で「GENIUS法」が成立しました。ステーブルコインの裏付け資産やAML(資金洗浄対策)に関する枠組みが明確になりました。制度が整うことで、事業者は銀行・送金・越境決済に近い領域でサービス設計が可能になります。Coinbaseはすでにステーブル関連の収益が拡大しており、制度の追い風を取り込みやすい立場にあります。
買収の狙い:決済×法人の深掘り
BVNKは企業向けのステーブル決済基盤を提供しています。買収が成立すれば、Coinbaseは自社のカストディや上場取引所の機能と接続し、請求・決済・送金の一体運用を強化できます。とくに法人領域では、入出金の即時性やコスト最適化が重視されます。ステーブルを介した送金は、為替や営業時間の制約を受けにくい点が利点です。
想定される影響範囲
- 収益多角化:取引手数料依存の低減。決済手数料や口座関連の反復収益を強化。
- 法人ネットワーク:既存の企業顧客に対し、請求・決済・財務の一体サービスを提案可能。
- 競争環境:大手フィンテックやカード会社との連携・競合が加速。
用語解説
- Coinbase:米上場の大手暗号資産取引所・カストディ事業者。
- BVNK:英国のステーブルコイン決済インフラ企業。法人向けサービスに強み。
- ステーブルコイン:法定通貨などに価値を連動させる暗号資産。価格変動が小さい点が特長。
- GENIUS法:米国で成立したステーブルコイン関連法。裏付け資産やAML要件を明確化。
日本初の円建てステーブルJPYC、発行額が1億円を突破
JPYCの発行額が、正式リリースから6日で1億円を超えました。10月27日の公開後、11月2日19時40分時点で発行量は100,537,697 JPYCとなりました。国内制度のもとで円に連動するステーブルコインが、短期間で実需を獲得していることを示します。
発行の進捗と初期需要
公開から1週間未満での1億円突破は、個人と事業者の双方で利用意欲が高いことを示します。なお、発行額の集計は「各チェーンに存在する総発行量から、運営アドレスの保有分を差し引いた数量」を基準としています。運営元は各チェーンで事前に4億円分を発行し、購入者への送金により流通量を増やす方式です。
発行・償還の流れと制限
専用プラットフォーム「JPYC EX」で発行予約を受け付けます。登録後に銀行振込で日本円を入金すると、登録済みウォレットへJPYCが発行されます。償還も同プラットフォームから予約でき、指定アドレスへJPYCを送付すると、登録口座へ日本円が払い戻されます。
- 1回あたりの下限:3,000円以上
- 日次の上限:100万円まで
- 例外:イーサリアムでの発行のみ、100万円以上の利用額制限あり
対応チェーンと流通の内訳
対応チェーンはPolygon、Avalanche、Ethereumです。流通(送金済み)内訳は、Polygonが約4,600万JPYC、次いでAvalancheが約2,740万JPYC、Ethereumが約2,700万JPYCです。複数チェーンでの展開により、送金手数料やアプリ接続性の面で選択肢が広がります。
制度面の位置づけ
JPYCは資金移動業型の「1号電子決済手段」として発行されます。裏付け資産は日本円(預貯金および国債)で保全され、1:1で日本円に償還可能です。2023年6月の資金決済法改正で整備された枠組みのもと、法令順守を前提に円連動のデジタル決済手段が拡大しています。
用語解説
- JPYC:日本円に連動するステーブルコイン。1:1で円に償還可能。
- JPYC EX:JPYCの発行・償還を受け付ける専用プラットフォーム。
- 1号電子決済手段:資金移動業者が発行する、法定通貨連動型の電子決済手段。
- 資金移動業(第二種):資金決済法にもとづく登録区分の一つ。送金等の業務を行う。
- Polygon/Avalanche/Ethereum:JPYCが展開されるブロックチェーン。手数料や対応アプリが異なる。
- 発行額の算定方法:総発行量から運営の保有分を差し引いた、送金済み数量を基準とする集計。
EUはESMA一元監督を協議、取引所(株式・暗号)を集中監督へ
