ビットコインは107,000ドル台を維持──静かな週末、市場は次の材料待ち
2025年6月28日時点、ビットコイン(BTC)は107,235ドルで推移しています。前日比では+0.2%の微増となっており、大きな値動きは見られません。
6月下旬にかけて警戒されていたオプション取引の大量満期が通過したことで、短期的なボラティリティ(価格変動性)は沈静化しました。直近1週間の終値ベースで見ると、BTCは105,600〜107,800ドルの狭いレンジで推移しており、週平均の終値は106,893.26ドルと安定しています。
また、オンチェーンデータによると、主要取引所へのビットコイン流入量は現在、1日あたり4,800BTC前後で推移しています。これは6月の平均(約6,200BTC)と比較しておよそ20%減となっており、市場では売却圧力が限定的な状態にあると見られます。
このように、価格・需給の両面で市場の過熱感は一服しており、全体としては「静かな週末相場」が形成されています。
一方で、今週の米経済指標の発表ラッシュが一段落したこともあり、投資家の視線は次の価格材料へと移行しています。
特に現在は、以下のような個別テーマが市場の注目を集めています。
- XRPとSEC訴訟の終結報道
- Geminiによる米国株のトークン化構想
- 欧州MiCA規制の本格適用開始
価格主導ではなく、制度整備や技術動向を基にした選別相場が進行するなかで、ビットコインも「中立的な基準資産」としての位置づけを再確認されています。
世界市場は上昇基調──株式の堅調さと仮想通貨の連動性が浮上
2025年6月第4週、米国や日本の株式市場は引き続き堅調なパフォーマンスを見せました。
27日時点での主要指数の終値は以下の通りです:
- S&P500:6,173.13(前日比 +0.52%)
- NASDAQ総合:20,273.46(同 +0.52%)
- NYダウ:43,819.27(同 +1.00%)
- 日経平均:40,150.79(同 +1.43%)
- TOPIX:2,840.54(同 +1.28%)
これらの上昇は、米国で発表された5月のコアPCE物価指数(前年比+2.7%)が市場予想と一致したことにより、インフレ鈍化の期待とともに利下げ観測が再燃したことが一因とされています。
仮想通貨市場も同様に上昇基調を維持しています。6月28日時点でのビットコイン(BTC)価格は107,085.7ドルで、過去7日間で+3.60%の上昇となっています。イーサリアム(ETH)も2,420.25ドルと堅調に推移しています。
また、ビットコインのドミナンスは65%と依然として高く、仮想通貨市場全体の時価総額は3.27兆ドルに達しています。
こうした状況から、株式市場と仮想通貨市場との間に一定の連動性が再び強まっていることが読み取れます。特にNASDAQのようなリスク資産主導の株式指標とBTCの価格変動には、テクノロジー系資産としての共通点が意識されやすい局面です。
一方で、仮想通貨特有のファンダメンタル(規制、訴訟、ETFなど)による価格変動も依然として強く、単純な連動では読み切れない複雑性も伴っています。
しかし、市場心理が安定し、マクロ要因が緩和される中では、リスク資産全般への資金流入が見込まれるため、株式市場の堅調さはビットコインを含む仮想通貨にとってもポジティブな背景要因となり得ます。
XRP訴訟は事実上の終結──RippleとSECが控訴を同時取り下げ
2025年6月27日、Ripple社と米証券取引委員会(SEC)は、互いに提起していた控訴を同時に取り下げることで合意しました。これにより、2020年から続いていたXRPに関する米国での証券性訴訟は、事実上の終結を迎える形となります。
この件は、前日の「6月27日付記事」でも速報的に取り上げていた内容の続報です。前日時点ではRippleのブラッド・ガーリングハウスCEOが、Xで「クロスアピール(控訴)を取り下げる決断を下した」と表明しており、翌日にはSEC側も同様の措置を取ったことが確認されました。
法的争点の「クロスアピール」が終了
今回取り下げられた控訴は、2023年7月に米連邦地裁が下した「XRPの販売形態によって証券該当性が異なる」とする判断に対し、Ripple・SEC双方が一部不服としていたものでした。 Rippleは機関投資家向け販売をめぐる判断の一部について、SECは個人向け販売(取引所流通分)が非証券と認定された点について、それぞれ上訴を検討していた経緯があります。
しかし、両者は裁判所への文書提出を通じて控訴取り下げの意思を示し、合意の上で係争を終了する判断に至りました。これにより、地裁の判断がそのまま最終決定として効力を持つ形となります。
XRP価格と市場の反応
この動きに対し、市場では一定の安心感が広がっています。XRPは6月28日午前の時点で0.524ドル付近で推移しており、前日比では+1.7%の上昇を記録しています。訴訟の終了が確定したことにより、長期にわたる法的不透明性が払拭されたとの見方が広がり、投資家心理の改善にも寄与しています。
一方で、直ちに大幅な価格上昇には至っておらず、市場は「判決の最終確定」というイベントをすでに一定程度織り込んでいた可能性があります。
XRPと規制環境の今後
XRP訴訟は、今後の米国における暗号資産規制の基準形成にも大きな影響を与えると見られています。SECが控訴を断念したことで、「流通市場での販売=証券に該当しない」という地裁判断が事実上の先例となる可能性が高まりました。
今後、他の銘柄やプロジェクトにおけるSECとの争点整理においても、XRP訴訟の扱いは重要な参照事例となることが予想されます。現在、Coinbase・Binance・Uniswap Labsといった大手企業がSECと対立する構図の中、Rippleのケースがもたらした法的帰結は、規制対応の戦略構築においても指針となるでしょう。
欧州で進む制度整備──Geminiの株式トークンとMiCAライセンス取得