欧州委員会は、ESMA(欧州証券市場監督局)の権限拡大を検討しています。株式取引所と暗号資産取引所、CASP(暗号資産サービス提供者)を、中央で一体的に監督する案です。域内ルールのばらつきを減らし、資本市場の競争力を高める狙いがあります。12月に草案提示が見込まれます。
狙い:断片化の是正とコストの平準化
現在は各国当局がそれぞれ監督します。そのため、審査水準や運用の解釈に差が生じます。MiCAの「パスポート」は便利ですが、取得国の運用差が企業の実務負担につながります。ESMAの一元監督により、解釈の統一と重複対応の削減が期待できます。
制度の背景:各国の問題意識と支持の広がり
フランスは緩い基準でのライセンス取得と域内展開に懸念を示しました。オーストリアやイタリアも、主要事業者の中央監督を支持しています。ECB(欧州中央銀行)のラガルド総裁も、広範な権限を持つ欧州レベルの監督体制に言及しました。こうした議論が、今回の権限拡大案を後押ししています。
監督の範囲:取引所からインフラまで
案では、株式・暗号資産の取引所に加え、CASPや関連インフラも対象になり得ます。ESMAが国境をまたぐ紛争で最終判断を下す権限を持つ可能性があります。これにより、国ごとの解釈相違を素早く是正できる体制が整います。
想定される影響:市場アクセスとコンプライアンス
一元監督で、ライセンス取得や維持の重複コストは下がる可能性があります。一方で、監督水準の引き上げにより、内部統制や報告体制の整備費用が増える恐れもあります。大手は「単一窓口」での対応が進みやすく、中小には初期負担が重くなりやすい構図です。
暗号資産分野への意味合い
MiCAの下でCASPは共通ルールに沿った運営がしやすくなります。新商品の審査やクロスボーダー展開も、手続きが明確になります。ただし、移行期には既存ライセンスの扱いや監督移管の実務で混乱が起きる可能性があります。過渡措置の設計が重要になります。
スケジュール感:草案提示から施行まで
欧州委員会が草案を公表した後、欧州議会と理事会で協議と修正が続きます。最終合意から施行までには猶予期間が設けられるのが通例です。企業は、段階的な適用開始に備え、影響範囲の洗い出しが必要になります。
用語解説
- ESMA:欧州証券市場監督局。EUの金融市場監督機関です。
- 欧州委員会:EUの行政執行機関。法案の起案と提案を行います。
- MiCA:暗号資産市場規制。EU域内の統一ルールを定めます。
- CASP:暗号資産サービス提供者。取引所やカストディなどを含みます。
- パスポート:一国の認可でEU全域にサービス展開できる仕組みです。
- 一元監督(集中監督):EUレベルで統一的に監督する体制です。
- ECB:欧州中央銀行。ユーロ圏の金融政策を担います。
ビットコイン:11.1万ドル台を試すも、ETF流入の勢い不足が課題
価格動向とテクニカル水準
ビットコインは週末に11.1万ドル台を試し、月初の高値を更新しました。
一方で、21週EMA(約11.12万ドル)が上値として意識され、上抜けは続きませんでした。
短期の買いは見られましたが、終日でみると明確な節目の回復には至っていません。
オンチェーンは底堅いが、フローが物足りない
実現時価総額は直近1週間で約80億ドル増加しました。
この指標は、保有者のコスト基準に近い資金流入を示すため、需給面の下支えとなります。
ただし、現物ETFへの新規流入や、MicroStrategy(米上場のビットコイン保有企業)などの企業買いは鈍化しています。
需給の土台は強い一方で、価格を押し上げる決定打に欠ける状況です。
市場の視点:抵抗帯と需給のねじれ
テクニカル面では21週EMAが壁となり、突破には追加の買い材料が必要です。
ファンダメンタル面ではオンチェーンの資金流入が続くものの、ETFフローの勢いが弱く、価格の伸びを抑えています。
短期的には、この「テクニカルの抵抗」と「資金フローの不足」という二つの要因が焦点になります。
用語解説
- 21週EMA:過去21週の価格を平滑化した移動平均線。中期のトレンド確認に使います。
- 実現時価総額:各コインが最後に動いた価格で評価した時価総額。資金の出入りを映します。
- 現物ETF:ビットコイン現物を裏付け資産とする上場投資信託。基礎資産の売買が価格に影響します。
- MicroStrategy:米ナスダック上場のソフトウェア企業。多額のビットコインを保有することで知られます。
規制・賭博(続報):ルーマニア当局がPolymarketを無認可賭博として遮断
結論: ルーマニア国家ギャンブル庁(ONJN)は、Polymarketを「相対賭博」に該当する無認可サービスと判断し、国内アクセスの遮断を命じました。昨日の初報に対し、本日は遮断の実施枠組みと市場規模、各国の同様事例、米国での限定復帰計画が具体化しています。
本日のアップデート(昨日からの差分)
・国内インターネット事業者に対し、サイト遮断の実施義務を明示。
・選挙関連市場の活況を背景に、累計出来高が約6億ドル規模と報告。
・フランス、ベルギー、ポーランド、シンガポール、タイなどの類似規制例を整理。
・米国では数週間以内の限定復帰(まずはスポーツ中心)計画が報道。
論点の整理:取引か賭博か
ONJNは、利用者同士が資金を拠出し、不確実な結果で勝敗が決まる仕組みを賭博と定義しました。プラットフォームが「イベント取引」を標榜しても、実態が賭博の構成要件を満たす場合は、賭博法に基づくライセンス取得やAML・消費者保護の体制が必要としています。
欧州での含意:制度の一貫適用と越境運営
今回の措置は、EU域内で予測市場を提供する際の前提を示します。すなわち、賭博としてのライセンス、年齢確認やリスク開示などの保護措置、およびジオブロッキング等の越境対応です。各国の判断が収斂すれば、規制回避の余地は縮小します。
米国の文脈:制裁から段階的再開へ
米国ではCFTCによる過去の執行があり、全面再開には高いハードルが残ります。一方で、関連インフラの取得やノーアクションの活用により、限定市場での再開(当面はスポーツ中心)が模索されています。
用語解説
・Polymarket:予測市場プラットフォーム。将来の事象に資金を賭ける市場を提供。
・ONJN:ルーマニア国家ギャンブル庁。賭博の監督・執行を所管。
・相対賭博(カウンターパーティ・ベッティング):利用者同士が賭け金を拠出し、結果に応じて配分される方式。
・ジオブロッキング:国・地域ごとにオンラインサービスの利用を制限する措置。
・CFTC:米商品先物取引委員会。デリバティブや一部市場の監督を担う連邦機関。
マイニング・インフラ:イランで違法採掘が95%に、電力逼迫が深刻化
イランで稼働中と推計される採掘機の約95%が無許可です。推計台数は約42.7万台で、常時1,400MW超の電力を消費します。補助金で安い電力が入手できるため、違法採掘の温床になっています。当局は摘発を強化し、通報に報奨金を設けました。電力政策とマイニング規制が連動し、暗号資産の供給面にも波及しています。
現状のポイント
・無許可の採掘が全体の約95%を占めます。
・採掘機は約42.7万台と見積もられます。
・消費電力は1,400MW超で、電力網の負荷が深刻です。
・安価な補助金電力が不正使用の誘因になっています。
・当局は摘発と報奨制度で抑止を狙います。
背景と政策対応
国内では産業向けの電力料金が低く抑えられています。違法事業者は工場などを装い、補助金電力に接続します。これにより、ピーク時の停電や電圧低下の懸念が高まります。政府は無許可施設の閉鎖と機器の押収を継続します。通報者には現金報奨を支払い、発見の効率を高めます。摘発は主要工業地帯や首都圏周辺で集中的に行われています。
市場への波及
電力制限や機器没収が進むと、採掘の稼働率が下がります。ハッシュレートの変動は、ネットワークの難易度やブロック間隔に影響します。結果として、短期的な取引遅延や手数料の変動が起きる場合があります。長期的には、正規許可の設備への集約が進み、電力価格や季節要因の影響がより透明になります。政策の継続性は、採掘コストと地域分布に影響します。
用語解説
・マイニング(採掘):取引を承認し、新規コインを得る作業。
・ハッシュレート:採掘の計算能力の合計。高いほど処理が速い。
・難易度調整:ブロック生成間隔を一定に保つための仕組み。
・補助金電力:政府補助で料金が抑えられた電力。産業向けに多い。
・報奨制度:違法行為の通報者に支払う現金インセンティブ。
アルト・プロトコル:Zcashは匿名性強化、ハッシュレートは最高水準