暗号資産に関する欧州での制度整備が加速する中、米大手取引所GeminiがEU域内での新たな展開を開始しました。
Geminiは、欧州連合(EU)域内での証券トークン取引を本格化させるため、米国株式のトークン化サービスを発表しました。最初の対象は、著名なマイクロストラテジー(MSTR)株で、欧州の個人投資家も対象としています。これにより、従来の証券市場と仮想通貨インフラが接続される試みが、実用フェーズに突入したことになります。
今回の発表は、EUでの「暗号資産市場規則(MiCA)」が施行に向けて準備を進めているタイミングと重なります。MiCAは、EU域内における暗号資産サービス提供業者に対して共通のライセンス制度を導入するもので、各国でのライセンス登録が本格化しています。
オランダBitvavoがMiCAライセンス取得を完了
これと並行して、オランダ拠点の暗号資産取引所Bitvavoが、MiCAに準拠したサービスプロバイダーとしてオランダ中央銀行からライセンスを取得したことが報じられました。この取得は、MiCA正式施行を控える中での初期事例の1つであり、他の欧州事業者への影響も大きいと見られています。
Geminiによるトークン化株式の提供と、Bitvavoのライセンス取得という動きは、いずれもEUにおける「Web3と伝統金融の融合」へ向けた象徴的なステップです。とりわけMiCAは、米国のSECのような断片的規制と対照的に、透明性と予見可能性を重視しており、制度面の整備が仮想通貨企業の中長期的な事業計画に直結する段階に入っています。
今後、他国取引所によるMiCA対応の発表や、トークン証券の新規ローンチが相次ぐ可能性が高く、欧州は制度面で一歩先を行く地域として注視されています。
市場は「明確なテーマ」待ち──BTCは停滞、資金は一部アルトへ分散
2025年6月28日時点で、ビットコイン(BTC)は107,235ドル前後で推移しており、過去3日間の変動幅は極めて限定的なレンジ相場が続いています。オンチェーンデータによれば、同日のネットフローは-1,100BTCと、取引所からの引き出し超過が続いているものの、過去平均よりも動きは鈍化しています。
この背景には、6月下旬に集中したマクロ経済指標やオプション満期といったイベントが一巡し、市場が「次の材料」を模索している状況があります。6月27日に発表された米国コアPCE物価指数(前年比)は+2.7%と予想通りの結果となり、金融政策への影響も限定的と見なされました。これにより、一時的なイベントドリブンのトレードは縮小し、方向感を欠く展開へと移行しています。
アルトコインへの資金シフト──MAGACOINがSNS起点に急浮上
そのようななか、短期的な資金の一部はアルトコイン市場へと向かっています。特に注目されているのが「MAGACOIN FINANCE」で、6月後半からX(旧Twitter)やReddit上でミーム的な注目を集め、わずか3日間で70%以上の上昇を記録しました。トークノミクスや実用性というよりも、政治的テーマ性や話題性を軸とした投機的な買いが中心です。
この動きは、2021年のDOGEや2022年のPEPEといった事例を彷彿とさせますが、時価総額や流動性の点では依然として限定的であり、持続性には疑問も残ります。
主要アルトは一進一退──XRP・ETHは買い材料乏しく
一方、Ethereum(ETH)やXRPといった主要アルトコインは、先週の上昇から反落し横ばい圏に移行しています。ETHは2,420ドル台で小動きとなっており、L2エコシステムやETH ETF承認の進展といった材料の欠如が上値の重さにつながっています。XRPもまた、SECとの訴訟終結による好材料を織り込んだ後は材料出尽くし感が広がっており、短期筋の利確が優勢となっています。
このように、現在の市場では「新たな中核テーマ」の不在が共通課題となっており、次なる上昇フェーズへと転換するには、新規ETF申請や米規制政策の明確化といった外部材料の登場が求められる状況です。
XRP法的明確化と欧州制度整備──市場の信頼性強化へ進む兆し
2025年6月第4週は、仮想通貨市場にとって転換点の1つとなる可能性を示した週でした。ビットコインが107,000ドル台での安定を保つ一方、注目されたのはXRPと欧州における制度整備の進展です。
XRP関連では、米証券取引委員会(SEC)との長年の訴訟において、Ripple側とSEC双方が控訴を取り下げたことで、法的争いが事実上終結しました。この動きは、米国における暗号資産の規制明確化を象徴する一例として、業界関係者から高い評価を受けています。
一方、欧州ではMiCA(暗号資産市場規則)の施行を見据えた制度整備が本格化しています。Geminiによる米国株トークン取引の開始や、オランダBitvavoによるMiCAライセンス取得といった動きは、実運用レベルでの規制適合を進める具体的な事例です。
このように、米国と欧州で並行して進む「法的明確化」と「制度インフラの構築」は、市場参加者の信頼性向上につながるものです。規制の明確化により、企業の参入ハードルが下がり、投資家保護や取引透明性の向上が期待されます。
一方で、価格面では明確な上昇トリガーが乏しい状況が続いており、短期的には様子見ムードが続く可能性もあります。ただし、中期的なファンダメンタル強化の兆しは明確であり、今後のテーマ次第で市場構造が大きく変化する余地も残されています。
本記事には、AIによるデータ収集・分析結果が一部含まれています。数値や市場動向については正確性に十分留意していますが、実際の状況と差異が生じる可能性があります。
また、本記事は投資判断を促すものではなく、市場理解を目的とした情報提供にとどまるものです。最終的な投資判断は、読者ご自身の責任で行ってください。
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