Zcash(ZEC)は、開発会社であるElectric Coin Company(ECC)が第4四半期の優先項目を公表しました。匿名性と鍵管理を高める改善が中心です。同時期に価格が上昇し、採掘の採算が改善しました。結果としてハッシュレートは過去最高域に達し、ネットワークの安全度が一段と高まっています。
開発の焦点(Q4)
ECCは「一時的透明アドレス」の導入を計画しています。送金ごとに新しい受取用の透明アドレスを生成し、取引のひも付きを弱めます。あわせて「透明アドレスのローテーション」により、受取のたびにアドレスを更新します。追跡や突合のリスクを下げる狙いです。
運用面では、Keystone(ハードウェアウォレット)向けに再同期・リンク解除機能を追加します。紛失や機種変更時の復旧を簡素化します。さらにP2SHマルチシグ対応を進め、資金管理の安全性を高めます。これらはプライバシーと運用性の両立を意識した改良です。
マイニング環境の変化
10月のZEC上昇で採掘の利益率が改善しました。ネットワークのハッシュレートは史上高水準に到達しています。Equihash採掘は、条件次第でBitcoinのSHA256より採算が良い局面が出ています。電力単価や難易度に左右されるため、収益性は変動します。
プール構成では大手の存在感が増しています。分散度は安全性にも関わるため、シェアの偏りには注意が必要です。ハッシュレートの増加は51%攻撃のコストを引き上げ、ネットワーク保全に寄与します。
投資家・利用者が見るポイント
プロトコル側では匿名性と鍵管理が強化されます。ユーザー体験は、受取アドレスの自動更新や復旧手順の簡素化で向上します。一方で、規制との整合は引き続き重要です。匿名性機能の拡充とコンプライアンス対応のバランスが焦点になります。
ネットワーク側ではハッシュレート上昇が安全度を押し上げます。価格が調整すると採算は逆風になり得ます。採掘難易度、電力価格、機器性能が利益率を左右します。短期の需給と中長期の技術計画を分けて見ることが有用です。
用語解説
・ECC(Electric Coin Company):Zcashの開発を主導する企業。
・Zcash(ZEC):選択的な匿名送金を提供する暗号資産。
・一時的透明アドレス:取引ごとに新規生成する受取アドレスで、追跡を困難にします。
・アドレスローテーション:受取のたびにアドレスを自動更新する仕組み。連結性を下げます。
・Keystone:Zcash対応のハードウェアウォレット。復旧とマルチシグに対応予定です。
・P2SHマルチシグ:複数署名で送金を承認する方式。資金管理の安全性を高めます。
・ハッシュレート:ネットワークの計算能力の総量。高いほど攻撃耐性が増します。
・Equihash:Zcashが採用するPoWアルゴリズム。メモリ指向で特定機器の優位が出やすい設計です。
ETH関連:ETFに資金回帰の兆し、機関の大型取得観測
イーサリアム(ETH)には、資金回帰の初期サインが見られます。直近では現物ETFに1億1,400万ドル超の流入が確認され、需給はやや引き締まっています。価格は提供データを基準に記載しています。テクニカル面では、弱含み局面のなかで週足に強気フラッグが形成されたとの見方があり、パターン継続の可否が注目点です。
ETFフロー:マイナスからプラスへ転じた流れ
現物ETFの資金は、いったんの流出局面を経て、直近は純流入に転じています。合計で1億1,400万ドル超の流入が観測され、年金・運用会社などの受託資金の戻りを示唆します。ETFは現物を裏付けに保有するため、純流入が続くと市場からの実物需給の吸い上げが進みます。
この流れは即時の価格上昇を約束するものではありません。ただし、フローが継続すれば、板の薄い時間帯やイベント時に上方向へ反応しやすくなります。短期はフローの持続性を、中期は保有残高の増減を確認することが重要です。
機関の大型取得:OTCの活用でスリッページ抑制
別報では、数千ETH単位の店頭(OTC)取引による大口取得が伝えられています。OTCは取引所の板に出さずに約定させる手法で、価格への影響を抑えやすいのが特徴です。大口主体による取得が続けば、取引所に出回る流通量(フリーフロート)の圧縮につながります。
需給面では、ステーキング比率の高さも影響します。ロック中のETHは市場に出回りにくく、短期の売り圧力を和らげます。ETFの純流入、OTCの大口取得、ステーキングの三要素が重なると、現物のタイト化が進みやすくなります。
テクニカル環境:週足フラッグの上抜け可否
チャートでは、下押しを挟みながらも高値圏での持ち合いが続いています。週足ベースで「強気フラッグ」とされる保ち合いが意識され、上抜けに成功すれば、直近高値の更新余地が生まれます。一方で、下限割れの場合は、持ち合いの否定として短期の巻き戻しに注意が必要です。
整理:当面のチェックポイント
・ETFの純フロー:流入が続くか、日次ベースでの変化に注目します。
・OTCの動向:大口約定の継続有無。板への影響の出方を確認します。
・ステーキング比率:ロック量の増減。解約期(アンボンド)の集中も確認します。
・テクニカル:週足フラッグの上限/下限。出来高の伴い方を見ます。
用語解説
・現物ETF:現物資産を直接保有する上場投資信託。純流入は現物買いを伴います。
・OTC(店頭取引):取引所外での相対約定。大口が価格影響を抑える目的で用います。
・ステーキング:ネットワーク運用に資産を預ける仕組み。報酬を得る代わりに流動性が下がります。
・強気フラッグ:上昇後の持ち合いを示すチャート型。上放れで上昇継続のサインになります。
・フリーフロート:市場で実際に売買され得る流通量。減るほど価格は動きやすくなります。
・Galaxy Digital:機関向けの暗号資産関連事業を手がける企業。OTCや運用を展開します。
・Bitmine:暗号資産の運用・取得を行う投資会社。OTCでの大口取得が報じられました。
エクスチェンジ倒産残渣:FTX債権者の「実質回収」は9~46%試算
FTX(破綻した大手暗号資産取引所)の弁済計画は、米ドル建てでは名目143%の返済を見込むと報じられています。しかし、ビットコイン(BTC)やイーサリアム(ETH)、ソラナ(SOL)の価格上昇を考慮し、暗号資産建てで換算すると、実質回収率は9~46%に低下するとの試算が出ています。評価基準が法定通貨か暗号資産かで、債権者の体感回収が大きく異なる点が焦点です。
名目143%でも「暗号建て」換算で目減り
法定通貨建ての弁済は、破綻時点の評価をもとに現金で支払う設計です。一方で、破綻後に主要コインが大幅に上昇したため、同じ米ドル額でも、暗号資産に引き直すと取得可能数量が減ります。結果として、暗号建てで見た回収率は9~46%というレンジにとどまるとの見方が示されています。
この乖離は、評価基準日の固定と、弁済通貨が現金であることに起因します。暗号資産相場が上昇基調の場合、法定通貨ベースの返済は相対的に目減りしやすくなります。
“追加回収”の動き:エアドロップや二次配当
一部では、外部プロジェクトのエアドロップや、破産財団による資産売却の進捗に応じた二次配当を通じ、追加の回収を図る動きが報じられています。もっとも、エアドロップの対象条件や付与量は案件ごとに異なり、全債権者で一律に回収率が改善するわけではありません。実際の回収増分は限定的となる可能性があります。
訴訟の行方:SBF控訴審が今週予定
創業者サム・バンクマン=フリード(SBF)の控訴審が今週に予定されています。審理は有罪判断の適否や手続きの妥当性が中心で、即時の返済条件に直結するわけではありません。ただし、訴訟の帰趨は破産手続き全体の認識や市場心理に影響し得るため、関連報道の更新に注意が必要です。
当面のチェックポイント
・評価基準:弁済の評価が米ドル基準か、暗号建て換算か。
・弁済原資:資産売却の進捗、保有暗号資産の処分方針。
・追加配当:二次配当の可否と時期、原資の積み上がり。
・エアドロップ:付与条件の有無、対象範囲と換金性。
・訴訟動向:控訴審の論点とスケジュールの更新。
用語解説
・エクスチェンジ倒産:暗号資産取引所(エクスチェンジ)が支払い不能や資本不足に陥り、法的な破綻手続き(清算や再生)に入ること
・実質回収率:暗号資産建てに換算した回収割合。価格上昇局面では法定通貨建てより低く見える傾向があります。
・名目返済率:米ドルなど法定通貨で示す返済割合。破綻時評価を基準に算出します。
・破産財団:破綻企業の資産を管理・換価し、債権者へ配当する主体。
・二次配当:初回配当後、追加の回収原資が確定した際に行う追加入金。
・エアドロップ:プロジェクトが無償で配布するトークン。債権者の回収補填に使われる場合があります。
・SBF(サム・バンクマン=フリード):FTXの創業者。現在は有罪判決に対し控訴中です。
今後1~2週間の注目:政策・指標とETFフローの持続性
直近2週間は、景気指標と中銀イベントが連続します。まずは日本時間11月3日深夜の米ISM製造業が起点です。続いてRBA、米ADP・ISM非製造業、BOE、米・加の雇用統計が並びます。翌週は11月13日の米CPIが最大の山場です。これらは金利観測とドルの方向に影響し、暗号資産のリスク許容度やETFフローの持続性を左右します。
今週の主なスケジュール(日本時間)
- 11月3日(月・深夜):米ISM製造業
- 11月4日(火):RBA政策金利
- 11月5日(水):米ADP雇用、米ISM非製造業
- 11月6日(木):BOE政策金利・声明
- 11月7日(金):カナダ雇用統計、米雇用統計
翌週の焦点
- 11月13日(木):米CPI(インフレ指標の本丸)
注目の視点(価格感応度が高い要素)
- 金利観測の変化:米ISMや雇用指標でインフレ懸念が強まると、長期金利とドルが上昇しやすく、暗号資産には逆風になりやすいです。
- ETFフローの持続性:直近はビットコイン・イーサリアムから、ソラナ現物ETFへ資金が回る動きが見られました。今週のマクロ結果で資金の向きが変わるかに注目します。
- 欧州の制度面:ESMAによる一元監督の草案観測が続いています。域内の取引所・暗号資産サービスに及ぶ場合、コストや参入戦略に波及します。
用語解説
- ISM:米供給管理協会の景況指数。50を上回ると拡大、下回ると縮小の目安です。
- RBA:オーストラリア準備銀行。政策金利を決める中銀です。
- ADP雇用:民間雇用の推計。米雇用統計の先行指標として見られます。
- BOE:イングランド銀行(英国の中央銀行)。政策金利や資産購入を決定します。
- 米雇用統計:米国の雇用・賃金の公式データ。市場の価格変動が大きくなりやすい指標です。
- CPI:消費者物価指数。インフレの代表的な指標で、金融政策の方向を左右します。
- ETFフロー:上場投資信託への資金の出入り。暗号資産の需給と価格に影響します。
- ESMA:欧州証券市場監督局。域内の証券・市場監督を担う機関です。
まとめ:本日の主要ポイント
本日は「価格は横ばいだが資金はソラナ現物ETFへ、米取引所はステーブル決済で攻勢、日本は円建てステーブルが順調、EUは監督一元化へ」という一日でした。ビットコインはテクニカルの上値とETFフローの鈍化が重石となりました。
- 市場全体は横ばい:ビットコインは11万ドル前後で推移し、方向感は限定的でした。
- 資金はソラナ現物ETFへ回流:ビットコイン/イーサリアム現物ETFは資金流出が続く一方、ソラナ現物ETFには流入が続きました。
- 米取引所はステーブル決済を強化:Coinbase(米上場の大手暗号資産取引所)が決済基盤拡充を模索し、ステーブル関連収益の比重が高まっています。
- 日本の円建てステーブルが前進:JPYCは正式リリースから短期間で発行額が1億円を超え、国内制度に沿った流通が進みました。
- EUは監督の一元化を協議:ESMA(欧州証券市場監督局)による中央監督案が議論され、域内の市場アクセスやコスト構造に影響しうる局面です。
- ビットコインの上値は依然重い:21週EMA付近が意識され、現物ETFの流入鈍化もあって上昇の勢いは限定的でした。
次報で重点的に確認する項目
- 米雇用・米CPI前のフロー変化:主要ETFへの資金の向きと持続性。
- 欧州規制の進捗:ESMAによる中央監督草案の具体化状況。
- ステーブル関連の収益動向:大手取引所の決済・カストディ領域の拡張の影響。
免責事項
- 本記事にはAIによる収集・分析データが一部含まれます。情報の正確性には十分留意していますが、最終的な判断はご自身の責任でお願いします。
- 本記事は投資判断を促すものではなく、市場理解を目的とした情報提供にとどまります。


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